さまよえる象人間さんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

さまよえる象人間

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しんぼる(2009年製作の映画)

2.5

はっきり言って別段目新しくもない脱出ものだが、すごく楽しんで作ってる感じは伝わってくる。
この映画の問題は松本人志本人に演じさせたこと。松ちゃんはリアクションが上手い人じゃないし、何より演出家本人が自
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大日本人(2007年製作の映画)

3.0

大佐藤家は先祖代々怪獣から日本を救うヒーローとして人気を集めていたが、その末裔にはかつての人気もカリスマも無く、周囲の罵声を浴びながら古い民家で一人寂しい生活を余儀なくされていた。そんなある日彼をあざ>>続きを読む

マン・オブ・スティール(2013年製作の映画)

2.0

とにかく色々間違ってる映画で、まずヘンリー・カヴィルとマイケル・シャノンは完全なミスキャスト。特に後者はかつてのテレンス・スタンプにあった気品も貫目もゼロ。マイケル・シャノンは市井の人間の狂気を演じる>>続きを読む

バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生(2016年製作の映画)

1.5

明らかに制作状況に混乱が起きたとしか思えないぐらいに全体的に話の整合性がとれていない。公聴会のあれは何?とか後半何の脈絡もなく登場するスク水姿のねーちゃんは誰?とか、全体的に個々のイメージの積み重ねに>>続きを読む

キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー(2014年製作の映画)

2.9

やはり自分はアベンジャーズが肌に合わないようだ。結局ハリウッドのヒーローものはスパイダーマンとダークナイトで終わってると感じる。
アクションシーンは頑張ってる方だけどCGに頼りすぎなのとカメラをガチャ
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キングコング(1976年製作の映画)

3.0

※パッケージに写ってる戦闘機は本編では活躍しません。

子供の頃に観て特撮の余りの安っぽさにビックリした記憶がある。巨大なコングがどう動くか興味あったのに実際は手足のアップしか映らず、ほとんどは(当時
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キング・コング(1933年製作の映画)

4.5

怪獣映画の金字塔であるが、同時にきわめて暴力的な映画で、今観ても過激なシーンは目を背けたくなってしまうぐらい残酷である。しかしだからこそこの映画の根本的なテーマである「文明と野蛮の出会いと対立」「美し>>続きを読む

キング・コング(2005年製作の映画)

2.2

ジョン・ギラーミン版『キングコング』をはじめて観た時は「まさかこれよりもしょっぱい映画作る奴はいないだろう」と高をくくっていたら、それを遙かに超える『キングコング2』があり、更にはこれである。ギラーミ>>続きを読む

SPACE BATTLESHIP ヤマト(2010年製作の映画)

2.2

傑作『永遠の0』『ALWAYS 三丁目の夕日』と比較すると感じることだが、山崎貴は実はSFとソリが合わないのではなかろうか。ガミラス攻撃後の地球の描き方やヤマト艦内のしょっぱい設備など、予算の問題もあ>>続きを読む

メトロポリス(2001年製作の映画)

3.5

正直『メトロポリス』というタイトルは変えて欲しかった。手塚治虫の名前を使っているのだから多少タイトル変えても興業面で問題なかったろう。
個人的には良い映画だと思うが、映画としてのエモーションに乏しいと
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蟲師(2006年製作の映画)

1.5

大友克洋は本当に本当に偉大な作家であるが、この映画ははっきり言って最悪の部類。
「蟲」の説明がまるで成されておらず(どうして原作で使われたものを利用しなかったのか謎)、最後まで観ても曖昧。これは原作の
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男たちの大和/YAMATO(2005年製作の映画)

3.2

反町がまるっきりGTOそのものだったり、現代パートの(特に前半の)台詞や演出が失笑ものだったりする以外は見応えのある映画。近年の東映大作映画の中では出来が良い部類。松山ケンイチと蒼井優も素晴らしい。>>続きを読む

ダイ・ハード/ラスト・デイ(2012年製作の映画)

2.5

派手なカーチェイスですべてが力尽きたとしか思えないぐらいにそれ以降の展開の適当さが酷い。「ロシア人は車の中に銃を隠し持っているから」という理由だけで武装組織とタメ貼れるほどの銃器を手に入れられるとか、>>続きを読む

ダイ・ハード4.0(2007年製作の映画)

3.4

公開当時は「マクレーンが不死身すぎる」と不評だったが、そうは言っても1の時点で結構「んなアホな」なアクション目立ったけどなぁ。
それはさておき今作は国家の中枢に侵入せんとするハッカー軍団との対決が中心
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インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国(2008年製作の映画)

1.5

シャイア・ラブーフは大作映画のヒーローとしての風格が致命的に足りないので、すっかり身体が動かなくなったハリソン・フォードとのバディが少しも弾けてこない。これまでのシリーズに比べて今回の旧ソ連軍が悪役と>>続きを読む

ガメラ2 レギオン襲来(1996年製作の映画)

3.9

今作を見てるとガメラシリーズの立ち位置は『機動警察パトレイバー』なのだろうな、と感じる。実際問題1作目が正統派のサスペンスに漫画・アニメ的な映像の飛躍を融合させ、2作目で軍事的リアリティの描写に舵を切>>続きを読む

ガメラ 大怪獣空中決戦(1995年製作の映画)

4.0

特撮は今観ると低予算丸出しなのがわかって辛いんだけど、丁寧に織り込まれたドラマと舞台設定は今観ても色褪せていない。

ガメラ3 邪神<イリス>覚醒(1999年製作の映画)

3.0

この際いっておくけど、現実に手塚とおるみたいな奴がいたらその場でリンチされるよ。人がたくさん死んでる傍らで「ふふふーん」とか言ってご高説垂れてる奴なんてありえない。
これに限らずそれまでのシリーズの中
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BALLAD 名もなき恋のうた(2009年製作の映画)

2.0

『クレヨンしんちゃん』の映画版を実写でリメイクして見事沈没した問題作。どんなに子役が頑張ってもこしゃまくれたガキが戦国武将と渡り合うというリアリティのなさを最後までカバーできていないという体たらくであ>>続きを読む

オデッセイ(2015年製作の映画)

4.0

この映画にはロマンはない。エモーションを喚起する演出が成されてるわけでもない。ただただひたすらに火星という惑星を取り巻く環境とプロたちの戦いだけが描かれていく。だから当然観る人を選ぶハズなんだけどなぜ>>続きを読む

RED SHADOW 赤影(2001年製作の映画)

1.9

麻生久美子の可愛さと津川と竹中のやり取りだけが救いの映画。当時劇場で観て殺意をため込んで帰って行った他の観客の姿が強烈であった。
「不殺を旨とする忍者軍団」という設定はさして問題ではないし、挿入される
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火垂るの墓(1988年製作の映画)

4.5

戦争なんかただの一度も描き切れていないキモオタ作家でしかない宮崎駿がこの映画での海軍の息子の扱いを批判したそうだが、この映画においてそういう考証の問題など実は大した問題ではないことをまるで理解してない>>続きを読む

千年の恋 ひかる源氏物語(2001年製作の映画)

1.0

東映史上最低最悪の逸品。これを観た後だと『デビルマン』が『スパイダーマン』に見えるぞ。ベテランが大予算をバックに揃いも揃ってクズ仕事をやらかして古典を汚した罪は重いといわざるを得ない。
「男たちに翻弄
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バットマン フォーエヴァー(1995年製作の映画)

3.5

ティム・バートンの暴走からかつてのエンタメ路線への回帰は原恵一降板以降の『クレヨンしんちゃん』を彷彿とさせるものだが、今作に関して言えば概ね成功している。コンビ結成の過程やバットマンのトラウマにかかわ>>続きを読む

バットマン&ロビン/Mr.フリーズの逆襲(1997年製作の映画)

2.0

シュワちゃん久々の悪役ということで話題になった映画だが、前作『バットマン・フォーエバー』の成功で監督の好き勝手が許されたせいか、あるいはシビアな制作状況(出演者自身が「撮影期間が短かった」とこぼすぐら>>続きを読む

ブッシュ(2008年製作の映画)

3.2

ボンクラ大学生時代からイラク戦略の挫折に至るブッシュJr.の半生を描いた映画だが、そこには(多くの人が期待するような)鋭い切り口に乏しいので、消化不良を起こす人も多いかもしれない。もしかしたら監督であ>>続きを読む

ノーカントリー(2007年製作の映画)

3.9

荒涼たる南部の風景とハビエル・バルデムのねっとりとした風貌のコントラストが実に良い。これに完璧なまでに練り込まれた画面設計と一切劇伴を廃した静寂の緊張感が加わり、映画全体を引き締めている。
なのでこれ
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時をかける少女(2006年製作の映画)

3.9

「瑞々しい」という言葉がピッタリはまる青春映画。ただ挿入されるギャグがことごとく寒いし、真琴の健康的というには余りのガサツさにも違和感。いじめられっ子の扱いも作品から浮いていて酷い。この手の映画に一方>>続きを読む

サマーウォーズ(2009年製作の映画)

4.8

映画界のシーンを大きく変える映画というのはなかなか登場しない。最近で言えば『ロード・オブ・ザ・リング』がそれに当たると思うが、今作も間違いなくその一端に置かれるであろう名作。「レトロとデジタルの融合」>>続きを読む

おおかみこどもの雨と雪(2012年製作の映画)

4.0

監督のショタコン魂がオーバーヒートした力作・傑作。フィックス大胆に駆使した省略法やデジタルの活用に目を見張る。細部の描き方も見事。

永遠の0(2013年製作の映画)

4.2

『BALLAD』のアレな出来で「もう(アカン)」と危惧してた山崎貴が放った大ホームラン。これ一作で山崎貴は次代の国民作家へと成長を遂げたと言っても過言ではない。特撮と人物配置のバランスも良く、いつもの>>続きを読む

バケモノの子(2015年製作の映画)

4.0

父親になることの戸惑いと子供の成長がポップに語られてて非常に好感が持てる。この人は基本的に作風が暗いんだけど、今作に限って言えば見違えるほどに明るい映画になってる。ある意味『オマツリ男爵と秘密の島』に>>続きを読む

漂流教室(1987年製作の映画)

2.0

内容のお粗末さもさることながら『デビルマン』レベルの原作改変が施されているので、これが現代に公開されてたら『デビルマン』並の酷評に加えて、大林宣彦もキャリアを叩き潰されていた可能性が高い(逆に言えば『>>続きを読む

サイボーグでも大丈夫(2006年製作の映画)

3.0

「精神病の世界とファンタジーの融合」は着想としては面白く前半こそ楽しく観れたけど、後半に至ってどんどん話のヴォルテージが下がっていく。

渇き(2009年製作の映画)

2.9

見所は実力派シン・ハギュンの怪演とソン・ガンホのティンポコだけ。この監督の迷走止まらず。

岸辺の旅(2015年製作の映画)

4.0

愛の終着を描いた映画であるが、そこにはありがちな愁嘆場や泣きの台詞が介在していない(がゆえに、無理矢理に場面を盛り上げようとする劇伴だけが浮いてる)。黒沢清は役者に演技を付けない人で、それがある映画で>>続きを読む