さまよえる象人間さんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

さまよえる象人間

さまよえる象人間

映画(158)
ドラマ(0)
アニメ(0)

メアリと魔女の花(2017年製作の映画)

3.5

背景美術とアヴァン・タイトル&クライマックスの作画は本当にスゴい。特に背景は最近の流行に真っ向から反旗を翻している感じで却って応援したくなる。ただ肝心の内容は…。
まず、いくら何でも壁の写真に目をやっ
>>続きを読む

アウトレイジ ビヨンド(2012年製作の映画)

3.5

とにかく西田敏行のインパクトがスゴい。気の良いおじさんというイメージがあるが、個人的には『太陽を盗んだ男』での借金取りのイメージの方が強いのでその頃のインパクトを思い出させてくれる。
話的には文字通り
>>続きを読む

アウトレイジ(2010年製作の映画)

3.8

全盛期のキレッキレのカメラワークと編集が復活した一方、演出よりも役者の力でテンションが保たれてるのもまた事実なので複雑な心境ではある。少なくとも初期の「何が起きるか見当が付かない」緊張感に及んでいない>>続きを読む

オクジャ okja(2017年製作の映画)

1.9

少女の身体能力の異様な高さに却って失笑したのはさておき、いくらなんでも面白かった部分がすべて宮崎アニメのパクリだったりハリウッドのパクリだったりするのはまずかろうよ。あとこれ豚じゃないでしょ。こうもあ>>続きを読む

GODZILLA ゴジラ(2014年製作の映画)

3.5

人命が軽すぎる点やゴジラを悪として描きたいのか否かが不明である点等不満も多いが、あの碌でもないエメリッヒ版ゴジラの尻ぬぐい&罪滅ぼしという役目を無事に果たしたという功績は大きい。ゴジラの雄叫びには涙が>>続きを読む

キングコング:髑髏島の巨神(2017年製作の映画)

1.9

困った。本当に困った。キングコングってこんな幼稚な存在だったっけ?
キングコング映画はそれなりに見てきたつもりではある(ただし亜流作品は快作『北京原人の逆襲』しか観ていない)。少なくとも初代やギラーミ
>>続きを読む

LOGAN ローガン(2017年製作の映画)

1.5

j.マンゴールドは実直な職人だとは思うが、どんなに頑張ってもこしゃまっくれたガキが爪を立てて大人をなぎ倒す時点で「真面目に観たらダメ」な映画にしかならない、という現実を認めるべきだった。とにかく全編登>>続きを読む

無限の住人(2017年製作の映画)

2.8

ものすごく中途半端な映画。
この映画の脚色のダメさは、長大でありなおかつ難解な道筋を辿った原作をその結末まで無理矢理再現しようとした点にある。もしあなたが「『グラップラー刃牙』から『範馬刃牙』まで一気
>>続きを読む

ムーンライト(2016年製作の映画)

2.5

「アカデミー賞も一時期のカンヌ並に落ちぶれてしまったんだなぁ。まさかミラマックスがウザかった時代がまだマシに見えるとは…」という感想しか出てこない凡作。光の使い方には目を見張るがそれ以外は特別新しいこ>>続きを読む

インナー・ワーキング(2016年製作の映画)

3.5

この短編は結果的に『インサイド・ヘッド』が全く無意味な代物であったということを暴露する結果に陥っている。なにしろあの映画ではさっぱり判りづらい舞台設定がこの短編だと明確な形で物語的に機能していて、なお>>続きを読む

モアナと伝説の海(2016年製作の映画)

3.1

島の長(おさ)の後継者である少女・モアナは呪いに襲われた島民を救うため神マウイを探す度に出かける。

可もなく不可もなし。Twitter上では「宣伝とは大違いの冒険活劇」などと評されてるが、実際のブツ
>>続きを読む

オールド・ボーイ(2003年製作の映画)

2.4

当時カンヌ国際映画祭において『イノセンス』を差し置いてこれが賞を獲ったことに納得がいかず「どれほどの映画なのか」と興味を持って劇場に足を運んだが、結局最後まで我慢してみても何がすごいのかさっぱりわから>>続きを読む

スーサイド・スクワッド(2016年製作の映画)

1.0

総論:『デビルマン』以下。

なんか顔に入れ墨したなんか手から火が出るにーちゃんが、小梅太夫みたいな頭をしたなんか強そうなにーちゃんと戦ってるシーンは台詞回しから展開に至るまでプロが書いたとは思えない
>>続きを読む

新感染 ファイナル・エクスプレス(2016年製作の映画)

1.0

(結局鑑賞したので全面改定)
ポップコーン映画としては正しいだろうが、これをゾンビ映画の代表作という扱いで語るのは少なくともジョージ・A.ロメロとダン・オバノン(二人とも故人だよ畜生)に対する侮辱以外
>>続きを読む

模倣犯(2002年製作の映画)

1.0

9.11とアフガン侵攻のさなかにあった当時の劇場で観たが、地球儀が回転するOPでNYとアフガンの地図が爆発する安いアニメーションを挿入する無神経さに呆れかえってしまった(もっともこのシーンはその後の悪>>続きを読む

ゴーストバスターズ(1984年製作の映画)

4.0

ダン・エイクロイドがこの映画の脚本を手がけたとき、彼の中にはこれが『ブルース・ブラザーズ』の後継作であるという意識が多少なりともあったのではと感じるのだが、それというのもピーター・ベンクマンは元々ジョ>>続きを読む

ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー(2016年製作の映画)

1.0

ハッキリ言って商品として成立する以前のレベル。劇場で金を払って観るような類いのものではない。興味のある人がレンタルで最後の数十分まで早送りしてチェックする程度でいい。特に最初の1時間は株主から糾弾され>>続きを読む

ダークナイト(2008年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

同じDCヒーローでもスーパーマンがリチャード・ドナーの手を離れた瞬間へらちょんぺになっていったのに対し、バットマンは節目節目で優れた映画が出てくるようだ。それには色々理由もあるだろうが映画としてはこっ>>続きを読む

ショーガール(1995年製作の映画)

1.5

苦境に陥っていたカロルコ(『ターミネーター2』『氷の微笑』)が起死回生とばかりにぶち上げた最低映画の極北。この映画の失敗が引き金の一つとなってカロルコは破綻した。
とにかく徹底して突き抜けた映画という
>>続きを読む

この世界の片隅に(2016年製作の映画)

4.0

非常に挑戦的な映画で、これが凡百の映画監督だったら間違いなく説明台詞だらけの頭でっかちな映画になってたろう。その点片渕監督はこれまで培ってきた演出のノウハウを惜しみなく投じ、アニメーションの快楽を持ち>>続きを読む

ゴーストバスターズ(2016年製作の映画)

1.0

はじめに言っておくが、この映画は初代『ゴーストバスターズ』(1984年版)に対する明確な侮辱以外の何ものでもない。ひとつは84年版のリブートを自称していながら、オリジナルのロゴはおろか服のデザイン、キ>>続きを読む

シン・ゴジラ(2016年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

とにかく石原さとみが苦痛以外の何ものでもなく、英語混じりの巻き舌イントネーションで台詞言う度に「わかったから黙っててくれ」と心の中で念じながら観ていたほどである。いい加減こんなステロタイプな外国人設定>>続きを読む

ファインディング・ドリー(2016年製作の映画)

2.9

つまらん。どんなに頑張ってもドリーじゃ場が持たないからか周囲のサブキャラが右往左往するだけの話で終わってる。お話はとにかくお粗末の一言で、前作でドリーのバディとして機能していたはずのマーリンがドリーを>>続きを読む

おもひでぽろぽろ(1991年製作の映画)

3.9

まず言いたいことは、ジブリ絵にほうれい線は合わない。大塚伸冶による有名なサツキ号泣もそうだけど、ジブリ絵では顔に線を入れると全く絵のタッチが変わってしまう。これはアニメーターの技量以前の問題でそもそも>>続きを読む

星を追う子ども(2011年製作の映画)

2.3

俺が出資者だったらこんな映画観た瞬間監督および制作者(音楽担当の人はセーフ)に思いっきり尻バットやってる。
時代背景がわかりづらいし、何より異世界と現実世界との転換が、何の前振りも伏線もないままあれよ
>>続きを読む

シャイニング(1980年製作の映画)

3.4

意味ありげな解釈がやたら盛り上がる本作であるが、はっきり言ってやってることは単なる「顔芸大会」でしかないので深読みなんて時間の無駄。そもそも『バリー・リンドン』の失敗で商業性に舵を切らざるを得なかった>>続きを読む

平成狸合戦ぽんぽこ(1994年製作の映画)

4.0

饒舌なナレーションをどう見るかは人それぞれではあるが、講談調の語りはジブリ絵に合っていない。高畑勲の不幸はジブリ絵で映画を作らなければならなかったことに尽きると思うが、とりわけ今作もそこら辺が思いっき>>続きを読む

地獄の黙示録・特別完全版(2001年製作の映画)

1.0

映画史上もっとも過大評価されている映画の一つ。ロケット花火丸出しな曳光弾の間抜け振りはとにかく失笑もの。
『ジャーヘッド』で若き兵士たちがキルゴア少佐による強襲シーンに拍手喝采するのを見て「異常だ」と
>>続きを読む

デッドプール(2016年製作の映画)

2.9

とりあえず結論から言うと、「『HK 変態仮面』はいいぞ」

作品の立ち位置的には『オースティン・パワーズ』が一番近いのではないかと思う。実際問題として既存ジャンルのパロディあるいは自己言及でありながら
>>続きを読む

ガルム・ウォーズ(2014年製作の映画)

3.4

90年代に華々しく立ち上げられたは良いがすぐにフェードアウトした「デジタル・エンジン構想」の成れの果てとも言えるこの映画。明らかに予算等でコンテがブツ切りにされたと思われるシーンが散見され、それはそれ>>続きを読む

シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016年製作の映画)

3.0

ポップコーン・ムービーとしては楽しめる。特にスパイダーマンとアントマンの対決には心底痺れた。だが肝心の「ヒーロー内戦」は怖ろしいまでに湿り気が強く今ひとつノレない。それは劇中キャップが危惧する国連の管>>続きを読む

座頭市 THE LAST(2010年製作の映画)

1.0

劇中、高岡奏輔が父親役の仲代達矢に「ねぇ、これいつ終わるの?」と子供のような声で尋ねるんだけど、嬉しいねぇ!劇場で観てて俺も同じこと尋ねたかったよ!
阪本順治という人はとにかく不幸な監督で、メジャーで
>>続きを読む

テラフォーマーズ(2016年製作の映画)

3.0

人類移住計画の一環として500年前火星に送られた大量のゴキブリは長い年月を掛けて人間型の生物に進化していた。ゴキブリの進化を既に察知していた政府は火星に派遣されるクルーたちに彼らと対決するための手術を>>続きを読む

アイアムアヒーロー(2015年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

原作は未読。
設定的には多少手垢がついたゾンビものだが、そこには作り手の薄ら笑いは微塵も感じられない。ZQN=ゾンビ大量発生シーンは事態が飲み込めない街の人がZQNに為す術もなく襲われていく光景を見事
>>続きを読む

R100(2013年製作の映画)

2.0

これが松ちゃんのキャリアにおいて最後の作品となるであろうことは容易に想像がつく。語られるギャグも内容も本人の総決算と成っているからだ。ただ残念ながらギャグは不発だし、オチもやたら説明的な台詞が並べられ>>続きを読む

さや侍(2011年製作の映画)

2.0

とにかく野見さんの歯並びの酷さは許しがたいレベルで、そんな人間のどアップを映したことに対して監督を徹底的に糾弾したい気分だ。映画は深夜番組じゃないぞ。
そもそもこの映画は素人ではなくちゃんとした時代劇
>>続きを読む