フリーアズアバードさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

フリーアズアバード

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プリデスティネーション(2014年製作の映画)

3.4

イーサンホーク好き、SF好きな自分にとっては申し分ない作品。SFとは言うものの、そのほとんどがヒューマンドラマ、しかも儚さが溢れていて、SF好きでなくても楽しめます。ネタバレ厳禁な作品なので内容には触>>続きを読む

コンテイジョン(2011年製作の映画)

3.8

パンデミックを題材にした作品ながら、恐ろしいのはウィールス以上に人間の本質、本性だと思わせる。ドラマチックな抑揚は無く、淡々と人が死んでいく様や派手なBGMも無く街が崩壊していく様が逆に強い恐怖を感じ>>続きを読む

カメラを止めるな!(2017年製作の映画)

3.5

全く前情報ナシで観始めて「よくある低予算ゾンビ映画と何が違う?」と思い、途中で観るのをやめてましたが、一応最後までと思い再開。ヤラれました…2段構成…でなく2回目のエンドクレジットからの3段構成…しか>>続きを読む

バリー・シール/アメリカをはめた男(2016年製作の映画)

3.6

実話なのに何ともポップでテンポ良く楽しく観せてくれるのは監督の脚本力でしょうか。ブツ切りやアニメーションを絡めての編集もカッコよく纏まってます。CIAの仕事をしながらにして州警察 FBI DEA 更に>>続きを読む

誰もがそれを知っている(2018年製作の映画)

3.8

サスペンス色が強く見やすい仕立てながら、ファルバーディー作品らしくジリジリと"それぞれの正義"によって対立する人間模様を描いてます。そしてカメラアングルの良さや結論付け過ぎないラストなど、やはりこの作>>続きを読む

アド・アストラ(2019年製作の映画)

3.3

全編通して主人公の内面を軸に進む展開が地味…というより暗いので、SF作品としての抑揚感みたいなモノを勝手に期待していたが為に物足りなさを感じてしまいました。舞台こそ宇宙ですが、ドラマとして観ればもっと>>続きを読む

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

4.0

映画オタク、タランティーノ監督らしい細部まで拘った映像、音楽、セット、小道具…69'のハリウッドをその背景となっている社会情勢までパーフェクトに表現。長回し、他では無い構図、畳み掛けるセリフ…カッコよ>>続きを読む

ファースト・マン(2018年製作の映画)

3.5

イメージしていた作品とは大きく違っていました。アポロ計画を題材にしながらも、主眼はニールアームストロングの人となりで、娘の死や同僚の死を経て彼の人生にどんな変化が起こったのか。まるでドキュメンタリーを>>続きを読む

マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)

3.8

互いの長所、好きな所を読み上げる冒頭のシーンとラストの…との絡み、対比がイイです。活字にすると同じ内容を、その表現の仕方を変える事で違った意味を持たせる…グッとくるし、"結婚の難しさ"を深く伝えている>>続きを読む

The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ(2017年製作の映画)

3.8

ソフィアコッポラらしい淡い印象の映像、ソフトな空気感と話の展開の重さのコントラストが絶妙。"特殊な環境"に置かれた"女"達の心の変化の見せ方も上手い。キャストの美しさも加えて好印象。

来る(2018年製作の映画)

3.0

構成や映像は相変わらず好みの中島ワールドでしたが、もう少し"何故?"の部分が欲しかった。よって現実離れし過ぎて、途中で入り込めなくなってしまいました。キャストは最高でしたけどね。

七つの会議(2018年製作の映画)

3.2

期待し過ぎた故にイマイチ感が。大好きな野村萬斎の演技がチトやり過ぎたかな…何だか舞台を観てる気分になってしまいました。

ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)

3.5

70年代の人種差別を描いた映画なのに、ラストに流れるのは現在のドキュメント映像。これが全てを語ってました、すなわち「今でも何も変わってないんだ」と。スパイクリーはその構成、編集力を発揮した娯楽性と問題>>続きを読む

キング・オブ・コメディ(1983年製作の映画)

3.8

JOKERを観た後に改めて鑑賞してみた。
本作がヒントになったとしても、表現している事は全く別だし、観ていて湧き上がる感情も異なる作品。"狂気"を描いているけれども漂う空気に緊迫感は無く、滑稽でしかな
>>続きを読む

ジョーカー(2019年製作の映画)

4.4

全編通じて悲しみの感情しか無かった。差し込まれるジョークに笑う気にもなれず、驚きも、怒りも、喜びも、恐怖すら感じなかった。名曲ホワイトルームが流れた時には一種の爽快感の様なモノを感じ、完全にアーサーの>>続きを読む

女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

4.0

ランティモス監督の変態度合いは抑えられている分、エンタテイメント性が解放された感があります。史実との違いはあるとて、ランティモス監督が実在の人物を描くところが既に魅力的過ぎるのと、とにかくセット、衣装>>続きを読む

シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

3.4

発話障害の主人公と黒人、同性愛者…そして人間では無い「彼」を"分け隔てなく同じ存在"として受け入れる大切さを、重くならず、テンポいい展開で上手く描いてます。そして更に映像も美しい。んーすんなり観れまし>>続きを読む

2重螺旋の恋人(2017年製作の映画)

3.5

何が現実で何が虚構なのか分からなくなる系。ですが"そんなバカな"にはならずに最後まで楽しめました。そして結局の解釈は観る側に委ねる…この監督の好きなパターンなのでしょうか。ところで冒頭のシーンや螺旋階>>続きを読む

運び屋(2018年製作の映画)

3.5

88歳という年齢で監督、主演…凄い。ド派手なアクションがある訳ではないのに、煽られるドキドキ感、ドラマティックな演出は無いのにジンワリと胸に刺さる言葉。全てが渋いです。

でーれーガールズ(2015年製作の映画)

3.5

でーれーいい話。原作者原田マハが思春期を過ごした岡山市を舞台に、大九明子監督の構成、構図、展開の良さで楽しみながら気が付いたら泣いていたって、何とも爽やかな気持ちになれる1本です。

君の名は。(2016年製作の映画)

3.8

新海作品中の"好き度"は他の方が勝るものの、本作は何度観ても無意識に涙が滲む。コミカルとシリアス、細部までリアルな日常の環境である東京と幻想的に描かれる飛騨のコントラスト、新開作品に脈々と継がれる「伝>>続きを読む

レザボア・ドッグス(1992年製作の映画)

3.8

低予算、シンプルな作りながら余計なモノを削ぎ落としたタランティーノ作品の真骨頂とも言える作品。とにかくムダがなくて心地よい。

イングロリアス・バスターズ(2009年製作の映画)

3.8

タランティーノ作品の中では"無理矢理感"や"強引さ"が無くて好き。5つの章に分けて進行する展開やテンポの良さはいつも通り心地よく、加えてキャストの演技、特にクリストフ ヴァルツは秀逸。(個人的にはメラ>>続きを読む

フルメタル・ジャケット(1987年製作の映画)

3.7

公開当時はベトナム戦争を扱った映画が流行っていた。そんな中、個人的にはダントツで心に残った作品。その後 よりショッキングな戦争映画が幾つも作られ、今でこそ衝撃は少ないかもですが、一度は普通の大人に育て>>続きを読む

隠された記憶(2005年製作の映画)

4.0

ハネケ作品の中では設定が"普通"で見やすいです…がそこはハネケ監督、冒頭からカメラワークや1カットの"間"の取り方など、思わず唸ってしまう仕掛けがワンサカ。加えて驚きのラストシーンも含めて展開もハラハ>>続きを読む

シングルマン(2009年製作の映画)

3.4

「ノクターナル…」を観て"映画監督"トムフォードの他作品が観たいという動機で鑑賞。シマッタ…苦手な同性愛がテーマ。しかしながら、やはりトムフォードワールド、映像に限らず全てが美しい。そしてコリンファー>>続きを読む

ほしのこえ(2002年製作の映画)

3.4

1台のPCで自主制作されたと後で知り、驚愕…。でもそれ以上に儚な過ぎるストーリーや、遠く離れて全く違う環境に置かれた2人によって読み上げられ、やがて重なる台詞にヤラれました。そして 黒板に書かれた日直>>続きを読む

ノクターナル・アニマルズ(2016年製作の映画)

3.9

途中で小説の主人公、トニーは誰の比喩なのかわからなくなり、そして最後まで確信が持てないまま終わる…と完全に翻弄されました。加えて現実世界と小説の中の出来事を繋ぐ映像や冒頭から伏線と絡めて随所に散りばめ>>続きを読む

万引き家族(2018年製作の映画)

3.7

全編何ひとつ爽快感は無いんですけどね、観終わった後の気持ちは心地よい。登場人物それぞれが人として"こうはなりたく無い"と思わせておきながら「家族」という視点で考えると、それぞれが素晴らしい人達に思えて>>続きを読む

パターソン(2016年製作の映画)

3.5

心地いい、実に心地いいです、優しい気持ちになれます。ジャームッシュ節で綴られる詩的な映像、テンポ、ユーモア…劇的な事は何一つ起こらないのに 退屈な気持ちにならないがマジックです。そしてミステリートレイ>>続きを読む

天気の子(2019年製作の映画)

3.6

秒速…、言の葉…、君の名は…と涙腺崩壊し続けてるので、今回も覚悟して鑑賞したのですが、そっちでは無かったです。むしろ 元気を貰うというか、穏やかで爽やかな気持ちになれる、そんな作品でした。50を過ぎた>>続きを読む

RAW〜少女のめざめ〜(2016年製作の映画)

3.5

うむむ…凄い。何が凄いって この監督、カニバリズムを題材にしながらも、観てる側にグロさを主に持って来させないところでしょうか。冒頭からの日常感の中での衝撃、全編の画角や色の使い方、主人公がシーツに包ま>>続きを読む

パルプ・フィクション(1994年製作の映画)

4.0

当時初めてタランティーノ作品を鑑賞。以来レザボア…から全作観るくらい、どハマりしました。本作は20代〜50代と10年おきに見返してますが、古さを感じないしカッコいい、こんな作品数少ないです。初鑑賞当時>>続きを読む

勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)

3.9

タイトルのインパクトと松岡茉優が好きという薄い動機で観た事を反省しました。大九監督って凄いですね。映画の仕立て方や映像のカッコ良さを"どうだ〜"って主張する事なくサラリとやりつつ、伝えたい事が自然と伝>>続きを読む

ハウス・ジャック・ビルト(2018年製作の映画)

3.6

6年ぶりのトリアー作品というのと、前評判に期待し過ぎてしまったパターン。序盤は比較的"一般的な"展開手法で進むものだから、トリアー監督も鬱3部作を経て、新しい仕立てで攻めてきた!この後どうなる?と期待>>続きを読む

マンダレイ(2005年製作の映画)

3.5

同じ手法で描かれている続編という点でどうしてもドッグヴィルと比較してしまい、衝撃度は少ない。但し終盤の展開は巧妙なのは、さすが トリアー監督。