Wisteriaさんの映画レビュー・感想・評価

Wisteria

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クォ・ヴァディス(1951年製作の映画)

4.0

デボラ・カー目当てで鑑賞したようなものだが、160分を超える長尺にもかかわらず一気に観てしまった。
ポーランドのノーベル賞作家シェンキェヴィチの原作(1896年発刊!)が素晴らしいとも言えるが、特に強
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マレーナ(2000年製作の映画)

4.3

イタリアの宝石とその美しさが讃えられるモニカベルッチの代表作。
監督ジョゼッぺ・トルナトーレ、音楽がエンニオ・モリコーネと、名作ニューシネマパラダイスのゴールデンコンビで、ロケーションも同じシチリアの
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青空娘(1957年製作の映画)

4.2

若尾文子ことあやや好きを自認するのに、何故かこれまで観てこなかった作品だったのだが、あー!もっと早く観るべきだった〜
だって、あややの魅力全開なんだもん…

ストーリーは、愛人に産ませた娘(あやや演じ
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歌行燈(1960年製作の映画)

4.1

市川雷蔵主演での泉鏡花原作の映画化を鑑賞するのは、婦系図に続き2本目。
お袖役に山本富士子を配し、二人のシーンのなんと幻想的で美しいこと❗️泉鏡花の耽美的な世界を映像化する上で、市川雷蔵と山本富士子と
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浮かれ三度笠(1959年製作の映画)

3.8

市川雷蔵主演の濡れ髪シリーズ5作品の第3作で、濡れ髪牡丹と並んで特にお気に入りの作品。
この頃の大映はいい作品が多い。こういう大人が安心して楽しめるコメディ時代劇って、今はなかなか無いからね。
しかし
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婦系図(おんなけいず)(1962年製作の映画)

4.5

夜霧に煙る湯島天神の境内を舞台に、惚れた柳橋の芸者お蔦に別れを切り出す早瀬。追いすがるお蔦の言葉「別れろ、切れろは芸者の時に言う言葉。今の私には死ねと仰って」はあまりに有名だが、実はこの場面、泉鏡花の>>続きを読む

湖の琴(1966年製作の映画)

4.6

佐久間良子を観るための作品。
とにかく綺麗、奇跡的なほど綺麗だ。

水上勉原作の映画と佐久間良子の組み合わせはある意味最強。五番町夕霧楼も越後つついし親不知も良かったけど、一番好きなのは本作だ。何しろ
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女は二度生まれる(1961年製作の映画)

4.2

監督の川島雄三は、若尾文子さんを使っていくつもの傑作を残したが、本当に彼女の多彩な魅力を引き出すのに長けている。本作はその中で一番好きかも。
売春禁止法が施行されて間もない頃の神楽坂花街の風俗が垣間見
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約束(1972年製作の映画)

4.1

ショーケンこと萩原健一にとって21歳での長編映画デビュー作。それ以上に、当時39歳の岸恵子には惹かれる。
岸恵子演じる松宮螢子の台詞は極端に少ない。言葉少なな彼女は、いかにもワケありの女という風情なの
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天城越え(1983年製作の映画)

4.0

本作の田中裕子は、ファンならずとも必見だ。当時27歳くらいだと思うが、成熟した女性のあだっぽさに、少女のようなあどけなさが加わって、ハナという登場人物をより一層魅力的にしている。

松本清張の原作は、
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曽根崎心中(1978年製作の映画)

3.5

増村保造監督による唯一の近松心中物。しかも、お初を梶芽衣子が演じている。この2点だけでも観る価値がある。
が、なんだか入っていけない。なぜだろう?
例えば、主役2人のセリフまわしだが、妙に力が入り過ぎ
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刺青(1966年製作の映画)

4.0

谷崎潤一郎の初期の短編小説2編、刺青とお艶殺しをモチーフに、新藤兼人がうまく脚色している。主人公 お艶を演じた若尾文子さんを存分に堪能できるファン必見の作品だ。
監督の増村保造は、婀娜っぽくて、鉄火肌
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魔の刻(とき)(1985年製作の映画)

3.8

この作品、岩下志麻さんが、エキセントリックな役をやりたいと持ち込んだ企画なんだそうだが、かなりぶっ飛んでます!
だって、実の息子とできちゃう母親の役なんですからね。しかも、この母親、旦那と別れ、家出し
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はなれ瞽女おりん(1977年製作の映画)

5.0

篠田監督は、岩下志麻さんを主役に数多くの魅力的な映画を撮ってきたが、これはその中でも最高傑作だろう。
岩下志麻さんが演じるおりんの生き様が胸に迫り、観終わった後もしばらくその余韻に浸って呆然自失とさせ
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心中天網島(1969年製作の映画)

4.8

近松門左衛門の世話物を題材とする映画作品は数あれど、篠田正浩監督、富岡多恵子脚本、岩下志麻主演による本作は白眉に違いない。
その実験的な演出に、武満徹のプリミティブかつアバンギャルドな音楽が見事にマッ
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雪国(1965年製作の映画)

4.5

不覚にも駒子を演じた岩下志麻さんの「おんな」の魅力に完全にやられました。
しかも、この作品、川端康成の原作を損なうことなく見事に映画化している。その最大の功労者こそ岩下志麻さんだろう。
駒子の哀しみに
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めぐり逢い(1957年製作の映画)

4.5

恋愛映画の古典的名作。
1957年の公開で、まさにハリウッド黄金時代を代表する作品のひとつ。
マッケリー監督自身による1939年製作の映画「邂逅」のリメイク版となる作品だが、この57年版もまた、199
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天井桟敷の人々(1945年製作の映画)

4.5

本作に対する高評価には2つの側面がある。内容の素晴らしさは勿論だが、これ程の作品が、ナチ占領下のフランス国内で3年超もの歳月と多額の資金を投入して作られたことに驚きと感銘を覚えるのだ。
当時はナチス当
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(1954年製作の映画)

4.8

フェリーニの代表作。
野卑で粗暴な男ザンパノに対して、見返りを求めない愛を惜しみなく注ぐ純真無垢なジェルソミーナ。そんな彼女をザンパノは裏切り捨てて省みようともしない。
ジェルソミーナは、新訳聖書の言
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砂の器(1974年製作の映画)

4.7

この作品の底流には、新訳聖書の時代から続く、謂れなき差別と迫害の悲劇がある。そう言えば、ハリウッド映画の金字塔「ベンハー」でも、この悲劇と救いが描かれていた。
この「砂の器」という映画作品が、時代を超
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ひまわり(1970年製作の映画)

4.6

カルロ・ポンティがプロデュースし、デ・シーカが監督、主演はローレンとマストロヤンニのゴールデンコンビ!とくれば、軽妙洒脱なコメディかと思いきや、涙腺決壊必至の悲劇とは…
前半のくだり、アフリカ戦線行き
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ブリキの太鼓(1979年製作の映画)

4.5

ノーベル賞作家ギュンター・グラスの処女作にして代表作を映像化するという難しい仕事を、シュレンドルフ監督は見事にやり遂げた。
独特な滑稽さを宿しつつ、登場人物それぞれのセクシュアリティを生々しく浮き上が
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ブレイブハート(1995年製作の映画)

4.5

メル・ギブソン渾身の胸熱な作品だ。
1960年公開の名作スパルタカスに対する熱烈なオマージュを感じるが、むしろメル・ギブソンはこの作品でキューブリックやカーク・ダグラスを超えたように思う。

ニュー・シネマ・パラダイス(1989年製作の映画)

4.8

この作品は僕の宝物。何度も繰り返し観てきたし、これからも折にふれて観ることだろう。
高い評価の多くは123分の劇場公開版を対象にしていると思うが、173分版の完全版も実は捨てがたい。むしろ、自分は完全
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ラブ・ランチ 欲望のナイトクラブ(2010年製作の映画)

4.0

男女関係の機微を知る大人向けの、なんとも粋な映画。
ジーナ・ガーションが娼婦の一人として出演してるのに惹かれて、さほど期待もせずに観たようなものですが、これが大当たりでした。
とにかく、主役のヘレン・
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切腹(1962年製作の映画)

4.7

これこそ日本映画の傑作だろう。
これほどずっしりこたえる余韻を与える作品はそうあるものではない。

ある日どこかで(1980年製作の映画)

4.5

さほど期待もせずに観たのが、思わぬほどハマってしまった作品。
配給会社の方で、どうせヒットしないだろうからと、当初予算を半減させたというから、まったくもってひどい扱いを克服して制作されたわけだが、それ
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昨日・今日・明日(1963年製作の映画)

4.5

この時期のローレン、マストロヤンニのコンビは最高。カルロ・ポンティによるプロデュースで、監督がデ・シーカですもの。言うこと無いよ。イタリアらしさを確認したくて、つい繰り返し観たくなる作品です。

しなの川(1973年製作の映画)

3.5

若い頃の由美かおるのコケティッシュな魅力が堪能できる作品。
70年代の劇画が原作だが、物語の展開の仕方が今ひとつなのが残念。監督、脚本とも一流を充ててる割に、内容が無いのは原作のせいなんでしょうね。
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暮れ逢い(2013年製作の映画)

3.8

ルコントの作品はどれも実にフェティッシュな要素が散りばめられていて、そこが魅力的だが、本作の趣が、仕立屋や髪結いと異なるように感じるのは、ゲルマン的な禁欲主義が残るドイツ・プロイセン帝国時代が舞台だか>>続きを読む

パッション(2004年製作の映画)

4.0

イエスの受難を徹底したリアリズムで再現した作品。当時、イエスも話しただろうアラム語が聞けるのは貴重だろう。