1950年代初頭、ベトナム戦争前のベトナムの美しく平和な暮らしの備忘録。
とにかく全てのカットが美しい。西洋の眼差しで切り取られたベトナム。
生々しいシーンは一切ないが、パパイアの果汁の描写から始まる>>続きを読む
1940年代に実際に日本によって行われていた朝鮮での文化浄化(cultural cleansing)に抗った人々の映画。
改めて、植民地支配とは何か知るのにとてもよかった。映画は実話を元にしたものだけ>>続きを読む
サウンドスケープが鑑賞者に与える不穏さが、この映画のメインだろう。
物語はアウシュビッツのトップであるヘス氏とその妻を中心に描かれる。美しい家族と家の外には塀が広がり、そこから漏れる、音、煙、骨、遺品>>続きを読む
今や有名ファッションブランドのPRフォトグラフィにも御用達となったナンゴールディンだが、先日ベルリンの美術展でパレスチナ問題についてドイツの責任を批判したスピーチをしたことが報じられ、
詳しく知りたく>>続きを読む
光州事件に直接は触れず、それに関わった男性のその後の人生がオムニバス的に描かれ、一本の物語として構成している。
花を愛で、初恋に心を弾ませた青年が家庭内暴力や貧困、会社や組織における強権的な態度を引き>>続きを読む
思想が強い、という前評判を聞いたけど、そもそも既存の青春映画の方が画一的でとても保守的な思想に基づいていると考えている自分にとっては、新しい青春映画のベーシックをプレゼンテーションしたものに見えた。設>>続きを読む
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男女関係なく人を魅了する現代のファムファタール像だった。奔放で、男なんてどうでもいい、刹那的な生き方はクラシックなものと通づるところがあるが、加えて、自分自身にすら興味がない(セルフケアができないこと>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
LQBTQを扱った映画をシスヘテロであるわたしがコメントするのはいつも難しく感じるが、書く。
この物語では主人公であるコウスケとその恋人のリョータが同じゲイ男性であるものの、その生育環境の違いを説明>>続きを読む
昨日やっと「夜明けのすべて」を観た。私には主人公の2人が死ななかった世界線を描いた映画のように思えた。(作り手がそう意図しているかはわからない)
「アンメット」を観た時も思ったけど、二つの作品に共通し>>続きを読む
ネットミームにもなったヒトラー激昂のシーンの元ネタ。ホロコーストを実行している張本人とそれを知っていても無関係だという態度で仕事をこなしていた秘書、降伏が決まり己の罪を認識しているためからか、自決する>>続きを読む
邦題が意味不明。「ポストをたくさん爆破して」の方があってる。テロリストと呼ばれた女性たちの話。キャリーマリガンは少女らしい演技しか見たことなかったので、無知な女性が強くなっていく様子がより印象的に感じ>>続きを読む
SNSインフルエンサー女子風刺かと思ったらかなり構造主義的な描き方で良かった。昨今の分かりやすさ重視のフェミニズム流行への皮肉もあった。ラブロマンスもオシャレ。
ローザ・ルクセンブルクはドイツの革命家である。一貫して非暴力革命と労働者の団結を呼びかけており、彼女の強力な思想と饒舌な演説のシーンは映画を構成する魅力の一つである。
また、同志であり、パートナーであ>>続きを読む
美しすぎる映像美。美しいサイゴンの夏を色褪せたレンズで懐かしく、どこか物悲しく映している。枯れた盆栽が西陽と共謀し、愛人たちの部屋を美しく彩る場面は、夢のような儚い回想シーンを簡素ながらゴージャスに作>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
パートナーを得ることの義務化された世界と、パートナーを得てはいけないコミュニティを対比し、人間の支配欲や独占欲、それゆえにおきる暴力、「つながり」というものの気まぐれさや儚さを描くディストピア映画。>>続きを読む
渋かった。小津作品や過去のかなり静かに物語が進んでいく映画を現代でやりたすぎてやった、という監督の好みをひたすら浴びるものだった。
しかし描かれているのは、オールドスタイルな、労働者の生活やハードボイ>>続きを読む