元気だよさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

反撥(1964年製作の映画)

5.0

マイ・ベスト・ポランスキー映画。とにかく「性に対する嫌悪感、そこから始まる精神崩壊」というアイデア、そして主人公の精神状況をアパートの部屋の荒れ模様で表現した手法が超絶面白い。(部屋から出れなくなって>>続きを読む

タクシー運転⼿ 〜約束は海を越えて〜(2017年製作の映画)

4.7

終盤に展開される映画というフィクションだからこそ描くことが出来た大嘘が泣ける。俺が見たかった『ローグ・ワン』ってこういうことだったんだなぁ。あとユ・へジンの尊みの深さがヤバいことになってて最高。

パシフィック・リム アップライジング(2018年製作の映画)

3.5

“仏作って魂入れず”と昔の人はよく言ったものですね。その言葉が正に当てはまる映画。表現において作り手のフェティシズムの爆発は必須条件なんですよ!!

ゼイリブ(1988年製作の映画)

4.5

最後の方まで「もしかしたら主人公の方が狂っているのかもしれない」という視点をさり気なく入れているバランス感覚がいい。トワイライト・ゾーンを彷彿とさせるような宇宙人の造形も素敵。

クローバーフィールド・パラドックス(2018年製作の映画)

4.5

中盤から展開されるコズミック・ホラー的恐怖描写の連発が本当に楽しくてそれだけで大満足。『イベント・ホライズン』といい、主人公たちが宇宙という未知の世界でこちらの常識を蹴散らすような圧倒的不条理に遭遇し>>続きを読む

マッスルモンク(2003年製作の映画)

4.5

ボディビルダーでストリッパーの元お坊さんが自分の特殊能力である”前世が見える”を武器に事件を解決していくJDC的な前半と愛した女は輪廻によって死ぬ運命にあったという悲恋が展開される後半のギャップが凄い>>続きを読む

MAD探偵 7人の容疑者(2007年製作の映画)

5.0

脳が痺れるほどのウルトラ大傑作。”もし人の内面の人格が見える探偵が多重人格の犯罪者と戦ったら?”というアイディアですでに100点を叩き出しているのに、そこにジョニー・トー監督の徹底的に視覚的な演出で物>>続きを読む

鉄拳(1990年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

まさかこんな珍品だったとは……結構マジメなボクシング映画として話が進んでいると思ったら中盤で突然、士郎正宗もしくは木城ゆきとがデザインしたような義手を装着した原田芳雄が登場して、そこから何故か特撮ヒー>>続きを読む

お嬢さん(2016年製作の映画)

5.0

これ事実上、実写版『少女革命ウテナ』でしょ。

エージェント・ウルトラ(2015年製作の映画)

4.3

メロドラマとしては結構好きなんだけど、もうちょっとお話の方に新鮮さが欲しかったなぁと思ったりした。ただCIAのオフィスが今まで鑑賞したどの映画よりも会社っぽくてそこが斬新ではあったね。

実録 私設銀座警察(1973年製作の映画)

5.0

これは凄い。こんなにやりたい放題でめちゃくちゃ面白いヤクザ映画初めて見たぞ!! この映画を一言で表現するなら「シャブをキメた『仁義なき戦い』」でしょ。序盤の韓国系ヤクザを手榴弾で爆殺するところから爆上>>続きを読む

(2005年製作の映画)

4.6

ロリコン爺さんが少女を誘拐・監禁・洗脳する話を美しい情緒溢れる映画に作り上げたキム・ギドクって本当に彼岸に片足突っ込んでるんだなと思いました。

彼らはフェリーに間に合った(1948年製作の映画)

4.5

日常から非日常へと片足を突っ込んでしまった瞬間の恐ろしさ。アイディア一発勝負に賭けて見事に時代を超える心霊表現を獲得することに成功してましたね。

この世界の片隅に(2016年製作の映画)

5.0

問答無用の傑作。アニメというフィルターがあったからこそ描けた日々の生活の愛おしさに心底震え感動した。

虐殺器官(2015年製作の映画)

3.5

まさかサブテキストこそが伊藤計劃の本質だったとは。だから表面だけなぞっても意味はないのですよ。

ドリームスケープ(1984年製作の映画)

4.5

TVドラマでリメイクしたら相当面白くなるぞ、これ。

ザ・ゲート(1987年製作の映画)

4.0

伊藤潤二の短編『地獄湯』を思い出したりした。クレイアニメで動くゴブリンが本物にしか見えなくて凄い。

ハクソー・リッジ(2016年製作の映画)

4.5

個人VS戦争という対立構造が狂ってて面白かったな。

ソーセージ・パーティー(2016年製作の映画)

4.0

これ絶対作ってる方が楽しくなっちゃったパターンだって。究極の内輪ノリについていけるかどうかが評価の分かれ目なのは間違いない。私はラスト手前までは大丈夫でした。

終わった人(2018年製作の映画)

3.6

広末涼子が最高だっただけに彼女の顛末が酷すぎて本気でキレそうだったんですけど、マジであれでいいんですか!?

気狂いピエロの決闘(2010年製作の映画)

4.1

警察に追われた主人公が素っ裸の状態で森に逃げ込んでそこで野生化して金持ちに発見されて猟犬として飼われ始める怒涛の展開本当すき。

ブーメランファミリー(2013年製作の映画)

4.2

家の間取りを効果的に使った演出が面白かった印象。姪が食べてるピザを食いたいがあまり兄と結託して論破し泣かせる場面と姪を脅迫して小遣いを奪う場面での主人公の清々しい人間クズっぷりが堪らん。

ハウリング(1981年製作の映画)

5.0

狼男という題材に対して”都市と野生”というテーマで切り込んでいったのは大変興味深いアプローチだと思った。また後半にかけての小野不由美の『屍鬼』を彷彿とさせる展開も面白い。ここはやはり脚本を担当したジョ>>続きを読む

マイティ・ソー バトルロイヤル(2017年製作の映画)

4.3

マイティ・ソーのシリーズの中では断トツでベスト。でも自由にやればやるほど、その上にある絶対に揺がせない”枠”の存在がひしひしと感じられて、そこを破壊するまでの革新性が無かったのは少し残念だったなぁ。

スポンティニアス・コンバッション/人体自然発火(1989年製作の映画)

4.5

「手」映画。とにかく全編に渡って手がひどい目に遭う(注射器が手の甲を貫通する回避方法には驚いた)。だからこそラスト、弥勒菩薩のように彼女を優しく包み込む「手」の登場に我々観客は呆気にとられる反面、心に>>続きを読む

ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)

4.5

『ブレードランナー』の続編なら革新的な未来描写を提示すべき、しかし続編である以上既に古臭いものになった『ブラードランナー』の世界観は維持しなくてはならないというパラドックス。その結果として導きだされた>>続きを読む

ダークマン(1990年製作の映画)

5.0

情緒不安定になった主人公の内面的感情を色々な映像技法を通してしっかり”画”として見せてくれるのが本当に可笑しく面白い。これが映画ですよ。

全員死刑(2017年製作の映画)

3.0

まぁ……監督がこれで良いっていうなら、いいんじゃないですかね……

怪怪怪怪物!(2017年製作の映画)

5.0

『ザ・ウーマン』のような監禁モノから一転して、中盤から突然『狼男アメリカン』的な物語に映画がシフトチェンジした瞬間、心の中でガッツポーズしてしまった。その先からは雪だるま式に好き度が加点されていって、>>続きを読む

アニー・ホール(1977年製作の映画)

3.7

過去と現在を同時に展開させる、ご本人登場、第四の壁の破壊といったメタ的な演出は好きだけど、主人公のウディ・アレンが致命的に嫌いすぎて、なんか生理的に無理なやつだった……