主人公が練習に仕事に弟との同居生活に黙々と日々を過ごす様子を追いながら、観客がタイトルの通り「目を澄ませて」表情や仕草から心情を読み取って行く必要のある映画。
女優としての岸井ゆきのさんの力量は十二分>>続きを読む
あまりに直接的な欲望の描写で好みが別れそうだけど、ごく平凡な街の一角でどこにでもいそうな少しずつ歪みを抱えた登場人物たちの組み合わせが最悪の結末を招いてしまうまでの過程の描写が良い。
理不尽な上司、私生活とのバランスや友人とのすれ違いなど宮仕えのメンタルをえぐりにくる作品(褒めてる)
幼い子供ばかりのメインキャストから演技を引き出す技術はすごいと思ったが、起伏の少ないシーンの連続とその一方で確実に悲惨さを増していく描写は観ていてなかなかつらいものがあった。
イングロリアス・バスターズが刺さらず以来なんとなく敬遠していた監督だけど、本作はしっかり楽しめた。
かなり長尺なのに飽きさせない登場人物同士の掛け合い、時系列のシャッフルもあり次に何が起きるか分からな>>続きを読む
30秒で語れるくらい至ってシンプルな話ではあるものの、コンパクトながら要所で盛り上がるストーリーと数あるマリオのゲームそれぞれを上手く反映させた世界観はなかなか良かった。
あと本筋には全く関係ないけど>>続きを読む
伏線の張り方や小道具の使い方、個性的な登場人物の描き方(アメリカ南部訛りのダニエル・クレイグは相変わらず似合わないけど)、最後まで意外性のある展開など前作以上に磨かれてて楽しめた。
しょうもない端役に>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
かつての街の賑わいも日々の暮らしも災害の記憶すらも時間の経過と共に失われゆく中で、その痕跡を全国各地で「閉じて行く」というテーマ設定に結構な衝撃を受けた。色々な意味で現代日本ならではの世界観。
直近>>続きを読む
作中作の作り込み具合がすごく、本作の進行といいシナジーを生んで映画全体のクオリティも引き上げていたし、逆にもしこれが中途半端だったら感動も半減だったと思う。
チーム一丸で制作するアニメと向き合う様々な>>続きを読む
本作の背景として「『そして父になる』で『母親は子が産まれたらすぐ母親になるが父親はそうではない』というのを描いたところ『それは事実と異なる』との指摘を受けた」という監督のエピソードがあった、というのが>>続きを読む
伝令が走り続けた1917と比べて、こちらは戦闘の悲惨さや徒労感に焦点を当てており展開もよりスロー。
1918/11/11の休戦まで描ききるという点では原作小説・前回の映画には無い面白い改変だった。
「サスペンスと見せかけて実は恋愛映画」という解説を見て頷いた。
所々ツッコみどころはあるし後半は登場人物の行動の意図がちゃんと理解できたかいまいち自信無いけど、トータルの満足感はそこそこ高かった気がす>>続きを読む
監督の前回作のThree Billboardsが好きだったしレビューも良さそうだったので期待値高めに鑑賞。
個性的な島民のコミカルな掛け合いもアイルランドの離島の美しい描写も、それとは裏腹にこじれてい>>続きを読む
思ったより多様な解釈の余地を残すエンディングだった。
派手なアクションは結局ほとんど無かったけど、色々なシーンを通して「静かに積もる孤独と狂気」の描写が印象的。
主人公が一番嫌悪しているニューヨークの>>続きを読む
中学のときにかなり時間をかけて読んだ作品が原作なのでどうしてもそれとの対比になってしまうけれども、作中の出来事の再現という意味では高いクオリティだったものの主人公の葛藤と絶望は2時間半をもってしても語>>続きを読む
今年一番の名作を期待して行くと失望するけど、アクションもコメディもある程度の雑さを承知の上で鑑賞すればそれなりに楽しめた。
ストーリーは流石伊坂幸太郎原作という感じで最後までサプライズがあったし、真田>>続きを読む
高級レストランが舞台だけど"戦場"を描いている点で1917を彷彿させる映画。
必ずしも全部綺麗に回収はしてくれないけど、登場人物各々の物語があって、巧みなカメラワークで素早く切り替えつつ"沸点"へと展>>続きを読む
納棺師の厳粛な振る舞い、死生観、東北の寒村の四季描写、音楽、どれも美しかった。
ただ奥さんが所々で急に心無いことを言うので、人物描写にやや違和感を覚えてしまった。
家族愛と史上最高のテニスプレイヤー姉妹の成長の話なのだけど、「King」の名の通りの傲慢・パワハラ紛いの主人公の態度に所々共感できなかったのと、ヴィーナスのデビュー戦にフォーカスするあまり途中からセリ>>続きを読む
ずっと見てられる松岡茉優の演技はもちろんだけど、「独り相撲」感を際立たせるカメラワークと台詞回し、テンポ良くも途中から意外な展開を見せるストーリー、どれも素晴らしかった。
「中国系移民の中年女性が主人公のセカイ系」という点では斬新な設定だったけど、似たようなアクションシーンの繰り返し、過剰かつ目に悪い演出、深いというよりは要領を得ないストーリーと正直期待外れだった。
「少年目線の曲は書けないので、大きくなってから昔を回想している曲にした」という宇多田ヒカルの主題歌が、元から好きだったけど映画を見終わってから聴くとまた味わい深い。
登場人物がみんなキャラ立ちしていて>>続きを読む
ストーリー自体はそこまでものすごい訳ではなかったけど、物語が転機を迎える度に上達するボクシングと身体つき・表情の変化や、集大成となる最後の試合での苦しさの描写がとても良かった。
ストーリーの多少の無茶なんてどうでもよくなるくらいの疾走感と爽快感。
前作への愛も各所で感じられて良かった。
シーンの切り替えが早くてたまに一時停止しながらでないと字幕が追いきれないほどだったけど、それらがちゃんと最後に繋がってくる爽快感のある展開だった。
固定電話と手紙の時代だからこそ成立した物語と、ノスタ>>続きを読む
片思いゆえの滑稽を通り越してホラーじみた主人公の描写が面白かった。
程度の差はあれマモルもナカハラも好きな人相手には似たような状態になってしまい、「救いが無さすぎるのでは?」とも思った。