おぐさんの映画レビュー・感想・評価

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ザ・キラー(2023年製作の映画)

3.5

殺し屋が淡々と仕事をしくじり、淡々とその後始末に追われる映画。良く言えば無駄が無い、悪く言えば盛り上がりに欠ける。

Civil War(原題)(2024年製作の映画)

3.5

センセーショナルな設定だが、あくまで戦場カメラマン一行のロードムービーがメイン。
戦争までの経緯やイデオロギー云々からは徹底的に距離を置いている(そこまでやったらいよいよ収拾がつかないのでしょうがない
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悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.2

映像や音楽の美しさや、どんどん引き込まれる会話の面白さは相変わらず。
非常にスローな始まりだったけど、一つ一つのシーンにちゃんと意味があったことが段々明らかになってゆく。
ストーリーは詳述しないけど、
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女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

4.0

自分の都合の良い方に女王を導くこともある一方で愛情もあることを伺わせるサラと、あくまで自分の野心を実現するために女王含め周囲を利用するアビゲールが好対照。
話が展開するにつれてそれぞれの登場人物の関係
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.0

単調に見えて1つも同じ瞬間はなく、1つ1つが美しい「木漏れ日」のような主人公の日々を描いた作品。
主人公の音楽や読書の好みをどこで培ったのか、過去の遍歴、家族との関係など色々複雑な背景を匂わせながらも
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ボクたちはみんな大人になれなかった(2021年製作の映画)

2.5

渋谷や新宿の思い出の地を映しながら主人公の半生を振り返るという感傷的にさせる設定でははあるものの、回想シーンが細切れすぎて登場人物の内面の掘り下げが物足りなかった印象。
主人公が主体的に何かをしている
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658km、陽子の旅(2023年製作の映画)

3.4

ストーリー自体は割と王道進行感があり色んな意味で観てて辛くなる場面もいくつかあったが、菊地凛子さんの主人公の人物像への洞察の深さとそれを演技として形にする力量に関心させられる映画だった。

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

4.0

売れない黒人作家が腹いせに「ドラッグ、暴力、これが俺のリアル」というやけっぱちのパロディ小説を書いたらバカ売れしてしまい困惑するというあらすじの内容がほぼ全てだけど、黒人への共感がコンテンツとして安易>>続きを読む

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.4

自分の胎児の脳を移植されて蘇った女性の少し変わった成長物語。
(肉体はずっと成人なのに)歩行も会話もままならない状態から少しずつ色々な意味で大人の階段を上って行く様子を細やかに演じ分けたエマ・ストーン
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関心領域(2023年製作の映画)

4.0

アウシュビッツの所長として赴任したナチスの軍人が収容所の真隣に立派な庭付きの家を構え、その"日常"に密着するという筋書き。
妻や3人の子供と幸せな家族生活を過ごしたり仕事で組織に振り回されたり、ともす
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MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない(2022年製作の映画)

3.8

王道派タイムループものだけど、「日々同じような仕事に忙殺されるブラック職場の悲哀」と重ね合わせたのが面白かった。

Saltburn(2023年製作の映画)

4.1

貧しい出自の陰キャと全てを手にしたリア充貴族の階級ギャップがテーマと思いきや、途中から段々雲行きが怪しくなる。
久々にしっかり胸糞悪くなる映画だった。
主人公が怪演。

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

4.0

ストーリーはお約束展開の印象が拭えないところもあったけど、初回作の世界観へのリスペクトを随所で感じさせつつ、覚悟を決められない主人公の葛藤と超克という分かりやすい成長譚としては良かったように思う。

枯れ葉(2023年製作の映画)

4.0

びっくりするくらい役者がみんな無表情だけど、それだけに言葉や仕草の微妙な変化から感情がくっきり浮き出る。

ナポレオン(2023年製作の映画)

3.9

激動の時代を生きた世界史上有数の英雄を等身大の人間として描こうとする意欲は感じたものの、映画一本の尺に対して出来事を過剰に盛り込んでしまった感は否めなかった。
字幕で出る様々な補足情報も、ファクトの尊
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スタンド・バイ・ミー(1986年製作の映画)

4.0

たとえ2日間だけの思い出でも、その後疎遠になってしまった仲間たちだったとしても、一生物の宝物になることもあるよねというシンプルながらいい話。

落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.1

「事故か、事件か!?」自体はよくあるテーマだけど、観客が一緒に裁判を傍聴しているかのような密着を通して被害者と被疑者の夫婦生活全体が"解剖"されていくストーリーに引き込まれた。
縁の無い土地で外国語で
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ブラックベリー(2023年製作の映画)

3.5

ブラックベリーの開発企業の栄光と没落を描いた悲喜劇。
(事実をだいぶ脚色・簡略化しているのだろうなという点は認識しつつ)ユニークな技術と突然現れた凄腕共同社長の力量で一時代を築くものの、メンタリティは
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怪物(2023年製作の映画)

4.5

是枝監督ってこういう映画も撮れるのか、と驚いた。
場面が進み主人公が切り替わる度に謎が明らかになったり増えたりして、物語の主題さえも自分の思い描いていたものから大きく変わって行くという点で今までで観客
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花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

3.8

「菅田将暉/有村架純と付き合っていたという存在しない記憶が蘇る映画」との評を聞いて納得した。
キャストや作中の固有名詞が平成初期生まれ東京育ちインドア趣味を狙い撃ちにして来る。
ストーリー自体はごく普
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Cobweb(英題)(2023年製作の映画)

4.1

ロンドン国際映画祭で鑑賞。
撮影終了後に「あと2日間だけ撮り直せば必ず名作が作れる」との強迫観念にかられた映画監督が、渋々再招集されられたキャストや検閲当局を振り回しながら突き進む様子を描いたコメディ
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

4.3

設定にツッコミを入れたくなる箇所は色々あるけれども、久々にファンタジー全開の宮崎駿ワールドに触れて小さい頃から慣れ親しんだ色んな作品の記憶が全てを流し去ってしまった。
世界を丸ごと築き上げてしまう力は
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ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語(2023年製作の映画)

4.5

直近のアステロイド・シティと比べるとだいぶわかりやすくて自分好み。
ポッドキャストを1.5倍速で聞いているかのような高速のセリフと共に四重の入れ子構造の話が目まぐるしく進んでいくものの、不思議と追いづ
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東京物語(1953年製作の映画)

4.3

普遍的なテーマを描いているだけあって古さを感じさせないストーリーだった。
(長女を除き)胸の内を口にする人が少ない中で、ふとした仕草や会話を通じて思いが明らかになって行くのが良かった。

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

4.2

映像作品だからこそできた、コートに立っている10人全員の細やかな動き、ベンチや客席含めた会場全体の熱気の演出が圧巻だった。

私をくいとめて(2020年製作の映画)

4.1

「勝手にふるえてろ」と同じ原作者・監督ということで観てみたけど、こちらの方がシリアス描写多めの成長譚という印象。
他人との距離感の掴み方に悩みながら成長するという、10代〜大学生くらいが充てられそうな
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バービー(2023年製作の映画)

4.5

バービー人形で遊んだこともなかったし予告編にもあまり惹かれなかったけれども、友人に勧められるがまま半信半疑で鑑賞。
フェミニズムが主題の1つだしジョークもややアメリカン寄りなのでおそらく好みは分かれる
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.0

原爆という発明がいかに個人の意志を超えて世界を変えていくかを描いた作品。

細かいストーリーは追えなかったし3時間は長いけれども、映像や音で感情を揺さぶってくる力はやっぱり当代随一の監督だと思った。

インディ・ジョーンズと運命のダイヤル(2023年製作の映画)

3.3

シリーズの熱心なファンだったらもう少し楽しめた気がする。
冒険活劇ものだしハリソン・フォードの身体の張り方もすごいのだけど、上映時間が長いとの感想を補えず。

ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

4.0

IMAXで鑑賞。
今までそこまで熱心に追っていたシリーズではなかったけど、期待していた要素が全部詰まっていてとても楽しめた。
トム・クルーズの身体の張り方を観て自分もまだまだ頑張らなければと思った(笑
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アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

3.9

あまり好みの演出ではなかったけど、個性的な様々なキャラクターや絵本のように色鮮やかな舞台設定が印象的ではあった。
英語リスニングはかなり難易度高い。

ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)

3.9

良く言えば発想の勝利、意地悪く言えば出オチとも呼べるようなストーリー。
製作者の音楽愛とクルマ愛が溢れる映画。

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

3.8

主人公が練習に仕事に弟との同居生活に黙々と日々を過ごす様子を追いながら、観客がタイトルの通り「目を澄ませて」表情や仕草から心情を読み取って行く必要のある映画。
女優としての岸井ゆきのさんの力量は十二分
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アメリカン・ビューティー(1999年製作の映画)

4.1

あまりに直接的な欲望の描写で好みが別れそうだけど、ごく平凡な街の一角でどこにでもいそうな少しずつ歪みを抱えた登場人物たちの組み合わせが最悪の結末を招いてしまうまでの過程の描写が良い。

プラダを着た悪魔(2006年製作の映画)

4.0

理不尽な上司、私生活とのバランスや友人とのすれ違いなど宮仕えのメンタルをえぐりにくる作品(褒めてる)

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