くるみさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

くるみ

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私、君、彼、彼女(1974年製作の映画)

3.6

部屋を整理して整理して、自分の心も整理して、'あなた'に手紙を書きながら自分を見つめてみる。
若い時は気分が落ちてる時ほど自己分析してみたり、他者の目から見た自分についてとその隔たりについて永遠に考え
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ブロンドの恋(1965年製作の映画)

3.8

チェコの田舎町を舞台に展開する、可愛いのに垢抜けない女の子の垢抜けないラブコメ。
'ひなぎく'のあの二人の様に気持ち悪いナンパおじさんをあざとく出し抜く術を知らない女の子達が悲面白い!高いんだから飲め
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パラダイスの夕暮れ(1986年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

アキカウリスマキ作品を一本通して観られたのは初めて。手始めにコチラを観るべきでした!
このリズム、ユーモアセンスは癖になりそう。やらかしデートや、すっぽかしからのやさぐれモードが可笑しい!
俗に言う
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ネッド・ライフル(2014年製作の映画)

4.2

ヘンリーの変態遺伝子を受け継いだはずのネッドが信心深い堅物男子へと成長していてこの時点でもう面白い。成人して自立を機に、母を破滅へと追いやった父ヘンリーを殺してやる‼︎と一念発起!
当然メインは復讐劇
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アッテンバーグ(2010年製作の映画)

3.6

23歳女子のお股パカパカからのガォー!にツバ掛け合戦! なるほどこれがギリシャの奇妙な波…しかし話が進んでくると意外にもジワっとくる展開が胸に響いた。パパにべったりな女子の自立物語。
アッテンボローの
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TITANE/チタン(2021年製作の映画)

4.0

何もかもがちぐはぐ過ぎて超シュール!痛いの苦手だけどエネルギッシュな表現に魅了されながら今度は後光が差してくるわで、コレ何?好奇心をいい感じで刺激される。
見た目の属性、性や性別に対する価値観をぶっ壊
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フェイ・グリム(2006年製作の映画)

3.6

前作ヘンリーフールはうっかり泣いちゃったけど前フリだったのね笑。ヘンリー息子もパパDNAをしっかり受け継いでポルノ玩具を持ち歩く様になり、元気でなによりと思ってたら突然CIAが登場して急変、大真面目な>>続きを読む

つながれたヒバリ(1969年製作の映画)

4.0

可愛らしくてなんだかほっこり〜と同時に当時の厳しい現状が胸を締め付ける。
1948年共産主義が広がり実質的な独裁体制のもと、統制が厳しくなったチェコスロバキア。そんな社会に声をあげたヒバリたちは強制労
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メリー・ゴー・ラウンド(1981年製作の映画)

3.8

幕開けと同時にゲーム開始!北の橋ちっくなフワフワした謎解き冒険譚かと思いきや、早い段階で一気に犯罪色が強くなり気付けば陰謀と不信の渦の中…
テーマが明らかになるのが珍しく早く、分かりやすいけどそこから
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ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密(2022年製作の映画)

4.3

配役チェンジによるギャップは戸惑うものの、マッツミケルセン濃いぃし開始早々で飲み込めてしまうあの説得力はヤバい!
ハリポタも原作から追っていれば、この戦いの行く末も想像がつくのに心掴まれっぱなし。脇を
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肉体の悪魔(1971年製作の映画)

4.0

すすすすごい。スクラッチしちゃうくらいすごい。死と性に対する渇きと欲する熱量が充満し過ぎて、映像で表現できる臨界点を超えてませんか…思わず尻込みするほど強烈〜
カリスマ司祭に恋する女子修道院の尼僧が勝
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パリ、18区、夜。(1994年製作の映画)

3.9

実際にあった老女連続殺人事件を中心に、パリ18区移民の街の生々しい事情と暮らしを描く群像劇。
女優になる事を夢を見てリトアニアから来た女の子、パリでの生きづらさに故郷に帰りたいと願う者、そんな気持ちを
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ノロワ(1976年製作の映画)

4.0

愛する男を殺された女の復讐劇!祝祭という名の死のダンス、月のインサートそして秘宝、オカルトめいてくる様相はデュエルと並行的な世界を思わせる。
リヴェットが着想を得たという古典小説「火の娘たち」は女性
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血とバラ(1961年製作の映画)

3.6

ロジェヴァディムの吸血鬼もの。といってもあまり血を見る事はない、美しく悲しい恋物語。あまりにもアネットヴァディムが綺麗なものだから、もっと血でドレスを染めてるシーンがあっても気品高いイメージは変わら>>続きを読む

デュエル(1976年製作の映画)

4.5

フィルムノワール的緊張感がある中で一瞬切り替わる退廃的でマジカルな世界。二人の女神が対峙する時の古めかしい振る舞いも、激闘の最中に未来か虚構なのかが交差する瞬間もカッコいい。
とにかく主演女優二人のオ
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秘密の森の、その向こう(2021年製作の映画)

5.0

本当に素敵な映画。深い余韻の中で個人的な感情が溢れて涙して、長い間メソメソしてしまった。
超現実的なファンタジーの中に自分の存在も見る事が出来る、不思議な感覚があり何かを解放してくれた気分。悲しみと慈
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O侯爵夫人(1975年製作の映画)

5.0

身に覚えの無い妊娠をした侯爵夫人。父親は誰かなのか?シリアスな冒頭からは想像できないけど観た後にはトリッキーな印象を受ける作品。おもしろかった…!
見どころは悲劇と喜劇は表裏一体だと言える展開。身分も
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地下室のヘンな穴(2022年製作の映画)

3.9

カンタン・デュピュー好きだわぁ、現代人が持つ思想に関する教訓話という軸のある内容でありながら、前半は好きにやったからあとは自由に楽しんでね!で終盤は観客へ何もかもを放任する奔放さ。いいぞ‼︎
ブノワ
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未来よ こんにちは(2016年製作の映画)

4.2

女性の"老い"について考えさせられる作品。心ならずも孤独になってしまったその代わりに手に入れた自由をどう生きるか。

テーマとしては重くなりがちなのに、押し付けがましくなく流れるように、だけどリアルに
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ミミ(1996年製作の映画)

3.7

ルシール・アザリロヴィック監督作品だけど、パートナーであるギャスパー・ノエ色が強めの一時間弱の作品。

社会に蔓延する少女に関する事件への思いを、ルシール監督ならではの表現方法として寓話仕立てで綴られ
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四月(1962年製作の映画)

4.5

オタール・イオセリアーニは初めて。こんなに遊び心に溢れた作品を作る方だとは知らなかった。とにかく可愛い!しかしそれだけではなく、価値観を問いただす強烈なパンチ力も備えた作品!

物質に執着し豊かさを追
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リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

3.9

青春恋愛ドラマど真ん中な作品かと思ったら少し違った!実在の人物をモデルにしたエピソードが展開されるのと同時に、歳の離れた男女の恋愛模様が描かれていて、感情を盛り上げるでも、共感を求めているのでもないの>>続きを読む

渚の果てにこの愛を(1969年製作の映画)

4.2

60年代の音楽がかなりいい!舞台は溶岩質の荒涼とした土地にポツンと佇む小さなドライブイン。そこに旅する男がふらりと立ち寄り、女主人に息子と勘違いされる事から始まるサスペンス。似てるのか⁉︎そこに娘や常>>続きを読む

悪霊(1987年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

原作より少しソフトな結末な気がするけど映像として見ると読んだ時のイメージより怖かった。
近代思想が欧州を席巻し革命が相次ぐ中で、自国が遅れを取るのではないかという社会不安を利用し、無神論や自由主義だと
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美しき緑の星(1996年製作の映画)

4.0

監督の「世界の仕組みを根底から問い直すクレイジーな映画」という言葉通り、今ある物質文明に疑問を投げかけ意識改革を促す啓発的な内容ではあるけれど、非常にカジュアルでコメディとしてかなり面白い!
とにかく
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C階段(1985年製作の映画)

3.4

とあるアパルトマンのC階段を使用する住人達の人間模様。階段を挟んで男女が罵り合うクセ強なオープニングからは想像出来ない、さっぱりとした後味が印象的な作品。
中心となるのは住人のひとり、美術評論家の男の
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不貞の女(1968年製作の映画)

4.8

古典的かつシンプルなストーリーに、シャブロルの職人的演出が加わった見応えのあるサスペンス。一見円満なブルジョワ一家の主人が妻の浮気を疑うようになる所から始まるのだけど、謎や事件に迫るものではなく、シャ>>続きを読む

ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス(2022年製作の映画)

3.8

あの人の豹変ぶりに冒頭から驚き展開!ディズニープラスが存在しないユニバースに暮らす私にも分かる親切設計かもしれないけれど、モヤモヤが残る。帰宅しながらだんだんプンプンしてきて、これからmarvelはレ>>続きを読む

パリ13区(2021年製作の映画)

4.1

SNS時代の孤独に迫りながら他者との繋がりの温かさを求める者たちの群像劇。
新しい時代の若者のセックスに対する感受性と、恋愛スタイルやカルチャーの多様性…それらが作品の中でくまなく反映されていて今っぽ
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