hebさんの映画レビュー・感想・評価 - 10ページ目

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悪魔を見た(2010年製作の映画)

3.8

残酷な方法で婚約者を殺した悪そのものの様な男。
その男に対する復讐を遂行していくうちに、主人公もまた終わりのない暴力の渦の中に囚われていく。
一見シンプルな復讐譚の様ですがとにかくその暴力描写に容赦が
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トレマーズ(1990年製作の映画)

3.5

オーソドックスなモンスターパニックものですが、常にどこか牧歌的な空気が漂っていて、それが作品全体のヌケの良さに繋がっている気がします。
映像的にはかなり厳しい部分もあるものの、分かりやすい展開と各キャ
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CURED キュアード(2017年製作の映画)

3.6

ゾンビ状態から回復した人達を巡るお話。
終始陰鬱で辛い場面の多い作品ですが、この設定はなかなか面白いし地味ながら脚本もコンパクトにまとまっていて期待した以上に引き込まれました。
これもまた現実社会のあ
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イン・ザ・ハイツ(2021年製作の映画)

4.2

まさに生活と共にある音楽に乗せて、そこで生きる人々のエネルギーがほとばしる様なオープニングの流れだけで高揚しきってしまいました。もうここだけでこの映画の全てを表現してしまっている様な気もします。
様々
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ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

4.0

彗星衝突による地球滅亡までのドタバタを風刺たっぷりに描いたコメディ作品。
眼前に迫った破滅的危機すらも利用する政治、煽り立てるメディアに翻弄される大衆、その全てに食い込む巨大資本の思惑等々、実在の人物
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すべてが変わった日(2020年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

序盤、銃を持ち出してまで孫を取り返す事に執着する奥さんの心情がなかなか理解できませんでした。やはり息子を失ったあの日から何かが狂い始めていたという事なのか、それともあの時点で継父の素性についてほぼ見当>>続きを読む

ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結(2021年製作の映画)

3.9

まさに「使い捨て」のヴィラン達によるポンコツ激グロ大作戦。
タランティーノ的な演出とテンポで楽しく見る事ができますが、中盤はややダレ気味か。
しかしラストバトルでキャラクターが各々抱えている問題がきち
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星の子(2020年製作の映画)

3.9

自分の置かれている状況についても、客観的に見てそれがどういう事かもぼんやり理解はしているんだけど、その世界を壊そうなんて思っていない。
とても複雑で難しい主人公だったと思いますが、色んな意味で芦田愛菜
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17歳の瞳に映る世界(2020年製作の映画)

3.6

中絶手術の為に従妹と二人でNYに行って帰ってくる。それを淡々と映し出すだけの話で、相手は誰なんだとか慣れない都会で事件に遭ったりみたいなドラマは何一つ起こりません。
台詞も限界まで削ぎ落とされていて主
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ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

4.1

間違いなく恋愛映画ではあるけれど、過ぎ去った二人の日々を遡ってゆくことでその時世界がどうあったのかも同時に描き出す巧みな構成。
開幕目に入るのはマスク姿のタクシー運転手と東京五輪のマーク。この物語にコ
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プラットフォーム(2019年製作の映画)

3.5

舞台である「穴」の階層構造はそのまま現実社会への直球の風刺だろうし、やたらグロい描写は追い込まれた人間が際限なく残酷になれるという事の表現にも思えます。
中盤までよくある感じの社会派風SFスリラーかな
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FRANK ーフランクー(2014年製作の映画)

3.7

こういういかにもオルタナっぽい活動に対する憧れがまだ自分の中に強く残っているという事実を再確認してしまって恥ずかしいやら情けないやら。
頭の中で曲を作っていて誰かに話しかけられると消えてしまう!ちょっ
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アオラレ(2020年製作の映画)

2.8

あまりに理不尽に襲い掛かる惨劇に、珍しく本気で胸糞悪くなってしまいました。
犯人は途中からもう煽り運転というかただの殺人鬼の様だし、無敵の人っぽい背景を匂わせているのもなんだか逆に考える余地を与えられ
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パーム・スプリングス(2020年製作の映画)

3.7

永久に同じ日を繰り返す、と聞けばアレやコレや似たような作品が思い浮かびますが大体そのイメージで間違いないやつです。
今作がちょっと違うのはそのループに囚われるのが独りではないという点。
もしも永久に歳
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女子高生に殺されたい(2022年製作の映画)

2.3

まず引きの強いタイトルありきで、そこから逆算して作った様な不自然なストーリーとそれを成立させる為の歪なキャラクター達。
エスパーなんか出したらもうなんでもアリじゃん。

河合優実は見る度に印象が違って
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アメリカン・スリープオーバー(2010年製作の映画)

3.6

「この一晩で何かが変わるかも」
欲望や期待を各々の心に秘めて、のそのそと蠢く若さの巡礼。

とにかく煮え切らない、踏み込めない彼らの焦りと匂い立つ様な生と性。
衝撃的な事件も身を焦がす様なロマンスも起
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ブリグズビー・ベア(2017年製作の映画)

4.2

開始10分、ポストアポカリプスものみたいな雰囲気から始まって衝撃の展開。
ほとんど情報を入れずに見たのでかなり驚きました。

激変する環境の中で主人公が頑なにこだわり続けるブリグズビー・ベアという物語
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オールド(2021年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

子供は体が大きく成長し感情も豊かになり、精神もそれに比例して発達し落ち着きを獲得していく。
大人はどんどんと身体機能が弱まり、持病は悪化しやがて終わりの時を迎える。
基本的に老いに対する恐怖をショッキ
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佐々木、イン、マイマイン(2020年製作の映画)

3.5

クラスのひょうきんキャラ、なんとなく楽しく絡んでたけどお互い深入りする訳でもなく地元出たらそのまま縁切れちゃったみたいなあるある。
深く関係した様で実は何も知らなかったあの頃のアイツ今何やってんだろ的
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ケープ・フィアー(1991年製作の映画)

4.0

船上で一方的に開廷されるラストの裁判シーンは強烈。やり方はめちゃくちゃですが法に対する異常な執着をみせるケイディに対して、最後に石という原始的な暴力に頼るサム。
何も持っていなかった粗野な男が教養を身
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トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

前作完コピのOP、必殺のDangerZone。
往年のファンはきっとここでもう心を鷲掴みにされてしまうのでしょう。
中心にあるのは前作で死んでしまった相棒グースの息子との因縁。ちょっと寄せすぎでは?と
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トップガン(1986年製作の映画)

2.5

子供の頃テレビで何度か見た記憶はあるのですが本当に断片的にしか覚えていないので新作に備えて見直しました。
記憶に無いわけです。戦闘機・軍隊・青春・ロマンス・ファッション・挿入曲・どこをとっても全く興味
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セブンティーン・アゲイン(2009年製作の映画)

3.6

17歳の時代に戻るんじゃなくて自分だけが若返るという所で1つ驚きがありました。
ザック・エフロンのこれぞミュージカルスターという身のこなしや表情を目一杯堪能できる娯楽作、ですがお話の方も最後にはちゃん
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バクラウ 地図から消された村(2019年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

想像もしていなかった角度のOPから始まり、やたらと出てくる棺に謎の薬、ヒステリックなおばさん、はぐれものギャング…とにかく気になるポイントが多過ぎてどういう話なのか見当もつきません。
村の日常をじっく
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007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(2019年製作の映画)

3.5

メインヴィランであるラミ・マレックがまずどういう存在で何が目的なのかよく分からないし、新しい007も中途半端に関わってきて見せ場を作りたいのかそうじゃないのか分からないし、唯一愉快なパロマ嬢についても>>続きを読む

ナイトメア・アリー(2021年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

前半の舞台であるカーニバル一座のフリークス感や出し物の作りはいかにもこの監督らしい外連味に溢れていて期待が高まります。ここで培ったスキルを使って成り上がっていく中盤以降の流れも、ギリギリの所で窮地を切>>続きを読む

ライト/オフ(2016年製作の映画)

3.5

シンプルなルール設定が演出とがっちり噛み合っていて、低予算ぽさは感じるもののかなり安定感のある仕上がりで面白かったです。
割としっかり"それ"の正体について明らかにしてくれるのも神とか悪魔とかに馴染み
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さがす(2022年製作の映画)

4.2

ミステリー版リアルじゃりんこチエみたいな序盤から人間の闇という闇を抉り出す様な鬱展開を迎える中盤、そして全てのタイムラインが統合されるラストまで、全く予測のつかないストーリーが織りなす名状しがたいエン>>続きを読む

ワンダー 君は太陽(2017年製作の映画)

3.8

オギーを太陽として回る銀河系
母、父、姉、友人達それぞれの視点でフラットに焦点を当てていく語り口に誠実さを感じます。
いじめっ子の彼の描写だけはあまりにも類型的で少し驚きましたが、話の構造上こうなって
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スイス・アーミー・マン(2016年製作の映画)

3.5

2022.50
出オチやん。となりそうなタイトルバックまでのシークエンスでこの後どうする気なのか逆に興味が湧いてきます。
1人でオナラしても恥ずかしくないけど誰かの前ではオナラするもんじゃない。
新し
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ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス(2022年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

私だけが貧乏くじを引かされたというワンダの想いに胸を打たれる人も多かったのでは?
子供のいる世界を実現させる為に強大なスカーレットウィッチと化してしまったワンダからアメリカ・チャベスを守るという追いか
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燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

張り詰めた静謐な空気に包まれて始まる「バレてはいけない画家」とそのモデルのお嬢様とのコミュニケーション。
常にモデルを観察している描き手もまた、モデルである彼女から見られているという反転が物語を大きく
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イコライザー2(2018年製作の映画)

3.5

リアリティは増しているし社会に対する問題意識もより強く押し出されていてなんだかイーストウッド作品を見ている様な感覚を覚えたり。
話のドライブ感も展開の振り切り方も前作の方が圧倒的に面白いと思います。
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イコライザー(2014年製作の映画)

4.0

慎ましく丁寧な暮らしを送る、萎びたダイナーの隅っこが似合うホームセンターの店員。
序盤じっくりと描かれる彼の静かな生活が、その後巻き起こる凄惨な暴力の嵐をより引き立てています。
話が進むごとにエスカレ
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SNS-少女たちの10日間-(2020年製作の映画)

3.6

かなり攻めた企画で内容もなかなかキツめのドキュメント、と言っていいのでしょうか。
編集の都合もあるのでしょうがとにかく男達の行動の躊躇の無さ、スピードに愕然としてしまいました。およそ人とのコミュニケー
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