HidekiIshimotoさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

借りぐらしのアリエッティ(2010年製作の映画)

4.0

『ミクロキッズ』共々、子どもの頃のちっちゃくなって冒険したい願望をなみなみ充してくれるやつ。実は今でもその願望消えてないのはたぶんハンパなチビだから。いっそあと160cmほど小さけりゃよかった。けど地>>続きを読む

千と千尋の神隠し(2001年製作の映画)

4.0

この作品に今さら言うこともなしと思って観直したら、最後の大団円あたりの表現はけっこうな無理やり感。続けて観直すとラピュタや紅豚の方がすんなり感動できたなぁと思う。電通か日テレでブイブイいわせてたら豚に>>続きを読む

となりのトトロ(1988年製作の映画)

5.0

同じ経験してる大人沢山いると思うけど、メイくらいの時の娘のせいで何回観たか知れない。せいでと言ったけどつい一緒に観はじめて、ついまた最後までって経験。こうして観直しは相当久しぶり。ついとかじゃなく本気>>続きを読む

崖の上のポニョ(2008年製作の映画)

4.0

たぶん人類滅亡させたい宮崎駿によるかわいいアニメテロ。売れすぎたジブリ自体への自爆テロだったのかも。なのにやっぱり確か大ヒットで、このテロ行為は成功なのか失敗なのか?とにかくこの辺から子どもの夢を育む>>続きを読む

紅の豚(1992年製作の映画)

4.5

たぶん3回は観てて筋も何もよく知ってるのに、久しぶりで一つの映画として観たら激しく良かった。隅から隅までロマンだった。活劇ロマンの塊だった。細部までロマンだった。作画のみならず感情風情心意気の細部こそ>>続きを読む

天空の城ラピュタ(1986年製作の映画)

5.0

これもずいぶん久しぶり。駿映画三本指と思ってたけど、やっぱりめちゃくちゃ良いな。単純明確で壮大な物語が絶頂期黒澤映画みたいな作画で表現されてる。火水気土の四大エレメント本質を捉えた上での架空世界。絵空>>続きを読む

ハウルの動く城(2004年製作の映画)

4.0

VPNとやらの国設定とやらで海外版Netflixのジブリ観れる!と知り、まずはよく分からなかった覚えのこれから観直しだ。やっぱりよく分からない。けどよく分からない理由はもう分かる。分からないように作っ>>続きを読む

斬、(2018年製作の映画)

4.0

塚本映画最初から観直してみればどれもこれもがさらに良かったんだけど、これもかなり良かった。どれもこれも塚本晋也でしかない映画しかないウィークだった。こんなテーマで掘り下げた時代劇もやっぱり観たことない>>続きを読む

KOTOKO(2011年製作の映画)

4.5

塚本映画観直しの最大の山場映画。とばしたいと思ったけど思い直し観。序盤でやっぱやめようか何度か思った。血まみれの手首。逆剥けする理性。地滑りする母性。こっ、こ、こわい。続けて言えばCocco怖い。なの>>続きを読む

鉄男 THE BULLET MAN(2009年製作の映画)

3.5

この撮り方何べんやれば気が済むんじゃと思わんでもないけど、また鉄男なんだからだからまあ思わないことにする。また鉄男かよと思わんでもないけど、そうだよまた鉄男だよ文句あんのかよと思うことにする。手振れ度>>続きを読む

悪夢探偵2(2008年製作の映画)

4.0

塚本版ホラーは『リング』っぽいけど、リングまた観たら死ぬ俺がまた観れるくらいは怖くない。怖いより面白い。撮り方だけでホラー味だす創意工夫が面白い。そして最後は怖いよりも面白いよりも哀しい。前観た時もあ>>続きを読む

悪夢探偵(2006年製作の映画)

3.5

レビューざっと見ても塚本ファンまでが低評価。その原因をぜんぶ一人で担った感じのhitomi嬢。はどう見ても刑事じゃなくてキャバ嬢。ドラマを台無しにする学芸会演技が謎キャスティング。原田芳雄で幕開けるメ>>続きを読む

HAZE ヘイズ(2005年製作の映画)

4.0

たった46分。なのにヘビー級。今度は愛と死のじゃなくて死と愛の煉獄映画。閉所恐怖症の人(監督自身もだと)には煉獄どころかガチ地獄なのでやめた方がいい。狭い隅っこわりと好きな俺にも地獄なんだけど、観終わ>>続きを読む

ヴィタール(2004年製作の映画)

4.5

塚本映画観直しウィークの山場。厨二病大噴火みたいな『鉄男』から15年後に、塚本晋也がこんな愛と死の深淵映画を撮るとは誰も想像しなかったと思う。やっぱり変態性強いんだけど、なんだか変態性の概念を塗り替え>>続きを読む

六月の蛇(2002年製作の映画)

4.0

変態映画だったか愛映画だったか定かじゃない覚えのこれ、観直したら変態から愛覚醒の映画だった。やっぱり変態から覚醒へと至ったスコセッシもお気に入りなのが納得。覚醒に至らず変態どまりの俺も超お気に入り。豪>>続きを読む

双生児 GEMINI(1999年製作の映画)

4.0

予想以上に楽しい塚本晋也ウィーク。これ昔観た時はイマイチの覚えだったのでパスしようかと思ったけど、我が心の恩師筒井康隆出演に釣られて観た。ら恩師早々に退場。残念。けどモッくんがすんごく良かった。『おく>>続きを読む

BULLET BALLET バレット・バレエ(1999年製作の映画)

4.5

塚本映画の中でもベスト3に好きなやつ。初期作から順番に観直せばこれで格が一段上がったとわかる。冴えない男が狂気へ覚醒、と相も変わらずなようで多様に広がってると感じる。カタルシスも深まったと感じる。主役>>続きを読む

鉄男 II BODY HAMMER(1992年製作の映画)

3.5

これは初めて観。今度は『ビデオドローム』+ちょっと『エイリアン』な感じ。内容はというと前作と違うようでまあほぼ同じ。資金アップした分ぐちゃぐちゃだけをスケールアップさせた感じが微笑ましい。ほんとに好き>>続きを読む

鉄男 TETSUO(1989年製作の映画)

4.5

日本の誇り塚本晋也の商業デビュー作にしてローマ国際ファンタスティック映画祭グランプリ作。もはや伝説の映画と言っていいと思う。人類機械文明到達点映画のような気もする。これもぐっちゃぐちゃ。けど今でもかな>>続きを読む

電柱小僧の冒険(1995年製作の映画)

3.5

新作公開記念に塚本映画観直しでこれからまた観。めちゃくちゃだ。ぐちゃぐちゃだ。けどパワフルだ。出たトモロヲだ。塚本晋也も当然ぐちゃぐちゃに若い。これこそやり場なきエナジー溢れる若者のやるべき活動って気>>続きを読む

ゴースト・トロピック(2019年製作の映画)

4.0

深夜の街をトコトコ行くおばちゃんの、はじめてのおつかいみたいな初めての乗り過ごし。色んなことに出合うたぶん移民のこのおばちゃんの、移民なのに滲み出る無害感が羨ましい。移民じゃないのに23時すぎにチャリ>>続きを読む

Here(2023年製作の映画)

4.0

途中かなり心地よく寝てしまい、寝びっくりでバチっと目覚め、後は苔に水が沁み入るように観ていた。以前生まれ変わったら何になりたい?と訊かれ「コケ」と答えた身として悪かろうはずがない。知性と色気の完璧バラ>>続きを読む

伯爵(2023年製作の映画)

5.0

独裁者ピノチェトが酷い奴なのは痛ましくも美しいドキュメンタリー『真珠のボタン』でつくづく知らされた。改めてwiki見たらほんとに酷い。誘拐投獄拷問暗殺強制収容の犠牲者は推定10万人、文化を破壊し金塊9>>続きを読む

サイコ・ゴアマン(2020年製作の映画)

3.5

ちょっと覗き観のつもりが、じゃりんこチエ×仮面ライダーみたいな珍作でつい最後まで観。けっこう笑った。理性の意表を突くバカ展開の連打。これ作った人達の作るポイントはどれだけ理性のタガを外せるか、だと思う>>続きを読む

アメリカン・ポップ(1981年製作の映画)

4.0

カルトアニメ『ベビーメタル』に近い感じ。監督どんな人?と思ったらパレスチナ出身のアメリカ移民、アングラコミック『フリッツ・ザ・キャット』をアニメ化、アニメで初の成人指定、『指輪物語』のアニメ化と、ジャ>>続きを読む

マジック・ボーイ(1982年製作の映画)

4.0

俺的には役者映像脚本ぜんぶが映画的悦楽の塊って感じだったのに、皆さんなんかぼちぼちの評価で切ない。カメラワークいいなと思ったら監督は撮影監督が本業の人。しかもズーイー・デシャネルの父ちゃんだった。脚本>>続きを読む

アウトフィット(2022年製作の映画)

3.5

スピルバーグのお気に入り、たぶん今を代表する俳優の1人マーク・ライランス。経歴みたら舞台役者としてもうギンギンに輝かしい経歴なのだった。これも静かにギンギンに独壇場で他を置いてけぼり。けど俺この人なん>>続きを読む

ジョン・ウィック:コンセクエンス(2023年製作の映画)

4.0

全犬好きの為の大アクションシリーズ最終章。ちゃんとバージョンアップしてたし、もはや人間にゃついていけないレベルまでハイパーアップしてた。のでもうネオと思って観てた。モーフィアスとの絡みはやっぱり熱い。>>続きを読む

ジョン・ウィック:パラベラム(2019年製作の映画)

3.5

4観る前にまた3観とこ観。ガニ股でボテボテ走るキアヌ走りたまらん。イキったトム走りと双璧。キアヌもトムも一体いつまで元気なんだし。似非日本人殺し屋もいい味だしてる。けど東洋人のスキンヘッドはただのハゲ>>続きを読む

ショーイング・アップ(2023年製作の映画)

4.5

見逃してたショーイングアップが突如U-NEXTにショーイングアップ。好きな子から手紙きたくらい嬉しい。その手紙の封を丁寧に開ける思いでプロジェクターオン。ああライカート映画への気持ちは恋みたいなものだ>>続きを読む

オフィサー・アンド・スパイ(2019年製作の映画)

4.5

どちらもユダヤ人、どちらも巨匠だけどスピルバーグとポランスキーのユダヤ人問題の描き方はぜんぜん違う感。スピは悲劇を外から俯瞰で考察し、ポラは悲劇の内から痛みを滲み出させる感じ。アリゾナ育ちのスピ氏と、>>続きを読む

もののけ姫(1997年製作の映画)

5.0

森と人間が共に生きる道はないのか?のアシタカの問いかけはどの人間かで答えが変わるわけで、アマゾンの森に先住しアニメなど観たこともない人間とかならあるよ、てかやってるよだし、古き良き吉祥寺プラザ閉館特別>>続きを読む

わたしは最悪。(2021年製作の映画)

4.0

こんな不快と共感と面白いの境界線をグラデーションにしたような映画はじめて観たかも。『緑の光線』がそうだったかも。ラースの親戚のくせにハネケとノア・バームバックの境界線をボカシた感じだった気もする。不快>>続きを読む

北京的西瓜(ぺきんのすいか)(1989年製作の映画)

4.0

ああいにしえの日中パワーバランス。この頃は日本人が中国人を助けてたかぁとしみじみ寒々する感動の実話。鑑賞後に涙をぬぐい飯作って食べながら、映画賢者大林宣彦がこの映画について語ってる動画観てまたポロリ。>>続きを読む

砂の器(1974年製作の映画)

3.5

橋本忍由来で黒澤映画総括みたいなことした〆にこれまた観。助監時代は黒澤明に「日本一の助監督」と絶賛された野村芳太郎×橋本忍・山田洋次脚本。70年代邦画の代表作。けど脚本読んだ黒澤は無駄が多い理にかなっ>>続きを読む

まあだだよ(1993年製作の映画)

5.0

『どですかでん』では最底辺ゴミ酒呑み爺だった松村達雄が、ここでは最上級金むく酒呑み爺。『どですかでん』あたりまでは色んな毒々しい人間模様を描いてた黒澤明が、生涯最後の作品では無害無菌なような人々だけを>>続きを読む