ヴぇるさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

ヴぇる

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欲望という名の電車(1951年製作の映画)

3.2

ミステリアスな雰囲気にサスペンスを乗せて作り上げた作品だ

序盤でクセの強い出演者達の性格を掴むエピソードがいくつか入るが、これが面白くスっとこの物語に入ることが出来る。ただ、核心には遠い状況なのでこ
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黄昏(1951年製作の映画)

3.8

白黒映画ながらも美しい衣装やセットの街並みがこの悲愛を素晴らしいものに押し上げている。

男優の2人は最高だ。ダンディズムで渋い男に、狡猾だが笑顔が素敵で憎めない男。

だが、女優が最悪のキャスティン
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怒りの葡萄(1940年製作の映画)

3.1

当時の社会問題の現実をキッチリ映し出し、それでも生き抜く人々を描いた1作だ。

今作は映画的な分かりやすい盛り上げや抑揚は出来るだけ控えめにしており、状況描写が多いように感じた。
つまり感情を増幅させ
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スミス都へ行く(1939年製作の映画)

3.8

真実と国への忠誠を誓った田舎出の男が腐敗にまみれた政治の世界で正義とはなにかを全ての人民に問いかける尊い1作だ。

まず序盤の流れはポップな描き方であっという間に映画に引き込まれる程に楽しい物だ。白黒
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フィアレス(1993年製作の映画)

3.2

ラストの考察で全てのイメージがガラリと変わる映画だと思う。

ラストシーンの直前で彼は妻に救ってくれと言っており、その後妻に助けられ「生きている」と心からの声が聞こえた気がした。これは劇中の恐怖を持た
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風が吹くとき(1986年製作の映画)

3.1

ストレートな反戦映画であるが、残酷描写は特になく目を背けたくなるようなシーンは皆無なため子供の戦争映画の入門編と言った形だ。しかし、撮影技法が独特な世界作りを構成しており、大人でも最後まで飽きずに視聴>>続きを読む

キング・コング(1933年製作の映画)

2.8

1933年当時ハリウッドの特殊効果を最大限に使用した後世に残る偉大な一作だ。

ストーリー自体は面白いし、今見ても迫力もそこそこある。まぁ欠点ももちろん90年近く昔の映画なので当然あるが、論評するのは
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ホテル・ルワンダ(2004年製作の映画)

3.6

内戦映画としてはトップクラスの作品で、この手の題材を使用しているにも関わらず120分をあっという間に過ごすことができる。

実話ベースとはなっているが、脚色が強くフィクションと言っても差し支えない内容
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ウエスト・サイド物語(1961年製作の映画)

3.1

偉大なミュージカル映画の最高峰の1つであり、リスペクトされるべき作品だ。

60年前に作られたとは信じられないほど、映像は美しく、撮影法や、照明は未だ色褪せない程の輝きを放っている。
ミュージックの多
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アマデウス(1984年製作の映画)

4.2

85年のオスカーを総ナメにし、見れば見るほど聞けば聞くほど惹き付けられる名作だ。私の好きな批評家のNostalgia_Criticもベスト映画の2位に挙げている。

モーツァルトと神と己の中の狂気と戦
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バタフライ・エフェクト(2004年製作の映画)

4.4

タイムリープ映画の王道にしてベストの映画だ。

自身の選択によっていかに未来が変わっていくか、過去を変えたことによる弊害や責任の所在はどうなる?と常々考えていた私にとっては今作はイラつくこと無くむしろ
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天才作家の妻 -40年目の真実-(2017年製作の映画)

2.8

ハッキリ言って終始退屈で凡庸な作品だ。

妻を際立たせるために旦那を品性が欠けるように映し出し息子との関係も旦那が悪いように描いており、ありきたりな脚本、脚色に感じる。
妻がゴーストライターなのは本作
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フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法(2017年製作の映画)

3.7

子供目線の生活を丁寧に映し出すことに成功している素晴らしい作品だ。

前半は規律を知らない子供たちがどの様に育ち、それでも誰に守られているか、その背景を描いている。
導入から一定のテンポなので当初は退
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翔んで埼玉(2018年製作の映画)

2.8

撮影、編集、演技、セット全てがお粗末レベルの作品であり、そこまで力を入れずにとにかく完成させればいいだろうという気持ちがヒシヒシと感じる作品だ。
加えて、楽をするためと、邦画の予算を抑えるためにCGと
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七人の侍(1954年製作の映画)

4.5

邦画の最高傑作の名の通り永遠に愛され続ける歴史的な作品だ。

誰もがいくら黒澤監督作品とはいえ、白黒作品にはネガティブな印象から始まるだろうがそれはものの5分で吹き飛んでしまう。そんな事すらどうでもい
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万引き家族(2018年製作の映画)

3.9

まず第一に何言ってるのか分かり辛いこもった録音方や俳優の喋り方、被らせて喋らせ聞こえづらくする演技指導をしているものは今すぐこの業界から消えていなくなるべきだ。
これだけで安藤サクラという才能が発声の
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母なる証明(2009年製作の映画)

3.1

パラサイトで作品賞に輝いたポン・ジュノ作品である。

前半は正直言ってただ淡々と物語が進行していくだけの印象だ。特に感情が揺さぶられる訳でもない上に、笑いどころなのか肩の力を抜く場面なのかがイマイチ掴
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ビューティフル・デイ(2017年製作の映画)

2.8

新しいことをしようとしている意図は見えるし抽象的な絵作りに成功している作品だ。

今風な撮影技術を用いて雰囲気を重視した結果、ダークな雰囲気を醸し出すことに成功しており、登場人物に深みを持たせるように
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生きてこそ(1993年製作の映画)

4.1

実際に起きた事件を忠実に再現したサバイバル作品であり大傑作と言っていい出来だ。

衝撃的な作品で何から話せばいいか悩む所だが、緊張感の誘導と緩和が素晴らしいと感じた。この手の映画は上映中気の抜き所がわ
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愛と青春の旅だち(1982年製作の映画)

3.7

若きリチャード・ギアの人生のハイライト的作品であり、伝説的な王道の青春映画である。

全体的に言ってしまえば最後まで興味を絶やすことなく視聴することができる。
シリアスなシーンや激しいシーンに加え登場
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未来世紀ブラジル(1985年製作の映画)

3.0

いわゆるディストピア系のSF作品である。
アメリカの人気批評家Nostalgia_Criticは今作をBESTに挙げており興味を持って視聴した。

1980年代の映画とあって、未来に夢や可能性を感じる
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クレイマー、クレイマー(1979年製作の映画)

3.6

80年に世間を席巻した伝説的な映画だ。

正直に言ってしまうと前半はイライラしっぱなしだった。言うことの聞かない息子、家事のできない男、自分勝手な女。
登場人物全てイラつきながら視聴していたが、どうや
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マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)

3.5

現代の離婚問題を2時間という枠に納めパッケージとしても優秀な1作だ。

序盤は女性向けのフェミニストが大好物な仕上がりなのでは無いか?とある意味斜めに見ていたが、ジョークも男である私は笑いながら見れた
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ヒトラーの忘れもの(2015年製作の映画)

3.7

戦争映画には知られざる出来事を扱う作品は多いが、今作は史実と脚色が上手く融合したある意味美しい映画になっている。

内容は映画の予告通りだ。それが全てであり、それに終始する。
が、物語は存在し画面から
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永遠に美しく…(1992年製作の映画)

3.5

92年の視覚効果賞も頷ける程の演出であり、当時はヒットした映画だ。

昔観た映画と言うのは思い出補正故に評価が高くなるので、それを確認するために再視聴した。

が、結局はそれは杞憂であり、最後まで笑い
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リトル・ミス・サンシャイン(2006年製作の映画)

3.5

ロードムービーとしてはお手本の様な心温まるコメディ映画でお気に入りのひとつだ。

まず何よりも言いたいのは、1人1人のエピソードの扱い方が非常にうまいという点だ。
家族は母親以外はみんな何かしらの問題
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ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

1.9

合わない人間には響かない映画だろう。つまり私には全く良さが理解出来ない映画だった。

正直言ってしまえば終始イライラした。
子供へ感情移入する事は難しい。何故なら、彼の中のナチは浅はかな洗脳の産物だし
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パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.1

大傑作と言っていい程のボリュームと洋画中心の私でもすんなり受け入れることが出来た驚きの映画だ。

現実に起きている社会問題を究極まで本質を掴み、人がどの様に動いていくのかを繊細な心理描写と共に大胆に映
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サイコ(1960年製作の映画)

3.2

有名過ぎるあのシーンを知ってる人は数多くいるが映画自体を知っている人は少ない。

1960年代に大ヒットを記録し、興行収入は制作費に対しておおよそ625倍にまで膨らんだ。それだけ当時はサイコパスという
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サウンド・オブ・ミュージック(1964年製作の映画)

3.8

1960年当時前例にない程巨額をつぎ込み大成功を収めた伝説的な映画である。

全てのミュージカル映画の原典であり、お手本にすべきな作品だ。
誰もが同じ感想になるとは思うが、曲、歌唱力、演技は最高品質で
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宇宙人ポール(2011年製作の映画)

3.0

コメディSFの王道ストーリーといった映画だ。

2人のNerdが宇宙人を拾いそこから巻き起こるドタバタコメディであり、ストーリーはよくある物だ。
しかし、脚本は丁寧に作られており、この手の作品によくあ
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プラトーン(1986年製作の映画)

3.0

「フルメタルジャケット」「地獄の黙示録」今作とベトナム戦争では良く名前の上がる3作だが、内容自体はそこまで大きな違いはなく、悲惨さや味方の壊れていく様が映されている。

正直に言ってしまえばベトナム戦
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戦場のピアニスト(2002年製作の映画)

3.8

いわゆるホロコーストに対してアプローチを始める人へ向けられた映画だ。

戦争当時のユダヤ人の生活がいかに奪われどう時代が動いて言ったのかを主人公を通して我々に教えてくれる教材とも言える映画で、脚本はう
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ソフィーの選択(1982年製作の映画)

3.0

まず最初に言いたいのは劇中歌のマービンハムリッシュ作「Love Theme」は映画史上最高の曲の1つで、出会えた事に感謝したい。

さて映画の評価だが、ラストの15分間は非常に惹き込まれるが、そこまで
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ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア(1997年製作の映画)

4.2

ロードムービーの原典でありベストと言っていい出来の映画だ。

コメディタッチでもあり緊迫した場面やエモーショナルな場面もある。これを90分で仕上げた事は賞賛に値するしこの構成力だけでも何らかの賞が渡っ
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サイドウェイ(2004年製作の映画)

3.9

強く響くような映画ではないが、最高なセンスに身を任せると極上な心地のいい体験の出来る映画だ。

内容はいわゆるロードムービーで人生にほぼほぼ無気力な男が親友との旅で何を掴むかというような内容である。
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