巴里得撤さんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

巴里得撤

巴里得撤

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82年生まれ、キム・ジヨン(2019年製作の映画)

3.4

女性映画だと思ってたんだけど、社会派映画。産後うつの映画ではないよ。

誰もが家族を思いやって生きているのだけど、社会的な慣習やジェンダー差別によって、軋轢や分断が生じている。それは普段は糊塗されてい
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彼女のいない部屋(2021年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

「家出をした女性の物語、のようだ」

間違ってはいない。問題は彼女が出てきた「家」が何を意味するのかということ。

それは絶え間なく押し寄せてくる喪失感。

それから逃げるために、彼女は家出し、あるべ
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タワーリング・インフェルノ(1974年製作の映画)

4.2

正真正銘のオールスター映画。演技も脚本もスペクタクル演出もすばらしい。
スティーヴ・マックイーン、ポール・ニューマンという2人の主役もしびれさせてくれるんだけど、助演陣が描き出す極限状態における人間模
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NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

3.4

ホラー初のIMAX作品というふれこみだったけど、ホラーって言うよりスペクタクル大作。シュールな「UAP」のデザインも見ごたえがあるし、山に囲まれた荒野という舞台もいい。なによりもラストの「ジュープ」の>>続きを読む

ナック(1965年製作の映画)

1.0

この作品にグランプリを与えたのは、カンヌの汚点。

レイプ礼賛、女性蔑視がきっつい。

ラストのアルバート・ホール前の描写は、ビートルズ・マニアを揶揄しているようにも読み取れるけど、リチャード・レスタ
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ファイヤーフォックス(1982年製作の映画)

3.0

米ソ冷戦時代を舞台としたスパイ映画。
アクション超大作かと思いきや、展開や画づくりは非常に地味。
そのぶん、味わいがある映画に仕上がっている。
イーストウッドがスパイに扮するのは、『アイガー・サンクシ
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グレイマン(2022年製作の映画)

3.2

アタマからオシリまでアクションの連続。
なかでも輸送機からの脱出と、プラハでのトラムも絡んだ銃撃戦が出色の出来栄え。

しかし、終盤はスローダウンしちゃった印象。シックスとロイドの最終決戦も肉弾戦で勝
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プアン/友だちと呼ばせて(2021年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

観終わって、邦題の意味が重くのしかかってきた。
ウードはボスの友達ではなかった。物語の半ばまでは。

かつての恋人たちに謝罪する行為を通してありのままの自分をボスにさらけだし、ある秘密を打ち明けること
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スタートアップ!(2019年製作の映画)

3.5

ウェルメイド。

終わってみれば、マ・ドンソクの映画だった。

母子は和解したけど、それ以外の問題は何も解決していない。それでもハッピーエンディングってのがいい。

過去のない男(2002年製作の映画)

3.2

フィンランド、住むのつらそう。

映画の空気感は好きだけど、脚本の練れてなさ加減が、ツラい。

最後の「親睦会」でタラタラ流れてる懐メロ聴いて、「おい!違うだろ!!! ロックンロールだろう!」と主人公
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空気人形(2009年製作の映画)

2.8

ぺ・ドゥナが素晴らしい。
寓話だから図式的なのは仕方ないのかな。

なぜか、是枝監督の作品は繰り返し観ようという気にならない。

救いがないからかなぁ。。。

ブルータル・ジャスティス(2018年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

ノワールの秀作。
熱狂的なファンがいるのもわかる。
淡々としたタッチがいい。
メル・ギブソン演じる主人公は、最初から破滅を見越していたんだろう。友の死も自分の死も淡々と受け入れる。
その結末をどう受け
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ディナーラッシュ(2000年製作の映画)

4.0

「ボイリング・ポイント」じゃなくて、これだよ、これ。

ボイリング・ポイント/沸騰(2021年製作の映画)

3.2

見かけ通りのものはなにもない。大盛況のレストランも裏に回れば、さまざまな確執が渦巻いている。

唯一、主人公アンディだけは、冒頭からダメ人間ぶりを隠そうとしない。で、どんどんダメっぷりに拍車をかけてい
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マイク・タイソン THE MOVE(2008年製作の映画)

3.4

「怖かったんだ」という言葉を繰り返すのが印象的。
アップandダウンな人生に見えるけど、実はダラダラと坂を下り続けていたのか。
すべては金のため。
たぶん、このドキュメンタリーも金のため。
だれもそれ
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ウエスト・サイド物語(1961年製作の映画)

2.0

トニーとマリアがとにかくクズ。
特にマリア。最後は被害者ヅラか。こいつが余計なこと言わなければ、こんなことには。。。

話の持って行き方もスピルバーグ版より雑で、その分「まぁ、いっか。所詮はミュージカ
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エルヴィス(2022年製作の映画)

4.0

少年エルヴィスに黒人音楽の聖と俗が同時に降りてくるシーンがすばらしい。この時ロックンロールが産まれる。

ラスウッド・パークスタジアムのライヴまでは、最高の黒人音楽&ロックン・ロール映画で、鳥肌立つこ
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リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

4.2

自分が何者なのかわからない。相手のことを好きなのかもわからない。そんな2人が右往左往する映画。
かと言って、退屈なわけではなく、ハラハラするスペクタクルも用意されている。
でも、一番ハラハラさせられる
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ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

3.8

「生まれてきてくれて、ありがとう」
このセリフに尽きる。
こんな言葉をかけてくれる人は、もしかしたら「家族」ではないかもしれないけど、その人のために前を向いて生きていける。
あの場にいた5人は「擬似家
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ジャングル・フィーバー(1991年製作の映画)

3.0

黒人も白人もレイシストだらけ。ドラッグだけは人種差別しない。みんな平等に腐敗していく。

残念ながら映画としての完成度は今ひとつ。言いたいことがたくさんあるのはわかるんだけど、結局、とっ散らかっちゃっ
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最強殺し屋伝説国岡 完全版(2021年製作の映画)

3.2

主人公、国岡は『ベイビーわるきゅーれ』では秒殺されてたけど、関東の殺し屋のレベルは関西の殺し屋よりも段違いに高いってことですかね。
ラストの格闘シーンが急に香港カンフー映画になっちゃうとことか、自主映
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トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

4.8

映画らしい映画。娯楽映画にほしいものが、すべて入っていた。「知ってた」って感じの結末も含めて、すばらしい。
「戦闘機かっくいー」で終わらずに、常に死と隣り合わせであることを映像で感じさせる。さすが、実
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ある用務員(2020年製作の映画)

2.5

マンガ。それはいいのだけど、キャラクターに感情移入できないのが問題。

ホワイト・ストーム(2019年製作の映画)

3.2

香港映画らしい良作。

善き人になりたい元ヤクザという、アンディ・ラウにピッタリな役。終盤、狂気に陥る(としか思えない)展開もあの映画を彷彿とさせる。

設定やアクションが荒唐無稽なのはいいんだけど、
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悲しみは空の彼方に(1959年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

DVD(かな?)のジャケは、看板に偽りありで、メインはアニーとサラジェーンの葛藤。

「Black is Beautiful」と口に出せるまで、黒人は、自らを恥じるしかなかったわけで、もちろん社会の体
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青春残酷物語(1960年製作の映画)

3.0

主人公2人というよりも、当時の日本がナイーヴだったんだろうな。
物語に感情移入はできなかったけど、さすが大島渚、画づくりは見るべきものがある。

べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)

4.2

大傑作。

音楽がショボいのが低予算映画ってかんじだけど、アクションはハリウッドにも香港にも負けない。

でも、最大の魅力は主役の2人の掛け合い。

さがす(2022年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

一晩親父の姿が見えないくらいで、必死に「さがす」か?という疑問もラストで氷解する。
つまり、娘はすべてを知ってたんだな。彼女は、父が殺人犯の手にかかることを恐れ、父の命を救いたい一心で手を尽くす。
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ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

4.2

ストーリーはシンプルだけど、メッセージは深い。
しかも、このときナチがやったことを、いままたロシアがやっているという。

そんなポリティカルな視座とは別に、人としての尊厳とか他者に対するリスペクトとか
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ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)

4.0

現在進行形のさまざまな分断をエンタテインメントとして描ききったスパイク・リーに脱帽。

象は静かに座っている(2018年製作の映画)

4.2

映画完成後に監督が自死を選んだのは、これでもかというくらいに画面に塗り込められている厭世観にやられたのかと、映画終盤まで思っていたんだけど、ラストの象の声を聞いて、登場人物のなかで希望は潰えていないこ>>続きを読む

ジョン・F・ドノヴァンの死と生(2018年製作の映画)

2.0

宙ぶらりん感。

いいシーンはいくつかあるんだけど。

ジョンにとってのルパートの存在っていったい???

ルパートは過剰に大人びてるし、大人たちはあまりに未熟。

ジョンと母親、兄の話にフォーカスす
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TITANE/チタン(2021年製作の映画)

4.0

消化するのに時間がかかりそう。

予想通り、エグみの強い映像てんこ盛り。いくつかのシーンでは、観ててなぜか足がすくんだ。

主人公アレクシアは、自動車へのポゼションが高じて、人間性を拒否しているように
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下女(1960年製作の映画)

3.2

突拍子もない話だなぁと思ったら、説教されて終わった。
「こんなことありえないわ」ってまったくその通りなんだけど、じわじわと追い詰められる感じは心に迫るものがある。
映画としての強度を感じるし、そこにこ
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