たむさんの映画レビュー・感想・評価 - 98ページ目

LION ライオン 25年目のただいま(2015年製作の映画)

4.1

『スラムドッグミリオネア』や『ライフ・オブ・パイ』に続くアカデミー賞にからんだインド映画ではないインドをテーマにした衝撃実話の映画です。
凄まじい葛藤、力強い映像と音楽!物語だけでも驚愕ですが、それだ
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グレートウォール(2016年製作の映画)

2.0

これほど志が高い映画は久々です。映画史を変えようとするエネルギーが、才能溢れるスタッフ・キャストから炸裂しています。
しかしながら、伝説の傑作『スターシップ・トゥルーパーズ』から20年…それを狙った匂
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明日に処刑を…(1972年製作の映画)

3.5

マーティン・スコセッシ監督、最初期作から表現したい世界は、今までほとんどぶれていない事を実感しました。

T2 トレインスポッティング(2017年製作の映画)

3.6

本当に前作から20年後、キャストも20年分歳をとっているので、特殊メイクでは決して表現できない、説得力が映画中に溢れています。
そういう意味では、トリュフォー監督のアントワーヌ・ドワネルものやリンクレ
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トレインスポッティング(1996年製作の映画)

4.0

爆音映画祭で初めてスクリーンで鑑賞です。
普遍的な青春映画だったんだな、と改めて気づかされました。制作から20年たって、多くの映画に影響を与えたこの映画も、いまやこのジャンルの古典。観る側も無駄なもの
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午後8時の訪問者(2016年製作の映画)

4.0

ダルデンヌ兄弟はパルムドールを受賞した2本の映画が「主題と題材」がうまい監督という印象を最初のころ持っていました。
その題材の選択のうまさに、ドラマがしっかりと構築されてきたのが、『少年と自転車』以降
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ゴースト・イン・ザ・シェル(2017年製作の映画)

3.0

あぁこういう話だったのか、とハリウッド映画らしいわかりやすい解釈の映画となっています。
スカーレット・ヨハンソンさんは、この人以外考えられないほど、少佐役にぴったりです。しかし、アニメーションの擬体感
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コントラクト・キラー(1990年製作の映画)

3.8

絶望から始まる物語で、カウリスマキ監督らしい映画です。
人生に対する「何が起きるかわからない」感と「残酷だけど人生は面白い」肯定感を、ユーモアでバランスをとります。この感覚、カウリスマキ監督の見事な才
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ジャッキー ファーストレディ 最後の使命(2016年製作の映画)

3.6

ナタリー・ポートマンさんは時々奇跡的な名演技を見せますが、本作もその一本です。
脚本もジャッキーに取材にきた記者からの視点で、時間軸を交錯させます。ケネディを知らなくても、大丈夫な作りになってます。
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はじまりへの旅(2016年製作の映画)

3.7

個人的にはハズレない俳優、ヴィゴ・モーテンセンさんがアカデミー賞にノミネートしたホームドラマです。
この時代と世界で子供を育てていくことの困難さをユーモアを交えて描きます。

キングコング:髑髏島の巨神(2017年製作の映画)

3.5

これまでのキングコングのイメージを覆す、超ハードバトルアクション映画です。
イメージを覆す、そういう意味でも最近激増のリブート映画が見本にしていただきたい映画です。

ムーンライト(2016年製作の映画)

4.6

あっという間、映画にのめり込むように鑑賞しました。
3つの年代を描く中で、本作は超重要な部分を省略します。リンクレイター監督の映画のように、観客は能動的に映画に参加して、キャラクター達に同一化していけ
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皆殺しの天使(1962年製作の映画)

4.1

不条理で、超現実的で、ホラーで喜劇…様々なジャンルを越境している映画です。
『ゲームの規則』的な映画かと思いましたが、本作の不可解さは魅力的で異様な世界です。

プラウダ(真実)(1969年製作の映画)

3.4

政治的な映画で、映像とナレーションの関係が議論されたりします。
あいかわらず難しく、難解ですが、映像と音でなんだかよくわからないのに笑ってしまう瞬間もある映画でした。

気ままな情事(1964年製作の映画)

4.0

浮気を題材にしたコメディです。
夫の妻の浮気を疑って妄想するシーンが、極端で笑わせてくれます。
奥さん役のクラウディア・カルディナーレさんが特に素晴らしいです。ヴィスコンティ監督作品の重厚さとは違う魅
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モアナと伝説の海(2016年製作の映画)

3.4

描かれる哲学や悪のキャラは宮崎アニメとほぼ同じなので、特に新鮮味はございません。
あとは好みの問題ですが、私はラプンツェルやアナやエルザより、モアナのキャラクターの方が好きだったです。なので、非常に楽
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パッセンジャー(2016年製作の映画)

2.7

このレビューはネタバレを含みます

SFラブロマンスです。この主人公の孤独からジェニファー・ローレンスさんを目覚めさせる辺りに、観客の評価の分かれ目がありそうです。個人的にはホラーっぽい展開ですが、共感しました。
また、ラストで植物を育
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レゴバットマン ザ・ムービー(2017年製作の映画)

3.7

試写会、吹替え版の鑑賞です。
史上初めて愉快で楽しいバットマン映画ではないでしょうか。
ギャグにギャグを重ねつつ、ウェルメイドにまとめていきます。『レゴムービー』同様、時々哲学的ですが、このフランチャ
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愛の果てへの旅(2004年製作の映画)

4.0

ソレンティーノ監督第2作で、鬼才炸裂の裏社会映画です。
緊迫した場面で男が綺麗な女性に見とれて、電柱にぶつかるシーンなどなど変なシーンが度々登場します。

もうひとりの男(2001年製作の映画)

3.5

ソレンティーノ監督も、デビュー作に全ての萌芽がありました。
内容は正直掴みきれませんでしたが、のちの傑作『グレートビューティー』『グランドフィナーレ』で炸裂するモチーフの数々を、因数分解してみるのもま
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SING/シング(2016年製作の映画)

3.3

これは楽しい、愉快な映画です。
多くのアニメーション映画が大人も楽しめるようになった一方で、テーマが社会的・哲学的になっていく中にあって、本作は徹底的な娯楽主義を貫きます。群像劇の構成なので、クライマ
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わたしは、ダニエル・ブレイク(2016年製作の映画)

4.2

社会福祉の問題をこれほど突き詰めて描いた映画は数少ないのではないでしょうか。ケン・ローチ監督最高傑作の一本です。
もちろん、カンヌ国際映画祭はこの題材の映画をよくパルムドールに選びます。ダルデンヌ兄弟
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ブロークバック・マウンテン(2005年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

『クーリンチェ少年殺人事件』を観て、感想を改めて書きたくなりました。
アン・リー監督はこの映画で非常に印象に残るシーンで『クーリンチェ少年殺人事件』を引用しています。
血だらけになった白いシャツと、ラ
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牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版(1991年製作の映画)

5.0

25年という歳月の中で、本作が映画の未来を形作って来たことを、不幸にも私は知りませんでした。
本作には映画史的な記憶に溢れています。『新学期操行ゼロ』から始まり『理由なき反抗』『大人は判ってくれない』
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家族の肖像(1974年製作の映画)

4.3

本当に豪華なペシミズム映画です。
小津監督が中流階級でやったテーマを貴族出身のルキノ・ヴィスコンティ監督は上流階級で描き、映画史的にも貴重な映画になってます。
上流階級になったからといって、人生が楽に
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ボヤージュ・オブ・タイム(2016年製作の映画)

3.5

テレンス・マリック監督の映画は哲学書を「体感」させてくれる、そんな印象があります。
壮大な世界観は難解ですが、訳がわからないのに圧倒される、いつもながらに不思議な映画です。
宇宙史をそのまま映画にする
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ビリディアナ(1960年製作の映画)

4.0

禁じられた題材と許されなかった表現とが、融合して、シュールかつ象徴的な映画になってます。
表面より内側でグツグツしている印象です。

LEGO(R) ムービー(2014年製作の映画)

4.0

これは驚きの傑作です。
アニメと思って観ていましたが、クライマックスの展開は想像を超えています。
ミレニアムファルコンとハン・ソロたちのエピソードは、この映画の監督の次回作、ハン・ソロのスピンオフのノ
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お嬢さん(2016年製作の映画)

4.0

パク・チャヌク監督がついにその作家性を、限界を設けず描ききった、最高傑作です。
どんでん返しを連続させ、過剰な暴力と性とユーモアが観客の常識を破壊していくカタルシスにただただ圧倒されました。

ラビング 愛という名前のふたり(2016年製作の映画)

4.0

ラビング夫婦の物語には、相手に対する不安も不信感もありません。最近のラブストーリーでは非常に珍しい作品です。
二人の葛藤は常に社会的な差別と偏見にあります。シンプルなのに、心に響く映画です。

アサシン クリード(2016年製作の映画)

2.1

アニムスという装置が出てくるので、ユング的な物語が展開します。
ユング的なのに、びっくりするほど複雑な物語に、アクションシーンも頭に「?」が出てきます。
もちろん、俳優さんは皆さん素晴らしいアクション
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恐怖分子(1986年製作の映画)

4.0

想像以上に小津的な画面構成と映像の裏側にある情念の世界…怖い映画です。

ビフォア・ミッドナイト(2013年製作の映画)

4.0

過去の2作と比べると、趣が異なる映画です。『アイズワイドシャット』みたいな物語です。
「時間というよりも感覚」という台詞がこの3部作のテーマな気がしますね。

ビフォア・サンセット(2004年製作の映画)

4.0

過去の思い出、もしかしたら違う人生もあり得たかもしれない、変わってしまった自分自身の情熱などなど。
とても素敵な映画で心奪われながら、現実的な実は思慮深い人々を描かせたらリンクレイター監督の右に出る人
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ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

これぞ映画のルネサンス‼『アーティスト』や『バードマン』に連なる映画のマニエリスム、ここに極まりました。
映画史の引用の仕方がまず素晴らしいです。オープニングの『裏窓』を引用したミュージカル映画の長回
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トリプルX:再起動(2017年製作の映画)

2.0

このレビューはネタバレを含みます

ヴィン・ディーゼルさんは何故に『ワイルドスピード』以外はこんなにシナリオがガタガタの映画に出演してしまうのでしょう‼
でも嫌いになれないのは、遊び心満載であるから。
クライマックスに『トリプルX2』の
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