高野順さんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

高野順

高野順

映画(96)
ドラマ(0)
アニメ(0)
  • List view
  • Grid view

ゲーム・オブ・スローンズ:ラスト・ウォッチ(2019年製作の映画)

3.5

 特に何か物語において重要な役割を果たすわけではない市井の市民を丁寧に撮ってきたゲームオブスローンズ のドキュメンタリーとして素晴らしかった。ある人はセットに積もる雪の監修、ある人は撮影所近くの売店の>>続きを読む

彼女について私が知っている二、三の事柄(1966年製作の映画)

4.2

 バイト終わり寝不足の頭でクラクラしながら見た。クラクラした。

気狂いピエロ(1965年製作の映画)

4.1

 バストショットでアンナカリーナを抜いた時の破壊力。

ポーラX(1999年製作の映画)

4.2

 心も身体も破壊しながら破滅に向かって早足で歩いていくこの映画には親近感を覚えてしまう。自分とは似ても似つかないが親近感を覚える。あまり映画を見て監督のパーソナリティがどうこうと言うのはよすべきだがカ>>続きを読む

汚れた血(1986年製作の映画)

4.4

 今画面に拒絶されているなと感じる瞬間が好きなのだがカラックスの映画はその瞬間の連続だ。
 もう少し余韻を寝かせたいので感想を言葉で固めるのはよしておこう。

バービー(2023年製作の映画)

3.4

 ナンセンスなギャグの応酬の狭間に優しさと誠実さの起伏が見える。緩急の入れ方が絶妙でやられてしまう。あそこでビリーアイリッシュをかけるのはずるい。バービーが涙を流すたびに自分も泣いていた。
 

クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男(2019年製作の映画)

-

 ワンハリについて何かあると思えば結構前の作品だった。ワンハリが好きなのであってタランティーノ作品は大して好きではないことを再確認する形となった。

エクソシスト(1973年製作の映画)

3.8

 映画前半で精神医学や西洋医学の無能さを執拗に撮る所が興味深い。嫌味っぽくもある。
 フリードキン映画の血の色はキッチュで特徴的。

成功の甘き香り(1957年製作の映画)

4.3

 影の黒さを観られただけで満足。ラスト街を行く彼女の顔に光が差す。見事な光と影の演出。
 女優の凍てついた顔の演技が異様に上手かった。

悪魔のいけにえ(1974年製作の映画)

3.6

 屠殺というモチーフで綺麗にまとまっている映画。暗闇からレザーフェイスが出てくるショットは本当に凄い。監督の力量以上のものが撮れたんじゃなかろうか。

ビッグ・リボウスキ(1998年製作の映画)

3.8

 とにかくフィルムのカラーが素晴らしい。奇怪で摩訶不思議なまさしくLA映画だった。

M★A★S★H マッシュ(1970年製作の映画)

4.1

 弛緩の中にいきなり緊張がズコンと入る。何から何まで冗談のような映画。かなり笑いました。

パニック・ルーム(2002年製作の映画)

3.5

 ゾディアックより前のフィンチャー作品は自閉症めいていて苦手。密室劇が得意なのだろうとは思うがどうも息苦しい。

ブラックハット(2015年製作の映画)

3.8

 意外と物語の推進力で魅せる映画。何より最後の決闘の場面設定が素晴らしい。松明を持った群衆の中でやり合っているのが画になる。

ロング・グッドバイ(1973年製作の映画)

4.6

 ある人がアルトマンの映画を見ていると酔いが回ってくる(意訳)と言っていた。なるほど確かにその通りだ。絶妙なズームと編集による奇妙なグルーヴを感じる。そしてその奇妙さはまるまるこの映画の主題と雰囲気と>>続きを読む

イット・フォローズ(2014年製作の映画)

3.5

 なるほどこれがアンダーザシルバーレイクになるのか。その萌芽とその後の洗練が見える。今作と次作共にプールが多用されているが何か監督のシグネチャーなのだろうか。そして白痴の引用。

愛なのに(2021年製作の映画)

-

 カメラ位置低めが多め。不可解なズーム有り。濡れ場がちょっと酷かったかな。言い回しも苦手。冒頭の万引きを追いかけるシーンのカメラが良かった。

セックスと嘘とビデオテープ(1989年製作の映画)

4.1

 再見。素敵な映画だ。バーの男性客の退屈さ具合が絶妙で笑える。姉妹の関係の描き方もすごく素朴にサッと撮っていて好ましい。

男性・女性(1966年製作の映画)

4.3

 この映画の前半がとにかく好き。何気なくふっと写した街の画が凄まじい。なんでもないような感じで何故あんなに惹かれるのかわからない。ゴダールの撮る風景は大体そう。あとつくづくレオーの顔は面白いなと感じる>>続きを読む

緑色の部屋(1978年製作の映画)

3.9

 やや感傷的すぎると感じる。女性が街を歩く軽快なリズムのトリュフォー映画が好きなので好きな方ではない。けれどこの映画のカラーはとても素晴らしく、車のライトがオレンジ色に光っているのを観ると心があらわれ>>続きを読む

アデルの恋の物語(1975年製作の映画)

3.8

 これがトリュフォーの映画なのかと驚いた。全体的に寄りの画が多く、距離が近い。いつもの軽妙なリズムはなくシリアスにずっしりとしている。
 この映画を鑑賞する直前まで安野モヨコ「ハッピーマニア」を読んで
>>続きを読む

黒衣の花嫁(1968年製作の映画)

3.8

 トリュフォーの作品の中でもカメラがかなりアクティブ。長回しで緊迫感を徐々に画面に出していく演出が目立つ。
 ぐだぐだと下らない話を延々とする男達を退屈そうな顔をしながら聞き流す女。サスペンス作品であ
>>続きを読む

すばらしき映画音楽たち(2016年製作の映画)

1.5

 映画音楽のプロパガンダ作品。基本的にほぼ全てのスコアは実写映画にとって蛇足でしかない。映画は客観の表現、音楽は主観の表現、と基本的に食い合わせが悪い。この作品でも語られた通りサイレントの頃から音楽は>>続きを読む

TITANE/チタン(2021年製作の映画)

3.4

 設定が突飛ではあるが、お話としてはシンプル。父の幻影を追う主人公と息子に妄執する父、最初から最後まで大きな軸としての主題は一貫している。
 処女受胎の話でもあり、ラストシーンはイエス誕生とも読み解け
>>続きを読む

ヒッチコック/トリュフォー(2015年製作の映画)

2.5

 このドキュメンタリー作品が何に主軸を置いているのかわからない。ヒッチコック/トリュフォーについてのドキュメンタリーでありながら描かれていることはヒッチコックの作家性を見出すというかつてトリュフォーが>>続きを読む

はなればなれに(1964年製作の映画)

4.0

 ゴダールにしては素直な映画。ゴダールの映画の中でも参照される数が多いのはその素直さ、無邪気さ故だろうか。

キートンの化物屋敷(1921年製作の映画)

4.1

 全力で走りながらカメラを一瞥するキートン。そして今回も階段。

キートンの隣同士(1920年製作の映画)

4.0

 キートンの映画において階段を普通に昇降することはない。

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

3.0

 マリオが頑張っていると泣きそうになる。俺こんなマリオ好きだっけと感じる。マリオは全人類にとってそういうものなのかもしれない。

ウイークエンド(1967年製作の映画)

4.0

 特にこの映画におけるゴダールの音楽の使い方は正気じゃない。

ラルジャン(1983年製作の映画)

4.5

 全体的に寒色な画作り。とにかく色彩が素晴らしい。ドアからドアへと紡がれていくいつものブレッソン。今作はそこに刑務所の檻の演出の反復がある。全体的に冷たく突き放したタッチ。
 ああ俺はブレッソンが本当
>>続きを読む

キートンの囚人13号/ゴルフ狂の夢(1917年製作の映画)

3.9

 最後まで道具をうまく使えないキートン、絞首台の能天気さ、キートンの転倒。