ホアキンに尽きるなぁ。ある意味ずるい。
なにも語らず、誰も救わず、異形に演ずるのを、ひたすら追う。ヤシの実に酒をぶちこみ、客に照明を押しつけ、バイクで荒野をぶっ飛ばす。ウツウツとしたうちなるマグマがグ>>続きを読む
寂れ行く炭鉱の町の閉塞感を淡々と描くことで少年の夢に託す人々の想いに質量が宿る。
ダンス教師のおばさんのタダモンでない感じを、これは審査員達の眼を通して現れるのだが、これまたほのかに匂わせ、少年の才能>>続きを読む
しみじみ泣いた。いい映画やった。仕事に日々忠実に向き合ってるか。忠実であること。決して会社なんてちっぽけなものにに支えるのではない。誰も見ていないところで、単調で孤独な日々。誰も知らない。見向きもされ>>続きを読む
マスタピースであり、語られ尽くされていて、それでもなお小屋にかかると足を運んでしまう、
沼に沈んでいく車のシーンが観たくて。
小説や演劇では表現しえない、映画のみに許された恐い恐い絵。
途中で止まった>>続きを読む
ほとんど指しの室内劇なんだけど、この奥行、緊迫感。
セリフも捻りがあるわけでなく、主演2人も、赤裸々過ぎて目を背けたくなるシーンもあるが、画面に釘付けになる。
人間の根源にひたすら迫る。人が人を裁ける>>続きを読む
ちょっと前のツイートを転記。
原作から、画面から、こぼれ出す。生きることは素晴らしい。罪深くても、滑稽でも、俗にまみれていても、それでも、愛おしく美しい。明日家内の手術である。今年最後にこの映画を共>>続きを読む
いやーすごいなー。
音フェチ、色彩フェチの僕にとって、堪らないご馳走だ。
アンジェリカ家の人々の靴音、雨音、川の流れ、窓の下を走るダンプカー、窓を閉めて静寂の音。
抑えたトーンの、いらないものを削>>続きを読む
安心して身をまかせることができた。金髪でキュートなファニーフェイスを中心に巻き起こる艶笑劇。
そういえば七十年代ハリウッドは、こんなふうな小粋な良品を沢山作ってたっけ。
ボグダノビッチとの同窓会。
ワンカットワンカット、圧倒的な完成度。奥行きある構図。同じ構図でカバンのあるなし、船が来て去って。重量級の画が淡々と積みかさなる。淡々とした台詞回しが積み重なり、
戦争の遺した爪痕がうっすらと浮き上が>>続きを読む
独特のタッチ、テンポ感がいいねー。ブラピ出演作にハズレなし
今作はスティーブカレルが抜群によかった。
モラルに反するものへ神経症的なまでに攻撃する様は清々しくすらある。
深層に焼き付いたものを映像化するとこうなる。やったもの勝ちで、やってしまえるのが宮崎監督。子宮にいた頃の想い出が蘇る。なつかしいなー
オープニングの雪に埋もれたキリストや嵐に追われる駅馬車の描写は大きな画だ。風格が漂う。
時間が遡り、別視点での謎解き、下世話でバイオレントなトーク、ドロドロギリギリのサスペンスなど、らしさが凝縮され>>続きを読む
傷ついた心を抱える少女を、深く大きく受け止める森。深い木々の中、密かに厳かに執り行われている猥雑なエネルギーを放出する祭。
朝焼けの湖が葛藤を祝福する。そうして少女は大人になる。
大人になるしかない。>>続きを読む
こういう家族の描き方もあるのかー。大友公平演じる父親像が、映像の中の澄んだ空と相まって。
何より素敵なのが、『上を向いて歩こう』の出し方!
忘れた頃に、油断した頃に、すーっと入れてくる。
神がかってま>>続きを読む
この頃の井筒監督は神がかっている。
映像、ストーリー、音楽、アクションがシンクロし、最高潮を迎えるときに。
幼な子が痛々しすぎる。
政権が崩壊しなくても傀儡として生きることになる。空っぽだ。
崩壊しても、取り返しのつかない傷を負うて生きる。軍楽に条件反射に行進してしまうシーンは怖すぎる。
独裁者の孫として踊>>続きを読む
小屋で初鑑賞。このシリーズはありがたいです。
スナックの軍艦マーチのシーンが素晴らしく怪しい。岸田今日子が怪し可愛い。今回小屋で観てぶっ飛んだ。
ネオン街のデザイン!
『桐島・・』と同じく、無為との葛藤を描いているが、宮沢と逃げると思わせて、風の描写で踏みとどまり、うーん寸止めかー。
趣味の領域なんやけドネ。
屋上の撮影シーンは、泪が止まらなくなった。
いけてない軍団がイケてる軍団を喰いちぎる。どちらも出口がないのだ。
喰いちぎる!喰いちぎる!
唯一の出口であるカメラに向けて押し寄せる強烈なカタルシス。
美>>続きを読む
ばっさり切って、やたらにノリの良い救出劇だった。
キャスティング自体がパロディになっていて、思わずニヤリとする。
プライベート・ライアン、インターステラー、ロード・オブ・ザ・リングあたりかな。
ジェシ>>続きを読む
時間が舞台上のリアルに流れるが故ストイックにならざるを得ない演劇。対して、揺らぎ多重化された時間の流れに、船酔うように漂いたゆとう映画世界に身を寄せる亀岡。
酒と煙草と自虐な笑い。そんな脱力した生き様>>続きを読む
劇場を締め出されて群集の中を突っ切ったり、廊下にドラマーが本当に叩いてたり、好きなシーンは結構あるけど、どうなんだろう。
少々技巧が鼻についてしまったかな。
スネアの音、中身が詰まった音で良い音だった>>続きを読む
未体験ゾーンの世界を満喫。
逆光の中、窓辺にもたれる男ともみ合うシーン。一瞬光が女の阿修羅のような表情を捉える。鳥肌が立った。
音響について。全体に環境ノイズ満載で録音が良くないんだけど、低域に張りが>>続きを読む
うまいなー。メンバーに高所恐怖症がいたり、胡散臭い奴がいたり。気が遠くなるような吹き抜けで一時間隠れていたり。動があるから静が決まる。
ハワードといいスピルバーグといい、60代監督たちの作品群のコクの>>続きを読む
フィンチャー作品は、映画が転がり出してからの疾走感、ゴリゴリ感が魅力なのだが、ドラゴンタトゥーは最初からトップギアでタイヤ鳴らしながら最後まで走りきった。これは好き。
冒頭の赤い傘のショット、車窓に広がる海、自転車で坂道を駆け降り、登る杏、ここまで一気に魅せる。そしてじっくりロケット実験に耽る福山と子供が、あくまで道化回しなのが心地良く。謎解きで減速するも、道化回し>>続きを読む
本を読みおったところで、再ツイート。
今思い返してもコクのある良い作品だった。
————-
あてのない道行、出口のない2人の心象を、北国の空気とともに切り取り定着させる。あまりに切ない。転じて真夏の緑>>続きを読む
一つ一つのショットを丁寧に丁寧に撮って、自身の旅路をなぞるように、慈しむように演じ、そして滋味溢れる映画が産まれる。基調音に希望の二文字。風が、波が、しっかり奏でる。しっかり結ばれた手と手がアップに。>>続きを読む
こいつらいったい何者?という主人公達の純度が、どーしょーもないおっさんおばはんとの酷すぎる絡みの中で浮き彫りになっていく。何者にも汚されない魂。こいつらみんな幸せになってほしい…
祈り虚しく迎えるラス>>続きを読む
父親が守り続けたもの。儚い儚いローソクの灯り。ごまかしに満ち満ちてそれでも守り続けると決意した時に、外光に晒され、彼に待ち受ける過酷な試練を切り取るその刹那、画面はフリーズする。なんとも恐ろしい傑作だ>>続きを読む
セレブとワーキングクラス。自虐と自嘲の狭間で顔をしかめカプセルを喉に流しこむブランシェットが凄い。楽器屋のシーン。アレン映画にかつてあそこまで薄ら寒いシーンがあったか。癒せるものは薬のカクテル。コメデ>>続きを読む
生涯ベストに確実に入る大大大大大大傑作。言葉にすると逃げてしまいそうで。只々観てください、感じてください。絶対に劇場で。
いやらしい作品だった。人間の皮をどんどんむいていくと、らっきょのようにむいていくと、確かにこうなのかもしれない、それでもなお、僕は映画には希望を求めてしまう。
でも困ったことに、画面の発する力は別もん>>続きを読む
愛おしい映画です。傷つき故郷をあとにする同級生、夕陽に坂を下っていくタマコの背中を浮遊するようにカメラがとらえます。居場所がなく、不安定な若者たちの心象を表現するシーンです。
傑作。アンゲロプロスでしか見られない(もう見られない)画の連続。霧の中を進む路面電車、無言で現れ去っていく黒ずくめの群衆、白く燃えるビル。時代に翻弄され行き場を失う人々。巨匠の追い続けてきたモチーフた>>続きを読む
生と死が森の奥深くのどこかで繋がっており、その繋ぎ目を映像で魅せてくれる。
そこからは蒸せ返るような木の香りが漂ってくる。死の、すえた香りかもしれない。