カメラに向かって語り出したり、ウディアレンの家族のフレームが押し出したり、おおよそ文法から逸脱する。繰り出される自虐ギャグに体力を要求されるが、
ダイアンキートンを収める絵のみがオーソドックスで、彼女>>続きを読む
今年最初の一本。今回は良いかな、と思ったけど息子に勧められて。
面白かった!
後半、塩の惑星で転がり出した。
ギシギシ油の切れたメカの足跡が血のようにグロテスクな地面に描かれる。
不安定な四本足を背景>>続きを読む
巻頭の崩れ落ちる北斎の波!
町での三味線で物語る場面が素晴らしい。
空を舞う折り紙は宮崎駿へのオマージかな。
精霊流しの祝祭感と喪失感はさすがに日本人でも描くのは難しいねんけど、庶民の口から口へ逞しく>>続きを読む
ケビンコスナーの大きく骨太かつ無骨な体躯が、背中が、嗄れた声がアメリカの良心を体現する。ハンマーでトイレの釣り看板をふりかぶり振りかぶり砕く。
このシーンだけでも観る価値がある。
純粋正当過ぎて少し鼻>>続きを読む
初鑑賞の板尾作品は工夫に溢れていた。
熱海のシーンはどれも良かった。
砂浜から出た首の目線を追うような、
また階段や夜店の煽りそして俯瞰するカメラワークは映画のスクリーンサイズを意識した大きな絵だ。目>>続きを読む
むっちゃ久しぶりのソダーバーグ。
音楽の使い方は相変わらずキレキレ。
映像のキレはやや鈍ったか。説明的なショットが増えるけどいかんせんわかりにくい。右脳で耽溺したいんだけど左脳が働いてしまう。
トラフ>>続きを読む
観逃して以来ずーっと観たかったこの作品をまさか小屋で鑑賞できるとは思ってもみなかった。午前10時シリーズにはもう足を向けて寝られない。
最高の映像体験だった。オープニングの水彩画からバスの動きに導かれ>>続きを読む
アイデア満載で勢いもあって、人間もしっかり描いているはずだけど、肝心要の映像が弱い。網棚のシーンはどうしようもなく弛緩する。音出したら一巻の終わり感が感じられないカメラ位置のまずさ。
ゾンビが真下にい>>続きを読む
作家性を放棄して誰にでもどの世代にも親しめる作品を撮り続ける滝田監督。ある意味ゆるくて突っ込みどころ満載なんだけど僕は好きだ。
クドイ部分や端折って観客の想像に委ねたほうが膨らんだろうなーというシーン>>続きを読む
前作は規格外のデストピア作品だったが、今作は虚無を描く。
普通にレプリカントなゴズリングが淡々と虚無な絵を重ねる前半。何も無い。服従である。そういう存在なのだから、何も無い。
一転自分の出生の秘密を探>>続きを読む
午前十時シリーズにて。
生理的に視覚的に怖いクルーゾー作品。映像を、そして観客を信じているのだ。
有名な風呂場のシーンはもちろんなんとも禍々しい闇に澱むプールの絵。そこに子供を潜らせるのだ。あかんやろ>>続きを読む
中坊の時に大阪フェスティバルホールにて試写会で観て以来。
随所にとんでもなく強烈なシーンが挿入される。戦友の影を追って切り返すと一人ぼっちだったり、死体と思って通り過ぎたら普通に生きていたり、握手しよ>>続きを読む
上下の動きをカメラが執拗に追う。ゆったり大きく上り降る観覧車、苛立ちのエレベーター、階段、テラスから見下ろす公園。この大きな運きが室内で展開される波紋が絵の中の小さな一コマで起きていることを表現する。>>続きを読む
バーホーベンはどちらかというと苦手な監督なんだけど、ユペール観たさにシネマイーラにてボッチ鑑賞。
明らかなサスペンス・ストーリーなのに、その語り口はサスペンスとは程遠い。こわごわ部屋の中を探索しないし>>続きを読む
良い意味で予想を裏切られた、極めて上質なエンターテイメント作品。
前半の馬の蹄がやってきて去っていく感じ、森の煙り方は実に黒澤だ。森を俯瞰する神の視点、後半登場するチンパンジーのキャラも僕には黒澤キャ>>続きを読む
午前十時シリーズ。
熱量が半端じゃない。ただでさえでかい三船が画面いっぱいに食らいつく。セリフはない。焼けるような雑踏を徘徊する様は野良犬だ。雑踏にみなぎる熱気を余すことなく拾い収めるカメラワーク。飢>>続きを読む
これはまた滅法面白い。この監督、全然知らなかった。使い古されたネタの数々を見事にリミックスしてみせる。録音された会話を音楽に変えてしまうベイビーそのものだ。
最初あれ?なんか音が小さい⁉︎と思ったけど>>続きを読む
シネマイーラにて妻と。
小さな世界の愛すべき日常の微妙な襞を言葉で掬い取る。
パターソンの言の葉は空気を震わす。
愛すべき人たち。やるせないマスター、自虐の上司、子猫のように天真爛漫な奥さん、乗客達>>続きを読む
午前十時シリーズにて。
前半の室内劇は何度見ても圧巻だ。企業ドラマと警察ドラマと緻密なサスペンス劇が完璧な構図で交錯する。
密室の緊張が最高潮に達していたたまれず窓を開けた瞬間、小屋の中にも外気が流れ>>続きを読む
エンターテイメントと作家性が両立する稀有な瞬間が北野作品にも訪れた。
伝家の宝刀、間抜け面のカットバックは今作も冴えてるが、大森南朋のそれは突き抜け狂気に迫る。
狂気の照明で凸凹が強調されもはや人間の>>続きを読む
シネマイーラにて、家族3人での鑑賞。
冒頭のダンスの場面は豊かで暖かな絵で、一転寒々としたトラムの絵に切り替わる。
そして突然訪れる根源的な存在の喪失。以降冴えた荒涼とした空気が画面を支配する。
真>>続きを読む
何故かカンに触る出たしで、あれ、なんでだろう、と考えてるうちに徐々に引き込まれていく。共感しようがないはずなのに引き込まれていく。
マシンガンをぶっ放すところのカタルシスは哀愁さえ覚える。まさかここか>>続きを読む
音響の映画だ。時の刻む音が全編貫く。
それぞれの場所で空間で刻む時は異なりそれは音となり、船倉を貫く銃弾の音に重なり、爆撃を耐え忍ぶ鼓動に重なる。
刻みがふと止まった時、プロペラが止まり只風に舞う。恐>>続きを読む
なんと愛らしい。
映画を完成度で測ると、しゃーないなーというレベルやけど、測れないものばかりが溢れてる。モフモフの巨人がゼーゼーいいながらモソモソ部屋に入ってくる、無償の愛を担いで。そんなモフモフを裸>>続きを読む
奇跡のような濃い緑で 覆われるオープニングから転じて、部屋いっぱいが真っ赤に染まるシーケンスはこれも奇跡のようだ。
仕事や生活の糧が誇りが剥ぎ取られ踏みにじられにつれ色彩も枯れていく。
無駄なものを一>>続きを読む
是枝監督の最高傑作だ。
画面と音響の作り出す空間はいずれも奥行きが深く、どのカットも静謐に始まり終わる。長回しを使わずオーソドックスに被写体を収める。
驚くべきは面会室のカットバックだ。
切り返した先>>続きを読む
十時からシリーズのおかげで小屋で初めて見ることができた。
トリュフォーは、好きなんだけど心揺さぶられることがない困った作家なんだけど、この作品は深く刺さった。
冒頭の坂をひたすら駆け下りるつかみは小屋>>続きを読む
僕の映画ライフの原点であることを再確認。我が座右の銘、"へこたれず、しぶとく"はここで生まれた。何があっても、ラストシーンが心にある限り、何度でも立ち上がれる。そしてトンネルを掘り続けた二人にこそ訪れ>>続きを読む
空虚感に支配された遠い絵の中を漂うだけの主人公たち。
一転ドキュメントタッチで子供達の表情を観せ、転がりだす。ぐっとカメラが、照明が、録音が、触感や体温まで伝えようとする、伝わってくる。
見えなかった>>続きを読む
目を背けようとしても眼前に突きつけられ、背けることを許さない、剛腕な映画でした。
川をわたってしまった人間たちの、なぜか色艶のよい様が怖い。
黒沢清のもうひとつの大大大大傑作。ざらついた絵の中、不自然に切り返すといなくなっていたり、ゆっっっくり照明が灯るとそこに現れたりする。滝壺の影、そしてゴゴゴゴと地鳴りが映像とシンクロし、恐怖が倍増する>>続きを読む
大阪の住之江に住んでいた新婚当時、マンション4階にもかかわらず、部屋に誰かが侵入している形跡があって、家内の下着が何回かに分けて盗まれた事件があった。
新婚気分が吹っ飛び、不安に苛まれた。
日々が暗雲>>続きを読む
絶妙なテンポ感をもつジェンキンス作品。いつ以来だろう、健在健在。奇想天外なファンタジーが地に足をしっかりおろしている。
セクシーコスチュームがリアルでダークに煙る市街戦に溶け込んでいるのはある意味驚異>>続きを読む
大きい絵を撮る原田監督に期待しつつ鑑賞。実録調のつかみはグイグイ来た。作者独白のナレーションは俯瞰するようで、また突き放すようで、更にドライな風合いを加える。
屋内を人々がドタバタ行き来するダイナミズ>>続きを読む
清澄な水と山に囲まれてこの息苦しさ。どこを探しても見当たらない居場所を求めて群れる若者たちのたたずまいがええなー。特に吉村界人、こんないい役者がいたなんて知らなかった。虚しさにあらがい悪あがきする。ど>>続きを読む
この身の丈にあった感がなんともええなー。特にマイケルキートン組の手作り感満載な感じとセコさが大好き。
ジョンヒューズの切なさまではいかんかったけど、ギーク友達との絡みは楽しかった。
だけどラモーンズ>>続きを読む