原作を読んでなかったら何が何やらという感じだが、原作もまあこんな感じだ。トルースカイヨンというこの話以外では聞いたことがない名前が出てきて今更ながらに懐かしい。
鑑賞して数日経ってからわかることだけど、いかにも脳ミソ筋肉な車が砂埃を上げながら遮るものが何もない砂漠を爆走する光景はいつの間にか原風景のようになっていて、もう一度観たいと思わせる中毒性がある。
カウリスマキの映画に出て来るたいしてオシャレでもない喫茶店のシーンは好き。自分のことがどこか気にくわない、好きになれないと思ってる人が見ると抉られます。
ハネケの「隠された記憶」のように、過去の男根主義が、反逆を食う映画。
完全無欠でひびのない支配が、男根主義の基礎だ。
完璧な経歴、完璧な人格、完璧な家族。
そこに突然男が現れ、完璧な経歴と人格が損なわ>>続きを読む