azukiさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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フィフティ・シェイズ・ダーカー(2017年製作の映画)

3.3

何だか映画と自分との距離感を実感しながら鑑賞できる映画。
まさに続きものの小説を読んでいるような、ゆったりとしたテンポ、反復的な展開、お約束な音楽。シリーズものとして、少しだらだらして映画との距離を置
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彼の見つめる先に(2014年製作の映画)

4.0

同性愛を描いているという以外何の前知識もなく見たので、冒頭の主人公についての設定が明らかになっていく演出の見事さに鳥肌が立ってしまった。
同じ場所で起こる出来事を、同じ角度から撮っていることによって、
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坂道のアポロン(2017年製作の映画)

3.9

中川大志が最高すぎませんか...
とにかく彼の演じる千太郎がすばらしすぎて、アニメで見たときの印象を見事に再現するどころか、単なる真似事になっていないのもとても良かった。
特にオープニングから、出会い
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ことの終わり(1999年製作の映画)

3.6

とても綺麗な英語の、印象に残るラインの数々。爆撃のシーンでの構図や、光の表現が美しかった。
語り手が変わってから明らかになる事実や心情に、もっと驚きと発見があると良かったのだけれど。

ローラーガールズ・ダイアリー(2009年製作の映画)

3.5

Coming of ageのいろいろな要素が詰まっていて良かった。噂のプールのシーンは最高で真似したい。

しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス(2016年製作の映画)

3.9

主演2人の演技がすばらしい。優しい映画の印象なんだけれど、イーサン・ホーク演じる夫の無骨っぷりや、モードの茶目っ気が良いスパイスになっていて、単に「優しい」だけではないのが良かった。
何度も反復される
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ザ・ヴォイド 変異世界(2016年製作の映画)

3.3

「超進化系ハイブリッドホラー」というコピーに納得。超展開に面食らってしまった。
シーン変わりの暗転や、ディスコみたいなフラッシュがスタイリッシュでかっこよかった。特にラストシーンからクレジットへの入り
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The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ(2017年製作の映画)

3.3

愛欲の狂気に溢れた作品かと思っていたら、そうでもなく、誰でも秘めている欲望を繊細に描いているような印象だった。
ニコール・キッドマンとエル・ファニングが結構控えめな演技をしていると感じたのだけれど、そ
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聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア(2017年製作の映画)

4.0

カメラワークによってもたらせる(良い意味で)ねっとりとした気持ちの悪い視点。定点で撮影しても問題ないような場面で、あえて不自然にキャラクターを追いかけたり、奇妙な距離感を保ったドリー撮影が目立ったり、>>続きを読む

ブリムストーン(2016年製作の映画)

4.2

めちゃくちゃ面白かった。長いけれど全く退屈せずに夢中で黙々と見られた。こういう舞台設定の映画好きだな。舞台設定というか風景か。最近だと『ウィッチ』みたいな。
すばらしいストーリーテリング(構成)。
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シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

4.5

心を鷲掴みされる映画だった。
一番気持ちが高ぶる本当に最高なシーンで終幕を迎えるのがずるい。どんな顔をして映画館を出て、外の世界へ帰ればいいのか分からなかった。
色彩も音楽も美しい。
個人的に印象に残
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15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)

3.7

不必要と思われるようなシーンを丁寧に描くことの意義が探究されている作品のように感じた。リアリティを追求した映画はたくさんあるけれど、こういうアプローチの仕方もあるのかとはっとさせられた。本人が演じてい>>続きを読む

アリスのままで(2014年製作の映画)

3.6

見ているこっちまでその挙動に不安が煽られる名演。
ラストどう終わるのかと思ったけれど、美しく悲しい、しかし希望の残る幕の閉じ方だった。

ゆれる人魚(2015年製作の映画)

3.4

圧倒的なビジュアル美。そしてキャスティング美。
人魚というとファンタジックなイメージだけれど、魚であり怪物であり という獣的(モンスター的)描き方がされてたのがグッときた。良かった。さらにそれでもきち
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犬猿(2017年製作の映画)

3.8

始まり方のアイデアにしびれた、、!『ヒメアノ〜ル』のときもそうだったなぁと思い返した。
すごくおもしろくって、いろんな場面で笑いがこぼれていた映画館の空気が、後半ガラリと変わって張り詰めていく様がとて
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ダーク・プレイス(2015年製作の映画)

3.0

予告編がとてもおもしろそうに作られていただけに、淡々としている本編は少し退屈に感じてしまった。過去が現在に纏わりついてくる様をもっとアピールしてほしかった。クロエがこういうキャラクターを演じるのは、や>>続きを読む

パーフェクト・ルーム(2014年製作の映画)

3.3

ミニマルなセッティングだけれど、5人のキャラクターの個性が絶妙で楽しかった。
こういう高級な住宅(特にペントハウスみたいなところ)で起こる事件 という舞台設定の映画けっこう好きです。
『ブラインド・フ
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あなたの旅立ち、綴ります(2016年製作の映画)

4.2

“You don’t make mistakes, mistakes make YOU.”
なんて心を打たれる映画なんだ。顔をぐしゃぐしゃにして、なんてことないシーンでもたくさん泣いてしまった。
自分
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ポゼッション(2012年製作の映画)

3.3

夜道の疾走からの、箱の友達との会話のジャンプカット、そして父が到着しロングショットになるところの一連のシーケンスがすばらしかった。
映像的に、とても良い。

ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ(2017年製作の映画)

4.1

脚本がしっかりしていて、台詞の一つ一つが機知に富んでいて、コメディショーはきちんとおもしろくとても良い。
本人が演じているだけあって、感情的になるシーンなどに特に説得力がある。
ホリー・ハンターは名演
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今夜、ロマンス劇場で(2018年製作の映画)

3.8

とても良かった。序盤の些細なセリフが後半に生きてくる感じと言い、こういう話なんだろうな〜と思わせる演出を後々ストーリーの展開が見事に裏切っていく様と言い、「やられた」と思う映画だった。
あまりの愛の深
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グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)

3.4

歌とダンスにのせれば、語りのスピードをかなり速くできるのだと感じた。早送りで語られていく前半に対して、 クライマックスではテンポが落ちて丁寧に見入ることができた。
がんがん進んであっさり終わるので、曲
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RAW〜少女のめざめ〜(2016年製作の映画)

4.2

『It follows』みたいな始まり方だな〜と思ったら、また全然毛色の違う映画でおもしろかった。愛がテーマのホラーという意味では共通する部分はあるかも?
あと『肉』って映画も思い出したけど、またそれ
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ルイの9番目の人生(2015年製作の映画)

3.7

おもしろかった。本当に「良く書かれた小説」という感じだった。
お母さんもだけれど、お父さん役の方のビジュアルが、絶妙ですごくいい。あと、間接照明的な明るさのベッドルームで父と息子が話す系のシーンがすご
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クローバーフィールド・パラドックス(2018年製作の映画)

2.9

どうしても『ライフ』と比較してしまう...。
密室空間と外 という前作での関係が、宇宙船と地球 になったと考えればよいのだろうか。おもしろいところもあるけれど、期待していたものとは少し違った。

百円の恋(2014年製作の映画)

3.7

いたいいたいいたい。
後半のカタルシスと疾走感。
でも最後は所詮百円の女?
ううん、ごはんいこーよを勝ち取ったのは彼女。

安藤サクラがかっけーっていう映画なんだろうけど、これはきっと、百円のようにあ
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ロング,ロングバケーション(2017年製作の映画)

3.7

結末を2人の究極の愛として捉えるか、“彼女の”愛として捉えるかで、受け入れられるかどうかが変わりそう。

一風変わったロードムービー。ヘミングウェイの実家のシーンもそうだけど、静と動の対比が美しい。走
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ハッピーフライト(2008年製作の映画)

2.9

思ったより主人公の活躍と成長の話ではなく、脇役が光るタイプの映画だった。

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)

4.3

こうなるだろうと思ったとおりになったり、ならなかったり。この人ならこうする?と思ったことが当たったり外れたり。一瞬で人間関係が変わったり、たった一言で大きく自分や状況が変わったり。誰かを助けたかったり>>続きを読む

フィッシュストーリー(2009年製作の映画)

3.0

高良健吾のかっこよさと声のよさ。
世界の終わりっていう壮大な話なんだけど、全体的に“大したことない”って雰囲気のストーリーたち。
空白が埋められていくようなストーリー展開に味がある。

デトロイト(2017年製作の映画)

3.7

理不尽さと胸糞悪さがこれまでかというまで表現されている。トラウマを移植されているかのような感覚。。
何だか、キャラクターに対して、「頼むちょっと落ち着いてくれ」とか、「何でそんなことをするんだやめてく
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ピンカートンに会いに行く(2017年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

舞台を見ているかのような、演技と台詞に溺れられる映画だった。
暗転するところがインパクトある。過去とのシンクロはライブで描かれていたので、最後の居酒屋の終わり方もあれはあれで良いんだけど、『フルモンテ
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アヒルと鴨のコインロッカー(2006年製作の映画)

4.5

瑛太のキザな口調、気取った大学生の出来心のような行動、どこかありふれたような恋愛話。すべてが必然だったのだと次第に気づいていく。なんと切なく美しいのか。
こんな邦画があったとは...
仙台に行ったこと
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ベロニカとの記憶(2017年製作の映画)

4.1

シーンの切り替わり、反復が見事。
話がだんだん見えてくる脚本のテンポも素敵だし、カット割りの細やかな非常に雄弁な映像も魅力的だった。
窓越しにベロニカを見るシーン、教室での歴史についての討論のシーン、
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バベル(2006年製作の映画)

4.0

ようやく見ました。
21グラムのときも思ったけれど、イニャリトゥ監督の作品のロングショットの美しいこと。特に冒頭。バス、静かな悲劇、知ることのできない視点。
ばらばらな時系列がうまく繋がれているという
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嘘を愛する女(2018年製作の映画)

3.2

小説で言うと叙述トリックのような、一瞬で全て覆されるというか、ハッとさせられる仕掛けに泣けてしまった。
起承転結のバランスで言うと、起承のあたりが極端にテンポが速く進むので、やや違和感というか感情移入
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