収入は安定しないし、海の向こうで戦況は悪化するばかり。
良いことなんて何ひとつないくらい。
そんな世の中で決して他人に縋るでもなく、潔い意思を持って生きている感じが、しみじみ良い。
印象深いのは解雇>>続きを読む
当たり前の感想しか出てこないんだけど、ダンサー役はダンサーだし、ピアニスト役はピアニストで、ミュージカル映画というよりミュージカルだった。
赦しと許可の違いを覚えておこう。
睡魔と戦いながら半目で観てしまったけど…。
声を奪われてきた女性たちのとめどない主張。彼女たちの語りの一つ一つが深い憤りと哀しみに満ちていて、耳を傾けるごとに事件の>>続きを読む
エイダにとってのピアノの重みを、尊重したヘインズと軽んじたスチュアートの間には天と地の差がある、と思う。
意志を貫くのがこれほど難しいのは、時代のせいか。観るのが辛いほどに不遇なエイダだけど、一番不>>続きを読む
食は人生の歓び。
細胞レベルで好きな映画だ…邦題と予告で損してないか?
料理シーンが本当に素晴らしく、フィクションとは思えないほど精度が高い。
接写なしのワンショットでいくつもの料理を並行して調理す>>続きを読む
それくらいで?と思うかもしれないけど。
人生の歓びの大半を諦めざるを得なかったイリスにとっては、充分な動機なんだろう。不幸な人生を強いた世間への復讐だ。
ラストにかけて眼に光が宿るのが切ないなぁ。生>>続きを読む
なんて愛おしい映画だ。
社会の不条理に揉まれながら、ささやかな幸福を手放すまいとして生きる姿にぐっと来る。
社会的弱者の宿命を嘆くよりも、彼らの人間としての善性を照らし出す演出がとても良い。
主要>>続きを読む
入れ替わる虚構と現実。
突如明るみになる宇宙人の存在。
受け入れがたい現実に翻弄される人々。
実は、その全てが演劇という虚構であって、
さらにはこの映画自体が虚構そのものである…。
いくつも散りばめ>>続きを読む
社会の底辺に近いふたり。74分の間に不幸ばかり畳み掛けるように起きているけど、それに勝る爽やかさのある映画だ。ふたりとも性根が腐っていないというか、悲観的でないところが良い。
なぜ子どもたちが犠牲となったか。
なぜ責任の所在を問わなければならなかったか。
なぜ裁判へと持ち込まれたのか。
報道では想像に至らなかった、十数年にわたる遺族の苦しみがそこにあった。
日本の司法では>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
身につまされる。子どもの頃こういうことあったなぁ、と思いながら観ていたはずが、結局今もこの延長上にいるじゃないかと気がつく。
和解の糸口を掴むようなラストではあったけど、家族ともうまく行っていないジ>>続きを読む
小学生くらいの時、家族みんなが気に入って、何回も何回も観た映画。
笑えるし、あったかいし、沖縄の風土をそのまま写し出したような素朴さが今でも大好き。
幼い妹がスーパーの千円カットで「ホテル・ハイビス>>続きを読む
車上生活者の哀歓。
勝手に社会問題を浮き彫りにした作品かと思っていたら、個々の内面をとらえたロードムービーだった。
主人公のファーンは、何かから逃げているようにも見えるし、過去と繰り返し向き合いながら>>続きを読む
意味を見出すことが難しい。
むしろ、評するなと釘を刺された気分だ。
三人の女が、さまざまに感情を曝け出し、飲み込み、ぶつけ合う。
そんな三者三様の虚無がひたすら映し出される二時間。
早く終わってくれ>>続きを読む
味の感想が一切なくて、むしろ歓びが伝わってくる…。
えもいわれぬ味とは正に。
風景も設えも装いも全部過不足なく美しい。
こだわり様にちょっと引くぐらい細部まで美しい。
凪の日に観るやつ。
このレビューはネタバレを含みます
知ることを恐れない姿勢。
胎児並みの読解力でも楽しめた。
割と大きめなテーマを分かりやすく投げかけてくれる映画は好きだ…。
幼児期〜青年期の発達段階をなぞっていく感じで、倫理の教科書で見たやつだ>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
※レビューではなく日記
胸がいっぱいだ。
話の流れにはついていけなかったけど、断片的な理解だけで完全に打ちのめされてしまった。終始涙をこらえていた。
80過ぎの巨匠がもがく様子を見せられたことが、>>続きを読む
子どもの無垢な目で見るファシズム。
戦時下の市民の日常を描く作品って余り見ないから新鮮だ。
印象としては「この世界の片隅に」に近いかな?
現代の私たちが容易く入り込めるポップさと軽快さ。
なんだか、>>続きを読む