ぴぇさんの映画レビュー・感想・評価

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枯れ葉(2023年製作の映画)

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収入は安定しないし、海の向こうで戦況は悪化するばかり。
良いことなんて何ひとつないくらい。

そんな世の中で決して他人に縋るでもなく、潔い意思を持って生きている感じが、しみじみ良い。
印象深いのは解雇
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巴里のアメリカ人(1951年製作の映画)

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当たり前の感想しか出てこないんだけど、ダンサー役はダンサーだし、ピアニスト役はピアニストで、ミュージカル映画というよりミュージカルだった。

ウーマン・トーキング 私たちの選択(2022年製作の映画)

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赦しと許可の違いを覚えておこう。

睡魔と戦いながら半目で観てしまったけど…。
声を奪われてきた女性たちのとめどない主張。彼女たちの語りの一つ一つが深い憤りと哀しみに満ちていて、耳を傾けるごとに事件の
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ピアノ・レッスン(1993年製作の映画)

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エイダにとってのピアノの重みを、尊重したヘインズと軽んじたスチュアートの間には天と地の差がある、と思う。

意志を貫くのがこれほど難しいのは、時代のせいか。観るのが辛いほどに不遇なエイダだけど、一番不
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ポトフ 美食家と料理人(2023年製作の映画)

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食は人生の歓び。
細胞レベルで好きな映画だ…邦題と予告で損してないか?

料理シーンが本当に素晴らしく、フィクションとは思えないほど精度が高い。
接写なしのワンショットでいくつもの料理を並行して調理す
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マッチ工場の少女(1990年製作の映画)

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それくらいで?と思うかもしれないけど。
人生の歓びの大半を諦めざるを得なかったイリスにとっては、充分な動機なんだろう。不幸な人生を強いた世間への復讐だ。

ラストにかけて眼に光が宿るのが切ないなぁ。生
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真夜中の虹(1988年製作の映画)

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なんて愛おしい映画だ。
社会の不条理に揉まれながら、ささやかな幸福を手放すまいとして生きる姿にぐっと来る。

社会的弱者の宿命を嘆くよりも、彼らの人間としての善性を照らし出す演出がとても良い。

主要
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アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

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入れ替わる虚構と現実。

突如明るみになる宇宙人の存在。
受け入れがたい現実に翻弄される人々。
実は、その全てが演劇という虚構であって、
さらにはこの映画自体が虚構そのものである…。
いくつも散りばめ
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パラダイスの夕暮れ(1986年製作の映画)

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社会の底辺に近いふたり。74分の間に不幸ばかり畳み掛けるように起きているけど、それに勝る爽やかさのある映画だ。ふたりとも性根が腐っていないというか、悲観的でないところが良い。

「生きる」大川小学校 津波裁判を闘った人たち(2022年製作の映画)

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なぜ子どもたちが犠牲となったか。
なぜ責任の所在を問わなければならなかったか。
なぜ裁判へと持ち込まれたのか。
報道では想像に至らなかった、十数年にわたる遺族の苦しみがそこにあった。

日本の司法では
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わたしたち(2016年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

身につまされる。子どもの頃こういうことあったなぁ、と思いながら観ていたはずが、結局今もこの延長上にいるじゃないかと気がつく。

和解の糸口を掴むようなラストではあったけど、家族ともうまく行っていないジ
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ホテル・ハイビスカス(2002年製作の映画)

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小学生くらいの時、家族みんなが気に入って、何回も何回も観た映画。
笑えるし、あったかいし、沖縄の風土をそのまま写し出したような素朴さが今でも大好き。

幼い妹がスーパーの千円カットで「ホテル・ハイビス
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ノマドランド(2020年製作の映画)

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車上生活者の哀歓。
勝手に社会問題を浮き彫りにした作品かと思っていたら、個々の内面をとらえたロードムービーだった。
主人公のファーンは、何かから逃げているようにも見えるし、過去と繰り返し向き合いながら
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女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

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意味を見出すことが難しい。
むしろ、評するなと釘を刺された気分だ。

三人の女が、さまざまに感情を曝け出し、飲み込み、ぶつけ合う。
そんな三者三様の虚無がひたすら映し出される二時間。
早く終わってくれ
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バベットの晩餐会(1987年製作の映画)

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味の感想が一切なくて、むしろ歓びが伝わってくる…。
えもいわれぬ味とは正に。

風景も設えも装いも全部過不足なく美しい。
こだわり様にちょっと引くぐらい細部まで美しい。
凪の日に観るやつ。

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

知ることを恐れない姿勢。

胎児並みの読解力でも楽しめた。
割と大きめなテーマを分かりやすく投げかけてくれる映画は好きだ…。


幼児期〜青年期の発達段階をなぞっていく感じで、倫理の教科書で見たやつだ
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

※レビューではなく日記


胸がいっぱいだ。
話の流れにはついていけなかったけど、断片的な理解だけで完全に打ちのめされてしまった。終始涙をこらえていた。
80過ぎの巨匠がもがく様子を見せられたことが、
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ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

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子どもの無垢な目で見るファシズム。
戦時下の市民の日常を描く作品って余り見ないから新鮮だ。
印象としては「この世界の片隅に」に近いかな?

現代の私たちが容易く入り込めるポップさと軽快さ。
なんだか、
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