ひまやこぞうさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

ひまやこぞう

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天国はまだ遠い(2015年製作の映画)

5.0

〇38分に凝縮された見どころの数々。2度目もすぐに見たくなるけど、1度目の前半の「なだかなあ」とぼんやり筋を追っていた時間を大事にしたいので、しばらくおあずけ。
〇これ使える? 「使えるはずないじゃん
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1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)

4.0

〇実際は数百カットあるものを編集の段階で1カット風に仕上げているのでしょうが、わたしは7カットしかカウントできず。それでも、1カット平均は「942.85秒」で今年最長。すでにカウントしているベテランは>>続きを読む

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

4.0

〇カット数は、1455。1カット平均は「4.49秒」。『フォードVSフェラーリ(4.19秒)』に迫る目まぐるしさ。基本は、ジョジョ対誰か(ヒトラー、母、エルサ、大尉、トーキーなど)との対面シーンで切り>>続きを読む

リチャード・ジュエル(2019年製作の映画)

4.5

〇カット数を数えたら「1256」で、1カット平均「6.25秒」。『パラサイト半地下の家族』(8.55秒)よりタイトで、『フォードVSフェラーリ』(4.19秒)よりはのんびりしていた。ただし、以前にカウ>>続きを読む

フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)

5.0

〇マイルズの隠し事が許せない妻の乱暴運転! これほど緊張した場面はほかになかった。
〇その妻が、ル・マンに行けなかったマイルズを仕事に場行って慰めるシーンにうっとり。
〇遠く視線をかわす2人(切り返し
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パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

3.5

〇「人のいい富裕層」、「隠しきれない生活の匂い」など単純な描きわけが鼻につくけど、こうしておけば広く受け入れやすくもあり。
〇同時に厄介ごとが起こる重層化で、当然のことスピード感と密度は増してくるわけ
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アイリッシュマン(2019年製作の映画)

3.5

〇いま流行りの「有害な男性性」を非難する視点。なかでも、ペギーは最強でした。老害問題も身につまされる。
〇女性たちの喫煙。喫煙でしか表せない何か。
〇まさか最後に神父に告白? 「沈黙」の後だけに、ちょ
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マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)

4.5

〇大中小のバトルで大中小の緊張が絶えない流れ。伏線の回収の仕方。脚本、演出。
〇場面展開、緩急バランス。突然の涙(1度目はとにかくびっくり。2度目のベッドで横たわっているシーンももええっ、でも字幕が画
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お嬢ちゃん(2018年製作の映画)

4.0

〇本作のように、特異なキャラを描いた映画「ジョーカー」よりも印象的でした。たとえば、喫煙シーン。どの喫煙場面でもみのりのじっれたさや諦念が感じられて、とくに自宅2階のベランダでの一服は、無防備で美しい>>続きを読む

ジョーカー(2019年製作の映画)

2.5

〇喫煙が反社会的勢力の象徴になってしまった。
〇迫真の演技がこうもつづくと、やはり暑苦しい。好演は、むしろデニーロ。死にっぷり鮮やか!
〇階段、廊下、トンネル。逆光。
〇最大の見せ場は出演シーンだとし
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アド・アストラ(2019年製作の映画)

4.0

〇月や火星の基地や土星の眺めなど、「未知」の光景を堪能。父息子と元夫婦のくだりの退屈さとの妙なバランスがよかったです。
〇最後、カフェに現れるのは火星のあの女性かと思いきや。
〇宇宙の静けさ。いままで
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つつんで、ひらいて(2019年製作の映画)

4.0

〇94分。あっさりとしたちょうどいい時間感覚だと思います。時間だけでなく、構成や距離感など、とってもバランスがよくて気持ちいい。
〇文芸書を手作業でデザインする老装丁家の記録。おもしろくないはずはない
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帰れない二人(2018年製作の映画)

4.5

〇青の稲妻、長江哀歌をメインに、過去作品の記憶と重なるシーンがたびたび。平らな画面に厚み、奥行きを勝手に感じてしまった。
〇オートバイ、汽車、バス、電車、そして新たに車いす。動物は、ついにトラとライオ
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

5.0

〇女たちの汚れた足の裏!
〇「物語」部分は映画のほんの一部だからそこで大騒ぎして、ほかのところに目がいかないのはどうしたものか、と思っているけど、本作の「物語」にはほだされました。『シックスセンス』依
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さらば愛しきアウトロー(2018年製作の映画)

4.0

〇ざらざら画面の味。
〇寄りカット多いので、役者3人(ロバート・レッドフォード、ケイシー・アフレック、シシー・スペイセク)の味。
〇メモの交換、呼び鈴、「支店長は?」などの反復の味。とくに、支店長は効
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トイ・ストーリー4(2019年製作の映画)

3.5

〇強い女性キャラ、多様性の容認(スプーンさえ)など、どうしても啓蒙的なメッセージ性を感じてしまう。
〇アクションシーンが細かすぎて(スピードについていけないこちらが悪い!)、かえってわからなくなること
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COLD WAR あの歌、2つの心(2018年製作の映画)

5.0

〇ベンチに座って彼方を見つめる2人を、まず後ろから。不意を突かれて思わず。
〇ダグラス・サーク、成瀬巳喜男に並ぶメロドラマの大家をここに確認しました。
〇暗転の度に緊張。次はいったいどの場所、いつの時
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旅のおわり世界のはじまり(2019年製作の映画)

5.0

〇大傑作。前田敦子は劇中、いったい何歩歩いたのか?
〇渡った車道は? 横断歩道を使ったのは一度? くぐった地下道は。前田に視線を送ったエキストラの数は?
〇前田の足の裏を二度見た。「2回」といえば、車
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幸福なラザロ(2018年製作の映画)

4.0

〇天才バカボン!
〇ロッセリーニの快作につながる(70年の時を経て)ヒーローもの。アメリカのアニメとは異なる奇想天外なキャラで新鮮。
〇キリスト教の素養がない分、楽しめたところ大。
〇ワイン、雨、雪、
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ワイルドツアー(2018年製作の映画)

4.5

〇3つの告白シーン(いずれも失敗)の生々しさはそれはそれでどれもすばらしいけど、そのおかげで宙ぶらりんになったままの告白できなかった思いが際立って残酷。
〇ワークショップをベースにした傑作といえば濱口
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運び屋(2018年製作の映画)

5.0

〇エンディングでクレジットが流れるなか、画面の左側にそっと消えてゆくイーストウッド。これが最後のはず。悪の手先になって、連行されるシーンでは後部座席におとなしく座ってた。
〇しかし、「グラントリノ」を
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ミスター・ガラス(2019年製作の映画)

3.5

〇関連2作は未見。そのぶん、ストーリーがわいざつでうっとうしかったけど、音楽や撮影やテンポが気持ちよくてぼーっと見てました。なによりもクリーンというか、安易にエロやグロに逃げないところが潔い。監督はと>>続きを読む

その女を殺せ(1952年製作の映画)

4.5

〇「蓮實重彦セレクション@シネヴェーラ」。この一本しか観られなかったのが、今年一番の残念。でも、その一本は新作十本くらいの印象を残してくれた。しばらくは、いろいろなシーンを思い出して反芻します。
〇デ
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A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー(2017年製作の映画)

5.0

〇映像も音楽も編集も上手で、ぼーっと眺めているだけで、疲れた目と耳の保養に。雪が舞うシーンのなんとすばらしいことか。
〇物語だって、夫婦の愛の話かと思いきや、スケールの大きい話でびっくり。追わずにはい
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ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)

2.5

〇冗長。
〇曲ができるいつくかのシーンはスリリングだったけど、2度目3度目と薄れていく。群衆の波的な描写は美しいけど、ひとりひとりの顔がわかるほど寄ると興ざめしました。
〇ワンショットで気持ちいいいっ
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寝ても覚めても(2018年製作の映画)

4.0

○あれは、何だ!? 走る2人を俯瞰で捉えるシーンで、雲の影が2人を追うようになくなっていく。
○上記のおそろしいシーンに匹敵するのは、朝子が画面に正対するシーン(展覧会で写真を、防波堤の上から海を)。
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きみの鳥はうたえる(2018年製作の映画)

5.0

【2度目の鑑賞で気づいたこと】
☆遊歩道を歩く佐知子(左)と静雄(右)。左右が入れ替わった後に、「そのシャツ好き」の間接的な告白と承諾。
☆コンビニでもメインの主体が入れ替わる。静雄から佐知子、静雄か
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はなればなれに(1964年製作の映画)

5.0

〇54年前の作品をスクリーンで初見。いまさらここでわたしが付け加えることなどありはしないような。
〇女性を口説くときは「ラッキーストライク」的ななにかを絶えず身の回りに置きたいものですね。
〇あの川を
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2重螺旋の恋人(2017年製作の映画)

2.5

〇女性に対する意地の悪い視点は健在。というか、より粘着度を増しているような。一方、メインの画面の方は、どのシーンも範疇に収まっていて退屈。老害? まだ、51歳なのに。

M(1931年製作の映画)

4.0

〇ぎょろ目の映画。それだけ記憶しておけばいいのではないか。というか、消したくても消せそうもないあの容姿。
〇これでもかと、多用される斜俯瞰構図。部屋に漂うというか、部屋を埋め尽くす紫煙。あのへたくそな
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ミッション:インポッシブル/フォールアウト(2018年製作の映画)

3.5

◯冗長な妻パートは、シリーズの倫理性を保つために致し方なし。
※シリーズ2作目以降、あやふやになっていた妻帯問題にけじめ。
※そして、今回の直線全力疾走シーンは2の疾走につながっている?
◯心配はこれ
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ジュラシック・ワールド 炎の王国(2018年製作の映画)

4.0

◯雷、電灯の点滅で見え隠れする恐竜。壁の影でその存在を表すシーンなど。
◯歌舞伎の見得につながるティラノサウルスの登場場面は健在。
◯海棲恐竜がここ2作はおいしいところ取り。ブルーがイマイチ迫力不足で
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万引き家族(2018年製作の映画)

3.0

◯そうめんからの情事。あの、安藤サクラの背中!
◯樹木希林の死に顔、少年の骨折の現場、逮捕場面など省略が印象的だけど、まだまだ説明的すぎるくどい場面が目立ちました。
◯大人びた子供の演技がけっこううざ
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ファントム・スレッド(2017年製作の映画)

5.0

○脱がすより着せることに興味がある変人の恋愛話。と要約すればそれきりだけど、その撮り方にまいった。以下、印象的なシーンを挙げるときりがなくなる。
○自然光を生かした出会いシーンの一幕。○スピード感が一
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それから(2017年製作の映画)

5.0

〇韓国映画って、エンタメ感は楽しめるけど暑苦しい演出が疲れちゃう。と思い込んでいたけれど、これはクール。
〇白を強調した背景で演じる4人の役者さんが適度な距離感で捉えられていて見やすかった。とくに、ア
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犬ヶ島(2018年製作の映画)

5.0

〇「感動」や「笑い」などの怠惰な喜びに浸る隙を与えてくれないシビアなタッチと流れに圧倒されっぱなし。感情移入などもってのほか。興行的失敗も致し方なし。これは前衛芸術なんだから。