ころっぷさんの映画レビュー・感想・評価

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チャッピー(2015年製作の映画)

3.0

お馬鹿な展開が笑えるSF映画。荒唐無稽さも度を越すと清々しくなる。ヒュー・ジャックマンのしょーもない悪役も面白い。この監督は少年のまま大人になってしまったタイプの人間なのかも。逸材。

タンポポ(1985年製作の映画)

4.0

伝説の傑作映画。王道のヒーロー映画の定石とシュールな挿話とのミックス感が時代を越えた前衛性。絶妙な配役が生き生きとアンサンブルを見せつけ、細部にまでこだわった丁寧な描写が格別の味わいを醸し出す。天才・>>続きを読む

オーケストラ!(2009年製作の映画)

3.0

政治的な背景、民族的な遺恨、時代的な悔恨。それらを抜きにしても素晴らしいユーモアとカタルシスを持った作品だった。素朴でスパイシーな演者達の存在感が良い。

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

3.0

漫画が面白かったので鑑賞。予想以上にしっかりとした脚色が成されていて、テーマが大きくなっていた。綾野剛のいい所が引出されていた。

FLEE フリー(2021年製作の映画)

3.5

衝撃的な作品だった。ニュースでは決して伝えられないリアルな世界の現実。アニメであろうが、その恐ろしさは十分に表現されている。ここで描かれた一人の人生と、描かれる事の無い無数の人々の人生。我々はもっと知>>続きを読む

親愛なる日記 レストア版(1993年製作の映画)

3.0

何とも不思議な映画だ。社会風刺とも取れるが、特に声高に主張するでもなく、自然体の様で不自然な描写が尾を引く。つかみどころの無いシュールなコメディとも取れるが、ナンニ・モレッティの表現者としての自虐的な>>続きを読む

スモーク(1995年製作の映画)

4.0

ポール・オースターの小説の様に、自由に行間を埋めながら味わう事の出来る作品。ベテラン俳優達の素晴らしい存在感と、落ち着いた撮影。哀愁漂うエピソードの語り口。忘れられない名画。

ウェディング・ベルを鳴らせ!(2007年製作の映画)

3.0

何時もながらのハイテンションなドタバタ劇。何だかんだで平和な雰囲気が80年代の日本のテレビドラマの様。奇天烈なキャラクター達が実に生き生きとしていて、観ていると自然に楽しくなってきてしまう。クストリッ>>続きを読む

ウォッチメン(2009年製作の映画)

3.5

現代社会に向けたテーゼを感じる物語。アメリカという国家が抱える矛盾と闇を寓話化したかの様な作品だ。映像の迫力とキャラクターの面白さ。テーマの深さで他のアクションヒーロー映画とは一線を画す作品になってい>>続きを読む

ソング・オブ・ザ・シー 海のうた(2014年製作の映画)

4.0

まるで動く絵本。美しさが尋常でない。神話的な物語だが、古臭さや説教臭さを感じない。音楽も素晴らしく世界観をより一層味わい深くしている。何度も観たい素晴らしい作品。

AMY エイミー(2015年製作の映画)

3.5

この作品でエイミーの歌声を初めて聞いた。鳥肌が立つ程の圧倒的な声だった。悲しく苦しい現実を突きつけられが、こうして彼女の功績を後世に残す意味は大きい。

ブリット(1968年製作の映画)

3.0

意表を付く構図のショットが目立つ。音楽とシンクロさせたカット繋ぎが小気味よく、乾いた質感の映像と共に懐かしい。スティーブ・マックィーンの実直な演技。決して器用な俳優では無かったが、信頼を寄せる事の出来>>続きを読む

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

3.5

映像の圧倒的な迫力、美しさ、物語の説得力が更に増している。シリアスな作品だが飽きる事なく登場人物達に没入できる。

MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない(2022年製作の映画)

3.5

思ってもみなかった程に面白かった。役者陣の演技も良かったし、細かい描写にリアリティがあって引き込まれた。予想を裏切る展開。マキタスポーツの存在感。拾い物の面白さ。

ランペイジ 巨獣大乱闘(2018年製作の映画)

2.5

結局ドウェイン強すぎに尽きる。人知を超えた厄災に対抗し得る人類最終兵器。映像の迫力、単純な展開、絵に描いた様な大団円が笑える。罪の無い映画。

かがみの孤城(2022年製作の映画)

2.5

原作未読なのでアニメだけなのか分からないが、キャラクター達のバックボーンが薄いので感情移入以前に興味が沸かない。強引な導入部は百歩譲っても、その後の描写が雑過ぎる。

アネット(2021年製作の映画)

3.0

まるでギリシャ悲劇の様な物語。オペラ風なのかミュージカルなのか演出がかなり奇天烈なので好き嫌いが分かれる所。アダム・ドライバーのフィジカルの迫力が見物。

イングリッシュ・ペイシェント(1996年製作の映画)

4.0

壮大な物語に没入させてくれる丁寧な演出。出演陣のレベルが高くて皆素晴らしい演技を見せている。砂漠の景色が暫く頭から離れない。これぞハリウッド映画というプロの良い仕事の塊の様な作品。

ザ・ライダー(2017年製作の映画)

4.5

言葉にならない余韻。美しい撮影と、演者達の自然体の演技が素晴らしい。多くを語らず、行間で想像させる演出。脚本も無駄がなく、感情の起伏を絶妙なバランスで描いていて本当に素晴らしい。こういう作品と出会う為>>続きを読む

ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

3.0

スピーディーな展開と、アクションの面白さはあるものの、話自体には特に目新しい所は無い。カメオ出演含め豪華なキャストだが、ほぼブラッド・ピットの為の映画という感じ。原作は読んで無いので映画との差異は気に>>続きを読む

窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)

3.0

作画の美しさ、丁寧なカットの蓄積が観ていて素直に感動出来た。作話のベクトルがやや感傷的に過ぎる感があるが、ユーモラスな描写を含め楽しめた。令和の世に昭和の日本の空気感を想像させる困難に果敢に挑戦されて>>続きを読む

ぐるりのこと。(2008年製作の映画)

4.5

寡作ながら、一つ一つの作品が本当にハイクオリティーで素晴らしい。テーマへの切り口、世相を無理なく反映させて主人公達の生活の闇にもリアリティを持たせる。市井の人々の生活の集積が時代であり、時間の蓄積が人>>続きを読む

時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)

3.5

嘗て無い皮肉と問題提起に特化した作品。不気味な構図と音楽。不敵な描写。俳優達のエキセントリックな演技。天才スタンリー・キューブリック監督が我々に仕掛けた時代を越えた挑戦。何度観ても鋭い風刺精神に唸る。

マッドマックス 怒りのデス・ロード(2015年製作の映画)

4.0

細部に至る作り込みの半端無さ。最初から最後までフルスロットルで魅せ続ける映像の力。演技巧者の力で描写にいちいち説得力がある。文句無しの傑作エンターテインメントだ。

マルセル 靴をはいた小さな貝(2021年製作の映画)

3.5

奇抜な発想の物語だが、地に足の付いた演出で衒った所が無い。ストップモーションと実写の違和感の無い融合が次第に現実のドキュメンタリーを見させられている様な気になってしまう。造りの巧さと、語りの面白さと、>>続きを読む

鍵泥棒のメソッド(2012年製作の映画)

4.0

細部にまで行き届いた緻密な脚本。荒唐無稽な物語に説得力をもたらせる見事なストーリーテリングだ。俳優の個性も存分に発揮させ、テンポの良さでグイグイ観客を引っ張っていく。内田監督のこれまでのキャリアの集大>>続きを読む

怪物(2023年製作の映画)

4.0

先の読めない脚本にミスリードされながら、まんまとサスペンスフルな物語に引き込まれていった。子役の自然体の演技、演技巧者達のアンサンブル、被写体に肉薄した撮影、作品の世界観に見事にマッチした音楽。全て高>>続きを読む

ハイ・ライフ(2018年製作の映画)

3.0

内証的で静かな作品である一方、人間の根源的なカルマに触れた辛辣なスリラーでもある。宇宙空間の絶対的な孤独の中、歪な形の親子関係に温もりが存在する事に救いを感じる。主演のロバート・パティンソンのクールか>>続きを読む

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

4.0

キャラクターのスムーズな動きに驚く。原作では明かされていなかったエピソードと本編との無理の無い展開。これはやっぱり井上監督が自ら脚本も手掛けた所が大きかったと思う。これまでのファンと新たなファン両方に>>続きを読む

エンドロールのつづき(2021年製作の映画)

4.0

素朴な雰囲気でありながら、ノスタルジックで寓話性も兼ね備える。かつての名画へのオマージュショット、映画愛に満ちた物語作りが実に感動的だった。ロングショットの美しさ、俳優達の自然な演技、印象的な風景描写>>続きを読む

きみに読む物語(2004年製作の映画)

3.5

構造と丁寧な語り口の脚本が秀逸。若き主演の二人とベテランのレジェンド俳優の二人の対比。丁度良い具合の重さのバランス感覚に優れた作品だ。

hide 50th anniversary FILM 「JUNK STORY」(2015年製作の映画)

3.5

自分の人生に大きな影響を与えてくれた人なので言葉にならない想いが溢れる。彼の残した音楽の古びれない響きは何なのだろう。優しくて格好良くて周りの人間を引き込む魅力に富んだ人だった。何年経ってもずっと変わ>>続きを読む

こちらあみ子(2022年製作の映画)

3.5

映画の為に都合の良いドラマ作りに終始しない姿勢が、独特のリアリティを築き上げている。あみ子の視線で語られる世界の歪さ、異様さがどうしようもなく胸を打つ。ユーモラスであり、恐ろしく残酷でもある。このトー>>続きを読む

パターソン(2016年製作の映画)

4.0

主人公に強いシンパシーを感じる。何気ない日々の中に、美しい詩作を重ねる寡黙な男の優しさ。ジャームッシュの独特の感性で綴られたオフビート達の哀愁。真っ白の白紙のノートを手にした、淡い希望に満ちたラストシ>>続きを読む

アフター・ヤン(2021年製作の映画)

4.0

圧倒的な余韻が残る静謐な世界。来るべき近未来の生活様式が実に興味深い。人間とは何か?という根源的な問いを発起させる鋭い感性を持った作品だった。喪失とその先にある「生」への希望。美しい映像と豊かな音楽が>>続きを読む

ロビンソンの庭(1987年製作の映画)

4.0

圧倒的なイメージの濁流。映画に必ずしもテーマや物語は必要で無く、作り手と受け手の間に相互的な関係性を構築せずとも、かくも感動的な体験となり得る事のほとんど奇跡の様な作品。「分からない」ままに最後まで目>>続きを読む