ktyさんの映画レビュー・感想・評価 - 14ページ目

どら平太(2000年製作の映画)

3.4

役所広司が奉行の素性を隠して、スラム街ごとき「濠外」で遊び人に扮し、朝まで遊びまくり、ワルを懲らしめる。市川崑監督の痛快時代劇。黒澤明、木下恵介、市川崑、小林正樹共同脚本。違和感のない台詞をベテランの>>続きを読む

太陽の塔(2018年製作の映画)

4.0

1970年の大阪万博の後、太陽の塔だけは取り壊されず残っている。なぜ?この異型の巨大な芸術作品を、学芸員、宗教学者、芸術家、美大教授、哲学者、チベットの宗教家、コピーライター、舞踏家らが、自身の専門領>>続きを読む

変態村(2004年製作の映画)

2.9

邦題インパクト大『変態村』😝胸糞時間の無駄作品につき、万人には勧められません。でもグロ映画の耐性はつくなあ。

主人公のイケメンドサ回り歌手が巡業中に怪しい村に辿りつき、思い出したくもない話。

人は
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偶然と想像(2021年製作の映画)

4.3

俳優の個性を上手く引き出す洗練されたヘアスタイルと衣装、スタイリッシュなインテリアの中に、文芸のセリフのメタファーのような垂直な線が構図に意識的に挿入されている。
観る小説といえる独自の世界観が魅力的
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ビー・ジーズ 栄光の軌跡(2020年製作の映画)

4.0

70年代ディスコブームの立役者ビージーズの幼少、結成から現在までのドキュメンタリー。王道美メロ満載のスターダム😆、兄弟愛、音楽産業の盛栄と失墜、再生と別れを描いた感動作。

あの人がビージーズを熱く語
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やまぶき(2022年製作の映画)

3.3

16ミリフィルムの味と、岡山の地方都市の普遍的な乾いた風景。その中で役者の一人一人がそれぞれの人生を背負っている質感が味わい深く、ヒロイン祷キララの冷めた演技を盛り建てる。

過剰な音楽を排除した潔さ
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マジェスティック(2001年製作の映画)

5.0

ジム・キャリーが赤狩りで失職する脚本家を演じる。失意の彼を巡る群像劇。

1940年代後半、冷戦時代のアメリカ西海岸。政府は共産党シンパを公職から追放する赤狩りを実施。ハリウッドでも多くの役者や業界人
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サリー・ポッターのパーティー(2017年製作の映画)

3.3

イギリスの上流?階級の人達が集うホームパーティー。71分のコメディー。

パッとしないインテリアに似合わないオシャレなモノクロ映像、ウィットに富んだ皮肉な会話、それにハズした選曲のレコード、一癖ある俳
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ザ・デイ・シャル・カム/オレたちの聖戦(2019年製作の映画)

3.0

FBIがテロリストをでっち上げる87分のドタバタ劇。

「100以上の事実」に基づくそうだが、どこが事実なのか不明。
でも少なくとも、FBIで昇進するには、嘘でも逮捕の実績が必要だということがよくわか
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オーバードライヴ(2013年製作の映画)

3.5

ドウェイン・ジョンソンが、麻薬密売に巻き込まれ収監された息子の減刑のため、警察のオトリで麻薬カルテルの組織の運び屋を演じる。

実話ベースのストーリーだから、地味でアクション抑えて、寡黙な運転手。でも
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ドニー・ダーコ(2001年製作の映画)

3.4

80年代のイギリスのロックの二人組Tears for
Fearsの佳作『Mad World』をリメイクして2001年に話題になった不思議系青春映画。

若きジェイク・ギレンホールが主役の高校生、
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天国でまた会おう(2017年製作の映画)

4.0

第一次世界大戦を生き延びたフランス兵二人。
戦後の帰還兵に向けられた冷たい世間に対して二人は国を相手に大胆な詐欺を企てる。

原作はフランスで権威あるゴンクール賞受賞。

一分の隙もない美術と衣装、映
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アーサー・フォーゲル ショービズ界の帝王(2013年製作の映画)

4.0

U2、マドンナ、スティング、レディー・ガガらが信頼する、大物コンサートプロモーターのカナダ人、アーサー・フォーゲルのドキュメンタリー。

アーサーが、70年代以降、ライブの現場で着実に実績と信頼を重ね
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時空の旅人(1986年製作の映画)

3.2

まるでバック・トゥ・ザ・フューチャー⁉
86年角川SFアニメ。原作眉村卓、主題歌竹内まりや。BS12

戦国時代や現代、近未来の登場人物が混在する興味深い物語。実写で観たい。

キャラクターデザイン萩
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イカとクジラ(2005年製作の映画)

3.3

ブルックリンに住む4人家族。
父母が離婚でもめ、兄弟は親に振り回される。
ほろ苦いコメディー。

ピンク・フロイドの名曲が、微妙な関係に似合う。

山田太一の脚本を彷彿とさせ目が離せない。

ウェス・
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犬ヶ島(2018年製作の映画)

3.9

小林市長の声が、J-Waveで人気の野村訓市で、主人公の息子の名がアタリ。アタリは昔私が使ってたゲームPC。アタリ社の引用。

細部の作り込みは日本の文化への敬意が感じられるけど、同時に大量の犬が捨て
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ムーンライズ・キングダム(2012年製作の映画)

4.0

ボーイスカウトの男の子とワンピースの女の子の逃避行。二人を追うブルース・ウィリスとエドワード・ノートンが贅沢。

濃い黄色、山吹色を基調に赤または緑への階調を衣装、住宅、小物にまで徹底し、夜を濃紺色に
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ハンガー(1983年製作の映画)

3.3

カトリーヌ・ドヌーヴの女吸血鬼と連れ添うデヴィッド・ボウイ。スーザン・サランドンとクラシックの旋律が絡む、耽美なホラー。『トップガン』のトニー・スコット初監督作。

当時の『ブレードランナー』に似た青
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バスキア(1996年製作の映画)

4.3

80年代、20代で美術界を席巻した画家、ジャン=ミッシェル・バスキアの半生。

デヴィッド・ボウイ扮するアンディー・ウォーホールとジェフリー・ライト扮するバスキアの唐突な出会いのシーンに痺れる。

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ラジオ・コバニ(2016年製作の映画)

4.0

シリア北部の街コバニはクルド人居住区。
一時ISに制圧されたが2015年地元民クルド人民防衛隊が防衛に成功した。戦後多くの人民がトルコから戻ってきた。
凄惨なコバニ攻防戦と戦後の街を伝えるラジオ局の女
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海山 たけのおと(2019年製作の映画)

4.0

尺八奏者、カリフォルニア生まれのアメリカ人、ジョン・海山・ネプチューンさんが72年単身来日し、尺八を学び、師範になり、邦楽から、クラシック、ジャズ、民族音楽、作曲、楽器製作など、自分のやりたいことを極>>続きを読む

名付けようのない踊り(2022年製作の映画)

3.9

川崎アートセンターにて

上映後御本人のトークショーのある回で満員。

『たそがれ清兵衛』で、はじめて見た田中泯さん。
凄みのある殺陣が闇の中をうごめく不思議な動きだった。

即興の「場踊り」と観衆の
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Miss ZOMBIE(2013年製作の映画)

3.3

この闇には何があるのだろうという疑問を抱かせる味わい深いモノクロ映像。

ヒロインのゾンビがお手伝いさんとしてやってきた家庭のドタバタ劇。

ラース・フォン・トリアーの『ドッグヴィル』または『帰ってき
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アンジェラ(2005年製作の映画)

3.5

リュック・ベッソンが描くモノクロのパリ。

現実の恋愛とはかけ離れた長身のスーパーモデルと、借金まみれのチビのブ男の奇妙なカップルのコミカルな恋物語。

いつの時代かわからない普遍的な街と彼女の美しさ
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新しい靴を買わなくちゃ(2012年製作の映画)

3.3

坂本龍一とコトリンゴが手掛ける軽やかな音楽が心地よいパリの大人の恋物語。

ほろ酔いの中山美穂をおんぶする向井理の照れくさそうな顔や、色彩の豊かな部屋、洒落た街並みと二人の戯れを楽しむ作品。

LAMB/ラム(2021年製作の映画)

3.8

ザ北欧ダークファンタジーホームドラマ

古くはムーミン、それから子供の頃、仮面ライダーのテレビの初回でクモ男を見た時の衝撃を思い出した。これは何だ?

アイスランド?の牧歌的で雄大な自然の下、日常の家
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ブライアン・ウィルソン/約束の旅路(2021年製作の映画)

3.9

ビーチ・ボーイズの音楽は米国西海岸のチャラいサーファーのラブ・ソングだと思いこんでた、本作を観るまでは。

リーダーと作詞作曲編曲、虐待、ドラッグ、心の病を抱えたブライアン・ウィルソン80歳のドキュメ
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つつんで、ひらいて(2019年製作の映画)

5.0

1万冊を越える本の装幀家、菊地信義のドキュメンタリー。

金言がポロポロ呟かれる。

ネタバレ金言は、コメントにて。

指先で切り貼り、ミリ単位のレイアウト調整、
アシスタントのマックのデスクトップの
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イマジン/ジョン・レノン(1988年製作の映画)

4.0

『ミーティング ザ ビートルズ イン インド』で、失恋し失意の主人公が超越瞑想を学ぶインドで、偶然遭遇したビートルズとの生活を描いていた。

その中で、主人公がジョン・レノンとたまたま二人っきりでテー
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スプリング、ハズ、カム(2015年製作の映画)

4.0

広島から上京する大学生の娘とシングルファーザーのタクシー運転手が、都会で娘の部屋探し。東京じゃけど広島弁に浸る作品。😊

のんびりしたエピソードが続いて全然飽きん、ええ脚本じゃ。😀

おもろいところも
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マイ・ブロークン・マリコ(2022年製作の映画)

3.9

奈緒が準主役なのでわざわざ一番好きな映画館で観たが、この役は、、、冒頭から😭

永野芽郁には無関心なので配役の逆転希望。
でも永野芽郁にあの悲しみを押し殺した演技ができる?

怒りや悲しみの露骨な表現
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ユリゴコロ(2017年製作の映画)

3.5

不穏なシーンにこだわりのアングルと効果音がいっそう緊張感を高める。

しかしその緊張感を込めたグロいシーンの数々が、まるで忘れ去られるように進行する原作の世界観は独特。

残酷な映像でトラウマが残るよ
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流れ星が消えないうちに(2015年製作の映画)

3.8

見たことのない波瑠を観た。

見慣れた大物女優の貫禄が付く前の初々しさ。
そんな波瑠を愛でる作品。

高校生のフォークダンス、甘酸っぱい😊

普通の戸建てだけど、玄関から階段への縦の直線の連なりが良い
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君は永遠にそいつらより若い(2021年製作の映画)

3.7

就職が決まった大学4 年生の女子大生ホリガイが1歳年下のイノギと出会う。

イノギを演じる奈緒の憂いを秘めた演技。この人は、他の作品では人妻やOL役が板に付いてると思ったけど、本作のような女性も演じ分
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繕い裁つ人(2015年製作の映画)

4.0

中谷美紀の仕立屋が美しすぎる。

神戸の坂の上の洋風建築の外装、内装のこだわりが細かいところまで行き届いていて、環境ビデオにしたいくらい。

やさしい照明と構図が絵画のようで、正直ストーリーはどうでも
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夜明けまで離さない(2018年製作の映画)

3.2

Vシネマでも、役者の落ちぶれ感でグイグイ見せるエロなハードボイルド。

毎熊克也の闇を抱えたヒットマンとやさぐれ刑事の甲本雅裕の演技が週刊娯楽の世界観むき出し。