ktyさんの映画レビュー・感想・評価 - 18ページ目

ヴィタール(2004年製作の映画)

4.0

のっけから攻めの構図の連続!
若くて粋のいいロン毛の浅野忠信を愛でる作品。

抑制した音楽、豪華な脇役陣、古い建物、そして人体、、、 

硬質な青い光と雨が印象的だった『6月の蛇』を彷彿とさせますが、
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ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像(2018年製作の映画)

3.5

フィンランドの首都ヘルシンキで地味な画廊を経営する老人。

オークションで仕入れた絵画を売る才覚 が人の一生を左右する、アート・マネジメントの世界。画廊の経営の厳しさを垣間見せてくれます。

それはフ
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SOMEWHERE(2010年製作の映画)

3.5

ロスのセレブのオッサンの気だるいホテル暮らしと同化する作品。

主役のセレブ、ジョニー・マルコを演じるスティーブン・ドーフ、一見どこにでもいそうなオッサン、この人がムービー・スター?なぜ?

彼が人々
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牛久(2021年製作の映画)

4.0

日本は「おもてなし」の国?
本作を観ると、「人でなし」の国と言われても反論できない。それくらいショッキングなドキュメンタリー。

茨城県にある、入国を認められない外国人が収容されている牛久。
何らかの
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ライフ・ウィズ・ミュージック(2021年製作の映画)

4.0

一日中ヘッドホンで音楽漬けの知恵遅れの妹を抱えた坊主頭の姉の貧乏生活。

姉のズーを演じるケイト・ハドソンは顔がいいので坊主も絵になる。

そして妹のミュージックを演じるマディー・ジーグラーの自閉症の
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A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー(2017年製作の映画)

3.5

途中から藤子不二雄アニメのテーマソングがぐるぐる頭の中で回った。
キュッキュッ♩

でもそのアニメほど明るい話ではなかった、

ちょっと間違えれば簡単にB級作品になるのだが、先の読めない展開と、ゆった
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スターフィッシュ(2018年製作の映画)

3.5

支離滅裂で喪失感の追体験のような不思議な世界。

ヴァージニア・ガードナーが演じるオードリーが親友のグレイスを失い、心の旅が始まる、そんな感じ。彼女は微妙な心の揺れる表現がうまい。

日常と非日常の境
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黄金の犬(1979年製作の映画)

4.3

猟犬ゴローのアクション超大作😄

北海道で紀州犬のゴローとバディーの通産省の武器課長演じる夏八木勲は、汚職事件に巻き込まれて逃亡の旅に出る。 

ゴローは冒頭から大活躍!アカデミー賞主演雄犬賞もので、
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銀河の魚~URSA minor BLUE~(1993年製作の映画)

4.1

保管したビデオを見つけたけど再生できない。どうしようと思ってたらネットで発見😊

久しぶりに観て、青い空イコール海の青の階調が美しい。
おじいさん、ユーリ少年のキャラのほんわかした雰囲気。特に、ビル人
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氷の上のふたり(2014年製作の映画)

3.4

将来イケメン確実な子役ダコタ・ゴヨと小熊の交流を描くカナダ、北極ロケ。

子犬好きは悶絶間違いない小熊の可愛らしさ😆と北極の流氷だらけの自然を満喫しました。😊

氷の上の「二人」ではなく一人と一匹のバ
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ブラッドシンプル ザ・スリラー(1999年製作の映画)

3.9

コーエン兄弟のデビュー作。

小道具や室内の物騒な雰囲気、闇の使い方、攻めのアングル、忍び寄る音効、なにを考えているのかわからない人、テキサス訛り、

生き物を使ったさりげない演出がすごかった!

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アストラリウム(2020年製作の映画)

3.3

4分のショートアニメ。フランスのオンライン映画祭出品作品。

なんじゃこりゃ?不思議な瞳の少女のキャラクター、ユニークな画面構成。
見たことのない無垢に戻れる瞬間を体験したような😉

2月14日まで配
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JIMI:栄光への軌跡(2013年製作の映画)

3.6

ジミ・ヘンといえばウッドストックでのアメリカ国歌の再演を期待したけど本作はデビューした66年67年の再現。

ウッドストックのようなカタルシスはないけど、当時の彼の生き様に触れるのは貴重な体験。

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ワン チャンス(2013年製作の映画)

3.5

西田敏行をハンサムにした?デブの声楽家志望の男の子の、実話ベースのサクセスストーリー。

最初の彼女とのデートで食事に誘う時の台詞、「まずい店ともっとまずい店どちらにする?」は笑えた。さすが英国。
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フードロア Life in a Box(2019年製作の映画)

3.9

東南アジアと日本を舞台に各国の食をテーマに描いた全八話のシリーズ。

日本は本作で、斎藤工監督の51分の短編。安藤裕子の高域が不安定に裏返る声が好きで彼女の演技が観たくて鑑賞。

彼女と、グレートカブ
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ポチの告白(2006年製作の映画)

3.5

195分と長いけど警察だけでなく日本の構造的な問題に光を当てた力作。
そんな腐敗を観てみたい方だけにオススメ。

『日本の一番悪い奴ら』は北海道警の実際の汚職事件を元にしてエンターテイメントとして花の
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バンク・ジョブ(2008年製作の映画)

3.6

70年代ロンドンで、細々と中古自動車屋の経営者を演じるジェイソン・ステイサムが、基本ちょい悪オヤジで、巨悪に巻き込まれる実話ベースのサスペンス。

王室のスキャンダルの写真で悪さをする悪人のふてぶてし
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つみきのいえ(2008年製作の映画)

4.0

12分に詰まったお爺さんの郷愁と密かな文明批判。2008年アカデミー賞短編アニメ部門受賞作。

手書きの優しい線と淡い色彩が醸し出す、お爺さんの生活。不思議で味わい深く、映像だけで世界中の人が共感でき
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Ryuichi Sakamoto: CODA(2017年製作の映画)

4.0

細野さんの作品の後、口直しに坂本さんのドキュメンタリー、再鑑賞。

福島の被災地、復興のピアノ、戦メリのこのトリオのアレンジもいい。

ニューヨークのアトリエ、自然食、宅録、uni のHの鉛筆、『レヴ
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SAYONARA AMERICA(2021年製作の映画)

3.8

細野さんかあ、、、正直苦手でした。
本作観るまでは😅
武官熱が世界を席巻する前の、ニューヨークとロサンゼルスでのライブ。

アメリカのカントリー・ミュージックをリラックスしながらもライブの緊張感の伝わ
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ベロニカとの記憶(2017年製作の映画)

3.9

実らなかった40年前の初恋に未練たらたらのおっさんの悪あがきに心が痛む作品。

主人公のトニーは、老後に中古カメラの店を細々と経営するバツイチのおっさん。この人は、女性からみれば、やっかいな人だろうな
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さらば愛しき女よ(1975年製作の映画)

3.9

探偵フィリップ・マーローを演じるロバート・ミッチャムと謎の女を演じるシャーロット・ランプリングのふてぶてしさを味わう作品

登場人物が皆煮ても焼いても食えない、いやな感じの人ばかり。特に娼館の女主人の
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天才ヴァイオリニストと消えた旋律(2019年製作の映画)

3.4

ユダヤ人のヴァイオリニストがコンサート当日にドタキャンする作品。

今年初の映画館で鑑賞。『シルク』『レッド・ヴァイオリン』の監督なのですごく期待しました。😆

ヴァイオリンの音色が気持ちよくて途中眠
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ハイヒールを履いた女(2012年製作の映画)

3.0

シャーロット・ランプリングの気品は枯れかけた花の様で、憂いを秘めたガブリエル・バーンとの遭遇に期待、、、

冷たく陰鬱な明け方のロンドンの寂寥感と、すれ違う二人は絵になるけど、うーん、、、また口直しし
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柴公園(2019年製作の映画)

3.9

柴犬のテレビドラマの映画化

タワマンの三人の中年男と柴犬の日常のドラマ。映画では主人公のあたるパパを演じる渋皮清彦中心に展開する。

脚本が面白いので二度観たけど、言葉の選び方が教養を試されてるみた
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nude(2010年製作の映画)

3.0

『シルク』で静かな演技が印象的だった渡辺奈緒子の初主演、AV女優の自伝の映画化。

彼女はとっくに引退し、所属した事務所も見当たらない。

綺麗で演技も巧い女優さんだったのに、こんな作品が初主演作とは
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小さいおうち(2013年製作の映画)

3.8

昭和11年、東北から上京し、松たか子演じる奥様の家の女中タキを演じる黒木華の生涯を、舞台となった赤い屋根の小さい家を中心に描いたホームドラマ。

晩年のタキを演じる倍賞千恵子の書いた自伝のノートを軸に
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シルク(2007年製作の映画)

5.0

芦名星、キーラ・ナイトレイ、中谷美紀、渡辺奈緒子の美しさ、古い日本の雪の山村と欧州の森を愛でる作品

芦名星は2020年に自殺したとは、惜しい。冒頭のカットは、なぜ必要か?最後まで観ると、ジワッとくる
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マッチポイント(2005年製作の映画)

3.0

アイルランド出身の青年テニスコーチが、ロンドンの上流階級の家庭に食い込む物語。

ウディ・アレンの監督、脚本だから皮肉で笑えてほろ苦い作品かと思ったら、、、予想を裏切られました。

邦題は『クズ男』が
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ブルー・マインド(2017年製作の映画)

2.9

多感な少女の孤独な暴走かと思ったら、、、ダーク・ファンタジー

もし日本版を作るなら、夏祭りの金魚すくいは外せない。

シアンの青い色を基調にした抑制した映像とドイツ語の会話が聞けるスイスの映画という
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プロヴァンスの休日(2014年製作の映画)

3.8

南仏の田舎町に住む祖父母とパリから来た三人の孫の夏休みの交流。

祖父を演じるジャン・レノの頑固で短気な男の寂しさや笑いや怒りの感情表現、
祖母を演じるアンナ・ガリエナの包容力、次男の聴覚障害を持つテ
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危険なメソッド(2011年製作の映画)

4.3

ユングと、患者のザビーナとの官能的な関係、ユングとフロイトの間の精神医学の根本的な価値観の対立を描いた文芸作品。

学問の進歩が旧来の権威を否定し新しい権威を築くことで繰り返されるとしたら、精神分析に
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地獄の警備員(1992年製作の映画)

3.8

1992年バブル期の総合商社に新設された美術部門に配属されたヒロインと、新入りの警備員の物語。

警備員を演じる松重豊が、ぶっきらぼうで上司に口の聞き方を知らない。よく採用されたものだと思ったら行動が
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牙狼之介(1966年製作の映画)

3.7

五社英雄監督、夏八木勲主演の
西部劇風チャンバラ 1966年 73分 

劇画『子連れ狼』から抜け出したような精悍な侍を夏八木勲が演じる。
その名は牙狼之介。名字がきば、名前がおおかみのすけ!幼少時に
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めくら狼(1963年製作の映画)

3.7

原作横溝正史、脚本笠原和夫、父親に博打で売られる悲惨な娘、志乃役の藤純子と、めくらで居合いの達人、言ってみれば「陽気な座頭市」、捨五郎を演じる、東映時代劇のスター、東千代之介の大阪任侠人情ドラマ 19>>続きを読む

グランド・ジャーニー(2019年製作の映画)

4.0

フランスの田舎の河辺で、超軽量飛行機に乗って、絶滅寸前の渡り鳥である子ガモたちに飛行ルートを教えるプロジェクトに夢中の父親。
最初はスマホゲームに夢中だった息子。二人が、鳥達と共に成長する物語。

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