くりさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

くり

くり

映画(710)
ドラマ(0)
アニメ(0)

ベルファスト(2021年製作の映画)

4.0

ケネスブラナーがこんな映画を撮るなんて!

アガサクリスティ原作の一連の作品を観ていると、お世辞にも監督としての才能があるとは思えなかったけど、本作は純粋に感動した。

いや、ケネスブラナーの監督とし
>>続きを読む

ナイル殺人事件(2022年製作の映画)

3.3

予想の範疇を超えてはくれない。

原作は素晴らしいミステリーなんでしょうが、
映画の作りとしてはあまり上手くないように思う。

前作の『オリエント急行殺人事件』もそうだけど、敢えて今リメイクをする意義
>>続きを読む

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

4.5

素晴らしかった!

良かったところを挙げていくとキリがない。

特に、主人公のルビーが「歌を歌う時の気持ち」を問われて手話でそれを表す場面。ここにはこの映画が伝えたいことの多くが詰まってる気がする。
>>続きを読む

ウエスト・サイド・ストーリー(2021年製作の映画)

3.4

冒頭から躍動感溢れる演出の連続。

「スピルバーグっぽさ全開」とまでは言わないけど、随所に"らしさ"を感じさせるシーンも多く、序盤は凄く楽しんで観ることができた。

特にトニーとマリアが出会うダンスパ
>>続きを読む

フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

4.0

『グランドブダペストホテル』が間違いなくキャリアハイだったウェスアンダーソン監督の新作。

今作も良かった。
監督の持ち味である統制された画作りと独特な世界観は健在。

非常にメタ的な作りの本作に、ウ
>>続きを読む

ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)

3.8

事実を基にしたフィクション。
単純にこのお話自体がまず面白かった。
ドロドロのお家騒動。しかもそれが皆が憧れるハイブランドのGUCCI家におけるものなのだから、面白くない訳がない。

パトリツィアの描
>>続きを読む

パーム・スプリングス(2020年製作の映画)

4.2

いやー、こういう作品はほんとに良い。

90分という短い尺で、気軽に観られて、ゲラゲラ笑えて、下品で、それでいて細部までよく出来ていて、肩に力を抜いて決して説教臭くなく人生において何か大切なことを教え
>>続きを読む

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(2021年製作の映画)

4.1

凄いことをやってのけてくれた!

お祭り映画でありながら、それでいてしっかりとスパイダーマンしてる。

作り手の交通整理力に脱帽。そして過去作も含めたスパイダーマンシリーズへの大きな愛を感じる作品でし
>>続きを読む

マトリックス レザレクションズ(2021年製作の映画)

3.2

監督の信念と熱意とプライドが伝わる。とてつもなく志高い一作。

全編に渡りメタな構造で、『マトリックス』という作品を今改めて撮ることの意義についてこれでもかというくらい自問自答したことがうかがえる。
>>続きを読む

キングスマン:ファースト・エージェント(2020年製作の映画)

3.8

娯楽映画としてとても面白かった。

1、2作目みたく不謹慎でぶっ飛び過ぎて無く、007みたくシリアス過ぎず。
「キングスマンとしてどうなのか」という議論は出てくるだろうけど、自分的にはこのバランス感は
>>続きを読む

ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

3.8

音楽と映像で綿密に世界観を構築していくエドガーライトのこだわりは本作でも健在。
60年代の街並みに入り込んでいくシーンは本当に素晴らしかった。
作り込まれた世界観に没頭させられていて、若干無理矢理感の
>>続きを読む

ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ(2021年製作の映画)

3.0

うん、エディとヴェノムの掛け合いは良かった。
というかその関係性の変遷を楽しむ為の映画とも言える。

でも、期待を超える作品では無かったなあ。

エディとヴェノムのイチャつきから、一時的なすれ違い、そ
>>続きを読む

THE GUILTY/ギルティ(2021年製作の映画)

3.4

真正面からのリメイクといった感じ。

でもやっぱりオリジナル版を観た時の驚きには劣る。この手の話は展開を知らずに観た方が面白く観られるに決まってるしね。

基本的にストーリーはオリジナルを踏襲しつつ、
>>続きを読む

アンテベラム(2020年製作の映画)

3.5

観た後に色々と振り返りたくなる映画。

この人はあの時の、とか、あの模様がこんなとこにも、とか、ヨガのシーンはそこに繋がるのか、とか、他にも作り手のドヤ顔が目に浮かぶような伏線が数多く散りばめられてい
>>続きを読む

エターナルズ(2021年製作の映画)

3.9

明確な欠点も多い。上手くいってない部分もあるし、海外でそれほど評価が高くないのも頷ける。

それでも、個人的にはとても愛すべき作品だと感じた。

自分はクロエジャオという人の資質を誤って捉えていたかも
>>続きを読む

キャンディマン(2021年製作の映画)

3.9

92年版は未見だが、色々調べるとジョーダンピールが制作に携わることが必然とも言える題材。

『ゲットアウト』や『アス』とは比べ物にならない程、人種差別というテーマが強調された本作。物語やホラー要素に上
>>続きを読む

セルピコ(1973年製作の映画)

4.0

昨日観た『21ブリッジ』にテーマ的に大きな影響を与えたであろうシドニールメットの名作。

ニューヨーク市警の組織的な腐敗と汚職に立ち向かう一人の若手警官視点で突き進む物語。

一言で表すと、"見応えの
>>続きを読む

21ブリッジ(2019年製作の映画)

3.5

良くも悪くもよくある警察官が主役のクライムアクション映画。
特に驚くべき展開は無いし、なんと無く先が読めてしまうストーリー。

とは言え、ガンアクションへのこだわりやディテールの丁寧さが感じられて好感
>>続きを読む

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

4.5

こういう作品に出会う為に、自分は映画を観ていると言っても過言ではない。

原作を読んではいないし、デヴィッドリンチ版も未見。でもこれが映画史的にとてつもなく重要で、ドゥニヴィルヌーヴが本作で金字塔を打
>>続きを読む

007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(2019年製作の映画)

4.3

大満足でした。泣きました。

観終えた時の感覚は『エンドゲーム』に近い。
一本の映画というより、ダニエルクレイグ版ボンド映画の集大成として評価すべきでしょう。

思いの外ジェームズボンドの個人的な映画
>>続きを読む

裏切りのサーカス(2011年製作の映画)

4.9

自身5度目の鑑賞。
ベネディクトカンバーバッチの新作『クーリエ』を今度観に行こうと思って予告編を見ていたら、不意に本作をもう一度観たくなって鑑賞。

複数回鑑賞が前提に作られている映画はそんなに好きじ
>>続きを読む

レミニセンス(2021年製作の映画)

3.2

この映画には明確な欠点が二つあると思う。

ストーリーの語り口に抑揚がないことと、テーマにひねりがないこと。

フィルムノワールをやっているのは分かるが、にしても淡々とし過ぎじゃないか。物語を追いかけ
>>続きを読む

モンタナの目撃者(2021年製作の映画)

3.4

いわゆる「フロンティア3部作」が大好きな自分としては、テイラーシェリダン監督の新作は観ない訳にはいかない。ということでかなり意気込んで行ってしまったからなのか、期待した程では、、というのが率直な感想。>>続きを読む

シャン・チー/テン・リングスの伝説(2021年製作の映画)

3.7

素晴らしい映像体験だった。

東方拳法と強大なパワーをマーベルが掛け合わせるとこんな表現になるのか!
過去から使われている演出は踏襲しつつも、新しさをしっかりと感じさせてくれるあたり、やっぱりマーベル
>>続きを読む

オールド(2021年製作の映画)

3.8

予告からなんとなく受けた、"設定だけの映画"ではなくて安心。

深みのあるテーマ、意外性のある展開、ハラハラさせるサスペンス的要素とその演出の巧みさ。全体的に良かったと思う。

『ヴィジット』で炸裂し
>>続きを読む

パンズ・ラビリンス(2006年製作の映画)

4.3

ジブリ作品の影響が色濃く見られるが、『千と千尋の神隠し』が最も近い映画のような気がする。

これを何についてのお話と捉えるかで、大きく評価が変わる映画だと思う。

スペイン内戦下の暴力と閉塞感に満ちた
>>続きを読む

ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結(2021年製作の映画)

4.5

作品の評判、そして興行収入的にもマーベルに大きく水をあけられていたDCのリベンジが始まりそうな予感!
ジェームズガンがDCのアメコミ作品史上最高の映画を撮ってくれました。個人的にはあの傑作『ガーディア
>>続きを読む

ドント・ブリーズ2(2021年製作の映画)

3.1

違う違う、そうじゃ、そうじゃない。。
その方向性なら『ジョン・ウィック』とか『イコライザー』を観たほうが何倍も面白いに決まってる。

前作と今作の爺さんが持つ"狂気"の描かれ方は全く別物。爺さんに感情
>>続きを読む

嵐の中で(2018年製作の映画)

3.9

面白かった。
色々素晴らしくて言及したいポイントがあるけど、何よりもラストショットの2人の表情が良かった。あの表情以外は不正解だと思うくらい、色んな複雑な感情が表現されていて素晴らしかった。何テイクく
>>続きを読む

北北西に進路を取れ(1959年製作の映画)

3.8

巻き込まれ型サスペンスの王道。エンタメ要素の宝石箱かと思うくらい、退屈さを感じさせない展開の連続。

ヒッチコックの他作品に比べるとアクションシーンが多いからか、珍しく"古さ"を感じてしまう映画ではあ
>>続きを読む

すべてが変わった日(2020年製作の映画)

3.8

現代における西部劇を観たような感覚。現代と言っても舞台は1960年代だが、間違いなく現代性が反映された設定。

前半は凄くゆっくりと話が進む。セリフも決して多くはないが、その行間にはジョージとマーガレ
>>続きを読む

ザ・ベビーシッター(2016年製作の映画)

3.8

不謹慎の詰め合わせみたいな映画。
振り切っていてとても良かった。

短尺なところも好印象。
センスある笑いどころが多い。
ビーの仲間たちのキャラ設定が絶妙。

作り手側が「下品でおバカなジャンル映画に
>>続きを読む

グリーンブック(2018年製作の映画)

3.6

良い作品でした。
笑えるシーンも多いし、最後はしっかりと感動した。

ただ、100%手放しで絶賛という温度感ではない。。

自分のスタンスとしては、"バディモノのロードムービーとしては傑作"、"人種差
>>続きを読む

ダイヤルMを廻せ!(1954年製作の映画)

4.1

サスペンスのお手本のような映画。

トニーがスワンを脅しながら計画に加担させるシーン。
スワンが計画を実行しようとするシーンと、そこで起きる予期せぬ出来事。
警部の取調べシーン。
マークの追及に合うシ
>>続きを読む

インサイド・マン(2006年製作の映画)

4.0

考えれば考えるほど、凄く良く出来た映画。
色々と真相が明らかになっていない余白の部分も含めて、実に上手い。

全体を通してとてもクールな語り口。
犯人グループが車で主犯格を待つシーン(誰が犯人グループ
>>続きを読む

ロスト・ボディ(2012年製作の映画)

4.2

面白かった。

後々考え直すとちょっと強引な部分もあるはある。ただ、少なくとも観ている間自分は気にならなかったし、結構夢中になってストーリーを追いかけ続けた110分だった。

ワイングラスとかバイクと
>>続きを読む