ロメ男さんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

ロメ男

ロメ男

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ハズバンズ(1970年製作の映画)

4.8

濱口竜介『PASSION』同様、言葉では表現できない何かを肉体を伴う運動で表現しようとするがうまくいかない滑稽さというものが、全体を通して感じられる。

私たちが生活の中で一定の距離を置いているそこら
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ゴダールの決別(1993年製作の映画)

4.9

以前断念したこの映画も今なら観ることができる気がした。

神は登場人物ではなく、形態である。役者を役者が演じることのできる領域の外まで連れて行くこの台詞とは裏腹に、シモンは神を宿す。

役者と役は切り
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はなればなれに(1964年製作の映画)

4.3

久々にみたけど、沈黙からのダンスも、9分43秒のルーヴルも、ストーリーの根本とは関係のない全てが愛おしいのです…

アンナ・カリーナのあの髪型は時代遅れでもなんでもなくただただ可愛いけど、それ以上にあ
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7月の物語(2017年製作の映画)

4.2

ギヨームの中でも特にロメールやホン・サンスの影響を感じる。

第一幕、始めの列車に乗るシーン、向かい合う座席に座る2人は一見同じ空間に身を寄せる仲の良い2人だが、フレーム内フレームで別フレームにおさま
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勇者たちの休息(2016年製作の映画)

3.0

まじ疲れすぎてて、自分の休息になってしまった…

パリ、18区、夜。(1994年製作の映画)

4.6

まじ映像のキレよ…

台詞は最低限に、映像でまじ成り立ってる。カメラの動きが、人々の関係性や映画内の出来事をよりコンパクトに表現する一方で、多用されるジャンプカットによって、そうした前者の表現について
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パリのナジャ(1964年製作の映画)

4.2

私服で逆走して走ってくナジャが好きです。

そしてリバーオブグラスみたいに橋の端を歩く女の子が好きみたいです

ぼくの伯父さん(1958年製作の映画)

4.4

中学の教科書にあった、椎名誠のアイスプラネットを思い出すのは僕だけだろうか?

もう家の門が好きでしかない。わざわざスイッチを押さなきゃいけないなんか好きな面倒臭さがあるのは前提として、みんなが避難す
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ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

1.8

うるさい音楽も、記号的でこうすれば良いだろ感満載の映像も全てが面白くない。

オスロ、8月31日(2011年製作の映画)

3.2

昔の友人に会うシーン、顔のリバースショットは主人公の辛いけど相手としっかり向き合おうとする何かを感じるのだが、会話の要所要所に散りばめられた小さな問題が2人の空間を変容させていく。バストショットの切り>>続きを読む

アメリカの影(1959年製作の映画)

4.2

5~60年代、ジャズにおいて即興演奏の時代だ。チャールズミンガスの起用はカサヴェテスの即興演出に一定のリズム感をもたせ、会話のくどさと裏腹に淡々と話が進んでいように感じる。

一種の緊張感、焦燥感は人
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トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

4.2

こんなの週刊少年ジャンプ特大号じゃん。みんな好きじゃん…

モンソーのパン屋の女の子(1963年製作の映画)

4.2

最高。パン屋に行く反復の動作は、徐々に2人の表情や体の動きにフォーカスされ、サブレだけ買っていたのに徐々に買うものも増えていく。

飽きは来ないし、そりゃ相手のこと気になっていくよ、、と思ってしまう。
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劇場版ポケットモンスター アドバンスジェネレーション 七夜の願い星 ジラーチ(2003年製作の映画)

3.7

久々に見たけど、幼少期にジラーチをこれって言う序盤のシーンからずっと可哀想すぎて辛かった記憶を思い出した

紹介、またはシャルロットとステーキ(1961年製作の映画)

3.8

10分でここまで面白いのは流石すぎますロメール。

あのゴダールがちょっとしかもらえなかった肉をすぐ平らげてしまい、手持ち無沙汰にフォークを動かしている様はなんとも愛おしいものだ

女と男のいる舗道(1962年製作の映画)

4.5

多用されるアンナ・カリーナのバストショットはかなり魅力的だし、ナナとラウールが見つめ合うところからナナ単体にパンするシーンや、ダンスシーンにシンプルに映像の虜になってしまい、飽きることなく時間が進んで>>続きを読む

曳き船(1941年製作の映画)

4.0

船を曳くシーンでは画面の切り返しや音などにドキドキハラハラするスリリングさを感じる一方で、その後の展開では、静かにゆったり表情をしっかり捉えた切り返しで独立したメロドラマを感じさせる。その抑揚は飽きを>>続きを読む

裸足で鳴らしてみせろ(2021年製作の映画)

3.6

距離感が難しい。一貫して、丁寧さ、人との距離の測り方を重要視している印象を受けたのだが、途中から緊張が解け距離感が崩れていく。それにより話が展開するから必要な部分なのかもしれないけど、ここまで急に変わ>>続きを読む

みんなのヴァカンス(2020年製作の映画)

4.6

最高だ…

原題の搭乗する、抜け出すこそこの映画の全てなんじゃないか

フェリックスが抜け駆けしてアルマと川で遊ぶシーンで、画面外でかつフェンスを挟む形で眺めていたシェリフとエドゥアール。

エドゥア
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女っ気なし(2011年製作の映画)

4.2

極めてシンプルにカメラの動きなどで人の関係性が分かりやすく映される中でも、ジェスチャーゲームに切り返しは最高だ。

あまあまのイチゴはしんどいし、基本的にキモいやつだが別れを悟る表情だけは憎めない

遭難者(2009年製作の映画)

3.6

撮るべきところをちゃんと撮って抜くべき所を抜いて、その間間に面白さがあって良かったです

子猫をお願い(2001年製作の映画)

4.2

この映画が早かったのかどうかはわからないけど、20年以上前からジェンダーの問題はうるさいほどにまとわりついていて、それでもそんな中で懸命に生きる主人公たちの姿は青春そのもので美しい。

ジヨンがバスや
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リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

3.8

そんなPTA好きでもないけど、にしても説明なく脱線しまくる感じは好きだし、横にいた(いようとした)2人(飛行機の席、パトカーを追いかけるなど)が根本的には異なっていてうまくいくようでうまくいかない、そ>>続きを読む

WANDA/ワンダ(1970年製作の映画)

4.2

ケリーライカーとのriver of grassに通ずるものを強く感じる。

何も上手くいかない日常とそこから抜け出すための抜け出せない逃避行はゆるゆると進むのだが、要所要所でスピード感を感じさせその緩
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草の葉(2018年製作の映画)

4.1

カメラが忙しなく動く中、それがスイッチとなり会話に様々な感情がこびりついてくる。

基本的には向かい合う2人の間を撮るカメラがシルエットへと移動する時、感情的な人間の感情の崩壊を見てしまった気がした。
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ピクニック(1936年製作の映画)

4.5

人間の人生は自然の移ろいのようなもので、晴れから嵐という自然界の移ろいと同じように人生はタイミングや状況によって不可逆的な潮流に飲まれてしまう。

初めの川から橋へのパンの広がり方から自然の美しさ的な
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アンナの出会い(1978年製作の映画)

4.4

アケルマンの自伝的?ロードムービー。

現実的な恋人や幼なじみのお母さんとのやり取り、非現実的な旅先での情事、どちらもどこか上手くいかずアンナの背中は孤独を物語る。

ジャンヌディエルマン同様、長回し
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緋色の街/スカーレット・ストリート(1945年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

自分の人間らしい感情(ビンタ痛そうやクリス可愛そうのような)と出会う中、カメラの動きや影、様々な要因が物語にピリピリする感覚を与えてくれる。

最後なんて、カメラがズームアウトするにつれて幽霊のような
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