割烹さんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

トランス・ワールド(2011年製作の映画)

3.4

B級だが、張り巡らされる伏線の出し方と、その回収に賭けた映画と言って良い。
つまりミステリーとしてはなかなか楽しめる。

戦争シーンのしょぼさや、タイムパラドックス周辺の表現のチープさは気になるが、B
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ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS(2003年製作の映画)

3.0

特撮は派手で、自衛隊が協力していることもあり、そこそこ見応えのある映画だ。
がしかしSF的な突っ込みどころが多すぎる。ストーリー的にも、モスラの扱いがやけに曖昧なところや、最後も人間がやったというより
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スプライス(2008年製作の映画)

3.7

良くできたSF映画。
ひとつには、クリーチャーの造形の気持ち悪さがある。成長に従って人間らしくなってくるが、髪が生えることも、指の本数や足の関節が人間と同じになることもなく、ひたすら化け物感が残り続け
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誰も知らない(2004年製作の映画)

4.2

全編ひりひりするような臨場感を持った映像で、もはやこれが実話に基づくかどうかというのは大きな問題ではない。
主人公のような境遇の子供たちが、今もどこかで苦しんでいるに違いないと思わせるリアリティが、こ
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いぬやしき(2018年製作の映画)

3.3

コミック原作ながら、意外にしっかり作られてる印象。木梨の演技も朴訥で悪くない。物語の核心でもある、不器用な冴えないサラリーマン親父をよく演じている。
対決のくだりはさすがにご都合主義的展開だが、陰鬱な
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ゼロ・グラビティ(2013年製作の映画)

4.0

本当に素晴らしい映像。宇宙をこれほどのこだわりをもって撮影した映像はいままでなかったと思う。
映画なので多少の都合の良い展開はあるものの、脚本の巧みさやによって、しっかり穴埋めされているとように感じる
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ステキな金縛り(2010年製作の映画)

3.0

いつもの三谷幸喜作品のはずだが、いろんな面で中途半端。コメディのパートは面白いが、全体としては退屈な映画だ。
幽霊が裁判で証言するというプロット自体にそれほど魅力がないうえ、なんだかありきたりな幽霊可
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私の頭の中の消しゴム(2004年製作の映画)

3.2

映像はきれいで、役者の演技も良く、上品な映画だが、今となっては手垢のついたテーマだからか、いまひとつ面白さに欠ける。
ストーリーに魅力がなく、終盤はリアリティのない展開が目立つため、感情移入しにくいこ
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本能寺ホテル(2017年製作の映画)

3.2

無理のあるにも程があるご都合主義的展開が目立つが、映像と音楽がそこそこ綺麗なので楽しめる映画だ。
やりたいことがない綾瀬が、信長に触発されてやりたいことを見つける、という薄っぺらいテーマは説教じみてい
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アドレナリン・ドライブ(1999年製作の映画)

3.5

和製ロードムービー。ドタバタコメディではあるが、逃げる方にも追いかける方にもドラマがあり、それぞれがフェアに描かれているので、最後まで気持ちよく観られる。
松重豊が死ななすぎ。
あと石田ひかりが後半ず
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サバイバルファミリー(2017年製作の映画)

4.0

ある日突然電気が使えなくなったら、という割とありふれたSF設定ながら、その中で社会の最小単位である家族の成長に目を向けたプロットは面白い。
家族にフォーカスしていながらも、その周辺で起こる世の中の変化
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レジェンド/光と闇の伝説(1985年製作の映画)

2.1

リドリースコットの関心が、まるで箱庭のような極めて矮小な世界観の中の美術の完成度にしか向かなかったのではないかと思われる、映画としては残念な作品。
登場人物の心情や存在全般にリアリティがなく、ストーリ
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デイ・アフター・トゥモロー(2004年製作の映画)

2.8

エメリッヒお得意の突っ込みどころ満載のアメリカ的ご都合主義映画。
全世界的な災害への対応で政府のブレーンになった学者が息子を助けに行こうとするストーリー。しかし、遭難の危険を冒して自力で行った所で何が
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火花(2017年製作の映画)

3.2

板尾創路監督。狙いすぎの演出。
しかし、売れない芸人の生態はこんなものなんだろうなという説得力がある脚本と映像。
木村文乃をはじめ、脇役の描き方は適当なところもあるが、主役の二人の演技は安定しており、
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戦慄病棟(2015年製作の映画)

2.0

一見映像は量産型ホラーだが、とにかく突っ込みどころしかない。映像、美術やセットがそれなりに普通なので、かえってストーリーの筋が一つも通っていない違和感がすごい。
大小問わず1から10まで全部突っ込みど
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ソードフィッシュ(2001年製作の映画)

2.4

いい加減なITセキュリティ考証と、ノリしかないハッカー主人公。サイバー映画としては三流で、リアリティのかけらもない。ストーリーも所々雑なので消化不良になる。ちょくちょく出てきたSenetorとか意味な>>続きを読む

ビューティー・インサイド(2015年製作の映画)

4.1

毎朝起きたら別人になっているというプロットは超面白い。とても映画的で魅力的なテーマだ。
特に、役者主体で考える日本やアメリカには主役の役者が固定されない発想はないので新鮮で、かつ意外にも馴染むことに驚
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東京ヴァンパイアホテル(2017年製作の映画)

3.4

久々に本領発揮した園子温を見る。醜く、そして美しい世界観。非常に長いフッテージで、途中退屈はするが、物語としてはおもしろい。
前半は、明日世界が終わるという終末の解放感が新鮮で、インパクトのある映像と
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新宿スワンII(2016年製作の映画)

3.2

基本的には前作の延長線上で、ありきたりな世界観の中で展開する、原作に追従したのかご都合主義でリアリティに欠けるストーリー。
滑稽なのは、横浜の描写に思いっきり失敗している点。知見がなかったのか、大さん
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貞子vs伽椰子(2016年製作の映画)

3.0

予算さえあれば人並みの映画が撮れるんだぞということを言いたいがために変に力を入れすぎて、かえって平凡で当たり障りのない映画になってしまった白石作品。
和製王道ホラーの真似事をしようとしたのであろう、こ
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私の奴隷になりなさい(2012年製作の映画)

2.8

狙いすぎのS/N比でノイズがうるさいが、撮影や編集、演出が丁寧で、映画としての世界観は成立している。また壇蜜を綺麗に見せることにも成功している。
原作ではSMにおける関係性のストイックと美しさが重要な
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悪の法則(2013年製作の映画)

3.3

脚本は良くできているし、スター俳優たちによる演技は見ごたえがあり、音楽も映像もスリリングで安定している。
度重なる警告に耳を貸さず悪に手を染めたことによる不条理な世界への凋落というテーマも悪くないのだ
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Strange Circus 奇妙なサーカス(2005年製作の映画)

3.2

独特な美的センスと世界観、そして園子温の自己顕示欲にまみれた作品。
相変らずクラシック音楽をうまくつかっているが、監督自作の陳腐なメロディを同じノリで使うので、そこだけ映像が後ろ盾を失ったように異常に
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ワールド・オブ・ライズ(2008年製作の映画)

3.8

たいへんスタイリッシュで洗練された映像。対テロにおけるドローンによる監視システムなど、いくつになっても新しいテクノロジーも躊躇なく取り扱っていくリドリースコットの好奇心には敬意を表する。
映像だけでは
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戦慄怪奇ファイル 超コワすぎ! FILE-02 暗黒奇譚!蛇女の怪(2015年製作の映画)

1.4

今回は序盤の投稿映像も少しも怖くない。櫻井の演技が酷い。その後は毎度の工藤劇場。ワンパターン。押しが強いわりに面白くないダメなコメディ。

プロヴァンスの贈りもの(2006年製作の映画)

3.5

安定のリドリースコット、比較的地味だが安心して見ることのできる映画だ。またラッセル・クロウの演技の幅広さにも感心する。
フラッシュバックの表現は見事だし、伏線の回収にも嫌味がなく、ストーリーも小奇麗に
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戦慄怪奇ファイル 超コワすぎ! FILE-01 恐怖降臨!コックリさん(2015年製作の映画)

2.6

序盤のモキュメンタリー部分はかなり怖い。これだけゾクゾクする映像は稀だ。やはりこの空気感は白石ならではだろう。
したがって間抜けな合成とかテロップとかが出ると妙に安心する。こういうのが逆に恐怖を削いで
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キングダム・オブ・ヘブン(2005年製作の映画)

3.3

グラディエーター同様に大作時代劇で、美術や映像のクオリティは非常に高いが、ストーリーがご都合主義でリアリティに欠ける。宗教戦争の壮絶さと虚しさを描いてはいるが、テーマらしきものは薄っぺらく、重厚な映像>>続きを読む

戦慄怪奇ファイル コワすぎ!最終章(2015年製作の映画)

1.0

なんかもはやホラーというより、出鱈目なオカルト&無茶振りバラエティ&厨二病。そしてすべてがひどい。支離滅裂ならまだましだが、ストーリーの筋が通っているだけに、映画としての作りのひどさが際立つ。スカイツ>>続きを読む

マッチスティック・メン(2003年製作の映画)

4.0

リドリースコットは本当に才能のある映画監督であることを再認識させられる映画。時代劇でも戦争ものでも特殊な世界観ものでもない、特にとがったところのない普通のクライム&ヒューマンドラマだが、そういう普通の>>続きを読む

ブラックホーク・ダウン(2001年製作の映画)

4.1

物凄いリアリティと重量感で再現された戦争映画。元来戦争映画を得意としていたわけではないリドリースコットがこのような映画を撮れた背景には、彼が映画作品というものにどれだけ真剣にこだわり、追求したかという>>続きを読む

戦慄怪奇ファイル コワすぎ! 史上最恐の劇場版(2014年製作の映画)

1.5

冒頭のアイドル紹介の茶番のくだりは笑える。素人芝居、素人脚本は健在、くだらない茶番に次ぐ茶番、突っ込みどころしかない展開、雑な演出、小学生級の安っぽいサスペンス、30円くらいでできそうなCG映像、だい>>続きを読む

戦慄怪奇ファイル コワすぎ! 劇場版・序章 真説・四谷怪談 お岩の呪い(2013年製作の映画)

1.4

安定の素人脚本に素人演技、見ているほうが恥ずかしくなるくらいで、鑑賞を継続するモチベーションを維持するのが大変。
馬鹿馬鹿しいストーリーにチープなホラー描写、内輪受けだけを狙って作っているとしか思えな
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カジノ(1995年製作の映画)

3.4

映画としては良くできているし、ストーリーは実話に取材しているだけあってそれなりに面白く、スコセッシならではの気の利いた演出も多く楽しめるのだが、いかんせんグッドフェローズの登場人物たちが、別の映画で同>>続きを読む

グラディエーター(2000年製作の映画)

3.6

さすがはリドリースコット、徹底的に作りこまれた世界観はすばらしい。セット、道具、衣装、映像のクオリティは時代劇としては最高峰だろう。
ドラマもそこそこ楽しめるものになっているが、ストーリーはご都合主義
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グッドフェローズ(1990年製作の映画)

3.9

実話を基にしたマフィア映画だが、どこかコミカルで愛嬌のある映画だ。登場人物たち、とくに主人公のヘンリーはいつも必死で、人間味があり、マフィアという社会構造の中で生きる一人の等身大の男として描かれている>>続きを読む