imaさんの映画レビュー・感想・評価

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あのこは貴族(2021年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

いやぁ……めちゃくちゃ良かった……
天候や高低差を利用した人物の立場の差異の描写、そして人物の内面を語らずして悟らせてしまうヤバさ。

貴族側と一般庶民側の二項対立として描かれるかと思いきや、そんな単
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ホワイト・ボイス(2018年製作の映画)

3.5

コールセンターで営業マンとして働く黒人の主人公が「白人声(ホワイトボイス)」を使うことで成功者にのし上がっていくが……?というストーリー。

テーマ性も構造も伝わるし表現手法もキッチュで悪くない。
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パプリカ(2006年製作の映画)

4.0

何度も観た。
ストーリーは割と虚無なのだが、とにかくアニメでしか表現できない「夢」の表現が素晴らしい。

特に、パレードのシーンは正気で見てはいけない。
七五調のセリフは日本語が最も耳に入りやすいリズ
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The Witch/魔女(2018年製作の映画)

3.9

ストーリーの組み立て方はかなり面白い。
前半は情報を小出しにしているため意図が掴めないのだが、後半に全ての伏線を回収していくので、観てて気持ちがいい。
アクションシーンも見応えがある。血糊ベタベタの残
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ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)

3.9

この映画の良さは、最初のシーンと強盗前のシーンにある。

iPodでアガる音楽を聴きながら街を歩くと、自分が無敵になったような感覚で闊歩できる。
上に挙げたシーンは、まさにその感覚を追体験できる。
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お嬢さん(2016年製作の映画)

4.4

久々に面白すぎた。どんでん返しに次ぐどんでん返し……

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

4.1

タランティーノの映画への愛情を感じる作品。

実際の殺人事件を基に、ハリウッドを取り巻く人間関係や映画界の闇をゆったりとしたテンポ描いていた。

タランティーノらしいサイコスリラーに寄ったバイオレンス
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悪人(2010年製作の映画)

4.0

殺人者の男性と、殺人者を愛してしまった女性の逃避行。

殺された女(演:満島ひかり)は、正直殺されても仕方ないような気がしてしまうくらいのウザさ・頭に響くキンキン声の不快感が絶妙だった。

悪人をテー
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アキラ AKIRA(1988年製作の映画)

4.2

AKIRAの先見の明はすごい。ネオ東京の荒廃した様子もオタク心をくすぐられてよい。

芸能山城組の劇伴も最高。

ディストラクション・ベイビーズ(2016年製作の映画)

3.3

暴力でしか物を語れない男と、暴力で狂っていく人たちの話。

特に、他人の暴力を見て箍が外れる若者(演:菅田将暉)の不快感が半端なかった。

むしろ、初めから暴力でしか語れない無口な男(演:柳楽優弥)の
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ヒメアノ〜ル(2016年製作の映画)

3.4

森田は、殺人を犯す前からその片鱗が見て取れた。纏う雰囲気が完全に近寄っちゃいけない人に見えたし、絶対に近寄りたくない。

いや、受け応えからして只者ではない感じが見て取れて本当に怖かった。

渇き。(2013年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

MVチック編集がチェコ映画のひなぎくのようで可愛かった。

実際に起きた複数の事件をモチーフにしているが、社会への問題提起の意図は感じなかった。
被害者家族の感情に整理をつけるために、元締めを殺害する
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告白(2010年製作の映画)

3.6

復讐心に支配された人間。
頭のいい人間が狂気に取り憑かれると本当に怖い。


少年が逆回りの時計を発明していたが、この小道具が劇中で大きな意味を示していて、小説版とは少し異なる演出だったが視覚的に訴え
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アラジン(2019年製作の映画)

3.0

現代の価値観にアップデートしたアラジン。
新曲は、アニメ版アラジンが公開された数十年前には軽視されていた女性の権利を主張している。


しかし、ディズニーのオリエンタリズム的ところを感じた。
アラブの
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スパイダーマン:スパイダーバース(2018年製作の映画)

4.2

アメコミアニメーションの傑作。


ディズニー・ピクサーのようなCG全開でもない、Japanimationでもない、新しいアプローチのアニメーション作品だった。

スパイダーマンは実写映画の1作目しか
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ヘルタースケルター(2012年製作の映画)

3.2

私が岡崎京子の原作が好きなので贔屓目で見ているところもあるが、蜷川実花の作品では一番面白い。
(dinerやfollowers等の他作品がつまらなすぎるので、必然的にこれが上位になる。)

監督の本業
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何者(2016年製作の映画)

3.9

それぞれの形で過去の傷を掘り起こされる映画。


特にこの映画を観ると後悔するのは、学生時代に夢を追って失敗した人間ではないだろうか。

私は演劇に大学時代を費やしたが、プロになる道を諦めて就活を終わ
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ヘアスプレー(2007年製作の映画)

3.9

自己肯定感を上げてくれるエンパワメント系作品。

かなり昔の映画だが、人種差別や体型差別をポップに描いている社会派コメディだ。

ジョン・トラボルタが演じる母はインパクトがあって好き。

名探偵コナン 紺青の拳(2019年製作の映画)

2.8

前作のゼロの執行人が傑作だっただけに、今作は奮わなかったようだ。


コナンの最大の売りであるミステリ要素が少なく、展開が読めてしまうのが残念だ。

シンガポールの美しい街並みや観光名所が細かく描かれ
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君の膵臓をたべたい(2017年製作の映画)

1.5

小説のファンだったが、あの独特な文体を映像化したらこうも陳腐になるのかとがっかりした。

小説ならではのレトリックが新鮮で良かったのに、映像版だと俳優が演じてしまうことでこの作品の良さが半減してしまっ
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リバーズ・エッジ(2018年製作の映画)

3.2

岡崎京子の作品の中ではもっとも鬱々とした作品。

激しい衝動に身を任せる若者は、バブルの名残と時代への憂いを感じさせる。

責任能力のない若者だからこそ、時にやりすぎてしまう。
しかし、彼らにとっては
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シン・ゴジラ(2016年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

ポップなナショナリズム映画。

突如現れたゴジラを前に政府が連帯し、排撃のための案を講じるというシンプルなストーリーである。

この作品が画期的だったのは、政府関係者以外の人間が透明化されている点だ。
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百円の恋(2014年製作の映画)

3.6

日本に痛々しい女を描いた作品は数あれど、この映画の主人公はトップクラスに痛々しかった。

ボクシングを通じて変化していく女性の話だが、特段「成長」はしないところがいかにも邦画らしい。
結局、何かに出会
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イニシエーション・ラブ(2015年製作の映画)

2.0

どんでん返し、というほどのどんでん返しはなかった。

ラスト数分のどんでん返しを喧伝する作品ほど、肝心のストーリーの完成度はそうでもない。
そういった作品の典型例である。

カメラを止めるな!(2017年製作の映画)

3.6

結構こき下ろすレビューが多いようだが、インディーズ映画でここまで高いクオリティの作品は中々ない。
その点では評価に値する。


最大の争点は、シナリオだろう。
なんと言っても、最初の30分が冗長だ。私
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アナと雪の女王2(2019年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

2作目の方が良作という珍しい作品。

1作目は、「Let It Go」に見られる女性へのエンパワメントが印象的であり、性愛以外の要素を重視していた点で評価に値する作品だった。


2作目はもっと踏み込
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リメンバー・ミー(2017年製作の映画)

4.1

死生観の物語。

「人は2度死ぬ」という死生観に基づき、死者の国に迷い込んだ生者がガイコツたちと交流するというストーリーだ。

「死んだら仏になる」という日本の死生観と少し異なる部分は存在するが、生者
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ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

友人以上恋人未満の人と観に行ったが、おすすめしない。
なぜなら、恋愛のどうしようもなくリアルな部分を描いているからだ。

「王子様が現れ、素敵な恋をして、幸せに暮らしました!」なんて、予定調和でしかな
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レオン 完全版(1994年製作の映画)

3.6

低予算映画界の名作。
子供の思考のまま大人になったLeonと、大人にならざるを得ないMatildaを取り巻く物語だが、全編を通して哀愁漂う雰囲気が好みだった。
お互い以外誰も信頼できない状況にまで追い
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もう走りたくない(2017年製作の映画)

2.7

学生映画だが、きちんとロードムービーの体を成していた。

知らないどこかへ旅するのではなく、知らない場所から自分の日常へ帰っていくというストーリーが良い。
登山でも旅行でも、帰り道が1番疲れるものだ。
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練馬ゾンビナイト(2016年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

学生映画にも関わらず、スペクタクルなゾンビものを撮ろうとしたガッツを賞賛する。

シナリオは目をつぶるとして、演技(演技指導?)の質は学生映画の中でも微妙なレベルだった。
非日常を受け入れるスピードが
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あみこ(2017年製作の映画)

3.0

穿ったものの見方をする面白い映画だ。
日常を描きつつ、内には独特なパワーが秘められていると感じた。

主演女優は、セリフを発する時だけでなく、画面に映っているとき全てにおいて、人物の内的動機が垣間見え
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誰も知らない(2004年製作の映画)

4.0

是枝監督の映画で1番好きな作品だ。


画面に映るのはほとんど子供なのだが、演技とは思えないリアリティがある。
事実、ほとんどのシーンでセリフを「言わせる」ことはなかったそうで、子役たちが本当に遊んで
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