masatoさんの映画レビュー・感想・評価

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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

5.0

クリストファーノーランの面目躍如。

「なぜ広島長崎の被爆を描かないのか」と批判があったらしいけど、この映画において、そこを描いてしまうとテーマがブレるように思う。ノーランが何を描きたかったのか、何を
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福田村事件(2023年製作の映画)

5.0

根拠無く、所以も知らず
なぜ差別するのか分からないまま
我々は人種の違いを引き摺る

歴史背景、戦争の発端を知って
朝鮮人を本気で恨むような人は
今どれ程いるんだろう
個人的恨みはないが国の為等と
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

5.0

「何が切ないの」と問われ、それを言葉にできるのなら何も切なくはない。
繰り返す毎日を、その中で少しずつ移ろう景色、機微を噛み締めて生きる。
タイトル通りの素晴らしい映画。

絞殺(1979年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

狂ってる、、、
いや狂ってるけど、全部を突き放して「イカれてる映画」と一蹴出来ないような、、、なんとも胸がつかえる作品。
家父長制度の不条理、成績社会だと子を躾ける親子の従属関係、抑圧された思春期の反
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鬼畜(1978年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

タイトル通り。壮絶。
今じゃ絶対作れない様な作品。

ラストの演出をどう受け取るべきか、当時から脚本案時点で演出意図に頭を抱えたらしい。私的には「子による親への拒絶」と捉えて然るべきと考えるが、そうで
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ソフィーの選択(1982年製作の映画)

5.0

ひさしぶりに、言葉に出来ない映画だった。

時代に翻弄された人々と一口で括るにはあまりにも辛すぎる。
愛する人がいるという事、いつも通りの朝を迎える事、ただ生きる事。
それがどんなにかかけがえの無いも
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鬼火(1963年製作の映画)

5.0

芥川龍之介「歯車」を映画化したかのような、そんな雰囲気が感じられた。
境遇は全く違えど、死へ向かう人の心は、皆似たようなものなのかもしれない。

壮年を嫌悪し、若き日の幻影に囚われ続け、今に集中する事
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

-

ぱやおちゃんベストセレクション
いや、冷静に考えてね、80歳超えた大ベテランが日和らず愚直に尖った作品を作り続けている事自体がもうあっぱれなのよ、人間国宝なのよ。

「こ〜ど〜ものときに〜だけ〜
 あ
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ネル(1994年製作の映画)

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夕暮れ時の渓谷
西陽に照らされ煌めく水面と
風にそよぐ木々の美しさたるや。

世捨て人のもとで育ったネル。
言葉も文明も知らない彼女が、外界の人間にみつかってしまうところから始まる物語。

素朴で神秘
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めぐりあう時間たち(2002年製作の映画)

5.0

“人生から逃げたまま 平和は得られない”

時代も場所も違う3人の、ある一日を描く。
それぞれの人生が、小説「ダロウェイ夫人」を核として、綾をなす糸のように少しずつ重なってゆく。

各々の苦悩が、上手
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マラソン マン(1976年製作の映画)

-

超・不条理劇。

平凡に暮らしていただけの男に降りかかる数々の暴力。自分の知らないところで起こった問題に急に付き合わされた挙句“白い天使”による魔の手が...

僕もダスティンホフマンと一緒に「知った
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ピカドン(1979年製作の映画)

-

忘れてはならない。
戦争を知らずとも、実体験を伴わずとも、日本に生まれた我々はこの歴史は胸に刻んでおくべき。

渋谷怪談 THEリアル都市伝説(2005年製作の映画)

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小学生ぶりに観ました。
当時は友人と怖いものみたさでみたもんだ。

ぼーーーっと虚無で観れるオムニバスホラー。

まぁ、“ダルマ女”が正統で怖い。どの短編もほど良いチープ感&2000年初期感がある映像
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プラットフォーム(2019年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

その終わり方はないだろう。
時間無駄にしたーーー、が感想第一声でした。

シチュエーションとアイデアが面白そうで期待しちゃってみたけど、設定が出オチになってしまっている。ホント、そこから何にも膨らまな
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ドント・テル~秘密を話したら最後/誰にも言うな(2020年製作の映画)

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クソ兄貴にただただ腹が立つ。(笑)

短めの尺に小気味良い展開が盛り込まれていて観やすい。この手の映画に多い“無理のあるどんでん返し”や“本筋に関係のない要素”がない、シンプルながら絶妙に捻りのあるス
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いつかの君にもわかること(2020年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

「おみおくりの作法」が素晴らしかったので鑑賞。
期待を裏切らない素晴らしい映画だった、、、。

マイケルが優しくて優しくて。
遊園地のシーンなんてもう、最後の思い出と言わんばかりに、ジョンのゆく先が想
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きさらぎ駅(2022年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

野暮にも程があるコメントで失礼。

...結局、2chスレで読むのが一番なんだなと思った。
映画オリジナルの要素を入れなきゃ作品として成り立たないんだろうけど、あまりにも元スレからかけ離れてるからタイ
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波紋(2023年製作の映画)

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超シニカル。
この手の笑いが好きな人には堪らない映画だと思う。すごーく面白かった。
痛快なブラックユーモア満載ながら、直接的に狂気を描かない怖さ、時折覗かせる人生のやるせなさを感じるシーンがアクセント
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それでも私は生きていく(2022年製作の映画)

5.0

淡々と日常を描く中で、主人公の心の機微をしっとりと表現してる映画でした。
人の脆い所を丁寧に描いてる、優しい作品だなぁと思いました。
レアセドゥの飾らない感じ、絶妙な表情の移ろい、本当に素敵だった..
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ソフト/クワイエット(2022年製作の映画)

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久しぶりに不快指数MAX。

不条理劇なんだけど、主人公(?)がとにかく情緒不安定で観ていてイラつきしか感じない。笑

排他的思想の極限系を地で行くスタイルの人々の末路。穏便に生きていきたいなぁとぼん
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プライドと偏見(2005年製作の映画)

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どこを切り取っても絵画になりうるような、美しい映像。
18世紀英国の景色、衣服のデザインや人々の所作が素敵で見惚れてしまう。

ストーリーは今更語るまでもない。
私は只々、映像美に唸ってしまった(笑)

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

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原作未読、アニメも未視聴
登場人物の関係性とか山王戦にかける思いとかまったく知らず(笑)に観た。

すっっっっごく格好良かった。
終盤無音に包まれるあのシーンのなんと息詰まる事かっ!

赦し(2022年製作の映画)

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悲しみや苦しみは他人と比べられない。比べてはいけない。
しかし、比べなければならない時があり、比べる事で救われる心がある。一方でより苦しまなければならない心もある。

司法は在って然るべき。
でも、一
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パンズ・ラビリンス(2006年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

オフェリアの切なる夢と
凄惨な戦争との対比。

生きる希望を見出せないほどの絶望的な現実から目を背け、不安や悲しみのない世界を夢見る。

絵品が好きな無垢な少女の夢物語。と一言で片付けられないほどの魔
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シークレット・ヴォイス(2018年製作の映画)

5.0

代償を払ってまで追い求める事ってなんだろう。

一言で言い表せないほど入り組んだ物語だけど、静かに、淡々と、抑制された演出で、登場人物たちの心情の移ろいを描くカルロスベルムト監督の手腕には驚かされる。
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JUNK HEAD(2017年製作の映画)

-

神が可愛すぎる。(笑)
あの3人組もちんちくりんで可愛い...

シナリオは結構エグめ。
クセ強なサイバーパンク感で尖りまくりのビジュアル。広大な廃墟空間、鉄の匂い、綻びた瓦礫の中で生きる命...。
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RRR(2022年製作の映画)

5.0

なんなんだ、なんなんだこの熱気はぁ!!
血湧き肉躍るとはまさにこの事。
激アツモリモリやりたい放題のお祭り騒ぎ。

王道のストーリー、それはもうこってこての展開だしツッコミどころ満載だけど、この面白さ
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ハッピーエンド(2017年製作の映画)

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SNSが普及し、昔に比べて相当便利になった現在でも、結局すがる先がなければ人は生きられない。
今も昔も、人は変わらない。
それぞれが救済を求めながら生きている。

ピアニスト(2001年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

私的にはぶっっっっちぎりのトラウマ映画。

数年ぶりに観直したけど、やっぱりハネケ監督作品の中で一番キツイと思う...。
『愛で傷つくことはあっても死ぬことはない』
とか言われてたけど、エリカからした
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ブリキの太鼓(1979年製作の映画)

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ダークな寓話。

戦前の暮らし、人種差別、ナチスの台頭、そして戦争。
”大人になんてならないぞ”と3歳で自ら成長をとめたオスカル、移り行く時代にもまれながら、子供なりの視線で大人の嫌な所を受け止める。
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閉鎖病棟ーそれぞれの朝ー(2019年製作の映画)

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鶴瓶の役がなんとも、良い。

生きる死ぬは極論。まずはそれぞれが受け入れられるような“最期”までの過ごし方を考えてみよう。
自分も他人も特別扱いせずにフラットに。

健常であるというのはどういう事なの
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フロム・ダスク・ティル・ドーン(1996年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

愛すべき完全なネタ映画。
気まぐれで「ジョージクルーニーとタランティーノか〜、ふーん」ってジャケ写見ただけでレンタル。今思えば大正解。この手の映画は予備知識0が一番楽しめる。

前半後半でストーリーぶ
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隣人は静かに笑う(1999年製作の映画)

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3年前に一度観てて大筋は覚えてたけど、やっぱりなんともやりきれない気分になる映画。

人が他人に持つ“印象”は本当に、本当にあてにならないものだと思う。付き合いを通じて相手を理解するにしても、人がお互
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