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めぐりあう時間たちのmasatoのレビュー・感想・評価

めぐりあう時間たち(2002年製作の映画)
5.0
“人生から逃げたまま 平和は得られない”

時代も場所も違う3人の、ある一日を描く。
それぞれの人生が、小説「ダロウェイ夫人」を核として、綾をなす糸のように少しずつ重なってゆく。

各々の苦悩が、上手く整理出来ない感情の渦が、美しい劇伴と映像で綴られる。
光り輝く水面、人工光に照らされた陰影のある表情、無機質なコンクリートの街並み。
物語を構成する一つ一つが、美しく、かつ哀しげだった。

邦題が本当に素晴らしい。
数年前に観た時はまったく共感できなかったのに、今観るとひどく感動する物語に思えた。時代は違えど、人は皆悩みの中なのだ...。


「 一人の女の全人生
 ある一日の出来事
 たった一日
 その一日に
 彼女の人生が... 」
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