mat9215さんの映画レビュー・感想・評価 - 26ページ目

mat9215

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ディリリとパリの時間旅行(2018年製作の映画)

2.0

20世紀初頭のパリで黒人少女が活躍するポリティカル・コレクトなファンタジー。オープニングの「土人の生活」描写に冷や冷やしたら、これがパリでの展示だったことが分かって一安心。絵画、音楽、演劇の有名人が次>>続きを読む

地獄の英雄(1951年製作の映画)

2.5

力作ではあるけれど、新聞記者が窮地に陥った人を記事にするというストーリーでは、ハワード・ホークスの『ヒズ・ガール・フライデー』がいいなあ。砂漠に多数の人を集め、遊園地を作り、山で土木工事をさせるという>>続きを読む

死霊の盆踊り(1965年製作の映画)

1.5

ストーリー展開やセットの粗雑さに投げやり感(というか異常さ)があった『プラン9』に比べると、場面を限定してストーリーを絞ったおかげか、全体に統一感が出てずっと映画らしくなっている。カラープリントも綺麗>>続きを読む

ハスラーズ(2019年製作の映画)

2.0

ジェニファー・ロペスをはじめとする姐さん映画。男たちはカモになる客やシワい顔の刑事ばかりで、てんで冴えない。

家へ帰ろう(2017年製作の映画)

2.0

いいお話し。頑固なクソジジイが一瞬見せる茶目っ気も上手い。ただ、この爺様の窮地を救うのが、マドリードでも、パリでも、ワルシャワでも、そろって細身で髪の長い女というのはやり過ぎではなかろうか。

岬の兄妹(2018年製作の映画)

1.5

苦手。というか、当方の中の〈映画〉というカテゴリーに入ってこない。同様の設定では、イ・チャンドン『オアシス』やファティ・アキン『屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ』は紛れもなく〈映画〉だ。これらの映画の主>>続きを読む

ライ麦畑で出会ったら(2015年製作の映画)

2.5

自意識過剰でイタイ十代少年を主役に据えたウェルメイド映画。思えば、自分の十代はもっとロクでなかった。思いを寄せてくれる女の子もいなかったし。この手の映画ではウェス・アンダーソン『天才マックスの世界』が>>続きを読む

恐怖省(1944年製作の映画)

2.5

ロンドンを舞台にしたサスペンス作品は、フリッツ・ラングが作ってもどことなしかヒッチコック風味。レイ・ミランドはジェームズ・スチュワートみたいな使われ方だけど、眼差しが胡散臭いのでヒッチコック『ダイヤル>>続きを読む

ハミングバード・プロジェクト 0.001 秒の男たち(2018年製作の映画)

2.0

そこそこ面白いプロジェクトもの映画。プロジェクトにはさまざまな艱難辛苦が襲いかかり、それをプロマネが才知と根性でクリアしていく。けど、プロマネがジェシー・アイゼンバーグでは、最初からサルマ・ハエック姐>>続きを読む

拳銃魔(1949年製作の映画)

2.0

冒頭の銃を盗み出す場面、銃器嗜好者の男女が出会う拳銃ショー、車中にカメラを据えた移動ショット、切り返しを使わない会話、運命を甘受して女に恨み言をぶつけない男、食肉倉庫の立ち回り、一度離れてからUターン>>続きを読む

ネッド・ライフル(2014年製作の映画)

3.5

この三部作、回を追うごとに上映時間が短くなり(137分、119分、85分)、薄味になっている。とはいえ、足かけ18年に亘る三部作は、作中人物とそれを演じる俳優の加齢進行が一致していて味わい深い。

舞台恐怖症(1950年製作の映画)

4.0

すでに大女優だったジェーン・ワイマンに小娘を演じさせ、大御所感溢れるマルレーネ・ディートリッヒとぶつける。娘が思いを寄せる男の精神病理的な描写は、まいどお馴染みのヒッチコック風味。映画が始まった後に知>>続きを読む

幻の女(1944年製作の映画)

2.0

目の前で人が殺されても平然としているヒロインがいちばん恐ろしかった。

十日間の不思議(1971年製作の映画)

3.5

永遠の家父長オーソン・ウェルズと、安モーテル以来の万年青年アンソニー・パーキンズが親子を演じる、エラリー・クイーン原作もの。他に、ミシェル・ピコリやマルレーヌ・ジョベールが出演。ウェルズとパーキンスと>>続きを読む

暗黒街の顔役(1932年製作の映画)

4.5

肝の据わった犯罪活劇だ。長回し、切り返し、アクションつなぎ、等々が使われるべきところでこの上なく的確に繰り出される。

フェイ・グリム(2006年製作の映画)

2.5

斜め構図の切り返しが同じ向きに傾くのか、反対に傾くのかを気にしながら見続けてしまった。予算が多くて海外ロケ(パリ、イスタンブール)したせいか、構成のせいか、後半がダレる。

ほえる犬は噛まない(2000年製作の映画)

4.0

懐中電灯の光が下から当たると期待通りに怪談を始める老警備員。道路をまっすぐ転がっていくトイレットペーパー。生き物のように移動する殺虫剤の白い霧。背後を走る白いトレーニングウェアの一行。屋上でチアする少>>続きを読む

レ・ミゼラブル(2019年製作の映画)

4.0

心臓に悪いような緊張感があった。ラジ・リという人は上手い。本作は自作の短編を元にしているそうで、こうした自分が長く温めたテーマ以外でこれくらい張り詰めた作品が作れれば本物ですね。警官にボコられた子供が>>続きを読む

長江 愛の詩(2016年製作の映画)

1.5

河を遡行するといえば『地獄の黙示録』、貨物船の水上生活といえば『アタランタ号」などという先行作品を想起する。本作の見所は山水画のような映像だけで、出会いを繰り返す男女の物語にはまったく心を動かされない>>続きを読む

初恋(2020年製作の映画)

2.5

登場人物たちはそれぞれ個性が立っていて面白いけど、全体の展開がゆるくないか。思えば、『愛と誠』には有無を言わせぬ駆動力があった。あと、「仁がない」とお嘆きの藤岡麻美と武闘派の内野聖陽との絡みが一瞬もな>>続きを読む

ジョン・F・ドノヴァンの死と生(2018年製作の映画)

3.5

ゲイ、そして、母。一連のグザヴィエ・ドラン映画のテーマが本作でも繰り返される。もちろん、うるうるしましたよ。ナタリー・ポートマンとスーザン・サランドンが演じる二人の強力な母の存在感もあって。ただ、そろ>>続きを読む

トルチュ島の遭難者(1976年製作の映画)

4.0

ヴァカンス映画の巨匠ジャック・ロジェが、海外ロケで製作したヴァカンス映画の決定版。ロビンソン・クルーソー・ツアーというベースラインの上で、ジャングル、船、島とき当たりばったりな旅が続く。この行き当たり>>続きを読む

街の野獣(1950年製作の映画)

3.5

グレコローマン・スタイルを貫こうとする老レスラーと、客寄せのために親父の思いに反した興業を続ける息子、なんていうサイドストーリーがしっかりしていて、レスリングの場面も迫力がある。唐突に始まったレスリン>>続きを読む

ミッドサマー(2019年製作の映画)

3.5

主人公を演じるフローレンス・ピューの骨太な肉体は、コミューンの娘たちの細っこい身体とは別物だ。閉鎖的なコミューンに新たな血を迎え入れることが絵面で明らかにされている。

ワイルドライフ(2018年製作の映画)

3.5

抑制された描写、夕暮れの光。「ちょっといい映画」のクリシェに陥ってしまいそうなところを、母親が女になるのを受け入れる息子というシチュエーションが踏みとどまらせている。この息子、中二男子とは思えない出来>>続きを読む

アンナ(1966年製作の映画)

2.0

セルジュ・ゲンズブール(本人が登場)の楽曲による気の抜けたミュージカル映画。1960年代中頃の、オースチン・パワーズみたいな浮かれた雰囲気は伝わってくる。ジョセフ・ロージー御大の『唇からナイフ』もこの>>続きを読む

屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ(2019年製作の映画)

4.0

『ジョーカー』が生ぬるく思えるほど強烈な印象を与える、社会生活不適合者もの映画。ジョーカーが虐げられた末に暗黒のヒーローに転生する展開には胡散臭さを覚えたが、本作の主人公は最初から最後まで低劣な下種野>>続きを読む

1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)

3.5

本作はそこそこ面白いのだけど、デジタルカメラが主流になってから長回しという手法は変容していないか。フィルムカメラは重く、撮影時間は最大10分に限られていた。溝口、ゴダール、アンゲロプロス、あるいはタル>>続きを読む

獣たち(2018年製作の映画)

1.5

ボツ。久しぶりのダメダメ。思わせぶりな描写は、サスペンスのかけらも感じさせない。リリー・ローズ・デップを見ていると、ヴァネッサ・パラディではなく親父の顔を思い出してしまうのも難。

母親たち(2018年製作の映画)

3.5

My French Film Festival
冒頭からバーナード・ハーマンばりの音楽が不穏な雰囲気を盛り上げていて、雰囲気はシャブロルのサスペンス作品に通じる。原題は対決とか決闘という意味で、その通
>>続きを読む

ヘンリー・フール(1997年製作の映画)

3.5

ヘタレとロクデナシの交情を中心に、ご近所の中国人夫婦とか神父も加わった下町の人情劇。ロクデナシが豪快な音を出して排泄した後、緊急事態からの解放感もあってか、なりゆきでヘタレの姉に結婚を申し出る瞬間なん>>続きを読む

画家と庭師とカンパーニュ(2007年製作の映画)

2.5

ジャン・ベッケルの映画は田舎の風景が美しい。親父のジャック・ベッケルがフランスの田舎を舞台にして作った映画って『赤い手のグッピー』くらいかな。

十字砲火(1947年製作の映画)

2.5

年取ってからは滋味溢れる親父にしか見えないロバート・ライアンが、本作ではレイシストで感じの悪い男を演じる。ロバート・ミッチャムは印象薄くて、アイルランド出身の爺様が虐げられたエピソードを語って若い兵士>>続きを読む

アリバイなき男(1952年製作の映画)

3.5

よくできた犯罪活劇。サスペンスの盛り上げといった小技には脇目もふれず、無骨な乱闘シーンを交えながら、込み入ったプロットをぐいぐいと進行させていく。豪華な悪役キャスト(ジャック・イーラム、リー・ヴァン・>>続きを読む

死の接吻(1947年製作の映画)

2.5

リチャード・ウィッドマークの悪役ぶりで映画史に名を留める一作。実際に観てみると、主人公と検事との関わりなど全般にもったりしているけれど、ウィッドマークの悪役ぶりや犯罪場面はけっこうシャープ。何度か出て>>続きを読む

ラスト・ラン/殺しの一匹狼(1971年製作の映画)

3.5

冒頭、タイトルバックでエンジンを整備し、その車で海岸沿いのワインディングを攻める。このオープニングから胸が高まる。物語はポルトガルからスペインを通過してフランスに至り、またポルトガルに戻る。この往復は>>続きを読む