『タレンタイム』然り、ヤスミン・アフマド監督は、時代性という縦軸と、地域性という横軸を作品に取り込むのが非常に巧い監督だと思う。
彼女の描く広い世界は日本人である自分にとって非常に新鮮に感じられる。
それぞれ抱える苦悩と葛藤しながら前に進もうとする夫婦、一方、苦悩に押され後退していく産みの母という構図で進められる物語は、一部用いられていたドキュメンタリー的な演出がよりリアルさを増幅させている。>>続きを読む
韓国映画を見ているような重厚感。
短編版に続き、巧みな編集の間は健在。
最近こういったノワールを撮れる監督が日本では減ってきている印象があるので、次回作以降も楽しみにしたい。
長編版の方が完成度は高いと言えるが、編集の巧さはこちらの短編版の方が光って見えた。
カット繋ぎの間には惚れ惚れした。
セリフが無くとも、ここまで様々な思いや感情を表現できるのかと、改めて実感させられた。
個人的にはこの映画を象徴するファーストシーンの使い方に感銘を受けた。
ほとんどが1つのスーパーでのシーンにも関わらず、2時間全く飽きない。
それぐらい登場人物に生命が宿っている。
派手さはないが、実直な良作。
感じることが多すぎて、安易に言葉にできない。
今を生きる世界中の人が見るべき作品。
青春時代の思い出と大人になった今、同じ境遇にある人たちは強く共感する作品なんじゃないだろうか。
役者がキラキラしていたのも印象深く、心から愉しんで芝居をしているように感じられた。
結論、20〜30>>続きを読む
この映画自体が肖像画と言える、まさにそんな作品。
人物の表情にフォーカスを当てたカメラワーク、三原色を意識した衣裳・美術。
そして何より、セリフの少ないこの作品を表情で演じ上げたノエミ・メルランとア>>続きを読む