シネマQさんの映画レビュー・感想・評価

シネマQ

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スーパーマン(2025年製作の映画)

3.5

敗北者のスーパーマンを描き、スーパーマンとて悩める一人の人間として神話の人物からこちらの世界へと下ろす。是非はさておき、DCの今後の方向性が垣間見える。
状況設定は描かれるものの、そこにサスペンスが生
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赤い空(1952年製作の映画)

4.0

大森林と焼けた黒い木々と吊るされた白いパラシュート。どれも縦に伸びて印象的な画面。
赤い空とタイトル通りな空と対比するようなラストの空が爽やかで気持ちいい。
ダイナマイトで木を倒したりお仕事映画として
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パージ(2013年製作の映画)

3.0

籠城戦するにはアイデア不足だし、息子のメカとか全然活躍しなくてヤキモキ。
イーサン・ホークがでかいショットガン持って暴れ出すと面白いので復讐路線とかで良かった気がする。昔パージパーティで家族殺されて、
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アジャストメント(2011年製作の映画)

4.0

エミリー・ブラントとの出会いからドアがきちんと印象的に撮られてる。
説明は後に来るから、帽子落としましたよ!とかいうギャグも回収する丁寧ぶり。
最後にひたすら走るアクションに繋がっていくのが良かった。

35年目のラブレター(2025年製作の映画)

4.0

題材的に言葉が優位になるのは仕方ないけど、雪や桜とイメージで語ろうとする姿勢がしっかりとある。
不登校の瀬戸琴楓や対人恐怖症の白鳥晴都とのエピソードもサラッと描写したり、省略してスピーディに語る前半と
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ヘルボーイ ザ・クルキッドマン(2024年製作の映画)

3.5

やたらに音響がうるさいし、画面も寄りすぎて分かりづらいのだけど決めたい画を連ねてくぜという気概だけは感じる。マイク・ミニョーラが関わってるからかコミックの考えに近い。オカルトホラーやるんだ、という感じ>>続きを読む

F1®/エフワン(2025年製作の映画)

3.5

チャカチャカ忙しい編集に疲れる。レースはまあ良いとして、会話シーンでも忙しなく切り返すの何なんだろうか。そんなリアクション程度でいちいちカット割るな。
そんな編集とうるさい音楽で躁状態にして2時間半持
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ふれる(2023年製作の映画)

3.0

セリフの弱さや間の取り方、端正な画面と裏腹に作り込まれてない芝居が気になってしまう。

女人哀愁(1937年製作の映画)

4.0

流れるような繋ぎもあれば、スッスッとカメラを動かして見せたり義妹たちのダンスとクロスカッティングしてみせたり戦前の成瀬は色々やってる。

はたらく一家(1939年製作の映画)

-

成瀬にしてはテーマが強すぎる気もするが、長男が酔って喫茶店の娘と会話するシーン、雨が降るクライマックスとさすが。
しんみりした空気をぶち破るでんぐり返し。
画質が良くなく画面があんまり分からなかったの
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ヘッド・オブ・ステイト(2025年製作の映画)

3.5

冒頭のトマト祭りの作戦シーン、見る見られるの関係が複雑でなかなか楽しい。上手いかどうかは置いておき。
エアフォースワンのシークレットサービスのプロ根性にグッとくる。
本筋はそれほど。

陸地にて(1944年製作の映画)

4.0

編集が超絶技巧すぎる。空間のジャンプはもちろん、鉄塔からのパンも違う場所繋いでる?砂丘のジャンプカットもお見事。

フィルム(1966年製作の映画)

4.0

視線にまつわる云々は置いておいて、歩く姿や犬猫のギャグとかにキートンの映画史的記憶が刻まれてて感動する。後ろ姿なのにキートンが歩き、障害物があれば映画が起動するのがすごい。

となりのトトロ(1988年製作の映画)

5.0

宮崎駿がアニメーションの快楽の天才であると証明してくれる。日常の動作からファンタジーのアクションまでとにかく気持ちがいい。
新居を駆け回るさつきとめいを見ているだけで充分。
物を譲渡する、という行為で
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めいとこねこバス(2002年製作の映画)

5.0

凡庸な想像力を置いていくようなイマジネーションの奔流にただただ驚く。
キャラメルの変形や、飛行のアクション、アニメーションの素晴らしさは当然最高。風が吹き続ける画面!
めいのキャラメルをあげる、という
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でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男(2025年製作の映画)

4.0

動の綾野剛と静の柴咲コウの対比。やかましく手を動かす綾野剛に対し、まばたきすら禁じる柴咲コウの静止っぷり。どちらもやりすぎではないかと思ってしまうが。
裁判劇は苦手だけど、柴咲コウが本当に理解不能の恐
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Apple Original Films『ウルフズ』(2024年製作の映画)

3.5

ズラシなのか肝心のアクションは省略してくるのが微妙。
スター二人だしそれなりには見てられるけど、明日に向かって撃てがやりたかっただけという気もする。

霧の音(1956年製作の映画)

4.0

ファーストカットの流れるような移動撮影に心奪われる。繰り返し反復される移動撮影は本当に見事。
最初のシーンの心中してしまうカップルの会話のアクションに合わせた繋ぎなんかもさすが。
清水宏の開放感のよう
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煉瓦女工(1946年製作の映画)

4.0

川辺の貧しい人々を記録するように捉えるカメラが瑞々しくて印象的。
何も上手くいってはいないのだけど、朗らかなラスト。矢口陽子を筆頭に少女たちが品があって作品のトーンを暗くさせない。

古都憂愁 姉いもうと(1967年製作の映画)

4.5

ろくでもない藤村志保だけど、放っておけない感がファムファタールのような立ち回りを納得させる。
シネスコ画面ぎゅうぎゅうのクローズアップ。嫌でも目につく視線のやり取り。
八千草薫がいきなり庭走り出すシー
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真昼の不思議な物体(2000年製作の映画)

4.0

語り部という物語の原始の形を再現しているような。
語られる内容の突飛さもそうだし、それに抗するような映像も力強い。
劇中劇を解体するようなシーンも良かった。足の悪い子供役の子が立たないかなーと思って見
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メガロポリス(2024年製作の映画)

2.5

なんかもっと盛大に意味不明だけどこれが俺のやりたい事なんだ!と爆発してれば全然面白いと思うけど、普通につまらないというのが残念。将来カルト作として残るほどのパワーもないというか。
群衆蜂起の場面や、コ
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PLAN 75(2022年製作の映画)

3.5

冒頭の暴力シーンが暴力性を纏いきれなかったら映画として失敗すると思うのだけど、抑制されたトーンでピントのズレた画面を持続させ続ける胆力。
オフの使い方や、説明の省略などきちんと実力が感じられる。
ソイ
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ザ・ボディガード/ローグ・ミッション(2023年製作の映画)

3.0

襲撃が始まる橋の上は少し良かった。
ロングスカートを翻すアリソン・ブリーも魅力的。

よそ者の会(2025年製作の映画)

3.0

前作よりはるかに見やすくなっていて、ファーストシーンの不穏さだけでも前作より肯定したい。
きちんと爆破シーンを描く事で爆弾と川野邉修一の異物感、サスペンスが生まれている。
よそ者の会の関係性はもう少し
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28日後...(2002年製作の映画)

2.0

アクション無し、サスペンス無し、ゾンビもほとんど無し。
ゾンビとの戦いもほどほどに人間同士の争いになっててええ加減にせえよという気持ち。
終末のロンドンとピクニックシーンだけ少し良かった。

ドールハウス(2025年製作の映画)

4.0

冒頭にチラッと見える洗濯機のイヤーな感じ。発見した後の集まる人々のショットが新鮮で良かった。
徐々に不穏を煽りつつ、モンスター映画へとシフトしていく手堅い作りが上手い。手堅すぎるせいである程度のホラー
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なみだ川(1967年製作の映画)

4.0

寝たふりをする藤村志保の顔に当たる照明がものすごい。
刺す覚悟を決めた後に行く細川俊之の部屋、照明も良いけど出ていく際にカット変わるとパッといなくなってるのが決定的な感じで良かった。
いざ帯から小刀を
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エコー・バレー(2025年製作の映画)

2.5

悪夢のフラッシュバックとかネタバラシの回想とか勘弁してくれーな演出の連続にとほほ。

ベイウォッチ エクステンデッド・エディション(2017年製作の映画)

3.0

アクションもコメディも半端。アクション要素がほぼほぼ不要という脚本にそもそも問題があるような。

黒の試走車(テストカー)(1962年製作の映画)

4.0

組織に無批判に従うしかない男たちを、じいっと見る叶順子が強烈。
人物を動かしてその度にカットが切り替わっていく。
後半は犯人探しのミステリーで停滞する部分もあるけど、策謀張り巡らしあう前半がめちゃくち
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エミリー・ローズ(2005年製作の映画)

3.0

悪魔の証明は出来るのか、というところで裁判の回想方式という一番苦手な映画ジャンル。
悪魔祓いシーンは力入ってて良かったが、最後といい言語的でつまらなかった。

日記を始めた日(2022年製作の映画)

3.5

空間を飛ばしながら会話を進めていくのも良いけど、倉庫に行ってからのパンが良かった。
会話をさっと切り上げ、日記のモノローグで締めるラストも鮮やか。

MaXXXine マキシーン(2024年製作の映画)

4.0

色々と物足りない部分も多いけど、うさんくさいケビン・ベーコンや終盤の銃撃戦と良かった。シリーズでは一番好きかもしれない。
モンスターにならねばならない、という文言で始まる割にはミア・ゴスがそこまで暴れ
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見える子ちゃん(2025年製作の映画)

4.0

ほん呪でやってきた幽霊の映り込みのバリエーションをふんだんに駆使していて、さらに今度はフィクションなので幽霊が暴れ回れってもいい、と見せ方が更に広がっていく。
ホラーと笑いは紙一重と言うけど、作品の中
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小原庄助さん(1949年製作の映画)

4.5

横移動の中で人が溢れかえっていたのに、どんどん人が去っていきついには屋敷に一人残される。
二人の泥棒をえいやと投げ飛ばすのは大河内傳次郎にしか許されないでたらめさで感動する。
ロバが一人で家に帰るショ
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