まさなつさんの映画レビュー・感想・評価 - 63ページ目

湯を沸かすほどの熱い愛(2016年製作の映画)

3.9

中野監督は「チチを撮りに」が、小品ですがおもしろかったので期待して観ました。

いや〜有名俳優一杯使って気合い入ってるなぁ。やりたい事全部ぶち込んだ感じです。ちょっと入れ過ぎにも思うけど、それでも一つ
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おとぎ話みたい(2014年製作の映画)

3.1

TSUTAYAの店頭で「filmarks高評価」とあったんで、中身も知らず借りました。

田舎に暮らす女子高校生。田舎を馬鹿にし思い込み激しく自意識過剰で、側にいると絶対いやな奴なんだけど、段々と愛お
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すれ違いのダイアリーズ(2014年製作の映画)

4.2

タイ映画は、おそらく初めて。

まず水上の分校というロケーションがいい。それだけでも、何か始まりそうで期待感があがる。
そして日記、、今の時代だからこそ、この確実ではない通信手段が、ドキドキ感を高めて
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皆さま、ごきげんよう(2015年製作の映画)

3.4

初のイオセリアーニ。

冒頭から意表を突かれる。
北欧的なほんわかした作品を勝手に想像していたので驚いた。
シニカルというのか、結構、毒っけも強い。
この監督、かなり高齢と聞いたが、結構お茶目で皮肉屋
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トランボ ハリウッドに最も嫌われた男(2015年製作の映画)

4.2

まさかトランボの半生記を見られるとは!

小学校の講堂で「黒い牝牛」を見た時には当然、トランボの名前は知らなかった。
「ローマの休日」は実は彼の脚本だと知ったのはかなり後のことです。
彼の名前を最初に
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THE DEPTHS(2010年製作の映画)

3.7

ハッピー・ハマグチ・アワーにて。

韓国との合作とのこと。
舞台は日本だけど、韓国俳優が主役で、いつもと違う雰囲気に少し戸惑う。それでも、この監督らしさは、ところどころで顔を出す。

混沌としたボーダ
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天国はまだ遠い(2015年製作の映画)

3.9

ハッピー・ハマグチ・アワーにて。

濱口監督、「ハッピーアワー」の次の作品は、プレッシャーかかるだろうなと、余計なお世話で思っていましたが、こうきましたか、、、。

今回6作品を観たのですが、一番素直
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Re:LIFE リライフ(2014年製作の映画)

3.1

主人公がハリウッドの脚本家なので映画ネタが満載です。

そこが一番楽しめたというのが、この映画の弱点でもあります。恋愛も、コメディも、ハリウッドへの皮肉も、学園ものも、人生やり直しも、敗者復活も、、全
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とうもろこしの島(2014年製作の映画)

4.0

人間が生きていくために絶対必要なもの=農耕と絶対に不要なもの=戦争が対比的に描かれる。

周りで銃声が聞こえる中、土を耕し種を蒔き育てる、生きていくための営みが静かに描かれるが、力強く胸に迫ってくる。
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みかんの丘(2013年製作の映画)

4.2

この地域の背景を知らずに観たけど、とても心に響いた。

紛争地に残った老人は寡黙で多くは語らないけど、おそらく辛い経験を積み重ねてきただろう。
それでもそこに残り続ける。身近で日常的に殺し合いが行なわ
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弁護人(2013年製作の映画)

4.0

久しぶりのソン・ガンホさん、、やはりいい。

冒頭の軽い音楽やベタなシーンが続くのに油断してると、ガツン!ときます。いつのまにか社会派ど真ん中。権力に立ち向かう姿に圧倒されました。さすがにこの方は硬軟
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親密さ(2012年製作の映画)

4.3

ハッピー・ハマグチ・アワーにて。

これも4時間超!
二部構成になっていて、一部では、ある演劇の製作プロセスがドラマとして描かれ、二部では、その演劇がそのまま上演されるという、かなり実験的なスタイル。
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ハッピーアワー(2015年製作の映画)

4.5

ここ数年の邦画で一番好き。

観終わって最初に思ったのは、あ~終わってしまった、、もっと観ていたい。

スクリーンの向こう側とこちら側で何が違うんだろう?映画を観たというより、彼女らと一緒に、話し飲み
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ミス・ワイフ(2015年製作の映画)

3.7

韓国映画はこういうの上手いなぁ〜。

「ハローゴースト」とか、「怪しい彼女」とか、「結界の男」とか、、その系列の作品。

入れ替わりって、最近よく見るけど、入れ替わり前と後のキャラが大きく違う方が面白
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チリの闘い(1978年製作の映画)

4.4

とんでもないものを観た。

これは、映画という枠をはみ出し、その時代のチリそのものがそこにある。

2部まででそれが圧倒的な熱量で描かれ、3部では民衆の視点で再検証される。

よくここまで撮れたものだ
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ヒッチコック/トリュフォー(2015年製作の映画)

3.8

昔、本が読みたくて読みたくて、でも高いので何度も立ち読みし、その映画術の深さに夢中になったのを思い出す。

この映画も本の物量には及ばないものの、映像を観ながら解説が聞ける楽しさがある。

『サイコ』
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ヒトラーの忘れもの(2015年製作の映画)

4.1

「忘れもの」が地雷のことを指すなら、それは違う。人を殺すことを目的に置き去られた容赦ない殺人兵器だから。少年兵のことを指すなら、それも違う。彼らは最初から見捨てられた名も無き兵士達だから。

そんな殺
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ふきげんな過去(2016年製作の映画)

3.6

何とも捉えどころがない。

どうみても下町ホームドラマの風情なのに、何かが少しずつ「変」。シュールとも少し違うし、もちろんファンタジーでもない。

とにかく「変」が一杯なんだけど、それがすべて生かされ
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人魚姫(2016年製作の映画)

3.9

久しぶりのチャウ・シンチー。冒頭のチープなギャグに、ああ、これこれ、、と思い出す。

その後は、可憐な人魚姫の「顔面ウニ」とか、タコ男のまさに「身体を張った」ギャグとか、警察官とのしつこいやりとりとか
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愛を歌う花(2016年製作の映画)

3.7

伝統歌と流行歌、、激動の時代の中で変わり行く「歌」と共に、人々の運命も翻弄されていく、韓国映画らしいドラマチックな展開を堪能。レトロモダンな街並みやファッション、数々の歌もいい。そしてふたりの女優さん>>続きを読む

キャロル(2015年製作の映画)

4.0

セレブで知的で美しく堂々としてる女性と、若く主体性がなく普通の暮らしをしている可愛い女性、、、対照的な二人が、交差する冒頭から引き込まれました。

顔の表情だけで、すべてを語る、二人の演技は見事です。
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知らない、ふたり(2016年製作の映画)

4.1

これ好きだなぁ。

7人の「好き」が、少しずつ絡み合い、もつれ合いながら、関係性が変化していく、7角形の万華鏡を見ているようで、ちょっと切なく、楽しい。

今、好きな人がいる人も、いない人も、誰かに「
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(1959年製作の映画)

4.3

第二次世界大戦の、珍しくドイツ側の少年兵を描いた作品。前半は戦時中とは思えない少年達の日常や家庭が丁寧に描かれる。それが故に後半の悲劇が際立つ。戦争においてはどの国だろうと否が応でも庶民が犠牲になる。>>続きを読む

ロブスター(2015年製作の映画)

3.8

まずこの世界観にやられる。ブラックコメディかと思いきや、真面目な愛の映画。真面目がゆえに笑えるのだが、何とも不思議な感触。有名な俳優がたくさん出てるけど、何だかいつもと違う。この独特な世界観の 住人と>>続きを読む

海よりもまだ深く(2016年製作の映画)

3.3

「歩いても、歩いても」に次ぐ歌謡曲シリーズ?阿部寛さんはいい味出してるし、樹木希林さんはあいからずだし、悪くはないけど何だか無難に見える。是枝さんにはもっと違うものを期待したいが、、、。

ニーゼと光のアトリエ(2015年製作の映画)

4.0

医療や教育のように人と真正面から向き合う仕事の困難さと、それを困難にしているのもまた人なんだと思う。その人が本来持つ力を自ら引き出す、、周りの妨害や偏見に負けずにそれを根気強く待つニーゼの姿が胸を打つ>>続きを読む

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