mhさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

マリー・アントワネット(2006年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

ポップでキュートなマリー・アントワネット伝。
カンヌでブーイング(があったけど、それはわりと普通とのこと)されたことが誇張された結果、批評家からも厳しい意見が相次いだっぽいけど、なかなかどうして攻めて
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ある女の愛(1953年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

愛を取るのか、それとも自分の人生を取るのか。
当時としては先進的な二者択一を迫ってくる異色のフランス製恋愛もの。
中盤までは既視感ある恋愛ドラマ。
ミッドポイントからは、結婚したら家にこもるべきという
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JFK/新証言 知られざる陰謀【劇場版】(2021年製作の映画)

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オリバー・ストーンの代表作「JFK」の続編的な位置づけのドキュメンタリー映画。
ケネディ大統領暗殺事件は、あまたある陰謀論のなかでいちばん大きなもの。ということはこの事件がアメリカという国を端的に物語
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ザ・コントラクター(2022年製作の映画)

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ジャック・リーチャーとかジェイソン・ボーンとかの主人公無双を楽しむ系のアクション映画。簡単にひと殺して何発か弾が当たっても平気な系ね。
ドーピング検査に引っかかって軍のエリート部隊をクビになった主人公
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ザ・クロッシング(2021年製作の映画)

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ポグロム(帝政ロシアで発生したユダヤ人虐殺)とホロコーストというヨーロッパにおけるユダヤ人の受難をモチーフにしたアーティスティックなアニメーション作品。
シオニズムとも密接に絡んでいるのでポグロムにつ
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悪党に粛清を(2014年製作の映画)

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復讐系の西部劇。
デンマークからの移民という設定で当時のアメリカをリアルに再現している。
マッツミケルセン演じる主人公(退役軍人!)のかっこよさとか、いっさいしゃべらないヒロインとか、ベタベタのエンタ
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危険なメソッド(2011年製作の映画)

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ロシアの女性精神科医ザビーナ・シュピールラインの半生を通して、フロイトとユングの友情と決裂を描いた映画。
・きれいなセットで1900年代ヨーロッパ上流階級。
・キーラ・ナイトレイの体当たり演技。
・も
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プライベート・ベンジャミン(1980年製作の映画)

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ユダヤ系アメリカ人のお嬢様が訓練兵→配属となるコメディ映画。
世間知らずのお嬢様がブートキャンプと兵役で人間的に成長していくというテーマがあるので、話は面白くなくてもしっかり感動できた。
テーマに沿っ
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薔薇の名前(1986年製作の映画)

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14世紀の北イタリアにあるカトリック修道院が舞台のミステリー映画。
原作はウンベルト・エーコの代表作で、小説の分野でマスターピースになっているような有名なタイトル。
歴史ものであるのに、ガワは探偵もの
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幸せはシャンソニア劇場から(2008年製作の映画)

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1936年のパリを背景に、経営の傾く劇場をやりくりするサクセスドラマ。
ひとのよさそうなおっさんがどうして人殺しを?というフックでスタート。
既視感のあるプロットの集合体なんだけど、展開に工夫が凝らし
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テス(1979年製作の映画)

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19世紀末イギリスの貧困女子の残酷物語。
「貴族の出であることを知らされる」ことで人生が狂ったという展開なんだけど、それを演じてるのがナスターシャキンスキーなので、いやいやそのえげつない美貌が元凶でし
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The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ(2017年製作の映画)

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「白い肌の異常な夜(1971)」のリメイクというので手を伸ばしたけど、リメイクと言うより、原作が同じなだけで別の映画でした。
というわけで、めちゃエロサイコサスペンスと思って臨んでたのに、全然エロくな
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フィラデルフィア・エクスペリメント2(1993年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

カルトSF映画の続編だけど、この映画はカルトじゃない。
前作カップルの間に子どもができてる。視界がぐにゃる体調不良に襲われる主人公。気がつけばWW2でアメリカが負けた世界線に遷移しているのだった。
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砂の器(1974年製作の映画)

5.0

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日本映画マスターピース。
昭和のみんなが大好きだった松本清張の社会派サスペンスの代表作に大胆なアレンジを加えて映画化したもの。
中盤まではふたつ別々のストーリーで、終盤の四十分はオーケストラの最中にす
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これで三度目(1952年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

男女の修羅場をクライマックスに配置した不倫コメディ。
OPがかなり凝ってて、映画制作の内幕ものかと思ったら、舞台の話という趣向。
老俳優(監督自身)が客席にいた女性に一目ぼれ。
女性は宝石商の妻で、老
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醜い奴、汚い奴、悪い奴(1976年製作の映画)

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イタリアのクセツヨ監督によるハイテンション貧困コメディで、「タクシードライバー」がカンヌ獲った年に監督賞に輝いたやつ。
「どですかでん」の人情コメディをブラック強めにしてずっとやってる感じだなぁと思っ
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クリスチーネ・F(1981年製作の映画)

5.0

「バスケットボール・ダイヤリーズ」とか「トレインスポッティング」とか、ドラッグからの更生ムービーには名作が多いけど、個人的にはこれがベスト。
東ドイツの麻薬禍という狭い範囲のできごとなんだけど、子ども
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暁に祈れ(2017年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

環境劣悪なタイの刑務所の中でボクサー/ジャンキーが更生していく話。
説明を廃した省略多めの展開がすばらしい。これぞ映画という制作者側の気概と、その風格が味わえる。
レイプ、自殺、薬物汚染、汚職警官と賄
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ペルシャン・レッスン 戦場の教室(2020年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

ペルシャ語が話せると偽って強制収容所で生き延びたユダヤ人のお話。
・疑っている兵長。
・いつバレてもおかしくない嘘。
・膨大な数の作った単語を覚えていかないとならないプレッシャー。
・移送されたらたぶ
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光州5・18(2007年製作の映画)

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光州事件をモチーフにしたアジアンエンタメ。
こてこてに盛り上げるアジアンエンタメのいい部分と悪い部分が共存している一作で、感動はするけど映画としてはクソという二律背反が実現している。
死んだ人間のむな
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コマンド戦略(1967年製作の映画)

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イタリア戦線で活躍した悪魔の旅団(第1特殊任務部隊 1st Special Service Force)の結成秘話をエンタメ映画にしたもの。
原題直訳の「悪魔の旅団」でいいのに、なんでこんな邦題になっ
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さらばバルデス(1973年製作の映画)

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ジョン・スタージェス後期のしぶい西部劇。
戦争映画を見てる一環で、アマゾンプライム内スターチャンネルの無料期間中にそれっぽいものは全部見てしまおうという流れで視聴。
そもそも西部劇はそんな得意んじゃな
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眺めのいい部屋(1986年製作の映画)

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WW1前のヨーロッパを舞台にしたロマンチックコメディで原作はフォスター。
登場人物の心情を、引用したオペラにリンクさせてるなど、教養偏差値めちゃ高い。おれのようにそんなこと分からずに見ても、デビュー直
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黒いチューリップ(1963年製作の映画)

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フランス革命前夜を背景にしたアクションコメディ。
野生児タイプとおぼっちゃまタイプとアランドロンが一人二役。アランドロンとそのファンのための映画。
それを70ミリカメラで撮影された豪華な画面で楽しめる
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顔のないスパイ(2011年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

どんでん返しが売りのスパイアクション映画。
以前その犯人を追っていた引退した捜査官がリチャードギア。その犯人をいま追いかけている若者捜査官とバディを組むことになる。
追ってる犯人が実は主人公であること
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ビッグ・アメリカン(1976年製作の映画)

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アメリカ近代史を語るのにうってつけな題材をロバート・アルトマンが手掛けてる。
バッファロー・ビルとシッティング・ブル――このモチーフがめちゃくちゃ面白くて、ググる手が止まらない。シッティング・ブルとの
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さすらい(1975年製作の映画)

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ベンダースはあまり見てないけど、「パリテキサス」は好きといった程度で、映画館・映写関連の映画として手を出した。
移動映写ではなく、映写機の修理屋さんという設定でした。
ふらっと寄った映画館で突然映写を
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捜索者(2021年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

DMZ(軍事境界線)を守っている兵士同士が殺し合うミリタリーサスペンス。
・軍隊内部のいじめ問題。
・軍の隠蔽体質。
・デスゲーム。
このあたりをちゃんぽんにした内容なんだけど、兵士同士で銃を向け合っ
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荒野の誓い(2017年製作の映画)

5.0

最新のアンチ西部劇。
インディアンを何人も殺してきた北軍の兵士が、時代と周囲の影響をうけて改心していく話。
馬泥棒をやっているコマンチ族のならず者。毛皮商人などが襲ってくる中、インディアンを送り届ける
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1950 水門橋決戦(2022年製作の映画)

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後編はワンシチュエーション。
橋を守るアメリカ軍と、その橋を意地でも壊そうとする人民解放軍の戦いを描く。
中国軍が頑張ったおかげで、マッカーサーの権威が失墜して、原爆を落とすことができなくなったという
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1950 鋼の第7中隊(2021年製作の映画)

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北朝鮮VS韓国をすっ飛ばして中国VSアメリカを実現させちゃった中国の大作映画。
・毛沢東が登場!(いいの?)
・敵を極悪に描いてない。
・戦闘シーンの色合いが独特で新しい。
・火薬多め、車両多めのアク
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トランス・ワールド(2011年製作の映画)

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アイデアと脚本で勝負するB級サスペンス。
のわりにけっこう見られててあらすじはググれば出てくるので割愛。
戦争映画をピックアップしてたはずなのに、なんでこれがと思ってたら終盤になってようやく関係あった
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ミッション(1986年製作の映画)

5.0

南米を植民地支配している列強諸国のパワーゲームに振り回されるスペイン・イエズス会と、それに巻き込まれて虐殺されることになる少数民族を題材にした歴史もの。
序盤はちょっとジョン・ブアマン「エメラルド・フ
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マリリンとアインシュタイン(1985年製作の映画)

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マリリンモンローの遺品の中に、アインシュタインのサインがあったことから膨らませた戯曲の映画化。
邦題になってるふたりのほか、ジョー・ディマジオとジョセフ・マッカーシーが登場するという思い切った脚本で、
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FLEE フリー(2021年製作の映画)

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アフガニスタンが共産主義政権だった頃に政府の要職についていた一家が、ムジャーヒディーンの侵攻で難民になってしまい想像を絶する苦労をした実話をインタビュードキュメンタリーに仕上げてる。
それをアニメに変
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グランド・マスター(2013年製作の映画)

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ウォン・カーウァイ版イップマン。
優秀なスタッフがよってたかって、ノワールフィルム×中国拳法の世界観をさらに推し進めたような内容で、前編に渡った映像美が楽しめる。その美には、トニー・レオンとチャン・ツ
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