mihiroさんの映画レビュー・感想・評価

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恐怖省(1944年製作の映画)

4.8

盲人がケーキを突然ぐちゃぐちゃに握りつぶしたり、幽霊のような男がついてくるのが汚れたガラス越しに見えたりと、不条理に思えるショットはいずれものちになってその論理的な意味が開示されるのだが、それでも映像>>続きを読む

エイリアン3(1992年製作の映画)

3.5

たしか4歳くらいに最初に観たエイリアン。気に入って何度も見返していた記憶がある。いま観るとフェミニズム映画として優秀(大野左紀子の批評を参照)。

エイリアン2(1986年製作の映画)

2.0

1の静謐さとは異なる路線を選んだのはいいが、テーマパークのアトラクションみたいな安っぽさがどうしても滲み出る。エイリアンシリーズの方向性を決定づけてしまったように思う。

花とアリス(2004年製作の映画)

1.0

恋愛資本主義に脳をやられた醜悪なプロモーションビデオを見せられている気分になる。

アンストッパブル(2010年製作の映画)

5.0

最高! インフラを支える現場の誇り。名もなき市民の闘いにスポットライトを当てる保守的心性はイーストウッドに通ずる。リュミエール兄弟において鉄道は外から眺めるものだったが、トニー・スコットに至って内側か>>続きを読む

ザ・マスター(2012年製作の映画)

4.5

なぜだろう、荒地をバイクで走る終盤の場面から、身体が動かず最後まで見入ってしまった。

エイリアン(1979年製作の映画)

4.0

こんな静謐な映画だなんて思わなかった。BGMはほとんどなく、聞こえるのは環境音ばかりで、襲撃に対する恐怖を示すかのような心拍音がときどき小さく響く。それにギーガーのデザイン! 肋骨の羅列を想起させる宇>>続きを読む

プレデター(1987年製作の映画)

3.5

3歳のときねだった誕プレがエイリアンとプレデターの輸入フィギュアだった

カリートの道(1993年製作の映画)

3.0

デ・パルマは90分におさめたほうがいい映画撮れるんじゃないか

白熱(1949年製作の映画)

5.0

ギャングのボスを演じるジェームズ・キャグニーは味方でも平気で撃つのに、その銃を握る手は肉づきがよく赤ん坊のようにムチムチしている。マザコンでベビーフェイスなのに残虐というギャップのある役柄は、『民衆の>>続きを読む

スパイ・ゲーム(2001年製作の映画)

4.5

とても良い。短篇連作のような回想と現在の構造。仕事に生きて冷戦時代に数多の陰謀を画策したCIAのエリートが、勤務の最終日に己の仕事を裏切り若い友を救う。わずかな時間差の会話の騙し討ちや廊下の早歩きレー>>続きを読む

Cloud クラウド(2024年製作の映画)

4.5

松重豊、『地獄の警備員』の殺人鬼元力士警備員役以来32年ぶりの黒沢映画出演!!!

とらんぷ譚(1936年製作の映画)

4.5

傑作。ナレーションと呼ぶと作品に組み込まれた印象があるが、どちらかというと狂言回しのように作品を客観的に眺めつつ面白おかしく演出している。だから弁士ともちょっと違う。
前半はバルザックみたいな筋だなあ
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遊星からの物体X(1982年製作の映画)

4.5

閉鎖空間で互いが疑心暗鬼になっていく密室サスペンスの装いだが、それは仮の姿で、ひとたびthe thingと呼ばれる生命体に目を転じれば、10万年越しの冬眠から目覚めた矢先に現地の生物から襲撃を受けると>>続きを読む

ヘカテ デジタルリマスター版(1982年製作の映画)

4.8

素晴らしい。冒頭の色彩から目を奪われる。男を不安にさせるファム・ファタルだが、自らもまた空虚なシニフィアンであることに苛まれているらしいところがメロドラマとしては新しい。植民者の気楽な情事と言えばその>>続きを読む

着信アリ(2004年製作の映画)

1.0

スベッたギャグ。ホラーとしての演出が毎度とっぴょうしもなくて噴飯もの。

第9地区(2009年製作の映画)

4.0

予想よりずっと良かった。現実にある差別を一般化してエイリアンに投影するタイプのベタなつくりに陥らず、エイリアン側を有徳の存在にすることで、難民問題における人類全体の愚劣を浮かび上がらせる。スラム化した>>続きを読む

タレンタイム〜優しい歌(2009年製作の映画)

3.5

言語も信仰も入り乱れる複雑なマレーシアの内情を、すれ違いのドラマに仕立てることで丁寧に掬い上げる。ヒンドゥー教徒の母親によるインド系ムスリムへの差別が筋書のトリガーになっていた。
複数の言語が飛び交っ
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エネミー・オブ・アメリカ(1998年製作の映画)

4.5

とてつもないショットの密度。編集に一分の隙もない。職人技。

デジャヴ(2006年製作の映画)

5.0

傑作。警察は事件が起きてしまった後にしか行動できない。そして、(トニー・スコット監督作品にしばしば現れる)モニター越しに見る過去の人とは決して交われないという諦念。それこそが映画であり、歴史である。