もるがなさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

007 スペクター(2015年製作の映画)

3.7

前三作の集大成の作品でありながら、出来としては中途半端で評価が分かれているのも頷ける。生真面目な子がはっちゃけたときのような堅苦しさがあり、爽快感のあるスパイ活劇映画として見るには、アクションシーンに>>続きを読む

リトル・モンスターズ(2019年製作の映画)

3.8

幼稚園バスの遠足×ゾンビというありそうでなかったシチュエーション。序盤の構成はわりと丁寧で、主人公のクズっぷりがギリギリの匙加減で描かれていたのが面白い。ありがちなヒロイックな物語ではなく、引率の女教>>続きを読む

オールド(2021年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

シャマランお得意のシチュエーションスリラー。シャマランは唯一無二と言っていい才能がありながら、映画専門学校の学生のようなある種の拙さと雄弁さを兼ね備えた「好きで撮っている」感を忘れていないのがたまらな>>続きを読む

ゾンビ津波(2019年製作の映画)

3.2

低予算ゾンビ映画。ゾンビ津波は『ワールド・ウォーZ』級を期待すると肩透かしであり、波に乗ってゾンビがやって来るだけでアイディアとしては応用力がなく、展開も捻りようがない。これは仕方ないと言えば仕方なく>>続きを読む

ヴェノム(2018年製作の映画)

4.3

当初予告から受けたシリアスかつ硬派な悲劇という印象はなく、カラッとしたダークヒーローもので面白かった。ストーリー面はあっさり気味で、ヴェノムを駆動する装置としてしか機能していなかったのだが、MCUのや>>続きを読む

ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー(2016年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

前半の滑り出しこそやや退屈ではあるものの、後半からクライマックスにかけての熱量は凄まじい。歴史の裏側の、決して語られることのない未来に続く悲劇の物語であり、EP4を知っていればBAD END確定ではあ>>続きを読む

スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け(2019年製作の映画)

3.9

言葉通りの敗戦処理映画。はっきり言えば新三部作は失敗だと思ったが、かといってこれ以上批判するのも死体蹴りに近い上、全てが全てダメというわけでもない。カイロ・レンというキャラクターのナイーブさはとても良>>続きを読む

リメンバー・ミー(2017年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

音楽を目指す夢と家族の衝突という分かりやすいテーマを一貫させつつ、どちらも切らずに「家族」として個々の選択を尊重させたあたりに優しさを感じる。ただ、家族との和解というのは傷を抱える人にとっては地雷にも>>続きを読む

トイ・ストーリー4(2019年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

オールタイムベスト級の作品である『トイ・ストーリー3』があるせいか、賛否両論との評判のある4は怖くて中々視聴に踏み出せなかったわけだが、見終えてやはりトイ・ストーリーシリーズは傑作だと確信してしまった>>続きを読む

ワイルド・スピード/ジェットブレイク(2020年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

前作と比較すると全体的なアクションの派手さは頭打ちといった印象があり、マグネットパワーのギミックは面白かったものの、全体的なインパクトはやや弱めに感じる。しかしながら地雷原を全速力で突っ切る、宇宙に車>>続きを読む

ピーターラビット(2018年製作の映画)

3.4

一見するといい話風の映画ではあるのだが、一皮めくれば畜生と人間の仁義なき戦いである。誰のものでもない土地で最初から暮らしてきたのはその地に住まうウサギであり、後からやってきて法で切り分けたのは人間の側>>続きを読む

ジュマンジ/ネクスト・レベル(2019年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

進学をきっかけに明暗が分かれてしまい、たとえゲームの中とはいえ「輝いていたあの時にもう一度戻りたい」という心境はやけにリアルで、人物描写としての共感や没入感は前作より高いように感じた。たとえゲームの中>>続きを読む

ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル(2017年製作の映画)

3.6

ロック様を選んだ時点でほぼゲームクリアでは?というこちらの懸念を真っ向から挑発するようなロック様のチートぶりに笑ってしまった。誇張表現抜きで殴れば人が飛び、ピープルズアイブロウを始めとするキメ顔の数々>>続きを読む

トゥモロー・ウォー(2021年製作の映画)

4.3

タイムリープ×突如30年後からタイムリープしてきた人類が語った恐るべき絶望の未来。エイリアンの襲来で人類滅亡の危機となった未来の世界を救うために主人公は2050年へと跳躍する!

ストーリーはド直球の
>>続きを読む

ゴーストシップ(2002年製作の映画)

3.5

スタイリッシュ幽霊船ホラー。ネウロの元ネタ?のギロチンパチンコから幕を開けたおどろおどろしいゴシックホラーでありながら、B級ホラーの軽妙さを忘れずに、劇中で流れるマッド・ヴェインの「ナット・フォーリン>>続きを読む

ボーダー 二つの世界(2018年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

生々しさと現実感のあるダークファンタジー。特に主役の演技力と特殊メイクによる二重奏の訴えが凄まじく、またモザイクありとはいえ、見る人の生理的な部分にダイレクトに突き刺さる限度ギリギリの描写も魅力。特に>>続きを読む

ゴジラvsコング(2021年製作の映画)

4.4

怪獣プロレス完全特化映画。人間ドラマは希釈しきってもはや水のごとく無味乾燥で、設定は作中の距離感含めてツッコミどころ満載なぐらいガバガバなのだが、それらによるリアリティや情念などを一切不要なものとして>>続きを読む

ブラック・ウィドウ(2021年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

待望のフェーズ4劇場版。ブラック・ウィドウの始まりにして最後の物語でもある。

当初は他のスーパーパワーのヒーローと比較してブラック・ウィドウの非能力バトルは地味に映るのではと危惧したわけだが、蓋を開
>>続きを読む

HELLO WORLD(2019年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

テーマも設定も好みなのに、ここまで肌に合わない作品も珍しい。京アニを感じる作画の美麗さと量子力学を世界の真相と絡めて早めに明かしたという思い切りの良さはいいのだが、どうにもノレないままに終わってしまっ>>続きを読む

決闘の大地で ウォリアーズ・ウェイ(2010年製作の映画)

3.1

暗殺集団「悲しき笛」の戦士として敵対勢力を皆殺しにしたものの、最後の生き残りである赤ん坊を殺せず、英雄から一転、反逆者としてアメリカへと逃亡する……。

マカロニウエスタン子連れ狼。東洋の剣士vsガン
>>続きを読む

シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション(2018年製作の映画)

4.6

原作愛&再現度120%の映画。フランス流のエスプリが効きまくったブラックジョークは多少人を選ぶものの、この毒っ気のある笑いを洒脱な雰囲気に落とし込み、締める所はちゃんと締めるシティーハンターらしさでま>>続きを読む

シャザム!(2019年製作の映画)

4.0

全体的な印象としては思ったよりファミリー向けのヒーロー映画という感じ。出だしは変則的でありながら、大人になれる少年ヒーローという設定は面白く、その中でも特に肝となる変身シーンの使い方が非常に上手くて見>>続きを読む

TENET テネット(2020年製作の映画)

4.8

あまりにも精緻かつ狂気的な時空パズル映画。メメントのアップグレード版とでも言うべき映画でありながら、その難解さは見る人間を選び、それでいながらも虜になってしまう魔力を帯びた傑作でもある。

時系列の順
>>続きを読む

バトル・インフェルノ(2019年製作の映画)

3.7

悪霊退治のヤラセ動画で荒稼ぎしていたインチキ神父の元に本物の悪魔が降臨!超常現象のLIVE配信動画がバズると同時に、人類の命運をかけた死闘が今始まる!

SNS社会らしいキャッチーなネタに反して、内容
>>続きを読む

ゾンビーワールドへようこそ(2015年製作の映画)

4.6

邦題以外は完璧なゾンビホラー。ボーイスカウト×ゾンビのサバイバルホラーとしての面白さもさることながら、何より最初のツカミからしてバッチリであり、ギークという設定に準じた重くなりすぎない程度のスクールカ>>続きを読む

空の青さを知る人よ(2019年製作の映画)

3.9

秩父三部作の中では一番好きかもしれない。ストーリーそのものはオーソドックスかつ予想のつく範囲ではあるものの、やや変則的な四者四様の恋模様を軸に描いた青春は爽やかなエモさに溢れている。「生霊」となった「>>続きを読む

シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

90年代を代表し、また総括する権利があるのは庵野だけだったのかもしれない。だからこそ難しく、ここまで時間がかかったのも見終わった今なら納得しかなかった。

公開初日に観に行ったものの、はっきり言えば僕
>>続きを読む

明日への地図を探して(2020年製作の映画)

3.0

ループものではあるのだが、ループもの特有の切迫感は微塵もなく、解決を図るやり方も鈍重であるため、そちらを期待すると裏切られる印象がある。しかしながら本題はそこにはなく、ループする日々を日常と定義した上>>続きを読む

ジョン・ウィック:チャプター2(2016年製作の映画)

3.2

『サイバーパンク2077』をトロコン達成するほどハマったので、その勢いと熱を持続させるためにキアヌ映画鑑賞。やはりといえばやはり、キアヌは纏うどこか陰のある雰囲気が素晴らしく、この空気感は他の俳優では>>続きを読む

コンスタンティン(2005年製作の映画)

4.1

宮本浩次のカバー曲「異邦人」のPVを見て唐突に頭に過ぎったので再鑑賞。『マトリックス』のネオに続くキアヌのハマり役の一つで、キアヌの存在そのもので雰囲気が完全にキマってるといっても過言ではない。正直な>>続きを読む

翔んで埼玉(2018年製作の映画)

3.8

ある種不可能かと思われた魔夜峰央の傑作『翔んで埼玉』の実写化。唐突な埼玉の歴史のお勉強かと思いきや、余り物でできたという自虐disの軽いパンチ。それすら本作においてはただのジャブで、埼玉の名を出せば過>>続きを読む

映画ドラえもん のび太の月面探査記(2019年製作の映画)

3.7

異説クラブメンバーズバッチは中々に面白い着眼点だと思う。異世界との邂逅ではなく異説を冒険の入り口するのは唸らされてしまった。自身もドラえもんファンであることを公言している辻村深月の著作は何作か読んだこ>>続きを読む

ミッドサマー(2019年製作の映画)

3.6

世界の果てまで逝って救!カルトとメンヘラの世界ウルルン滞在記!とはいえ、民族系のフォークホラーを期待すると色々とアテが外れる一品で、トリップムービーと言ったほうが正確かもしれない。

前作『ヘレディタ
>>続きを読む

劇場版メイドインアビス 深き魂の黎明(2020年製作の映画)

5.0

グロい。ヤバい。エグい。しかしそれだけの悪趣味な映画ではないことはここまで追ってきた人なら既知のことであり、全ては未踏を舐る好奇心とその代償へと集約される。

今作の悪役であるボンボルドは度し難い敵役
>>続きを読む

映画ドラえもん のび太のひみつ道具博物館(ミュージアム)(2013年製作の映画)

3.9

当初、予告で見た時はあまり惹かれるものを感じなかった本作なのだが、見てみると意外と面白く、新ドラの中でも上位に入るクオリティの作品だった。

惹かれなかった理由は単純で、これは徹頭徹尾子供のための物語
>>続きを読む

映画ドラえもん のび太の宝島(2018年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

「インターネットで世界中調べられる時代だよ」ドラえもんにこれを言われる衝撃たるや。出した地図も拡大縮小可能なデバイス。ぶっちゃけGoogleマップ。昔なら「スゲー!」で終わった事柄も、現代だと逆にひみ>>続きを読む