もるがなさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

トランス・ワールド(2011年製作の映画)

3.7

謎の山小屋に迷い込んだ三人の男女。低予算なせいかトーンは全体的に静かであり、ストーリーの起伏はやや浅いものの、丁寧な伏線が光るSFシチュエーションスリラー。

しかし若干の不満点もいくつかあり、一つは
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ミスター・ガラス(2019年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

普通でないからこそ生きるのは苦痛であり、知ってしまえば最後、もう後には戻れない。誰も能力を信じない、その当人でさえも。寄る辺のない孤独感と差し迫った義務感。このテーマをここまで偏執的にこだわったヒーロ>>続きを読む

名探偵コナン 天空の難破船(ロスト・シップ)(2010年製作の映画)

3.5

飛行船の中で起きる人質バイオテロ。天空の密室というシチュエーションはいいものの、どこか弛緩した空気のせいか緊迫感はまるでない。冒頭で煽りまくった殺人バクテリアの印象がそのせいで随分と薄らいでしまい、ク>>続きを読む

ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章(2017年製作の映画)

3.0

相当つまらないのを覚悟して見たわけだが、思ったほどではない。ただ、だからと言って面白いというわけではなく、ストーリーは原作にある程度忠実ではあるものの、アンジェロ〜虹村兄弟までの話を一本の映画にするに>>続きを読む

ペンギン・ハイウェイ(2018年製作の映画)

5.0

姉、ペンギン、自由研究、文房具、SF、少年のひと夏の冒険譚、そしておっぱい。好みの要素しかない。夏の終わりに見るのに相応しい映画。高クオリティの超傑作、というわけではなく、出来としては相当頑張った佳作>>続きを読む

アバウト・タイム 愛おしい時間について(2013年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

21歳の誕生日に父から一族の秘密であるタイムトラベルの能力を聞かされた青年ティム。そんな非凡で平凡な彼を巡る己の人生と家族の物語。

タイムトラベル、と言うよりは記憶のタイムリープによる過去干渉という
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秒速5センチメートル(2007年製作の映画)

3.8

小学生でマックデート経験済みの初々しいカポーに豪雪パイセンが鬼畜すぎる所業!突風による手紙フラグ喪失、電車遅延によるルートへの確定。なんと恐ろしい。自然現象の前に我々人間は無力だということを教えてくれ>>続きを読む

イット・フォローズ(2014年製作の映画)

3.3

これが本当のハメ殺し。題材から当初はもう少し下世話な話を想像していたのだが、思ってた以上にアーティスティックかつ思わせぶりな なストーリーだった。感覚はジャパニーズホラーのそれに近く、直接的な驚かしよ>>続きを読む

ヘンゼル&グレーテル(2013年製作の映画)

3.9

幼き頃に両親に捨てられ魔女に攫われた兄妹。魔女を返り討ちにしたその日から、二人はウィッチハンターとしての血みどろの道を歩み始める!

劇場未公開かつDVDスルーがもったいない愛すべきB級映画。アクショ
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スクール・オブ・ロック(2003年製作の映画)

4.3

明るい狂人とでもいうべきジャック・ブラックの顔芸とキャラクターで8割持ってる映画。それぐらい愛すべき彼のインパクトは強い。話そのものはシンプルかつ、ロックがテーマらしい骨太な仕上がりになっているのだが>>続きを読む

ドラゴンクエスト ユア・ストーリー(2019年製作の映画)

1.0

このレビューはネタバレを含みます

悪評を聞けば確認したくなるのが人の性で、ハードルを下げに下げて、地面に設置すらしたのだが、跨いだ先に落とし穴があるとは思わなかった。救い難き罪はその凡庸さであり、驚くほどにセンスがなく、えっ?まだこん>>続きを読む

この世界の片隅に(2016年製作の映画)

5.0

見る機会を逸していたのでNHK地上波で視聴。評判がいいのは知っていたし、ハードルが無尽蔵に上がる反面、やはり戦争映画というのもあって視聴前は少し構えていた部分もある。序盤の拍子抜けするほど平和な描写と>>続きを読む

氷菓(2017年製作の映画)

3.0

先にアニメが出来たのが不運な作品であるし、またその不遇さを嘆くほどの出来でもないというなんとも微妙な作品。あえて言うなら映画ではなく、連続TV小説のような15分間隔のミニドラマで深夜にひっそりやったほ>>続きを読む

天気の子(2019年製作の映画)

4.7

前評判で想像していたより、今回の話は思ってた以上にシンプルで、それでいながら前作『君の名は』より王道エンタメ寄りになっている。二人の関係性にばかり注目して美味しい場面を蔑ろにした、と前作と時は感じたの>>続きを読む

クワイエット・プレイス(2018年製作の映画)

3.0

クリーチャーよりも言うことを聞かない子供のほうが100倍怖い映画だった。ほんの少し目を離しただけで子供は何をしでかすかわからない。その恐怖心は小さい子供の面倒を見たことのある人間なら分かるリアリティで>>続きを読む

スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム(2019年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

陰キャ高校生vsウェイ系集団。劇団ミステリオには笑ってしまったw今までのヴィランとは少しテイストが違う彼だが、原作のキャラを知っててもうっかり騙されるぐらいには魅力的なキャラであり、また演じるジェイク>>続きを読む

アメリ(2001年製作の映画)

4.7

アマプラで再鑑賞。高校の時にミニシアター系の映画館に行った時、自分以外全員が女性客でビビってたじろいでしまったのを思い出す。学生の時はキュートで風変わりな恋愛映画だと思ったが、いざ社会人になってから見>>続きを読む

名探偵コナン 異次元の狙撃手(スナイパー)(2014年製作の映画)

4.0

スナイパーvs爆走スケボー。謎のスナイパーに狙われる被害者を守るという限定的なシチュエーションは面白く、普段ならすぐに足取りを掴めるはずなのに翻弄されてる感じがとてもいい。もう少し緊迫感が欲しかった気>>続きを読む

名探偵コナン 純黒の悪夢(2016年製作の映画)

4.0

テーマパークを丸ごと舞台にした黒の組織vsFBI&公安&コナン一味という贅沢な映画。序盤の非日常なカーチェイスと少年探偵団の日常というコントラストがよく、この手の映画にしては胸焼けしないいいバランスだ>>続きを読む

名探偵コナン 業火の向日葵(2015年製作の映画)

3.4

ゴッホのひまわりを巡る知的なコンゲームかと思いきや解決法のほとんどが物理。らーん!も物理。全てが物理。物理特化型映画。キッドは華麗なナルシストでありながら青臭さの残るいいキャラではあると思う。基本的に>>続きを読む

名探偵コナン 絶海の探偵(プライベート・アイ)(2013年製作の映画)

4.0

ほぼ密室となったイージス艦内に紛れ込んだ某国のスパイと一つの死体。幾重にも重ねられた謎にコナンが挑む。序盤からわりと綿密に伏線を張っており、イージス艦という巨大な舞台装置を完全に活かしている。劇場版な>>続きを読む

ワイルド・スピード MEGA MAX(2011年製作の映画)

5.0

アマプラで再視聴。通して見た後に振り返ってみると、このMEGA MAXで後の方向性が完全に固まったように思う。後に続くシリーズと比較するとカーアクション要素が強めでトンデモ展開はまだなりを潜めている感>>続きを読む

レディ・バード(2017年製作の映画)

4.7

最初は悩める少女の青春モノだと思っていたのだが、青春要素だけでなく家族の要素も多分に含まれており、個人的には母と娘の関係が胸に刺さってしまった。都会に憧れ閉鎖的な田舎を出て行きたい心境や、大学進学に対>>続きを読む

打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?(2017年製作の映画)

3.0

謎玉投げてこの映画を見る前に戻りたくなった。鑑賞以前に感じてたワクワク感を返して欲しい。広瀬すずは声も可愛いのだが、菅田将暉が特に酷く、中学生の声は無理があるため浮いて聞こえ、それがかえって主人公のキ>>続きを読む

ゴジラ キング・オブ・モンスターズ(2019年製作の映画)

3.8

脚本が悪い悪いとは事前に聞いていたが、人間パートがここまでつまらないとは思わなかった。確かにこちらは怪獣プロレスが見たいのであって、安っぽい人間ドラマや家族愛などお呼びではないのだが、これは安っぽい薄>>続きを読む

東京無国籍少女(2015年製作の映画)

3.0

太極拳テンポのごときスローモーなテンポで視聴者を眠りの境地へと誘っていく。あまりのつまらなさと意味不明さに心が折れかけるが、ラスト15分の銃剣術アクションシーンが神がかっていて、人によってはこれでギリ>>続きを読む

名探偵ピカチュウ(2019年製作の映画)

4.7

おっさん声のピカチュウという情報のみが先行している感じがあるが、これはポケモンの実写映画である。僕は初代赤緑の世代で、通信ケーブルを持っている人間がヒーローになる時代の人間だ。最新作こそ未プレイだが、>>続きを読む

新感染 ファイナル・エクスプレス(2016年製作の映画)

4.7

ゾンビ・パンデミック×閉鎖空間でのソリッドシチュエーションホラーという快作。作りとしては至って王道的なのだが緊迫感が凄まじく、終始手に汗を握ってしまった。

ゾンビホラーとしてはほぼ満点の出来であり、
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アベンジャーズ/エンドゲーム(2019年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

借りた石返せよ!借りた石返せよ!(大事なことなので二回言いました)

インフィニティサーガ完結編。きちんと広げた大風呂敷を畳むこと。またしっかりと話を完結させること、世に数多ある様々なシリーズもので、
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ルパン三世 トワイライト☆ジェミニの秘密(1996年製作の映画)

5.0

一度レビューしていた本作なのだが、モンキーパンチ追悼で再鑑賞。そして追記&再筆。なんだかんだで一番好きな劇場版である。

話としては至って普通で、特筆すべき点のない、いつも通りの劇場版クオリティなのだ
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スパイダーマン:スパイダーバース(2018年製作の映画)

5.0

今までのスパイダーマン映画の中で一番の傑作。スパイダーマンの初見がこれでも全く問題はないし、アニメーションとして10年先を行ってると言っても過言ではない。当初はスパイダーマンは好きだけどアニメは少し敷>>続きを読む

ROMA/ローマ(2018年製作の映画)

4.0

美しい、美しい、と聞いていたので劇場で鑑賞。飼い犬って気がつくとウンコしてるよな……と思って笑ったのと、クソ彼氏のフルチン棒術の印象があまりにも強烈すぎて美しさを感じる暇がなかった。>>続きを読む

キャプテン・マーベル(2019年製作の映画)

4.0

そこそこ長いわりに、見終わった後の感想としては若干物足りないの一語に尽きた。とはいえ、アベンジャーズシリーズというインフィニティ・サーガのサイドストーリーとしては申し分のない出来であり、もう少し見たい>>続きを読む

黒い箱のアリス(2017年製作の映画)

3.1

父の起こした事故で母親を失い、義手となった少女。唯一心を許しているのは喋る犬。そんな時に現れた謎めいた姉弟。そして森の中に突如現れた謎の黒い箱。箱からのメッセージ「彼らを信用しないで」

映画全体を漂
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ダークシティ(1998年製作の映画)

3.8

闇に閉ざされた街で目覚めた一人の男。記憶を失っており、傍らには娼婦の死体。自分が誰かも分からないまま殺人犯の汚名を着せられ、襲い来る謎の襲撃者から逃げながら真実を探し始める。

前半はSFサスペンスで
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アリータ:バトル・エンジェル(2018年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

天使には戦いを…戦士には安息を‼︎
それで神にでもなったつもりかッ‼︎

漫画の実写化の一つの完成形。アクション、ビジュアルともに再現性が素晴らしいのだが、何より白眉なのはその編集の巧さだろう。原作ほ
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