tawaraさんの映画レビュー・感想・評価

tawara

tawara

見える子ちゃん(2025年製作の映画)

3.6

本作はホラー映画特有の、大きな音で突然脅かすようなジャンプスケア演出が少ない。そのため、過度な恐怖を強いられることなく、コメディや青春ドラマの延長として非常に見やすい作りになっている。

また、単なる
>>続きを読む

劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 〈ワルプルギスの廻天〉(2026年製作の映画)

4.4

『表層の「同窓会」を超え、セカイ系の到達点を示した不完全な人間たちの物語』

一見するとオールスターが集う「同窓会映画」の皮をかぶりながら、その実、セカイ系というジャンルを過去最高到達点まで推し進めた
>>続きを読む

ワンス・アポン・ア・スタジオ -100年の思い出-(2023年製作の映画)

4.3

100年の重みと愛が凝縮された至高の短編だ。

アニメーターたちが去った夜のスタジオで、キャラクターたちが動き出す。この演出ひとつをとっても、「生みの親たちが世を去っても、物語やキャラクターは人々の心
>>続きを読む

片思い世界(2025年製作の映画)

3.0

本作における「片思い」というタイトルの真意は、単なる恋愛感情の枠にとどまらない。死者(霊)側から生者へ声も届かず、触れることもできないという「物理的な干渉不能」が生み出す究極の一方通行。その決して交わ>>続きを読む

星つなぎのエリオ(2025年製作の映画)

4.5

『非言語演出で魅せる、不完全で美しい「現実」への第一歩』

物語の展開や都合、敵周りの設定には子ども向けに整えられた部分があり、完璧な映画ではないかもしれない。しかし、作中で描かれるシーンの数々には強
>>続きを読む

リライト(2025年製作の映画)

4.2

『承認欲求の時代に提示された、異質な青春SFのパラドックス』

本作は、『時をかける少女』が提示したタイムトラベルとノスタルジーの構造を土台に敷きつつ、その実体は「人生の主導権(主人公権)を誰が握るか
>>続きを読む

スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ(2026年製作の映画)

4.5

・ 「飛び道具」からの脱却と映画的復権
MCU映画の最大の魅力であり、同時に構造的な弱点でもあるのが、他作品からの客演や別宇宙とのマルチバースといった「飛び道具(ファンサービス)」に依存した語り口であ
>>続きを読む

異人たち(2023年製作の映画)

4.0

『異人(よそ者)として生きる孤独の先にある、切なくも美しい救済』

「異人」とは、単に幽霊や亡霊といった非現実的な存在を指す言葉ではない。周囲とは異なる自分自身に抱く違和感、疎外感、そしてどこにも属せ
>>続きを読む

ロボット・ドリームズ(2023年製作の映画)

4.5

『言語を削ぎ落とした「サイレント」が照射する、不在の愛と成熟の美学』

本作は、言葉という伝達手段を一切排除した「ノンバーバル(非言語)」の手法を用いながら、人間関係における最も普遍的で深遠なテーマを
>>続きを読む

カーズ/クロスロード(2017年製作の映画)

3.3

本作は作品が提示する野心的な主題と、それを着地させるストーリーテリングの粗雑さとの間に大きな乖離が見られる一作だ。嫌いと切り捨てるほど悪質ではないものの、手放しで賞賛するにはあまりに歪であり、「大人が>>続きを読む

私ときどきレッサーパンダ(2022年製作の映画)

3.2

思春期における身体と感情の変化、そして過干渉な親からの自立という現代的なテーマを「レッサーパンダへの変身」という寓話に託した一作。

アイドルという偶像に魅了され、仲間と等身大の情熱を傾ける少女たちの
>>続きを読む

スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還(1983年製作の映画)

3.3

・冗長なテンポと既視感のある構造
本作で惜しまれるのは、ストーリー展開の冗長さである。序盤のジャバ・ザ・ハットからのハン・ソロ救出劇は独立したエピソードとして長く、本筋である帝国軍との最終決戦へ至るま
>>続きを読む

スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲(1980年製作の映画)

3.2

※EP6鑑賞後に執筆。

・物語の縮小と、地味に終始する「展開の侘しさ」
本作において最も好みが分かれるのは、前作に比べてフォーカスされるキャラクターや舞台があからさまに縮小している点だろう。銀河を股
>>続きを読む

スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望(1977年製作の映画)

4.3

『マンダロリアン』の派生作から入り、満を持して原点である1977年の『EP4』を鑑賞。驚くべきは、現在まで広がり続ける巨大なスター・ウォーズ銀河の「骨組み」と「奥行き」が、すでにこの一作目で完璧に提示>>続きを読む

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.5

・観る者を狂わせる圧倒的な世界観と映像美

本作の第一の魅力は、スクリーンに映し出される映像そのものの圧倒的な美しさと歪さにある。魚眼レンズや広角レンズを多用した歪んだ構図、白黒から色彩へと鮮やかに切
>>続きを読む

LOGAN ローガン(2017年製作の映画)

3.9

本作が描く最大のテーマは、「暴力の代償」と「人間としての救済」だ。
かつて不死身の英雄だったローガンは、能力の衰えと体に仕込まれた金属の毒素に蝕まれ、常に苦痛に耐えながら生きている。彼にとって不老不死
>>続きを読む

ひつじ探偵団(2026年製作の映画)

3.5

「羊視点」だからこそ成立するミステリの構造にある。人間側のドロドロとした遺産相続争いを背景に置く一方で、捜査する羊たちはどこまでもマイペースだ。言葉が通じない人間に対して、あの手この手でヒントを残そう>>続きを読む

2分の1の魔法(2020年製作の映画)

2.9

1. 科学と魔法の融合の放棄、ただの劣化現代社会
「かつて魔法があった世界が、科学の発展によって廃れた」という設定ならば、観客が期待するのは「魔法と科学がどう融合し、どのような面白いガジェットや生活様
>>続きを読む

カーズ2(2011年製作の映画)

3.0

前作が持っていた「スピードや勝利だけが人生ではない」「寄り道や人との繋がりの大切さ」といった普遍的で味わい深いテーマ性に比べると、今作は世界を舞台にしたスパイアクションへと一変しており、どこか本編の正>>続きを読む

カーズ(2006年製作の映画)

4.3

本作は、ビジュアルと設定の面で大きなハードルを抱えている。フロントガラスに巨大な目があるデザインは慣れるまで不気味の谷を感じさせ、金属とガラスでできた無機質な車という特性上、ピクサーの他作品(『トイ・>>続きを読む

ファインディング・ドリー(2016年製作の映画)

4.0


前作からさらに踏み込み、本作は「ハンディキャップの肯定と、それぞれの生存戦略」を極めて深く掘り下げている。ドリーの前向性健忘、ハンクの身体欠損、デスティニーの強度近視といった特性を、作中では決して克
>>続きを読む

ファインディング・ニモ(2003年製作の映画)

3.8

本作の本質は、子供の成長譚以上に「親の子離れ」を描いた心理劇である。過去のトラウマから過度の保護主義に陥ったマーリンが、息子ニモを信じて「手放す」プロセスは、普遍的な親の葛藤そのものだ。また、ニモの生>>続きを読む

マイ・エレメント(2023年製作の映画)

3.1

本作は、4つの元素(火・水・土・風)が共生する世界を舞台に、格差や移民問題といった現代社会の縮図を描こうとした野心作である。しかし、視覚的な高揚感の裏には、世界観の設定やシナリオの帰結において、看過で>>続きを読む

私がビーバーになる時(2026年製作の映画)

4.5

メイベルが動物の世界を主観的に解釈していたように、他者の視点に立つとき、私たちはどうしても「都合のいいフィルター」を通して対象を見てしまいがちである。完全に理解し合うことは叶わずとも、グラデーションの>>続きを読む

トイ・ストーリー5(2026年製作の映画)

4.4

本作は、前作『4』が提示したあまりにも野心的で賛否を呼んだ結末に対し、制作陣が幾度もの対話と試行錯誤を重ねて導き出した、執念の回答とも言える一作である。

本作が掲げる核心的なテーマは、「役割の全う」
>>続きを読む

名探偵コナン ベイカー街(ストリート)の亡霊(2002年製作の映画)

4.5

本作の脚本は、野沢尚さんが手掛けているためか、通常のコナン映画よりも「日本の教育・社会問題」への切り込み方が鋭く、大人の鑑賞にも耐えうる重厚なトーンになっている。19世紀末のロンドンというクラシカルな>>続きを読む

ラブライブ!蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ Bloom Garden Party(2026年製作の映画)

2.8

ターゲット層が新規なのか既存ファンなのか、どちらにも振り切れていない中途半端な構成。
最大の不満点は、作中の核となるはずのイベント描写が終始抽象的で、そこに至るまでの葛藤やプロセスがすっぽり抜け落ちて
>>続きを読む

プラダを着た悪魔2(2026年製作の映画)

3.7

前作の「新人のサクセスストーリー」から一転、今作はすでにプロフェッショナルとなった大人たちの物語。そのため、劇的な変化から生まれるダイナミズムやワクワク感は前作に及ばない。デジタル化やコンプライアンス>>続きを読む

でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男(2025年製作の映画)

3.6

役者の魅力と雰囲気は良かっただけに、脚本・設定の粗さが悪目立ちする印象を受ける。律子側が勝訴するには無理があるだろ、と途中で冷めてしまった。

ワン・バトル・アフター・アナザー(2025年製作の映画)

4.5

怒涛のドタバタ劇で、古き良きの洋画を感じます。単なるカオスではなく、映像と音楽のシンクロやカット割りなど、とにかく魅せ方のセンスが良い。小難しいメッセージ性や理屈は抜きにして、視覚と聴覚で映画って面白>>続きを読む

最終楽章 響け!ユーフォニアム 前編(2026年製作の映画)

-

感想

TVアニメ第3期を再編集し、久美子の部長としての活動記録を抽出したような構成。新規カットが追加されたことで、彼女がリーダーとして試行錯誤する姿がより鮮明に映し出されていたと思います。『アンサン
>>続きを読む

ゴールド・ボーイ(2023年製作の映画)

3.0

エンタメとして振り切れるのは良いんですが、嘘すぎて途中で飽きが来ちゃいましたね。展開も読めちゃって。
沖縄の舞台は映えますね。

プロジェクト・ヘイル・メアリー(2026年製作の映画)

4.4

記憶喪失により観客と同じゼロ状態から始まる主人公が、「問題発生・状況把握→仮説→検証→解決」という科学的プロセスを繰り返していく展開が秀逸。この地に足のついたアプローチのおかげで、壮大なSFでも突飛な>>続きを読む

超かぐや姫!(2026年製作の映画)

3.0

Not for me
今世間でウケるのは綺麗な作品なのかもしれませんね。

ウィキッド 永遠の約束(2025年製作の映画)

3.0

登場人物が皆、我儘なまま根本的な解決に至らず死んでいくのが虚しい。また、敵の「嘘の物語」に対し、主人公側も「別の嘘の物語」を重ねて表面上の平和を取り繕う結末に違和感がある。ただ、メディアや権力者が発信>>続きを読む

爆弾(2025年製作の映画)

4.3

デヴィッド・フィンチャー作品や『ダークナイト』に通じる、心理をえぐるサスペンス。一般人を容赦なく巻き込む展開や、不穏で気味の悪い絵作りなど、緊張感が持続するこのレベルのエンタメが邦画で生まれたのは大変>>続きを読む