たわらさんさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

グリーンバレット(2022年製作の映画)

4.2

国岡の未熟な指導者っぷりや、嫌なやつの解像度が異様に高い。生徒たちの演技は拙いですが、全体を通してその粗とツッコミが噛み合っていたと思います。話が通じてなかったり、啓発本を抱えている板尾さんの使い方と>>続きを読む

女神の継承(2021年製作の映画)

3.9

モキュメンタリーって脚本が透けてみえちゃうと一気に嘘っぽく見えちゃうんですよね。割と事件が派手で、登場人物のオーバーな行動やカメラマンの整合性とかが気になっちゃうんで普通の物語として作って良かったよう>>続きを読む

ワンダフルライフ(1999年製作の映画)

3.0

人生というのは凹凸ありつつもその連続性の全てに価値があるものと考えている為、本作の人生の中の1地点を重要視する死生観とは相容れない。俳優ではない一般の方をたくさん呼んだインタビュー形式も是枝作品の生っ>>続きを読む

マイスモールランド(2022年製作の映画)

4.5

国籍というものは大きな共同体として存在しているのは想像よりも拠り所になっているのかもしれません。クルド人同士でしきたりや儀式といった連帯感があるが、そこで留まりたいわけでもない。毎回ハーフ顔だからとい>>続きを読む

ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー(2023年製作の映画)

3.6

前作のファンムービーの1面が相当強く、ちさととまひろの緩い会話が大半を占めており、以前より物語と会話の連続性には欠ける。新キャラも没個性的で、非日常としての殺し屋の可笑しさ、社会と自己存在感のテーマ性>>続きを読む

ピクセル(2015年製作の映画)

3.0

ゆるい雰囲気で良いですが、襲来する敵のルールが整備されておらず製作者の匙加減のため緊迫感がない。ゲームキャラも"出した"だけにすぎず、『LEGOムービー』や『シュガーラッシュ』のようなゲームの奥行きが>>続きを読む

ザ・キラー(2023年製作の映画)

3.5

理論・うんちく・哲学をたらたら垂れ流すフリがあるため、ヘマをするのに振り幅が効いている。撤収や処分の手際の良さにその道のプロフェッショナルさを感じられ、余計にダサい。ダサダサポンコツ殺し屋を好意的にみ>>続きを読む

ビリーバーズ(2022年製作の映画)

4.3

現実を夢で、煩悩を信仰で上書きしようとする教団員の物語。夢とは無意識な潜在意識を映し出すものといわれていますが、その夢を都合よく歪曲するエゴに人の邪悪さが表れている。言語・思考のアップデートはまさしく>>続きを読む

ラーゲリより愛を込めて(2022年製作の映画)

3.6

どんなに過酷な環境でも奪われることがないのが思想の自由である。収容所内で疲弊していく最中で仲間たちに生きる勇気を与える…ことはあまり伝わらなかった…。悪い意味で綺麗な作品でしたね。

ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り(2023年製作の映画)

3.5

外画版福田雄一作品のような緩さを持つファンタジー作品。冒頭でギャグに振り過ぎているせいで、その後が全て茶番にみえる。全体を通して若年層向けの分かりやす過ぎる展開とボケで自分にはハマらず。キャラクターと>>続きを読む

THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!(2014年製作の映画)

3.4

突如現れた知らないキャラの知らない葛藤に天海春香リーダーによる根性論による解決。アイドルマスターの良さって職業アイドルのプロによる群像劇が魅力だったんじゃないの…。大団円にいくにはテレビシリーズよりス>>続きを読む

ヴィーガンズ・ハム(2021年製作の映画)

4.4

菜食主義者というよりは菜食・肉食関係なしに差別主義者による誹謗・皮肉が応酬するブラックコメディ。奥さんが狡猾というか犯罪や心理サスペンスとか好きそうですよね。正しい倫理観より爽快感が優ってしまうのであ>>続きを読む

ベルファスト(2021年製作の映画)

3.7

宗教抗争を間近で浴びたケネスブラナーの自伝。詳細は理解してなくても、子供ながらに体験した悲しみの感情や、親族との笑い話は強く鮮明に覚えてるものだ。

最後まで行く(2023年製作の映画)

4.5

『プリズンブレイク』を彷彿とするミッションの連続、人物の動きを最大限生きる画角、緩急のある演出と、邦画では稀有な良作クライムもの。何かとあれやこれやと手を出す藤井監督だが、過去の名作を研究して生まれた>>続きを読む

すばらしき世界(2021年製作の映画)

4.4

三上は子供だ。正しさが正しいわけではないではない世界に気付いていく。確かに我慢を強いられることは多い、だが空は広く、温かさも潜んでいる。三上は悩む、我々は姿を使い分ける、そんな二面性に溢れた世界が美し>>続きを読む

テラフォーマーズ(2016年製作の映画)

4.1

火星のゴギブリと戦うという情報しか無かったので、テラフォーマーズってこういう話なんだって感じだったので意外に楽しめました。裏切り者や上層部の思惑も交錯する実質的なデスゲームに謎も散りばめつつ、原作の出>>続きを読む

由宇子の天秤(2020年製作の映画)

4.4

カメラを向けることで被写体のみの世界を作り上げて自問自答を促すやり方は、実に由宇子の真実を第一に置く人間性が表れている。真実に固執する余りに狂気性も垣間見えるが、その分け隔てない彼女にこそ心を許してし>>続きを読む

ミッション:8ミニッツ(2011年製作の映画)

4.1

サスペンスやミステリーとしてのクオリティは決して高くないが、SFドラマとして生の在り方が提示されている。前半の連携不足に組織のガバさが気になってしまうが、終盤でその不自然さが必然へと変わる秀逸な仕掛け>>続きを読む

ウーマン・トーキング 私たちの選択(2022年製作の映画)

3.9

議論だけのワンシチュエーションで展開するためエンタメ性は限りなく少なく、宗教観も反映されているため難解。繰り広げられる言葉はその現場にいるような錯覚さえするし、現代の我々に充てられているよう。性暴力問>>続きを読む

search/#サーチ2(2023年製作の映画)

4.5

90年代のインターネットを彷彿とさせるアングラ感が作品を纏い、ネットの闇と事件の真相という覗いちゃいけないものを覗いていく好奇心と背徳感の共存。ジャンプスケアが強いホラーではなく、湿り気が高いJホラー>>続きを読む

涼宮ハルヒの消失(2010年製作の映画)

3.3

『憂鬱』もそうですがメインキャラの暴走に対して世界が優しいですよね。原作の台詞を選定せず、独白の垂れ流しなのでこの独白系主人公を好きになれるかだと思うんですよね。

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

3.8

当然ながら映像の編集で個々に与える影響は大きく変わり得る。スピルバーグは映像と密接に接してたからこそ、メンタルに自ら負荷をかけてきたし、影響力の残虐性とも向き合ってきた。ただそれでも好きでたまらない映>>続きを読む

バビロン(2021年製作の映画)

4.4

チャゼル作品で通じるのが強烈な愛とは愛しさと同時に憎悪も含む憎愛であるということだ。映画に限らず、どんなものでも時間と共に変化し得るものであり、良いところもあれば汚点も存在するのが理である。不愉快な体>>続きを読む

高地戦(2011年製作の映画)

4.2

生と死が行き交う戦地にて精神がすり減っていき、人間性が失っていく恐怖。何気ない談笑の後に戦地へ駆り立てられる心情の落差は計り知れない。上の都合により命が減っていく虚しさっといったら。

さんかく(2010年製作の映画)

4.5

日常に潜む地獄、人間の嫌なところをつらつらと描いたものだ。この人嫌だな…って思わせる描写が妙にリアルなんですよね。先輩風や立ちション、店員への横暴な態度、つまらないボケといい本当に全部嫌だ…。マルチ商>>続きを読む

パーフェクト・ケア(2020年製作の映画)

4.3

時間がお金に還元されるのであれば人生の数だけ大金を手に入れることが叶う。マーラは他者の人生で築き上げてきた財産をぶん取る後見人であり、ここまでのゲスは類を見ない。自尊心を捨てずにどこまでも優位に立とう>>続きを読む

キル・ビル Vol.1(2003年製作の映画)

3.8

NYに立つ中国系アメリカ人による寿司屋のような映画。決して味は良くないんだが、コッテコテな景観で楽しめる。GOGO夕張って良い回答よね。

女優霊(1995年製作の映画)

3.7

子供の頃に心霊番組を観た後、霊なんているはずのない自宅が霊が"いるかもしれない"自宅に変わり、照らされてない廊下を歩くのが怖かった記憶があります。この時代は手が届く範囲に限界があって未知が溢れていたん>>続きを読む

サイコ・ゴアマン(2020年製作の映画)

4.4

イカれている『ターミネーター2』。現実世界に悪魔1体置くだけでボケとツッコミが成立するところに、それを超えてくる狂気・ミミ。また、一般家庭に思えて父もクズであり、友人や警察が怪物にされても許容する世界>>続きを読む

トゥルーライズ(1994年製作の映画)

3.9

トイレでのドンパチ、地上とホテルでの馬とバイクのレース、破壊される橋、街でのミサイル、まぁとにかく絵面が派手で楽しい。奥さん不憫すぎるやろ…と倫理的におかしい点や、原爆やおねしょといい、どこか侮蔑めい>>続きを読む

さよならの朝に約束の花をかざろう(2018年製作の映画)

3.0

怒涛な時間経過により子育てが表面的に映るため、クリムとレイリアの要素を排除して掘り下げて欲しかった。世界観に引き込まれる映像や音楽は良いので、現代のジブリ作品になり得たんじゃないか。

岸辺露伴 ルーヴルへ行く(2023年製作の映画)

3.2

怪奇現象や心理変化のフックをかける部分の演出不足。回想や日本パートが説明台詞が過多で間延びしたテンポ感に興が冷める。