たわらさんさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

ヴィーガンズ・ハム(2021年製作の映画)

4.4

菜食主義者というよりは菜食・肉食関係なしに差別主義者による誹謗・皮肉が応酬するブラックコメディ。奥さんが狡猾というか犯罪や心理サスペンスとか好きそうですよね。正しい倫理観より爽快感が優ってしまうのであ>>続きを読む

ベルファスト(2021年製作の映画)

3.7

宗教抗争を間近で浴びたケネスブラナーの自伝。詳細は理解してなくても、子供ながらに体験した悲しみの感情や、親族との笑い話は強く鮮明に覚えてるものだ。

最後まで行く(2023年製作の映画)

4.5

『プリズンブレイク』を彷彿とするミッションの連続、人物の動きを最大限生きる画角、緩急のある演出と、邦画では稀有な良作クライムもの。何かとあれやこれやと手を出す藤井監督だが、過去の名作を研究して生まれた>>続きを読む

すばらしき世界(2021年製作の映画)

4.4

三上は子供だ。正しさが正しいわけではないではない世界に気付いていく。確かに我慢を強いられることは多い、だが空は広く、温かさも潜んでいる。三上は悩む、我々は姿を使い分ける、そんな二面性に溢れた世界が美し>>続きを読む

テラフォーマーズ(2016年製作の映画)

4.1

火星のゴギブリと戦うという情報しか無かったので、テラフォーマーズってこういう話なんだって感じだったので意外に楽しめました。裏切り者や上層部の思惑も交錯する実質的なデスゲームに謎も散りばめつつ、原作の出>>続きを読む

由宇子の天秤(2020年製作の映画)

4.4

カメラを向けることで被写体のみの世界を作り上げて自問自答を促すやり方は、実に由宇子の真実を第一に置く人間性が表れている。真実に固執する余りに狂気性も垣間見えるが、その分け隔てない彼女にこそ心を許してし>>続きを読む

ミッション:8ミニッツ(2011年製作の映画)

4.1

サスペンスやミステリーとしてのクオリティは決して高くないが、SFドラマとして生の在り方が提示されている。前半の連携不足に組織のガバさが気になってしまうが、終盤でその不自然さが必然へと変わる秀逸な仕掛け>>続きを読む

ウーマン・トーキング 私たちの選択(2022年製作の映画)

3.9

議論だけのワンシチュエーションで展開するためエンタメ性は限りなく少なく、宗教観も反映されているため難解。繰り広げられる言葉はその現場にいるような錯覚さえするし、現代の我々に充てられているよう。性暴力問>>続きを読む

search/#サーチ2(2023年製作の映画)

4.5

90年代のインターネットを彷彿とさせるアングラ感が作品を纏い、ネットの闇と事件の真相という覗いちゃいけないものを覗いていく好奇心と背徳感の共存。ジャンプスケアが強いホラーではなく、湿り気が高いJホラー>>続きを読む

涼宮ハルヒの消失(2010年製作の映画)

3.3

『憂鬱』もそうですがメインキャラの暴走に対して世界が優しいですよね。原作の台詞を選定せず、独白の垂れ流しなのでこの独白系主人公を好きになれるかだと思うんですよね。

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

3.8

当然ながら映像の編集で個々に与える影響は大きく変わり得る。スピルバーグは映像と密接に接してたからこそ、メンタルに自ら負荷をかけてきたし、影響力の残虐性とも向き合ってきた。ただそれでも好きでたまらない映>>続きを読む

バビロン(2021年製作の映画)

4.4

チャゼル作品で通じるのが強烈な愛とは愛しさと同時に憎悪も含む憎愛であるということだ。映画に限らず、どんなものでも時間と共に変化し得るものであり、良いところもあれば汚点も存在するのが理である。不愉快な体>>続きを読む

高地戦(2011年製作の映画)

4.2

生と死が行き交う戦地にて精神がすり減っていき、人間性が失っていく恐怖。何気ない談笑の後に戦地へ駆り立てられる心情の落差は計り知れない。上の都合により命が減っていく虚しさっといったら。

さんかく(2010年製作の映画)

4.5

日常に潜む地獄、人間の嫌なところをつらつらと描いたものだ。この人嫌だな…って思わせる描写が妙にリアルなんですよね。先輩風や立ちション、店員への横暴な態度、つまらないボケといい本当に全部嫌だ…。マルチ商>>続きを読む

パーフェクト・ケア(2020年製作の映画)

4.3

時間がお金に還元されるのであれば人生の数だけ大金を手に入れることが叶う。マーラは他者の人生で築き上げてきた財産をぶん取る後見人であり、ここまでのゲスは類を見ない。自尊心を捨てずにどこまでも優位に立とう>>続きを読む

キル・ビル Vol.1(2003年製作の映画)

3.8

NYに立つ中国系アメリカ人による寿司屋のような映画。決して味は良くないんだが、コッテコテな景観で楽しめる。GOGO夕張って良い回答よね。

女優霊(1995年製作の映画)

3.7

子供の頃に心霊番組を観た後、霊なんているはずのない自宅が霊が"いるかもしれない"自宅に変わり、照らされてない廊下を歩くのが怖かった記憶があります。この時代は手が届く範囲に限界があって未知が溢れていたん>>続きを読む

サイコ・ゴアマン(2020年製作の映画)

4.4

イカれている『ターミネーター2』。現実世界に悪魔1体置くだけでボケとツッコミが成立するところに、それを超えてくる狂気・ミミ。また、一般家庭に思えて父もクズであり、友人や警察が怪物にされても許容する世界>>続きを読む

トゥルーライズ(1994年製作の映画)

3.9

トイレでのドンパチ、地上とホテルでの馬とバイクのレース、破壊される橋、街でのミサイル、まぁとにかく絵面が派手で楽しい。奥さん不憫すぎるやろ…と倫理的におかしい点や、原爆やおねしょといい、どこか侮蔑めい>>続きを読む

さよならの朝に約束の花をかざろう(2018年製作の映画)

3.0

怒涛な時間経過により子育てが表面的に映るため、クリムとレイリアの要素を排除して掘り下げて欲しかった。世界観に引き込まれる映像や音楽は良いので、現代のジブリ作品になり得たんじゃないか。

岸辺露伴 ルーヴルへ行く(2023年製作の映画)

3.2

怪奇現象や心理変化のフックをかける部分の演出不足。回想や日本パートが説明台詞が過多で間延びしたテンポ感に興が冷める。

劇場版 ソードアート・オンライン オーディナル・スケール(2017年製作の映画)

2.9

少し延長線にあるようなARにフォーカスしたSF要素は興味深いのだが、整合性が取れてないシリアス描写が散々である。キャラ描写も有害な男性性やモノとしての女性を平然と押し出すことに厭わない製作陣に疑問を覚>>続きを読む

ラブライブ!The School Idol Movie(2015年製作の映画)

4.3

単体で観れる映画というよりはラブライブ!School idol projectのドキュメンタリー作品に近い。海外展開や一般層まで認知された社会現象っぷり、ファンミーティング、ドームライブ、節目といいメ>>続きを読む

モガディシュ 脱出までの14日間(2021年製作の映画)

4.0

社会派作品なのに異様にアクション描写が上手い不思議な作品。大きな断絶を前に個人間の断絶は霞んでみえます。この個の協力から南北問題に良い兆しが見えるかと思いきや、別な方向に進んでいく空虚さといったら…。

戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-04 真相!トイレの花子さん(2012年製作の映画)

4.3

低予算とは思えない演出とテンポ感のある脚本は見事であり、1カット風の時空間の描写は卓越したとのがある。。もちろん夏×学校×ホラーの抜群の相性もお墨付き。白石晃士らしいケレン味は隠しきれず、もはや見所。>>続きを読む

特別編 響け!ユーフォニアム アンサンブルコンテスト(2023年製作の映画)

4.3

主人公でありながらも当事者になり得なかった黄前久美子がついに主として今後の未来に対して意思決定を下していく最終章のエピソード0。前作(2年生編)から進路や人間関係に関する要素が強くなり、少年少女から大>>続きを読む

ニモーナ(2023年製作の映画)

3.7

近未来×中世や自由自在の変身アクションはアニメーションならでの見所。共生や多様性を説こうとするのは良いですが、登場人物はすぐ扇動はされるし行動を幼稚に描き過ぎているため、メッセージが浅く感じてしまう。>>続きを読む

エスター ファースト・キル(2022年製作の映画)

3.8

もう少し共闘の部分を広げられそうなのに皆さん火力が高すぎて、すぐ破滅に向かっちゃって笑っちゃいました。セキュリティや失踪など色々ガバすぎて、これはなんかの風刺ですか?

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

3.9

過程が省かれて結果だけ提示する異様なテンポ感、定点カメラでゲーム映像を観ているかのような躍動感にかけるアクション、感情移入を妨げる抽象的な会話など、見方によっては実写『デビルマン』と大差ない作品。ただ>>続きを読む

アイの歌声を聴かせて(2021年製作の映画)

3.1

AIが今よりも身近にある近未来を冒頭で垣間見えて独自性を期待するものの、僕らの◯◯戦争かのような既視感のある物語が展開されて、vs大人やvs男性中心社会といい単調な二項対立に辟易する。SF作品とは思え>>続きを読む