Tomさんの映画レビュー・感想・評価 - 16ページ目

目指せメタルロード(2022年製作の映画)

3.3

メタル厨と冴えない少年が大会目指してバンド結成!ベースの代わりはまさかのチェロ?!基本皆健全で根がいいやつで可愛い。悩みを抱えながらも直向きに好きな事に没頭する姿はカッコいい。雑だが若さと勢いで駆け抜>>続きを読む

パリ13区(2021年製作の映画)

3.5

パリの今を通して人間関係とそこから派生する営みと真摯に向き合った作品。人其々に境遇や価値観の違いがあり,それにより何を求めるかも変わる。己を守りその先で欲しい,足りないものを求め,空いた心を埋めていく>>続きを読む

ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生(2018年製作の映画)

2.0

無駄に複雑で整理されていないプロット,行き当たりばったりで見えない目的と空中分解しキャラの魅力も消え,分かり辛く退屈。作品単体で成立しておらず楽しめないのがマジでキツい。ハリポタ見てない人も子供も完全>>続きを読む

ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅(2016年製作の映画)

3.4

可愛い魔法動物達への愛情が微笑ましい。でもそれならまず全ての元凶の🧳直さへん?w彼のガサツさに中々応援する気になれないのが勿体ない。相変わらず都合は良いが出し惜しみなく魔法を魅せてくれるのは嬉しい。何>>続きを読む

アポロ10号 1/2: 宇宙時代のアドベンチャー(2022年製作の映画)

3.6

大家族末っ子の日常とアポロ計画をクロスオーバーさせて描く60年代米国。時代も変わったなぁ。ネット社会に染まり麻痺しているからこそ,人と人が目を見て会話をしているだけで新鮮に,温かく感じる。ご飯食べて外>>続きを読む

ある夜、彼女は明け方を想う(2022年製作の映画)

2.0

『明け方の若者たち』の女性側視点の短編。だらだら台詞で説明し彼女が言い訳し続ける映画ではなくドラマ。何故本編に組み込まないのか甚だ疑問だ。本作を見ないと本編は分からないし,これを見たら余白が0。これな>>続きを読む

明け方の若者たち(2021年製作の映画)

2.5

大学から会社,社会へ染まっていく感覚。理想と現実の狭間で揺れ動く,誰しも一度は通る何者にもなれない青春の痛みは凄くいい。ただあの中途半端でトリッキーな構成は残念。観客を驚かせるだけで映画的,感情的深み>>続きを読む

桜のような僕の恋人(2022年製作の映画)

3.0

話運びは強引だが大切な命と時間,関係性を丁寧に描いていて好感が持てる。兄が僕の闘病中の姉と重なり,うるっときた。あんな苦しい思いも経験したし,涙も流し切ったせいか彼女では泣かなかった。また生きて桜の季>>続きを読む

コバルトブルー(2021年製作の映画)

3.0

2018年まで同性愛の性行為が法律で禁止されていたインド。違法ではないものとして描かれていること自体が新鮮だ。撮影がエロ美しく,月光に照らされて青白く光る筋肉美に惚れそうになる。男尊女卑,家父長制,カ>>続きを読む

アネット(2021年製作の映画)

1.0

虚構である映画のリアルの中に虚構を放り込んだ時,その境界はどうなるのか…?!野心的だがこれ程意識的に『これはフィクションです』と釘打たれると冷めるし乗れない。説明的で無駄に繰り返す,余白と想像力を削ぐ>>続きを読む

運命のイタズラ(2022年製作の映画)

3.2

空き巣強盗してたら家主が帰ってきて鉢合わせ?!さぁどうする…。頭の良いモラハラ富豪とアホ過ぎる泥棒,プライド高い系女子のパワーバランスの変化で資本主義社会の縮図を魅せるのが面白い。生活感の無さすぎる家>>続きを読む

The Windshield Wiper(原題)(2021年製作の映画)

3.6

"What is love?"
愛は時に人を惑わし,傷つけ,幸せにする,希望であり絶望でもある。人生を色付けるが人生に占める割合は人それぞれ。そんな世界に溢れる言葉では表せない愛の多様性と不確実性を豊
>>続きを読む

バスケの女王(2021年製作の映画)

3.0

驚異的な実績を残し女性で唯一NBAからドラフト指名された黒人バスケ選手Lusia Harrisの半生を追うドキュメンタリー。周りの選手やファンの彼女への畏敬の念が断片的な映像から伝わる。コービーのも早>>続きを読む

狂覗(2017年製作の映画)

3.8

地獄の無断持物検査。覗いていた筈がいつの間にか逆転し覗かれる恐怖に自戒の念を抱かされる。自分を守ろう,隠そうと本質を見失っていく様は悍しい。不穏な世界観と合った粗い映像,タイトル,回想が実に秀逸だ。あ>>続きを読む

ベルファスト(2021年製作の映画)

3.6

全ての人に歩んできた人生と故郷がある。冒頭長回しの緩急や純粋な少年が大人の世界へ飛び出す瞬間は鳥肌モノ。光いっぱいの映像と3世代に渡る家族の絆が気づきと温もりを与えてくれる。K.ブラナーの自己主張が音>>続きを読む

ふたつの部屋、ふたりの暮らし(2019年製作の映画)

3.7

同性愛に対する認識はここ数年で変わりつつある。そこに老いが加わった時,当人や家族,第三者の若年・中年層とは少し違う感情に気付かされる。2人を隔てる壁や目,黒が印象的でドキドキのスリラー演出も良かった。>>続きを読む

アンビュランス(2022年製作の映画)

5.0

最近は娯楽作でも社会風刺や多方への配慮を意識した真面目なのが多すぎる。ンなもん糞だと破壊王ベイ,ここに極まる!ドローンを手にはしゃぐ彼は誰にも止められない。中身がない?上等だ!俺の超特急アクションを見>>続きを読む

親愛なる同志たちへ(2020年製作の映画)

3.6

30年隠蔽されたソ連の虐殺事件。今のロシアそのもので背筋が凍る。白黒の冷たい映像が共産主義・プロパガンダの恐ろしさを深める。今も血は流れている。"そうだったんだ"では済まされない。世界が継続して声を上>>続きを読む

ナイトメア・アリー(2021年製作の映画)

3.9

余裕を感じる流石のデルトロ。洗練された撮影と見せ物小屋の美術…嘘と欲望に塗れた怪しくも美しい世界観に魅せられた。冗長さは感じるが大好きな役者を見てるだけで楽しい。狂気と人間の本能の境界の狭間で"人とい>>続きを読む

クレッシェンド 音楽の架け橋(2019年製作の映画)

4.6

パレスチナ問題で産まれながらに憎み合う哀しき運命は根深く諦めと絶望すら覚える。映画,音楽の力を信じ僅かな希望を繋ぎ変わっていく演奏と願いに涙腺決壊。互いの声,音を聞く事だけは諦めちゃダメだ。彼らの内な>>続きを読む

さがす(2022年製作の映画)

1.5

正直に言うと,見なければよかった。その現実があるとしても,僕はもう一生触れたくない世界だった。病室でニュースを見て"それなら僕に命頂戴よ"と泣いていたのを思い出す。しんどくてしんどくて,しんどくて…た>>続きを読む

超擬態人間(2018年製作の映画)

3.5

久々に目の覚めるホラー見た気がする。ぼーっと他人事で眺めてなんていられない,化物に遭遇したかの様な疲労感。児童虐待の鋭い社会性と突き抜けたスラッシャー,頭フル回転なサスペンスに大興奮。役者の気迫が画面>>続きを読む

こんにちは、私のお母さん(2021年製作の映画)

3.9

胸が痛い程分かる"親を喜ばせたい"想いと罪悪感。最期まで気持ちよく笑って笑って笑って泣いて…感謝の気持ちが自然と込み上げる素敵な映画体験。そうだよな。色々気づかずすれ違ってばかりだが見えない所でいーっ>>続きを読む

陽なたのアオシグレ(2013年製作の映画)

4.0

少年心擽る小っ恥ずかしく初々しい片思い。妄想という想像力をアニメーションの力で繊細に表現する。凄まじい疾走感や躍動感と共に何処か懐かしさも感じる,流れのある優しいタッチが好き。駆け出す前の彼の表情が最>>続きを読む

ブラック アンド ブルー(2019年製作の映画)

3.7

警察も市民も誰も信用できない四面楚歌な女性黒人警官。米国の闇と社会の無関心を浮き彫りに。中盤の"早く逃げろよ"な演出を除けば完璧なエンタメなだけに惜しい。それでも孤立させ只管追い込むサスペンスと上質な>>続きを読む

HOMESTAY(2022年製作の映画)

1.5

何故か死んだ僕の魂が別の死人に入り転生し死因を探る?!ホラーな台湾版とは真逆のポップな味付け。いやいや,茶番かよ。演じれないからって全部心の声で説明するの辞めて。見てられない。演出に撮影,編集,演技,>>続きを読む

ストレイ 犬が見た世界(2020年製作の映画)

3.0

動物の殺処分や捕獲が法律で禁止されたイスタンブール。街に溢れる野良犬達の声を聞き,寄り添い,考える72分。低い犬の目線で撮る謙虚さからその想いは伝わる。現実は決していい環境と言えないが不幸せにも見えな>>続きを読む

慶州(キョンジュ) ヒョンとユニ(2014年製作の映画)

4.2

彼と一緒に旅する不思議な時間。自然なユーモアと緊張感と共に流れるゆったりとした時間が心地いい。2人の距離感が近づくにつれ,ぼんやりとしていた視界が開け,色んな感情が溢れ出す。一方で現在と過去,生と死の>>続きを読む

ホームステイ ボクと僕の100日間(2018年製作の映画)

3.4

冒頭の掴みと設定の見せ方は生死観を表現した独創的な演出や音を含めて完璧だ。
要所で差し込まれるホラー的演出が作品に緊張感を齎し、青春描写では白を基調とした透明感のある映像に痺れる。
アイデアや魅せ方、
>>続きを読む

ニトラム/NITRAM(2021年製作の映画)

3.7

銃規制の必要性を世界に轟かせた史上最悪の事件。一体何が彼をそうさせたのか…。背筋が凍った。両親の並々ならぬ想いと溢れ出る彼の殺気に呑み込まれた。心臓の鼓動が聞こえ爆発するかと思うほど。J.カーゼルの到>>続きを読む

アダム&アダム(2022年製作の映画)

3.5

"フリーガイ"コンビが贈るユーモラスでハートフルな家族ドラマ。太い軸をぶらさず,細かい部分は無視する潔さと随所に熱い演出があり純粋に楽しい。超絶ベタだが80点満点に近い,安心してみられる作品も必要だし>>続きを読む

THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

2.3

陰鬱な街,心の闇,降り続く雨…ずしりと重いダークな世界観と重低音が気持ちいい。ただ重さに一切緩急が無く物語の転がりも弱いのが辛い。アガる瞬間も感情の変化もほぼ無かった。アクションと映画的な見せ場も無く>>続きを読む

山の焚火(1985年製作の映画)

4.8

人里離れ,山で春夏秋冬とゆったりとした時間の流れの中で生きる"動物"の営み。迷い無き人間の野生的本能が導く禁忌も,自然の摂理に過ぎない。悲壮感はあるが,驚くほど心が穏やかなのだ。何故これ程雄大な自然と>>続きを読む

アメリカから来た少女/アメリカン・ガール(2021年製作の映画)

3.7

その一言が出るまで何度すれ違い,道を誤り続けたか。文化や年,色んな障壁や想いから伝えたいことが素直に表現できない人間の弱さや不完全さ,愛おしさが滲む。愛と憎しみは表裏一体。大人も子供も間違い傷つき傷つ>>続きを読む

The Long Goodbye(原題)(2020年製作の映画)

3.7

パワフルな映画だ。悲痛な叫び,現実をMVであり短編映画という見易い媒体で1人でも多くの人に伝えるんだという強い意志,闘志が迸る。それを体現するカメラやリズアーメッドの凄まじい目力と歌にやられた。全て見>>続きを読む

ゴヤの名画と優しい泥棒(2020年製作の映画)

4.2

なんてオシャレで愛に溢れた作品だ。優しい嘘が導く重層な物語に完全に心奪われた。おかしいと思っても言い出せない慣習へ疑問を呈しつつ人の成立ちまで問う懐の深さに脱帽。粋オジの反骨精神と弱者に寄り添い続ける>>続きを読む