konomoさんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

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ビリーブ 未来への大逆転(2018年製作の映画)

3.7

足りない!もっと知りたい!と思った。この作品は1つの裁判にフォーカスされていて、他はかけ足で進んでしまうのだが、学校生活ももっと観たかったし、なんなら少女時代のお母さんとの関係なんかも観たかった。どの>>続きを読む

荒野にて(2017年製作の映画)

3.6

大人達が安易に子供から目を離してしまうのとか、父親の「男なら誰にも頼らず自分で道を切り拓け」的な価値観の呪いが悪い方に働くのとか、どうしてあんな子供が、あんなにいい子があんな辛い目に…!と始終主人公を>>続きを読む

キングダム(2019年製作の映画)

3.6

原作未読、予備知識なし。
各キャラが立っていて、ストーリーもわかりやすく、上手くまとまっていたと思う(原作5巻分らしい)。殺陣もなかなかの迫力。
脱出にしろ侵入にしろ、作戦が個人の根性頼みだったのはど
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処刑の丘(1976年製作の映画)

3.7

二次大戦下のパルチザンの話。キリストとユダってより、ユダユダユダユダ。ナチに協力するロシア人、助かりたくて寝返ったロシア人…。後ろめたい気持ちは、高潔な人を神々しく見せる。
終戦後にあの人たちはどうな
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シャザム!(2019年製作の映画)

3.5

悪役がマーク・ストロングでちょっとアガったけれど、「普通に面白かった」の域を出ないかな。変身後もキャラ変しなかったら良かったと思う。

マローボーン家の掟(2017年製作の映画)

3.5

ちょうどアンドリュー・ワイエス展を観たばかりで、少し共通する屋外&屋内の美しさだった。光の感じや、ひんやりとした手触り。
ぶっちゃけひとつの類型に収まる種明かしなのだけれど、お話としては良くできている
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パッドマン 5億人の女性を救った男(2018年製作の映画)

3.7

考え方はとても正しい。不衛生な処置も謎の習慣もさっさと止めてしまえと私も思う。

しかしやり方に非常に問題があって、働き者で優しい夫が生理用ナプキンのことで頭がいっぱいで仕事もおろそかになり、近所の女
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ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)

4.0

テーマも何故今これが作られたのかも明快なのだが、それをストーリーで示してあとは皮肉な笑い満載ハラハラドキドキ最後はヒャッホウな映画にして終わらせず、ど直球な映像を加えて締めたことに事態の深刻さを感じた>>続きを読む

ブレス しあわせの呼吸(2017年製作の映画)

3.4

難病ものだが鬱展開を避けた爽やかで前向きな作品。どこでもいつの間にか周りに人が集まってくる主人公とその妻が魅力的。

しかしあの一家はどうやって生計を立ててたんだろう、そこそこ実家がよい階級だったぽい
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ユーリー・ノルシュテイン《外套》をつくる(2019年製作の映画)

3.0

彼の新作は待ち遠しいし、完成を祈っている。でも創作のモチベーションはとても繊細だろうし、社会の仕組みがガラっと変わった中で(それだけだって、どんな風なのか想像もつかない)最愛のパートナーや自身が病を得>>続きを読む

娼年(2018年製作の映画)

2.5

これは笑うやつという理解でいいのだろうか?性行為を傍から見ると割と滑稽なものだし。使われてるムーディな音楽はコントみたいだし。作り手の意向はともかく、アホみたいで真面目には観られなかった。
全体的に行
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いぬやしき(2018年製作の映画)

3.1

配役もぴったりだったし、映像が思っていたより凄くて、あれ?これ映画館で観ればよかったかな?と思ったのだが、話が「これで終わりなの!」とびっくりする程なにもなかったので、結局テレビで充分。
でも日本もこ
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セメントの記憶(2017年製作の映画)

4.0

シリアから逃れ、レバノンのビル建設現場で働く人たちのドキュメンタリー。
恐らく違法で(ゆえに多くを語らない)、現場の地下に家主に家賃を払って暮らし(シリア人は19時以降外出禁止)、でもそれは、本国で戦
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幸せのアレンジ(2007年製作の映画)

3.5

ユダヤ教徒のお見合いシステムを知らなかったのでびっくりした。世話焼きおばさんが見繕った相手をガンガン送り込んできて、ぶっつけで合うのである。イスラムの親の紹介で始まるお見合いにしろ、断っていいかどうか>>続きを読む

二番目の妻(2012年製作の映画)

3.6

不穏な状況だな…え、そういう?…まぁこれで本来の形に…え、そっちか!と、2回びっくり。

トルコからオーストリアに移住して2世代目にならんとする一家のてんやわんや。親はイスラムの価値観で生活し、子ども
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わたしはヌジューム、10歳で離婚した(2014年製作の映画)

3.9

児童婚というショッキングなテーマではあるが、監督自身も似たような経験をした上でアメリカに渡っているので(本作の原作は別の少女)、イエメン国内の様々な価値観が相対化できていて、多層的な視点で見られる良作>>続きを読む

女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

4.0

豪華絢爛、意地悪コメディでとても楽しかった。あんなんで国の方向性が右往左往していたら、前線の兵士も民衆もたまったもんじゃないね。

気晴らしに散歩でも…と似たようなノリで「何か撃ちましょう」と、やたら
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マイ・ブックショップ(2017年製作の映画)

3.3

英国の田舎町に書店を開き、ビル・ナイ演じる頑固者の老紳士にブラッドベリを勧める…なんて素敵!とよろめいて観てしまった。

考えてみれば、どこの国でも田舎町で新規商売を始めるなんて、起こりがちなことは予
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菊とギロチン(2016年製作の映画)

3.8

長い上にちょっとうっとおしそうに感じて、封切時には避けてしまったのだが、予想していたよりもずっと面白かったし、ああ確かに作るならこのタイミングだったなぁと非常に腑に落ちた。

個人的には、いだてんや金
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運び屋(2018年製作の映画)

4.0

ガンコジジイ映画として最高だった。イーストウッドの素敵さを堪能。あの年で美女を複数はべらせても全然アリなの凄い。得たものと落とし前とのバランスも絶妙だった。

あの全く悪意のない差別のぶっこみ方には、
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翔んで埼玉(2018年製作の映画)

3.6

良い意味で開き直って振り切れてて、正気に還ることなくどっぷり楽しんでケラケラ笑って観られた。
テルマエやロマンス劇場等、非現実な世界観をかちっと正当化できる監督さんなんだろうなと。あと何をどう見せれば
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バッド・ジーニアス 危険な天才たち(2017年製作の映画)

3.6

脚本や見せ方は凄く上手い。だから余計にハラハラドキドキする。

でも、貧乏ってつらいなーと観ていてどんどん苦しくなっていった。金持ち子女はどうせ本当には親には殺されないし、なんとかなるのに。
毟れるだ
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ROMA/ローマ(2018年製作の映画)

4.0

影より光の方を感じさせる柔らかいモノクロ映像や、ぞくぞくする構図、繊細にとらえられた世界がたてる音…ああこれ映画館で観たいやつだ!とすぐに思った。機会が来るといいな。もちろん、いいヘッドホンで聴くのも>>続きを読む

ヴィクトリア女王 最期の秘密(2017年製作の映画)

3.4

ジュディ・デンチの演技と豪華絢爛映像で割とお腹いっぱいになれる。

ヴィクトリア女王が従者を寵愛するのはあれが2回めらしいので(あの時点では亡くなっていた)、周りはさらにげんなりしたのかも。しかしイケ
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THE GUILTY/ギルティ(2018年製作の映画)

3.5

緊急通報のオペレーターのプロが、そのポジションで出来る全てを尽くして事件を解決する話かと思っていたら、反省室的に電話室に送られたらしき独善的で強引な警官が、一夜の事件をきっかけに反省して成長する話だっ>>続きを読む

東京行進曲(1929年製作の映画)

3.3

ハイカラさと古風さが混ざり合ってた。
身分を示すテニスコートと貧しい女性の高低差は、ロメロがゾンビで引用してるって聞いたけれどほんとうかしら。

貧しい美人が清らかに生きてるのがいいんだよー的な勝手な
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女優と詩人(1935年製作の映画)

3.6

女優の妻が家計を支え、売れない詩人の夫がヒラヒラエプロンつけて家事やったり、妻のパシリでタバコ買いに走らされたり、当時は珍しかったであろうタイプのカップルを描いたコメディ。
売れない作家の友達や、詮索
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名もなく貧しく美しく(1961年製作の映画)

3.7

終戦直後の混乱した社会の中で懸命に生きる聾唖者夫婦の物語。
当時こういうテーマで映画が作られ、そしてヒットしたことはとても意味のあることだったのだろうと思う。
結構生々しく、どんな苦労がありどう工夫し
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今夜、ロマンス劇場で(2018年製作の映画)

3.3

こういう作品はヒロインがかわいく撮れていれば勝ちだと思うので、ヘップバーン風味の綾瀬はるかが滅茶苦茶かわいい時点で細けえことはいいんだよ、という感じ。

そう、細かいことは色々気になったし、レトロ風景
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ミュージアム・ヴィジター(1989年製作の映画)

3.4

核戦争後の地球で、海の底に沈んで引き潮の時だけ現れる博物館を目指す男の話…というあらすじに惹かれて。

同監督の『死者からの手紙』が詩的で好きだったため期待したのだが、話の展開が、主人公が辺境に住む人
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500ページの夢の束(2017年製作の映画)

3.3

スタートレックの知識があれだけあればきっと味方はたくさんいる(見つかる)、と思える安心感。犬が常に安全だったのも良かった。

ちょうど日本の中学生がヒッチハイクでアメリカ縦断しようとしてネットでこぞっ
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ライ麦畑で出会ったら(2015年製作の映画)

3.4

主人公に同行してくれる女の子か天使過ぎて、みうらじゅんが描いたキャラみたいだった。ほぼほぼ実話らしいので、数少ないフィクション部分は彼女に違いない。
でもその子が親との関係性が良く、きちんと連絡をとる
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金子文子と朴烈/朴烈(パクヨル) 植民地からのアナキスト(2017年製作の映画)

3.6

描き方がフラットで日本人全員悪!って感じではなかったので観やすかった。良識的な日本人も出てくるし、日本政府が捏造ごまかしやるのは今もまさに…。
主演女優さんが生命の象徴みたいにキラッキラで、眺めている
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ジュリアン(2017年製作の映画)

3.5

下手なホラー映画より怖いしストレスフルなDVもの。DVで片方が理路整然と喋り、片方が不安定な様子の場合はほぼ、後者が本当のことを言っている、らしい。それだけ痛めつけられた者の負った傷は大きい。
本当に
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アイ・アム・キューブリック!(2005年製作の映画)

3.0

キューブリックの名を騙って詐欺を働くゲイを演じるジョン・マルコヴィッチをひたすら楽しく眺める映画。ほしゃほしゃした喋り方が愉快。実話だって。

詐欺はあまりにも杜撰で観ていてドキドキしたが、案外上手く
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杏っ子(1958年製作の映画)

3.5

ひがみっぽい甲斐性なしの旦那に苦労するばかりの結婚後はひたすらつらかった。自分なら秒で離婚だし、原作も最終的に離婚してるらしいんだけど、そこまで描かなかったとこに監督の意図があるのだろう。