この空虚が空虚を食い尽くすまでの超絶傑作よ。
アレクサンドルの一見すると普通にモテているのだが、若さや知性やセクシャルでしか人を誑かすことしかできない虚無感。
しかし一人になることも選べず
何も選べ>>続きを読む
10年ぶりくらいに再鑑賞。
今ではありふれたサブカル的テーマをここまで大層に仕立て上げるのは一級品というか。
岩井グレーディングが冴え渡っており
話よりも彼と庵野が行っていた画のデザイン化のほうに目>>続きを読む
ひと通りの人物紹介がなされ
病院に出るという「少女の幽霊」の謎を解くべく奔走する1。
手持ちカメラやドラマ形式(章立てっぽさ)やアウトサイドな存在、下品さなどトリアーの作品に間違いないようなモチーフ>>続きを読む
かのドン・デリーロ『コズモポリス』を映画化した功績は計り知れないが
ある種の本場に戻ってきたクローネンバーグ新作。
異形・技術・性(生殖)の三連符を
ここまで突き詰めるとなると
もはや芸術を語らざ>>続きを読む
なんとしてでも寝ようと思ったが
寝れない日もあるよね。
1年はさすがに長すぎるけど。
クリスチャン・ベールのガリガリ具合がすごい。
アロノフスキーの『π』と並べて観たい。
旅の偶然性というか偶発する何かを信じてやまない。
この映画のような交感力は私にはないが
大したことない日常に転がる偶然(得てして必然)はとっても大切だと思わせてくれる。
素晴らしい映画だった。
行き当たりばったりの旅と喧嘩。
それらの重要性。
見た事ないものを見れるなら
何度でも旅に出たくなる。
移動したくなる。
バカンス映画として素晴らしい。
チェコ・ヌーヴェルヴァーグらしい。
めちゃくちゃにしてやりたい国家への挑発。
チョキチョキが表現として面白い。
さようなら、みなみ会館…!
テーマはよかったが
作劇と演出があまり好みではなかった。
人は歴史から何も学ばない愚かさだけを学ぶ。
新藤兼人の『裸の島』などを想起させるシーン。
ドストエフスキー的な実存と政治(社会)。
東>>続きを読む
サイコキラーにも美学はあるんだろう。
そやつさえ地獄に叩き落とすラースフォントリアー。
この半身ともいえる無責任さが彼の特徴というかアーティスティックな部分だろう。
いずれにせよ美と倫理の境界をズラ>>続きを読む
あえて嫌な気持ちになりたい時には最適な映画。
なんもかもが理不尽だが
この抗えない力(他者からの避けられぬ暴力)がとことん光っていて素晴らしかった。
自分語りの究極形態。
うーむ。
これまでのコワすぎが良過ぎたのか
物足りない。
というか間が空きすぎて
シリーズ最初から見て、そのアドレナリン全開のまま見ていればまた違ったかもしれない。
けど令和にこれが見れてよかった。
話は寓話で子供に見せればいいくらいのものだけど(カルト的にはあかん)、これをストップモーションで作り上げた狂気ともいうべき制作に脱帽する。
『骨』を以前にMUBIで見たが
それとは多少なりリンクす>>続きを読む
どこまでいっても付き纏うオイディプスコンプレックスにファンタジーという剣で対峙してきたんだね。
それを赤裸々に告白できるだけ素晴らしいじゃないか。
それで多くの人が救われたはず。
郡山かとおもたら群山かい。
独特な文法を用いて血と土地の不思議な物語を紡ぐチャンリュル。
なかなか変な話だったのがよかった。
パクヘイルとムンソリってのがいい。
ちょっと映画から離れてみるのもいいなと思い離れてはみたが、戻ってくる時のリハビリ映画にはホンサンスがピッタリだった。
ミニマルさと偶然性が心地よく
再び映画というメディアコンシャスな娯楽へとわたしを>>続きを読む
この男の生き様にただ感服した。
罪と罰。マイナスを0に戻すだけ。プラスにしてはいけない。
それでも誰かと出会い、誰かを変えたいと願い、誰かに変えてもらう。
そして己と向き合う。
シンプルなConver>>続きを読む
この男が人とどれだけ向き合って、腑の交流をしてきたのかは知らないが
誇りだった「仕事」をじきに辞め、老いを感じ、家族や旧友や生徒からは大して肩入れされない。
そこに残されたものはなんなのか。
他者から>>続きを読む
坂元裕二の良さと是枝裕和の一貫してきたテーマが合わさるとこんなことになってしまうんだ。
緊張感は最後まで突き抜けていったし
この映画のテーマは映画の外側へと広がって見た後の体への重みが凄かった。
カ>>続きを読む
ほんと沈痛な映画だった。
隠された感情を暴き出していくカメラは
残酷にも嘘をつかないと言ってるかのように。
言わなかったこと、言えなかったこと。
父と娘という繋がりでなくとも
人間関係でもそういうこ>>続きを読む
少年から中年にかけて友情を育み親友となり、人生の岐路を迎える。
都市と山、作家と農家、「父親」という象徴をどう捉えているかなど対比的な関係の二人が、そういうしがらみを超えて繋がることはできるのかという>>続きを読む
骨と死者蘇生。
架空の1901年の映画らしく
上手い具合に当時らしさが出ている。
にしても想像を超えてくる映像。
森を目指した彼と運び屋。
この窮屈で陰鬱な物語は孤独を真に捉えてる人に響くものだと思う。
粗雑なカメラやビビットな音響も含めて
この映画の緊急性は高まっている。
伝えてくるのはシンプルなメッセージで>>続きを読む
この非物語のようで物語的な映画は
「反映画」のようである。
伊藤監督の中には詳細な設定があるということから、全てを出さない伝えないという反発が見て取れる。
ナチュラルに現行の映画文法を疑っているのだろ>>続きを読む
色々初期作品を見たが
ベタにこれが一番好みだった。
時空間を歪めてくる表現の引き出しの多さ。
一室の中に立ち込める不穏と狂気と安寧。
ボカノウスキー『天使』が凄い好きだけど
これも似たような技法の作>>続きを読む
延々見てられるくらいかっこよかった。
これを超えてくる表現は流通してるのかっていうくらい鮮烈だし、この丹念さは尋常じゃない。
劇場版5作の中では一番まとまりがあった(補完映画なので)。
やっとこさ見ることができた。
実験映像の方はみたことあったが
劇映画でもその癖をうまいこと(?)織り混ぜている。
大島渚、吉田喜重や勅使河原宏への敬意はよく感じられたり、同時代の寺山修司に通ずるオイ>>続きを読む
アケルマンの夜は美しい。
この何十通りもの、夜のconversationの反復に酔いしれ、画面に吸い込まれそうになる。
映画は「時間」だとよく分からせてくれる。
時間を忘れて無限に見てられる。
イタリア首相暗殺事件。
事実と真実の関係を揺さぶるようなドラマ。
現実そのものが小説めいていて、緻密に描くにはこのくらいの時間が必要だったんだろうな。
すんげえモノ見せられた。
社会に絶望した時にやってくる何か
(それは自分が悪と言い切っていいのかは分からないが)は病理からなのか、ありふれた日常の退屈からなのか。
この作品が問うてくる善悪の彼岸はあまりに冷徹。
法は機能し>>続きを読む
カフカ的な街の設計から、奇妙なキャラクターがあてもなく巡る話。
突然入るバッドがスパークして次の朝が来る。
つげ義春?
街を歩くことは今はなき名もなき人たちと歩くことであり、ないはずの息遣いを探しに>>続きを読む