夏野菜さんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

夏野菜

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オーバー・フェンス(2016年製作の映画)

3.5

作風はユルいのに、作品で描かれている話題は重い。
心地よくも、掴みどころのない雰囲気を象徴するかのような、蒼井優の浮き沈み激しい演技が印象的。
当事者で接するのはしんどそうだけれど、これほど魅力的なメ
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.7

ゼロになっても、マイナスになっても、生きていく。

原点回帰で戦後の日本を舞台に大暴れするゴジラ。
ゴジラの対抗馬としての大怪獣も、オーバーテクノロジーも存在しない。ただ、ゴジラの恐怖だけが強調された
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9人の翻訳家 囚われたベストセラー(2019年製作の映画)

4.0

世界各国から集められた翻訳家たちが、ビックリするくらいにみんなキャラが弱い。
ただその弱さが、犯人予想ダービーの難易度とミステリーの完成度を上げている。

ここまで密室度を上げてしまうと、オチはこれ以
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インファナル・アフェア(2002年製作の映画)

3.5

とにかく2人がカッコいい。
コッテコテの裏社を舞台にした硬派な話なのに、作品自体を爽やかに魅せてしまうほどの爽やかイケメンたち。
冒頭に事情聴取とステレオ販売のエピソードを持ってきて、主役2人の優秀さ
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悪の法則(2013年製作の映画)

3.3

浅はかで愚かな男たちの末路。

悪の社会が、当たり前のように身近に存在していて、それでいて全くもって容赦ない始末がえげつない。
エンタメ性の一切を排除した演出は、映画としての面白さを度外視した冷たい恐
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イルマーレ(2006年製作の映画)

3.6

異常な状況下で出会った男女は、長続きしない。

手紙のやり取りだけで物語が進むオリジナルの情緒的な作風に対して、直接的な会話やエピソードが追加されたこちらのリメイク作品。
エンタメ性が上がって分かりや
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ターミナル・ベロシティ(1994年製作の映画)

3.5

お調子者で向う見ずのカッコつけマン。
チャーリーシーンのキャスティングありきで作られた作品だと思えるくらいイメージピッタリのハマり役。

一方でナスターシャキンスキーはロシア美女らしい抜群のプロポーシ
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ジュマンジ/ネクスト・レベル(2019年製作の映画)

3.5

忘れた頃にネクストレベル。
思い出せない設定もたくさんあったけれど、細かい設定を覚えていなくても頭カラッポで楽しめるアドベンチャーと、掛け値のないロック様のドヤ顔がオーバースキル。

CG技術も上がっ
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A.I.(2001年製作の映画)

3.5

デイビッドが沢山のロボットに出会い、色々な感情を獲得し、成長していくようにみえる一方で、人間の未熟さが際立っていく。

技術の進化は、人間の進化なのか?
ロボットが緩徐を覚えたとき、人間の優位性はどこ
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沈黙シリーズ第3弾/暴走特急(1995年製作の映画)

3.5

沈黙の戦艦の正統な続編なのに沈黙の長野冠していないチグハグなネーミングセンス。

冷静沈着な戦うコックさんと、お調子者のポーターのコンビネーションが素敵。
若き日のキャサリンハイグルも勝気な性格が実に
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ファイナル・プラン(2020年製作の映画)

3.6

俺のやり方で決着をつける。
怒らせたらダメな人の、色んなパターンを更新していくリーアムニーソンのキャリアが一番の化物。

悪いことしてるけど良い奴。を演出するのって結構難しいと思っている。
リーアムニ
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グリーンブック(2018年製作の映画)

3.7

素行の悪い白人と、上流階級の黒人の交流。
ウィゴモーテンセンが更生していく展開になると思っていたら、価値観の違う2人がそれぞれから影響を受けて、それぞれが変わっていく様子が素敵だった。

それでも黒人
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ブルー・ストリーク(1999年製作の映画)

3.3

偽刑事として単身警察署に乗り込み、出まかせでその場を乗り切っていくマーティンローレンスの立ち回りはさすが。

ピザ配達員への変装とか、コメディアンとして優秀なのは伝わってくるが、バッドボーイズでウィル
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イルマーレ(2001年製作の映画)

3.5

手紙のやり取りだけで進む物語。
展開の運び方には少し言葉足らずなところもあるけれど、それが奥ゆかしさに繋がっている。
エンタメよりも、芸術性を求めているような雰囲気が、韓国映画としては珍しい。

芸術
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シェフ 三ツ星フードトラック始めました(2014年製作の映画)

3.6

料理人としての腕前と、リーダーとしての素質と、良きパパとしての人柄は別物。
何もかもが完璧でなくてもいい、みんながいるから。
料理人としてのサクセスストーリーとしてではなく、周りの人達との絆が深まって
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孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)

3.7

ヤクザは悪い顔をして悪いことをする。
政治家は正しい顔をして悪いことをする。
だったら警察は?

鈴木亮平の存在感が抜群。
初登場の後姿から発せられるオーラから禍々しくて、名だたるコワモテ俳優を黙らせ
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T-34 レジェンド・オブ・ウォー(2018年製作の映画)

3.8

娯楽戦争映画の最高峰。

何の説明も無いまま、いきなり突入する雪上戦がいきなり胸熱。
戦車が機敏に動けることはガルパンで学習済みだけれど、それでも実写での迫力と説得力はアニメの比じゃない。
ハイスピー
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スライディング・ドア(1997年製作の映画)

3.7

あの時こうしていたら、未来は変わっていたかもしれない。
もしも、の世界をネタにした作品は少なくはないけれど、もしもの世界とリアルタイムに両軸でストーリーを進行させる発想が斬新。

映画は上映時間が決ま
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サイド・エフェクト(2013年製作の映画)

3.6

本編が始まるのは30分以上経ってから。
冒頭は盛り上がりに欠け、物語に入り込むタイミングを見失いかけていたけれど、このクソ長くも丁寧な前フリがあったからこそ、後半の切迫した緊張感がよく活かされていた。
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ジョン・ウィック:コンセクエンス(2023年製作の映画)

4.0

その報いは、誰かが負わなければならない。

これまでは良くも悪くも敵がモブキャラ同然で、ジョンウィックがひたすら死体の山を積んでいくさまが爽快だった。
今回からはジョンウィックのように戦わなければなら
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スプリット(2017年製作の映画)

3.5

サスペンスにおいて多重人格とくれば、ネタバレ厳禁の衝撃の真実として、ヒントとミスリードを散りばめて物語が構成されていくのが定石。
それをあえて最初から明示したうえで、多重人格の異様さで恐怖を感じさせる
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エンド・オブ・デイズ(1999年製作の映画)

3.3

シュワちゃんvsサタン。

人を人と思わないガブリエルバーンの見下した演技が魅力的。
アクションスリラーとしては普通に楽しめる設定と展開ではあったけれど、シュワちゃんをキャスティングしている以上は筋肉
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イエスタデイ(2019年製作の映画)

4.0

世界で最も認知されているバンドなのに、劇中歌の半分も知らなかった。
それでも。半世紀近く昔の曲でも、新鮮で、カッコよくて、心打たれる。

ビートルズのことを世界が忘れてしまったら?のifストーリーに対
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U-571(2000年製作の映画)

4.0

味方の援軍は頼れない極秘作戦。
勝手の知らない設備で生き延びなくてはならない状況。
もともと閉鎖的な戦場である潜水艦のなかで、さらに窮地へ追い込んでいくの展開の魅せ方が秀逸。

娯楽性の高い戦争映画で
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海辺の家(2001年製作の映画)

3.8

家を建て直して、家族の絆を取り戻す。
ご近所さんも巻き込んで賑やかになっていく様子が楽しそうで良かった。

繊細で、周囲の環境の変化を受け入れられず、感情のコントロールが上手くできない。
アナキンもそ
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スペシャリスト(1994年製作の映画)

3.2

シャロンストーンのセクシーショットのオンパレード。スコアの8割は彼女に捧ぐ。

一方のスタローンはというとムッツリ彼女をストーキングしながら夜な夜な爆弾を作るという陰キャぶり。
唯一の肉体アクションの
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アメリカン・ヒストリーX(1998年製作の映画)

3.5

エドワードノートン。出所前と出所後で、文字通り人が変わったような演技が、相変わらずの怪物。

自分の心を入れ替えるよりも、他人の心を動かすのはよっぽど難しい。
歴史は繰り返す、人は歴史から何も学ばない
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孤狼の血(2018年製作の映画)

3.8

松坂桃李という一般人と感覚が近い主人公がフィルターになっているので、ヤクザ映画館としてはかなり観やすい。

正義感が強い若き警察官がみた社会は、警察もヤクザも変わらない。

法を守ることが正義なのか?
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ファミリー・ゲーム/双子の天使(1998年製作の映画)

3.6

ディズニープレゼンツらしい展開運びと大円団。
執事、乳母をはじめサブキャラも魅力的なのもディズニーならでは。

リンジーローハンのいたずらっ子がハマり役。キャンプで、あのままイタズラ合戦見ていたいくら
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EXIT(2019年製作の映画)

3.7

有毒ガスから逃げる。より高い所へ。

天災や事故ではなく、作為的に起こされた事件に巻き込まれるという設定が、パニック映画としては珍しい。
他にもグループの誰かが死亡フラグ踏んで犠牲になるような展開も少
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アンビュランス(2022年製作の映画)

3.6

マイケルベイのなかでもアクションパートとドラマパートのバランスが取れた作品。
いつもの天才的なカメラワークに加えて、テンポの良さも改善。
救世主が宇宙に旅立つまで、デコトラがロボットに変形するまでに1
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最強のふたり(2011年製作の映画)

4.2

誰が見ても羨ましい関係の築き方。
まさしく最強。

踏み込んで欲しいところ。
そっとしておいて欲しいところ。
考え出すとキリがないけれど、相手をまっすぐ見るのと同じくらい、自分のこともまっすぐ自己肯定
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ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア(1997年製作の映画)

3.5

ハチャメチャなロードムービーで、現実感が無いのに、どこか夢見心地が良い。
主役2人だけでなく、マフィアも、警察官も、銀行員も、リアリティは伝わらないのに、人の温かさを感じる。

やりたいことリストを作
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レスラー(2008年製作の映画)

3.8

レスラーの生き様を描きたかったわけではなく、根っからのクズではないものの、クズな生き方しか出来ない不器用な漢の生きる場所が、リングの上しかなかったという話。

レスラーとして1級品のサービス精神も、ス
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ロンゲスト・ライド(2015年製作の映画)

3.7

手紙。
戦争。
教養ある都会的美女と地元で生きるワイルド男子。
好きだけど別れる選択。
見たかったものを見せてくれる安定のストーリーがここにある。

ブルライディングもなかなか見応えがあって、競技その
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ゴーン・ガール(2014年製作の映画)

3.8

世間体さえも気にしながらお互いに妥協しないと成立しない夫婦関係と、どんなにクズな部分を知っても根本的には信頼し合っている兄弟関係の対比が、皮肉めいている程に秀逸。

実際に起きた事件をベースに、夫婦の
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