最初のバスを遠くから撮るカット、最後のアパートのカット、どこか「CURE」を思い出する切り取り方だった。
改めてボブディランの曲を、それも一切遠慮のない名曲ばかりを映画館で聴ける。なんて贅沢なんだろうと思いつつ見ていたけれど、ティモシーシャラメが全部歌っているという。歌だけじゃない。ティモシーシャラメを通>>続きを読む
このやるせなさというか、後にも戻れないし時代は過ぎていくし…という無常感が21世紀のヤクザ映画の真髄なのだなと思う。こういう北村有起哉が1番かっけー
撮れる/撮れないのせめぎ合いと、撮れたから分かる/分からないのせめぎ合いと、それを全て映す映画の面白さと…。
「劇的なことが起きらない限り暗闇から出られない」みたいな、少し立ち止まってしまうような台詞が多かった。悲しいこと、嬉しいこと、どちらもうまく顔に出そうとしないユアンマクレガーが壁に向かって涙してしまう>>続きを読む
映画館で見れなかったのは心残りだけど、2年前のサマソニを思い出して胸がキュッとした。
意外と面白い!ブルースの性格がハルクがなぜハルクたるか、を表しているのがいい。初期のMCUのこの匂いが好きすぎる。
真っ白な雪の中で大勢が一斉に銃を構えて撃たないシーン、そしてものの数分で全員で撃たれ合うシーン、なるほどこういうガンアクションの見せ方があるんだと驚いたし、銃という存在の重さと人間の傲慢さを重ねていて>>続きを読む
うわ!めちゃくちゃ面白い。登場する人たちがどう生きてきたのかがアクションで分かる。当然こうなるんだろうという展開をそのまま進んでくれるから嬉しい。城砦のいかがわしさというか、アジア的猥雑さのディテール>>続きを読む
これくらい細かくカットを刻んでテンポをあげ、いくつかの質感の映像と本当のニュース映像(と作られたニュース)を挟み込み、そしてクリスチャンベールのような怪演を2時間に詰め込んでしまえば、映画って恐ろしい>>続きを読む
90年代末から2000年代の映像表現だ、と膝を打つ瞬間が多い。Radiohead、マリリンマンソン、ナインインチネイルズ、いくつかのミレニアム近辺のバンドのMVや世界観に近い荒廃感はなじみ深い。
昔カフカの「変身」を読んだときに、不思議な淡白さを面白がりきれなかった記憶があるが、起こっていることは奇妙なのに淡々としているこの映画の雰囲気はまさにそんな感じだった。
面白かった!まずセバスチャンスタンのトランプへの憑依具合が恐ろしい。自由の国アメリカ、はこういう映画が作られるからこそ保たれているんだなー。
最初の30分、本当にワクワクした!オタクが本気で二次創作すると流石に威力がある。
荒野の中にポツンと真っ赤な帽子が見えたり、無機質な高速の下に赤い車が並走したり、屋上の緑のライトだったり、原色の使い方が印象深い。
京都の町は観光地ではなくあくまで生きた町なんだと分かる。特に祭りのシーンは実際の祭りの中で描いているからこその緊張感がある。終映後に流れたメイキングで「"父の不在"という問題に対して90年代の問題意識>>続きを読む
エンドクレジットの前に「実際の事件でした」と明かされることで観客は急に映画の中の世界と生きている世界が地続きだと知り、ここでファンタジーとリアルの境目がなくなるわけだけど、本作に関しては地続きだと知ら>>続きを読む
誰かをケアすることは自分を大事にすることでもある、ということを不器用に画面に映す映画だ。