ninekoさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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リンカーン(2012年製作の映画)

4.2

いま爆発的に話題になっている東京都知事の評伝を読み(スキャンダラスな側面が取り上げられがちだが、実は現代日本の政治史がよくまとまった読み物になっている)、そういえば観たけどマークしていなかったなと思い>>続きを読む

葛城事件(2016年製作の映画)

3.8

今っぽいといえば今っぽい、いわゆる「胸糞」映画。いかにして観客に不快な思いを抱かせるかということに腐心しているようだが、全体的に演出はかなりオーソドックスで、ウェルメイドな印象すらうける。それとコイン>>続きを読む

ノーカントリー(2007年製作の映画)

4.4

「何食わぬ顔で人を殺す瞬間自体を描けるのが映画の強み」と喝破したのは黒沢清だが、中身を欠いた暴力装置として淡々と人を殺してゆくアントン・シガーは(黒沢的な意味での)「映画からの使者」、ヒーローである。>>続きを読む

ミッキーのミニー救出大作戦(2013年製作の映画)

5.0

短編。もしかすると2010年代ディズニーの最高傑作はこれかもしれない。劇場で、3Dで観てみたかった......このつくりを長編でやれたら『スパイダーバース』を余裕で超えられると思うけど、どうだろう。

この世界の(さらにいくつもの)片隅に(2019年製作の映画)

4.4

前のver.よりもはるかによくなっていた。予算がついたためか作画は見違えるようだったし、ばっさり切られていたリンさんのエピソードが追加されたことで、物語には奥行きが生まれていた。エンドロールが流れる中>>続きを読む

トイ・ストーリー4(2019年製作の映画)

3.6

事前にあらすじ(というか結末部分の概略まで)を頭に入れていたせいか、あるいは直撃世代の割に僕自身があまり『トイ・ストーリー』そのものにさほど思い入れが深くないせいか、そこまでダメな作品には思えなかった>>続きを読む

アナと雪の女王2(2019年製作の映画)

4.8

字幕版を2回観た上での差し当たっての点数。時間ができたら詳しく書きたいです。語るべきポイントが多すぎるので、ネタバレにならないよう注意しつつ、主なところをざっと書き出してみます。


・最冒頭の人形劇
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セッション(2014年製作の映画)

3.6

映画にハマりたてくらいの頃に観て少なからず衝撃を受け、このサイトでも星5だのオールタイムベストだのと大騒ぎした作品だが、その後いろいろな作品を観るにつけ自分の中で「本当に最高の映画なのか」という部分が>>続きを読む

ジョーカー(2019年製作の映画)

3.6

映画は基本的に「現実のその先」を見せてくれるものだと自分は考えていて、特に(前評判や大まかなあらすじを聞いてからは)本作にはその力を期待していたのだけれど、そこは意外と現代的なイシューを大人しくなぞる>>続きを読む

かぐや姫の物語(2013年製作の映画)

5.0

2013年と言えば『アナと雪の女王』で、これはアニメに限らず映画史的にもエポックを築き上げた作品と言ってよいと思うが、同作が”Let It Go!”と叫んで世界中の女性達をエンパワーするよりも前に(製>>続きを読む

ゲット・アウト(2017年製作の映画)

4.0

ジャンル映画としてのアイデアだけを取り出すと荒唐無稽な話なのだが、役者の演技に支えられた雰囲気作りと、ポリティカル・コレクトネスの概念が浸透した昨今の社会でこそ際立つきわめて現代的な問題提起(この辺を>>続きを読む

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

3.6

タランティーノ版『君の名は。』(これネタバレですか?)。

『イングロリアス・バスターズ』以降の3作を観ていないので最近のタランティーノ作品の傾向みたいなものを掴めていないのだが、若い頃の作品に比べる
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君の名は。(2016年製作の映画)

4.4

初見時につけた点数は3.6点だったのだが観返すほどに自分の中で評価が上がり(逆に、おっぱいネタとかは観るたびにしんどくなっていくが)、『天気の子』鑑賞後の今となってはこのくらいまで来ている。つまり僕は>>続きを読む

ホーホケキョ となりの山田くん(1999年製作の映画)

5.0

度肝を抜かれた。こんなに面白い作品だったのか。紛れもなく高畑勲の最高傑作であるだけでなく、ジブリの中でも一、二を争うマスターピースだと思う。まさか日本のアニメで『白雪姫』や『眠れる森の美女』初見時レベ>>続きを読む

サマーウォーズ(2009年製作の映画)

4.4

まあ、少々手垢がつきすぎたというか、人口に膾炙しすぎた感はある。当時、ジブリ以外のアニメ映画としては稀な国民的ヒット作となり、金曜ロードショーの常連としてこれまでに5回(!)もTV放映された(ついでに>>続きを読む

バケモノの子(2015年製作の映画)

3.6

自分が観測した範囲での評判がよくなかったのであまり期待せずに観たけれど、普通に楽しめた。観ていて否応無く心を揺り動されるようなパワーのあるシーンがあるというわけではないのだが、逆に「これはイヤだな」と>>続きを読む

おおかみこどもの雨と雪(2012年製作の映画)

4.2

初めて観たのだが、『サマーウォーズ』の次にこれをやったのは色々な意味で凄いと言わざるを得ない。一部の観客に戸惑いを与え、批判が噴出した一方で、本作が大ヒットし、日本アニメ界に風穴を開けた(と評価する声>>続きを読む

レ・ミゼラブル(2012年製作の映画)

3.2

ほぼ全編歌唱(セリフかと思いきや歌だったというパターンの多さよ!)という潔さと役者陣の熱演、何より有無を言わせぬ名曲パワーでゴリゴリ押し切る2時間半。映画として鼻につく部分も意外と少なく(『オペラ座の>>続きを読む

プロメア(2019年製作の映画)

3.6

いつも通りのTRIGGER節で、演出メソッドは『グレンラガン』や『キルラキル』からほとんど何も変わっていない。ただ、この荒唐無稽なゴリ押しっぷりは予想通り映画館の大画面&大音響と相性がよく、概ね楽しか>>続きを読む

海獣の子供(2018年製作の映画)

3.8

原作未読。

『崖の上のポニョ』×エヴァ『まごころを、君に』×テレンス・マリック作品という感じ。少女のビルドゥングスロマン的な側面が無いとも言えないが、とにかく徹頭徹尾メタフォリカルで、特に後半は神話
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名探偵ピカチュウ(2019年製作の映画)

3.6

友達がツイッターで言っていた「映画としては70点。ポケモンとしては2000点」という評価が最も的を得ている。

インセプション(2010年製作の映画)

3.0

「これは皮肉でも何でもないが、ここまで金と時間とその他諸々のリソースを無駄遣いして映画を作れるのは今やノーランくらいのものだろう。僕にとって彼の映画を観る楽しみがあるとすれば、そのリッチさを感覚的に共>>続きを読む

インターステラー(2014年製作の映画)

3.6

ずいぶんと久しぶりに見返した。当初は猫も杓子も大絶賛ムードで、そこに対する逆張りの気持ちが少なからずあったこともあり最初から喧嘩腰で観てしまっていたが、四年以上が経過した今となっては、ある程度フラット>>続きを読む

スパイダーマン:スパイダーバース(2018年製作の映画)

4.6

以下、私自身のTwitter投稿をベースに加筆修正をしています。

(Rev: 2019年4月5日、2D吹替で再見後のツイートをベースにした感想を追記)


2D吹替で再見。初見時(IMAX3D)は
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ミッション:インポッシブル/フォールアウト(2018年製作の映画)

4.0

アクション映画としてとんでもないことを次から次へとやってのけているのは誰の目にも明らかだ(特にパリでのカーチェイスとヘリコプター・スタント。頭おかしい)が、それよりも個人的に驚いたのは、この映画がじつ>>続きを読む

若おかみは小学生!(2018年製作の映画)

3.0

一流スタッフによる極上の作画(特に背景や美術)を堪能していたら、対向車線から飛び出してきた山寺宏一に轢かれた。

万引き家族(2018年製作の映画)

4.2

優れた映像作家による、端整な作品という印象を受ける。良くも悪くも。演出やディテールは緻密に積み重ねられ、監督自身による編集には無駄がなく、音楽も(これはスコアを書いた細野晴臣の功績が大きいだろうけど)>>続きを読む

ファントム・スレッド(2017年製作の映画)

4.4

ほぼ全ショットがこの上ない映画的ゴージャスさに満ち満ちていながら、浮かび上がるテーマは卑近というか矮小(このあたり、確かにキューブリック的だ)で、そのぶっ飛んだアンバランス度合いにおいて、流石というほ>>続きを読む

リロ&スティッチ(2002年製作の映画)

4.6

キャラクター・ムービーであることは間違いなく、それを成立させるうえで不可欠な生命力溢れる2Dアニメーションが(3Dでは味わえない)視覚的な快楽を存分に与えてくれるが、それだけでは終わらないドラマ性に泣>>続きを読む

ウォーリー(2008年製作の映画)

3.8

こじらせボーイミーツガールかと思いきや(そうではあるんだけど)、普通に冒険してた。そこは少し期待外れ。

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書(2017年製作の映画)

4.2

真っ当に面白いと分かっている映画を観に行って、期待通り真っ当に面白いということの贅沢さ。クローズアップの多いカメラはやや鬱陶しいが、名優の演技に助けられている。エンディングもキレ味があって良い。

アナと雪の女王/家族の思い出(2017年製作の映画)

2.0

姉妹が歌う曲は良かったけど、長い。てか22分もあったのか。

リメンバー・ミー(2017年製作の映画)

3.4

映像は超絶的にハイファイ。当代におけるCG美術の極致を堪能できることは間違いないが、『カールじいさんの空飛ぶ家』(および、多くのピクサー作品)と真っ向から対立するようなメッセージにモヤモヤ。それを置い>>続きを読む