主演のメルギブやレイ・ウィンストンを始めとするマッチョな役者が勢揃いしたB級社会派ノワールの逸品で、職人監督マーティン・キャンベル作品の中でもかなり上質な部類。脚本はウィリアム・モナハン。
贅沢なプログラム・ピクチャーの要素をふんだんに取り入れた、掘り出し物的な魅力を兼ね備えたB級映画ならではの、良い意味で画面の安っぽさの効いた作品である。
５０年代のRKO作品や往年のフライシャー、アルドリッチを彷彿とさせる米国のヌエ的な世界観が見もの。
意表を突く悲劇的なラストなのだが、なかなか渋い男のダンディーな生き様が刻印されたアナクロ感が堪らない作品。全体的に落ち着いた正攻法のカメラワークが光る、ハリウッドの御家芸とも思える「美学」を其処彼処に感じる作品。
この監督には何か奇妙な独自性を感じる私であった。おちまい！☺️
