夜の奥まで
迷い込んだ日のことを
今でも憶えている
騒ぐ星影
睨みつける目のことを
確かに憶えている
心が幾度と割れようとも
セロハンテープを使えばまた
元通り
だったのに
そんなことをしていた>>続きを読む
思い出に混じる
不純に見えた
その色のことばかり
この頃は考えてしまう
少しでも加わったのならば
消える筈もなくて
薄めるか
また重ねるしかない
一筆書きにしなくても
繋がっていれば
何とかなるさ>>続きを読む
せせら笑う
声がする
耳の奥で響く
イマジナリーで
オリジナリティーな物語
アイは愛になった途端
愛ではなくなってしまうんだ
痛いくらい
同じところが
もうずっと痛い
判るを通り越して
もうずっと>>続きを読む
諦めは潔く
まだ深く
打ち寄せる波に
足は取られないよう
汀に落ちる貝殻を
捜しながら
囁く声は
沈黙に混ざる
消えることはないけれど
それは美しい私語
独り言にもなりきれていない
投げかけたよう>>続きを読む
罪も罰もなく
落ちるところまで
落ちるからには
土産話の一つでもないと
いつか君の
ユーモアに救われたってさ
手紙にでも書こうかな
回り続ける
星に一発
止まる訳もないのに
このくらいの
ネジの飛>>続きを読む
夢のまま
醒めなければ
気にすることも
多くはない
嘘のまま
飽きなければ
気にすることも
多くはない
優しさとはいつだって
外からやってくる
それがあなただったからとか
痛みに慣れたら
楽にな>>続きを読む
結末にしても
感動は要らない
落ちる涙が
勿体ない
物語が終わる時には
ただそっと
その本を閉じるように
一秒
そして降り積もる
途切れることは
そうそうない
一生
やがて舞い上がる
千切れること>>続きを読む
晴れた日に買った傘が
雨を知る頃には
影も先に帰っていて
あとは長い独り言
道を尋ねられたのならば
どうぞ道すがら
また遠回り
そうして全てが
一つの海へ
ぞろぞろと行き着く
「ただいま」もなくて>>続きを読む
通り一遍の運命に
落ちる紙吹雪
祝福とは裏腹に
夢を見る
傾けた世界を滑るのは
歪んでいないビー玉
願うだけ滲む
美しい影
乞うが故に
結ばれることのない糸
まだ知らない癖に
諦めてしまう前にきっ>>続きを読む
消えないままで
在り続けるという星
何を照らすでもないけれど
光を抱く
回っていなくても
また巡り逢えることを
信じている
軽々しくは言えない
大事な言葉ばかり
ポッケに詰め込んでいるから
少し歩>>続きを読む
それが何かは
判らないけれども
違うということだけは
判るような気がする
好き嫌い
そんな単純でもないから
とどまらない
終わらすことはできる
それがどんな形でも
ピリオドは打てる
なのにそうなら>>続きを読む
綺麗な顔をしていると
二度とは見られぬ
青空のことを
ふと思い出してしまいそう
誰ともなく
名を呼ぶ声の方
いつかの
私から目を離すと
まるで遠い国の話かのように
ただそこで
じっとしている
ああ>>続きを読む
輪廻で漕ぐ舟
進みながら沈めて
届くだろうにも
日は暮れる
言葉足らずだったらば
終わるまで待つわ
その旨を
答えなんてきっと
誰かの設え物で
こちらの応えまでも
整っている
その方がずっと楽だか>>続きを読む
灼けた背中に
煙は立たず
それでも焦げた
はらわた
ほんの少し
ピントがずれるだけで
喜劇
ひらがなで語り合いたい
言葉が緩やかに
解けてゆくように
等しく時間をかけて
ひらがなで語り合いたい
痛>>続きを読む
黄昏れは気まぐれ
その深さまで
降りてみないことには
熱も出ない
手を繋ぎたいだけだった
空を切った爪が光る
刺さる
世界は全て
何処かでちょっと
重なっている
それは山折り谷折り
象ればどうにか>>続きを読む
空に触れるには
この手を伸ばすこと
指先に感じた
風が尻尾
目を瞑れば
むしろ世界は広がって
ただそれでも
しっかりと見たい
この世界のグラデーション
際限のない青の向こう側
行ってみないと
溜め>>続きを読む
一日の長さに驚きながら
温い溜め息を洩らす
あっという間とは
つまり永遠の端
終末に限って
愛を語る
句読点も忘れるように
痛いだけならば
涙に代わる
染みついてしまえば
懐かしくなる
どうなるこ>>続きを読む
時の通りに
逆らうこともなく
流れてゆけば
辿り着いた先に
待ってくれているはず
青に向かって
回れ右
手を引かれた遠回り
どうせ何処かで
繋がっているんでしょ
終わりと始まりが
繰り返すように>>続きを読む
嘘つきになりたい
それはきっと
どんな嘘よりも
ずっと純粋
町を蹴る
靴底に挟まる小石にまで
泣かされてしまう
仕方ない愛
何かと理由をつけては
目を瞑ったのに
いつまで
使い走りでいるのか
いれ>>続きを読む
陽だまりのカーテン
膨らんだまま
影がひとりでに
踊り出す
同時に生きている私たち
あの頃に手を引かれ
いつもつられ
憶えていたのか
忘れられなかったのか
危なっかしいけれど
どこか美しい
そして>>続きを読む
雨がないと
傘は要らない
本当にそうなのか
改めて確かめる
夜は巡る
望まない順番通り
月の代わりに
もう二度と
物語にはしたくない
容易く忘れられる
如実に美しい
それだけ
ただそれだけの風景画>>続きを読む
降りかかる火の粉に
僅かでも触れてしまえば
生き物のように
呻き始める
著しいその成長速度からは
想像もできなかった
形を見せてゆく
もくもくと盛りながら
やがて何もかもを
食べ尽くす
燃え上がる>>続きを読む
水は重たいね
当たり前のようなことを
そうして思い出す
この涙にも
独り分
決められた流れがある
指で追って
目で追って
帰ってくる頃には
元通り
ここで待って
まだ待って
願っているだけでは
元>>続きを読む