Noriさんの映画レビュー・感想・評価 - 10ページ目

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ジュリアン(2017年製作の映画)

4.0

強烈に胸騒ぎのする作品だった。

両親が別れたら、共同親権というのがグローバルスタンダードなのだろうが、この夫が心底ゲスな野郎で、吐き気がした。

自分は悪くない、生まれ変わった、君が必要だ…。女々し
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(1954年製作の映画)

3.0

映画「日日是好日」で言及されていたので観てみました。

どうしようもない旅芸人・ザンパーノと、それに同行する女・ジェルソミーナ。

我々の意思が運命を決めているのか。それとも、運命は予め定まっていて、
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モリのいる場所(2018年製作の映画)

3.0

沖田監督らしい、笑いとあたたかみのある作品だった。

熊谷守一さんのことはよく知らないけれど。自分の好きなように振舞っていても憎まれず、人を惹きつけて止まないそのキャラクターは、観てる人皆憧れるんじゃ
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日日是好日(2018年製作の映画)

3.0

日本で何らかの" 道 "を歩んでいる人には、伝わるところがある作品だと思う。

千を以って鍛とし、万を以って練
とす。長い時間をかけてはじめて気づくものがある。人生もまたしかり。

パッドマン 5億人の女性を救った男(2018年製作の映画)

4.0

愛する妻の為、取り組み始めた(安価な)生理用ナプキン作り。それが潜在的に普遍的ニードを有するものであり、他者評価に左右されることなく突き進んでいく。

どんな取り組みもすぐに結果が出る訳ではなく、愚直
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ブレス しあわせの呼吸(2017年製作の映画)

3.0

人生最後の瞬間に、良い人生だったと言い切ることができるか。
この映画の主人公は、そう言い切ることができていた。

どんなに困難な状況でも、最終的にそこから逃げず歩んでいく。
それが可能だったのは、家族
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おかえり、ブルゴーニュへ(2017年製作の映画)

2.0

歳月を重ね、それぞれに課題を抱えた3兄妹の物語。
3兄妹それぞれに話が分散してしまい、物語の深さが不足している印象。
題材や舞台は良いだけに、ちょっともったいないような気がしました。

マダムのおかしな晩餐会(2016年製作の映画)

2.0

笑わせてくれるし、それなりに面白い要素はあったのだけれど、ピンとこなかった。

ラストのその先を、観客に委ねている(ように思える)点は好感。

孤狼の血(2018年製作の映画)

4.0

名画座にて鑑賞。

いい人ばかりの世の中なら楽かもしれないが、自分も含めていい人だけで構成されている訳ではないのが世の常。

正義とは何か、人間とは何か、そして、今与えられている環境(現実)の中で、何
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グリーンブック(2018年製作の映画)

3.0

ガサツな人物が個人的に苦手なので、相対的に評価が下がってしまっている点は否めない。

それでも、ちゃんと愛し愛され、家族・友人に慕われ、主張すべきは主張する。他者の意見を受け入れ、自らを改めることもで
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ROMA/ローマ(2018年製作の映画)

3.0

劇場にて鑑賞。
期待していたほど良くはないな、というのが素直な感想。

市井の人間は皆、良きことも悪きことも、己の中に呑み込み生きていく。
その日常を淡々と、丁寧に、少ないカット割りで描かれていたな、
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バッド・ジーニアス 危険な天才たち(2017年製作の映画)

4.0

表情筋が余り動かない(ようにみえた)ヒロインは、自なのか、演出なのか。

完璧に仕事をこなし、のし上がっていく物語、を勝手にイメージして観に行ったのだけれど、イイ意味で裏切られた。

外野の声、妬み、
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1987、ある闘いの真実(2017年製作の映画)

5.0

お隣の国の直近の出来事。我々は余りに知らなすぎる、という現実に愕然とする。

正義を貫くために不正義がまかり通る現実。その不正義に抗う個。
その個の集積が大きなうねりとなり、少なからぬ屍をこえて、次世
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洗骨(2018年製作の映画)

4.0

題材、キャスティング、ロケーション、脚本の緩急。揃いも揃って良かった。

奥田瑛二の枯れた感、TV的でない筒井道隆の有り様、訳ありヒロインとしての水崎綾女。
それぞれの個としての、家族としての葛藤と、
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500ページの夢の束(2017年製作の映画)

3.0

実際の自閉症者のための施設がどんなものなのか、全く知らないけれど、この作品の中の建物、居室や職員のあり方は、とても洒落ていて、洗練されているなぁ、というのが、先ず第一に思ったことで。

自閉症者が目的
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ライ麦畑で出会ったら(2015年製作の映画)

4.0

とにかく女の子(ディーディー)が可愛い。もう随分前に通り過ぎてしまった、10代特有の甘酸っぱさ、ほろ苦さが胸に迫ってくる。
誰かと旅をし、恋をして。
人との関わり、対話、時に衝突して、葛藤する。
そう
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ファースト・マン(2018年製作の映画)

3.0

史実に基づく作品だから、当然といえば当然なのだけれど、サプライズを感じなかった。

旅立つ前の一連の場面にも、さほど熱くなるものがなかった。ちょいヒステリックな演出に不快感を抱いたほど。

ファースト
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劇場版シティーハンター 新宿プライベート・アイズ(2018年製作の映画)

4.0

リアルタイムでTVシリーズを観ることができていたというのは、何年前の話なのだろう?
スクリーンで新宿を感じられるならば、と思い鑑賞しました@新宿。

知人がシティーハンターの世界に憧れ、新宿に住んでい
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search/サーチ(2018年製作の映画)

5.0

PC、TV、(防犯カメラの)モニター。(たぶん)全ての映像が何らかのデバイスを通して映し出されており、今この現在とパラレルなストーリーだと感じる。

デバイスがとても身近で、家族に起こった出来事となる
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ウインド・リバー(2017年製作の映画)

4.0

アメリカ、居留地における闇。
都市と地方、持てる者と持たざる者。
全く交わることがなく、別世界に生きる人々。
何もアメリカのみに限られたモノ
ではなく、全ての社会に普遍的なモノなのだろうと思う。

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戦艦ポチョムキン(1925年製作の映画)

3.0

タイトルは聞いたことあるけれど、観たことなかったので観てみました。

1925年、まだロシア革命の熱冷めやらぬ頃の作品だから、当時の人々の熱量がそのまま投影された、というイメージ。
エキストラも含めた
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クリード 炎の宿敵(2018年製作の映画)

4.0

CS無料放送で前作観た上での鑑賞。

話の展開がとても分かりやすく、王道を歩むが如し。
洋の東西を問わず、根性論や下から這い上がろうともがく様は、心つかまれるモノがあるのだなーと確認できました。

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運命は踊る(2017年製作の映画)

4.0

日本を離れると、実は多くの国で人々が火器を携え、火器に怯え、火器に守られ、暮らしているのだなと思う。
ヒューマンエラーが巡り巡って、胃にズシリとくるストーリー。
普通の人の日常が、確かにそこにはあった
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判決、ふたつの希望(2017年製作の映画)

5.0

民族、国家、宗教。
一人一人が依って立つモノ、一人一人の一部であるはずのモノ。
本来は、一人一人の救いとなるべきモノに絡め取られ、拘泥し、自身の桎梏となってしまう。
情報をシャワーのように浴び、即レス
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ハクソー・リッジ(2016年製作の映画)

5.0

沖縄県・前田高地(=ハクソー・リッジ)。この作品が沖縄戦を舞台にしたものだとはまるで知らなかった。
戦場としての沖縄を、スクリーンで初めて観た。
日本という国が国外からどのようにみられている(た)のか
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セトウツミ(2016年製作の映画)

3.0

ダラダラと過ごす、関西高校生の日常。河辺の会話劇に終始しており、何らカタルシスがある訳でもないが、悪くはない。

ただ、至高の映画体験とはならないな、と感じました。

「神妙な」が個人的に好きでした。

映画 山田孝之3D(2017年製作の映画)

3.0

コレを3Dで上映する意図がよく分からないけれど、(フェイク?)ドキュメンタリーとしてそれなりに楽しめた。

全編を通して語られる山田孝之の半生。その歩みに「道」を感じなくもない。

そして、スクリーン
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22年目の告白 私が殺人犯です(2017年製作の映画)

5.0

脚本、キャスト、予算。
手元に今あるピースを最大限に活かし創り上げられた、極上のエンターテイメント。入江悠監督の代表作、といえるのではないかと思います。

同監督の「日々ロック」「太陽」に全くハマらな
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セールスマン(2016年製作の映画)

2.0

予告編を観れば、何者かに襲われた妻、その何者かを見つけ出そうとする夫、という構図が見てとれる。

犯人に対する憤りと共に、妻に対して声を荒げてしまう夫の描写ほか、男の身勝手さ、狭量さを思わずにはいられ
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(2017年製作の映画)

3.0

予告とタイトルをみて、オチが想定の範囲内でおさまってしまっている感はあったが、それなりに楽しめた。

発する言葉って、その人そのものだったりするから。日々更新されていく自身が投影されるもの。

自分の
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メッセージ(2016年製作の映画)

4.0

未知なる生物との接触、時間軸・空間軸の揺らぎ、人間そのもの。

日常にある腹立たしいことや、伝わらないもどかしさ、投げ出したくなる数々の出来事。

それでも、言葉を探して他者になんとか伝えていこうとす
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ノー・エスケープ 自由への国境(2015年製作の映画)

3.0

この作品自体はメキシコ→米国、という人の移動を扱っているけれど、シリアやアフリカ、果ては北朝鮮から抜け出して、今よりマシな世界へ向かおうと希求するのは自然なこと。
日本国内でも地方から都市へという流れ
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ブルーハーツが聴こえる(2016年製作の映画)

4.0

「ハンマー(48億のブルース)」>「ラブレター」>「1001のバイオリン」>「少年の詩」>「ジョウネツノバラ」>「人にやさしく」。

飯塚監督の「ハンマー(48億のブルース)」。言葉の選択とリズム、踊
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溺れるナイフ(2016年製作の映画)

5.0

菅田将暉、小松菜奈。若く美しい二人の今が、フィクションの中で切り取られている。

土地に縛られる者、その土地の呪縛から解き放たれる者。
東京ほか都市に住む者も、何かに囚われていれば同じこと。

頑なな
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あの娘が海辺で踊ってる(2012年製作の映画)

5.0

2017年4月、ポレポレ東中野にて鑑賞。

2012年の公開初日以来、何度あなたと出会っただろう。
舞子も菅原も、映像の中の彼女達はそのままに、我々観客は年齢を重ね、新たな価値を映像に見出していく。作
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スペース カウボーイ(2000年製作の映画)

3.0

反骨精神ギラギラの男の物語。
クリント・イーストウッドって変わらないなぁ。

爺さんになっても、現役であること、男たること。
老体にムチ打って、己に、ミッションに、立ち向かっていく姿勢が良かった。
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